最近暑いですがここでひとつ、怖い話でも。
常にクーラーをつけてまして、熱中症になるよりマシだと電気代はもうあきらめているですが、
リモコンどっかにいきました。
夢を見ています。
夢の中の私は寒くて、暗い道を歩いています。
理由も宛先もなくただ歩いていくけど、どこに向かっているのかは何となく覚えています。
後ろには温かい日差しが照らす、みんながいる場所があります。だけど私は背中を向けて、歩くのです。その先に何があるのかは分かりません。
とても暗くて、寂しい道ですが歩き続けます。
歩いていかないといけない事だけは覚えているからです。
「くぅ!」
全身から発射されるビームの雨、並のパイロットならあっという間にハチの巣にされる猛攻のすき間を潜り抜け躱していくキラ。
避けることができるだけで十分すごいのだが、知る者が見れば動きに精彩さが欠けていることに気が付くだろう。
かつて友人と共に止めた相手と似ている機体。世界に絶望し、苦しみながらも人の強さを信じ続けていたあの人。
いつの日か、酒に酔っていた時にポロリとこぼしていた。
「本当はね、あの時死ぬつもりだったのだよ。いや死ななければいけないと思っていた。そうだろう? 戦争の火種を起こしたのだ、そんな極悪人が命で償わずどうして生きて行けようか」
グラスになみなみと残っている透明の液体をひと息で飲み干し続けた。
「キミ達のコロニーを襲い、命を奪おうとしたのだ。死んでしかるべきだし、キミ達には正当な権利がある……………………だというのにだ」
職場での話を楽しそうに語り、ユウキのおじさんと一緒におばさんに叱られたり、生き生きとしていた雰囲気は欠片もなかった。
「…………幸せに生きる、というのも難儀なものだな。だからこそ、キミ達は幸せになってくれ」
ある意味では兄弟とも言える人の業から生まれてきた者同士、キラにはサングラスの下にある表情が見えた。
「……………………すまない酔ってしまったようだ。水を貰えるだろうか」
その割にはしっかりとした足取りで立ち上がるクワトロ、とりあえず手元にあったラベルは読めないが96と書かれたボトルの液体を注ぐ。
「ふむ、やはり酔った時には水を飲むとスッキリするな。キミ達も将来飲むだろう、覚えておくといい」
「誰なんだキミは!」
お互いにビームサーベルを振り下ろし、シールドで受けとめる。飛び交う光に照らされたフェイスがお互いを睨みあう。
強い意志は感じる、だけど同時に暗く重い怒りや悲しみの感情が動きから感じ取れた。
「おれは、おれはラウ・ル・クルーゼだ! スーパーコーディネイターキラ・ヤマト‼」
「っ⁉」
思ってもいない、いや心の中では予測していた言葉が飛び出てきた。距離をとり、再び降り注ぐドラグーンの攻撃を躱していくフリーダム。
「お前が産まれるために呪われた生を受けた、それが俺たちだ‼」
普段の冷静さが消えうせたように叫び、込み上げてくる感情をそのままにフリーダムへと襲いかかるレジェンド。鬼気迫る迫力にキラは、
「どうしたっていうんだシン!」
そう離れていない場所で火花を散らすのは近接に秀でたジャスティスを多彩な武器を扱い翻弄するデスティニー、押しているジャスティスの方が有利に見えるが焦りがあるのはアスランであった。
「……………………」
以前の騒がしさが欠片もなく淡々とデスティニーを操縦するシン。持ち味である多種多様な武器を使い分ける判断を思考を通すことなく形にする、ある種パイロットの理想ともいえる戦闘スタイル。パイロットが見れば憧れるだろう洗練された動きがデスティニーにはあった。
だが、アスランはその動きを訝しんでいた。
シミュレーションや実践でシンの動きは幾度も確認してきた。
荒さこそあるが、装備を使い分ける器用さと愚直ともいえる素直さをアスランは評価している。フェイントなどの絡め手はあまり使わず、学んだ方が良いと思いながらも発想の広さを活かせるよう、正面からだけではなく初見殺しなど様々な策を使ってシンに見せていた。
まだまだだな、と口にはしても悔しさをバネにして新しい戦法を取り入れたり、自分なりに活かす柔軟さのきっかけになれば、と。
実際はハメ技に近い世界でもそれができるのは何人いるんだよと言いたい戦法ばかり使われ対処法をユウキやハイネに聞きに言っていたが、まぁ結果としてシンの成長には繋がった。
デスティニーがアロンダイトを構え光る翼と共に突撃してくる。ジャスティスがシールドで受けようとしたが、振り下ろす途中で右手を離しパルマフィオキーナを構えた。
だがそれを読んでいたのかシールドの裏から伸ばされた足がデスティニーの腕を蹴飛ばした。
衝撃で軽く飛ばされていくデスティニーだが、ダメージはそこまでないだろう。これまでのシンなら間違いなくアロンダイトを振り下ろしきっていた。その場合ジャスティスは片足を失い不利になっていただろう。
デスティニーの武装を活かした攻撃ではある。だがシンの攻撃ではない。
「シン!」
俯き気味に相手を逃がすまいとジャスティスを睨みつけるデスティニー。
機体を活かすのではなく、機体に活かされる操縦。その姿が、アスランにはまるで自分の選んだものではなく、
「この、バカヤロー!」
「……………………」
聞こえているはずの罵倒にも答えることなく、シンはデスティニーを動かした。
「なんだこの嫌な感じ……お前等気を抜くなよ!」
「「「はっ!」」」
ムラサメ隊共にアークエンジェルの護衛をしていたムウが油断していた、なんてことは欠片もなかった。むしろ戦場の不気味な気配を感じ取るほどに神経をとがらせていたと言っていい。
しかし死神は身構えていたアカツキの背後へたやすく回り込んだ。
何もない空間から生えてきたビームサーベルがアカツキの首へと振り下ろされ──────
「やらせんよ」
離れた場所から放たれたビームが2機の間に割り込んだ。
「なっ…………」
「はぁっ!?」
「大丈夫かね?」
それはザフトからは憎むべき相手として、オーブからは自国を守る機体として名を馳せた白い悪魔。
「クルー「クワトロだ」……あぁもう! ここは俺たちがやる! アークエンジェルを頼んだ‼」
「りょ、了解!」
飛び去っていくムラサメを見送ると、バエルは何もない空間へビームライフルを向けて引き金を弾いた。
「!? マジかよっ!」
シールドを構えて現れたのはネオの駆るラーフ。
「おいおい、どうやって見つけたんだよ」
「慣れているのでね、種も仕掛けもなくて申し訳ない」
「そうかい……………………手伝ってくれるってことでいいんだな?」
「気に障るようなら他所へ行くが?」
「あーもう! やってやるよ‼」
金と白のモビルスーツを前に、黒い翼の機体が立ちふさがる。
「…………ずいぶんとまぁ楽しそうだな」
なんとなく、羨ましいという感情をもってネオは目の前の2機へ挑んでいく。
「……………………なんだってんだよ」
ミラージュコロイドを発動しメサイアへと向かうセレニティ。時折被弾しそうな味方をドラグーンで防ぎ、通りすがりのキラとアスランへひどいよぉスタンプを送ってバレることなくメサイアへとたどり着いた。
敵の本陣へとたどり着いたというのに、ユウキの表情は暗い。
むろん陽電子リフレクターという防御網があるが、絶対的というわけではない。多少時間はかかろうとも解除するか、ザフト兵の出入りの際に侵入もできるだろう。
だというのにユウキの足は止まっていた。
まるで、約束を果たすべきだという様に、ここにいなければいけないと身体が固まっていた。
「ヘイムダル、搭乗者確認!」
「ドッキング完了、ハッチ開け!」
「ビフレスト、出撃します!」
メサイアの一部が剥がれたかのように見えた巨大な影、それが現れた時誰もが目を奪われた。
デストロイのような白い巨体、宇宙専用なのか足のように見える燃料タンクがつなげられている。モビルスーツ以上の太さを持つ両腕が背中からも伸び出しており、阿修羅像のように6本の腕が緩やかに構えられた。
「っ!」
頭部に収まるよう座っていたコンコルディアと似たひとつ目のモビルスーツが、ミラージュコロイドで姿を消していたセレニティを、いやコクピットにいたユウキを見抜いた。
全身をうっすらと虹色の光が奔り、背部からマニュピレーターによって伸びてきたパーツが巨体の前で繋がり合うとリングを造りだす。
回転していくリングに呼応するように腹部に備え付けられた発射口にエネルギーが集まりだした時、ユウキは叫んだ。
「! なんてもん持ってやがる‼」
ミラージュコロイドを解除し全力でスラスターを噴かせた次の瞬間、セレニティが直前までいた場所を見覚えのあるガンマ線レーザー砲が通り過ぎた。
アークエンジェルやモビルスーツに乗る誰もが戦闘を中断し目を奪われた光は、月面上に大きなクレーターを作り上げた。
規模こそヤキン、メサイアよりも縮小しているが見覚えのあるその名は、
「ジェネシス……………………」
瞳が揺れるアスランの口から小さく零れた。
夢の中のわたしは、誰かを探しています。
その人は笑っていますが、誰よりも傷つき、誰よりもがんばっているのです。
暗く冷たくて寂しい場所にひとりぼっちでいるとても優しくて暖かいその人を、わたしは──────
「神々が住まう王国の見張り番ヘイムダル。かれは国の危機を知らせる役目を与えられており、巨人の侵攻を防ぐ虹、ビフレストの麓に住んでいる。もっとも神話と違い、ギャラルホルンを吹くだけでなく自ら戦うこともできるのだがね」
まったく、とんだ女神からの贈り物だよ。そう笑う議長の眼はモニター先でメサイアを守護するヘイムダルをコアユニットとした拠点攻略用超巨大モビルアーマー、ビフレストを見つめた。
ヘイムダルのコクピットに座るマユ・アスカは、光のない瞳でセレニティから視線を外さないまま口を開いた。
「わたしは……………………へいわの為にたたかう。この先は誰も通しません」
オープン回線で届けられた静かな言葉。幼い少女の言葉に、聞き覚えのある声に、戦場はざわつき、眼を見開き舌打ちと思い思いの反応を起こした。
「……………………マユ?」
運命の機体に乗る兄は何かが締め付けられつぶれていく無音が耳に響き、
「…………」
セレニティに乗るユウキはある覚悟を決めた。
やっと出せました。協力者の方に設定を考えてもらったので、かなり長いですが乗せておきます。見た目は白色の全裸のアレです。
あと夢云々は好きなアニメのヒロイン、幼妻のアレです。EDの色気なんなの?
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。
ごめん。これは俺が、俺のわがままだ。
────ドラグーンを纏うセレニティのパイロット
以下設定 多少変更したりはあるかもです。
ZGMF - X000A ヘイムダル
コンコルディアをベースに改良し、 ザフトにおけるバエル を掲げた機体。ただし、混合を避けるためなの か、OSはGUNDAMでありながら、機体のマスクは特徴的な形を避けている。防御面はビームシールドにVPSに、ナノラミネート装甲の重ねがけ。これにより、よほどのことでない限りコクピットにはダメージが入らなくなった。もちろん、コクピットはもしもの時に搭乗者を守るシェルター付きである。
武装は、ラミネート装甲を使用した実体剣二本と、ビームライフルのみと至ってシンプル。
また、後述する特殊兵装の中枢に置く機体として使用することを前提として作られている。特殊兵装を使用する前提ではあるが、基礎スペックは高めにされている。
ハイパーデュートリオンエンジンを採用し、デュートリオンビーム送電システムやVLシステムにも対応している。これにより、継戦能力も相応以上に仕上がった。
9.1m 対艦刀ーボウズ
ナノラミネート装甲を使用した二対の剣。名前の由来はヘイムダルの武器。
MA-BAR73/S
言わずと知れた、デスティニーなども運用するビームライフル。ハイパーデュートリオンエンジンから供給されるエネルギーを元に、高出力のビームを連射することが可能。
MX2351 ソリドゥス・フルゴールビームシールド発生装置
こちらもお馴染み、デスティニーガンダム同様のビームシールド発生装置。VPSとナノラミネート装甲の弱点である、連続被弾や実弾関連を防ぐために採用された。
ZGMF-X用モジュール発展型 BIFROST
Battle
Innovation
Formed
Requiem
Operation
Support
Tterminal
(レクイエム防衛サポート発展のために形成された決戦用ターミナル機)
戦場においての終末を作るため、作成されたモビルアーマー。ミーティアの発展系ではあるが、その様相はとても大きくなり、発展前のミーティア似ても似つかないものとなった。
ヘイムダルを中枢に据えて運用することを前提としており、撃墜されてもパイロットの安全を守ることを考慮されている。
ビフレストという名前は、勿論ヘイムダルの逸話関連によるもの。しかし、守るものがレクイエムの発射シークエンスというのは凡そ皮肉である。
早い話が、SEED版ネオ・ジオング。レクイエムを防衛するために開発されたモジュールではあるが、制圧力は高く宙域戦闘においては無類の強さを発揮する。
有線式大型ドラグーン
いうまでもなく、ネオ・ジオングの有線式ファンネルのSEED版。巨体によるエネルギーのリチャージが早く、取り回しも良い。レジェンドに搭載されている、第二世代型のドラグーンをベースとしているので、取り回しも良好。キラ専用である、ストライクフリーダムのスーパードラグーンと遜色ない性能を実現した。
アームユニット
ネオ・ジオングに搭載されていたものと同様で、これによってモビルスーツを掴んだりすることができる。細身ではあるものの、モビルスーツ一機を掴むには十分。また、これを使用してコンテナを牽引など用途も多岐に渡る。
肩部大型バラエーナプラズマ収束ビーム砲
ネオ・ジオング同様の肩部ビーム砲。基本的に高火力を左右に撒きながら、近づくことを許さない。
大口径カリドゥス腹相ビーム砲
ネオ・ジオングの腹部ハイメガ同様、固定式ではあるもののかなりの威力を持つ腹部砲。艦隊などが固まって動いている時などには、多大な効果を発揮する。
隠し腕
ネオ・ジオングや、ジ・Oなどにある特有の装備と同じもの。これにより、近接格闘も可能としている。
アルミューレ・リュミエール
ネオ・ジオングで言うところの、腰部Iフィールドジェネレーター。アルテミスの傘と同じものを、瞬時に展開できる。
肩部ウェポンコンテナ
ミーティアのように、ミサイルなど様々なウェポンが入っている。主に小型ミサイルなどが詰め込まれていて、弾幕を張ることも可能。
ビームサーベル
念の為、ヘイムダルの腕部近くに置いてあるセーフティ用武装。これを引き抜くことで、自衛を可能とする。
ネオ・ジェネシスα
ネオ・ジオングのサイコシャードのような武装。あのヤキン・ドゥーエにおいて猛威をふるったジェネシスを小型化し、本来の目的である推進パルスとして使用されていたジェネシスα。それを、さらに攻撃にも転用できるようにした。移動と攻撃を兼ね備えた特殊兵装ではあるが、実力はもちろん高い。射程範囲こそ、かつてのジェネシスほどはなく、月面のクレーターほどではあるものの。それでも、モビルスーツを薙ぎ払うことは容易である。