スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 多くの方に待たれていたみたいで嬉しいです。10月から職場が変わるのですが、それまではこれまで通り平日投稿を続けられたらと思います。

 アッシマーはハイネにあうオレンジ色の機体ないかなーって探した結果です。アリオスと悩んで面白さをとりました。


夜明けの大天使

『この戦闘の裏にはミケールがいる! カナジ市街に踏み入り、ミケールを引きずり出せ‼』

 

 未だ炎が夜空を照らす中、鳴りやんだ銃声の変わりとばかりにオルドリン守備隊の本部から流れる通信。

 

「なんだって」

「マジ?」

 

 思わず軍ではなく素の反応が出てしまうシンとアグネスだが、言葉に気を取られてた隙に動き出す多数の影があった。

 

「ったくなにやってんだ、おい! こんなとこにいるわけねぇだろ! 止まれ‼」

 

 怒りのように燃えあがる炎に照らされながら進んで行く守備隊。中には片腕がなかったり、コクピットハッチが剝がれている機体もあるが、目に映る仇に憑りつかれたかのように進んで行く。

 

「止まってください! これ以上進んではダメです!」

「下がれってんだよ‼」

 

 前線で暴れていた2人もスピーカーで呼びかけるが聞く耳も持たずに進行していく。辛うじてオルドリン自治区からはみ出していないが、それも時間の問題だろう。

 

「クソッたれ、キラ! 守備隊を止めろ! 乱暴にはするなよ‼」

「えっ、はい!」

「ユウキは残ったブルーコスモスを追い返せ!」

「りょうかいっ‼」

 

 ハイネの言葉で動き出す翼を広げた2機。バエルは未だに狙ってくるウィンダムをビームライフルで撃ちぬき、フリーダムは銃を撃ち続けるジンを小突きバランスを崩させると寝かせていく。味方だと思っていた、特にフリーダムの行動に誰もが動揺するが、その間にも迷うことなく与えられた役割を果たそうと行動を止めることはない。

 

「3人はそのまま避難誘導と護衛! 柄じゃねぇぞこんなの…………オルドリン守備隊司令部!」

 

 仲間が動いている中、最低限の警戒を残して通信を繋ぎ、怒鳴りそうになる声を抑えて口を開く。

 

『こちらオルドリン守備隊司令部、救援感謝する』

「コンパス所属モビルスーツ部隊長ハイネ・ヴェスティンフルスだ。今すぐ兵を下がらせろ」

『そうはいかない。数々の同胞がナチュラルにやられたのだ、この恨みをはらさなければ』

「今やるべき事はケガ人の救助だろうが! 防衛はこっちがやるから下がれってんだよ‼ ゴタゴタ抜かしてるとテメェらからのしてやるぞ‼」

『! コーディネイターだというのにナチュラルの味方をするというのか!』

「俺たちの敵は争ってる奴らだよ! 引き下がらねぇってんなら、超えようとするやつ全部強制的に止めるぞ‼」

『なにを「警告はした! 以上!」ま』

 

 長くなりそうな雰囲気を感じ取ったハイネは一方的に通信を切り、再びキラへと繋ぐ。

 

「強引に進もうとするやつは全員手足をもぎ取ってでも止めろ! 俺も行く‼」

 

 フリーダムほどではないが、ひと息に前線まで飛んでいくと着地と同時にジンの武器や腕を切ろとしていくアッシマー。

 

 隣に降り立った同僚を確認すると、それまでの気を使った動きがなかったかのように軽やかに動き出すフリーダム。

 

 ビームブレイドを展開したシールドブーメランを射出し、ビームサーベルを両手に構えて相手が鈍すぎるかのように振るっていく。

 

「引っ込んでろ! 奴らはミランの仇!」

 

 コクピットハッチは剥がれ、傷だらけの残った腕で重斬刀を構えるもはや執念だけで動いているかのようなジンをも、通り抜けたと錯覚するほど滑らかにすれ違いざまに切り捨てられた。

 

 上空では暗い空を駆け抜けていく白い翼、モニターいっぱいに悪魔のような形相が映ったかと思えば緩やかに落下していくことしかできない。

 

「やっぱりシンとは格が違うわよね……………………チッ」

 

 うっとりと、それでいて値踏みするような眼つきで地上にいるフリーダムとアッシマーの活躍を見ながらつぶやくアグネス。偶然空を見上げた時に白い影が視界に入ると、操縦桿を握りしめるがすぐに離した。

 

 シンとルナマリアも心配そうに見守るが、そこに不安はなく消化試合だというように市民の避難を手伝っていた。

 

「ハァ、ハァ」

「──────っフゥ…………」

 

 音が止み、背中を預けるかのように立ち並ぶのバエルとフリーダムのコクピット内では、流石にしんどかったのか息が切れており、それをお互いにバレないように息を整えている2人がいた。

 

 日が明けるまでの間両軍の狭間でぶつかることがないように食い止めていた2機を、戦場で見ていた人々は後に悪魔とも天使とも語った。

 

 

 

 町を焼いていた炎も消え、救護テントと瓦礫を撤去しているジンの姿を覆うのは、ミレニアムと同じくコンパスに所属しているアークエンジェル。

 

 モビルスーツ格納庫には、夜通し戦い続けたハイネたちを出迎えたマリューらの姿があった。

 

「ハイネ・ヴェスティンフルス以下6名、乗艦許可を願います」

「乗艦を許可します。みんな、お疲れ様」

「どうよ、新型には慣れたか?」

「まだちょっと、って感じですかね」

 

 硬いあいさつが済めばあとは身内同士、上下の立場も気にすることなく気楽に話せる。マリューのねぎらいの言葉に、ムウの軽い質問にもシンが素直に返事をする。

 

「あの、被害の方は」

「とりあえずの報告は受けているけど、まだまだ増えそうね…………」

「アイツらいつまでこんな事を続けるんですか! こんな、同じように帰還を考えていない作戦何ていつまでも続きませんよ‼」

 

 まだ硬さが残るルナマリアの言葉にマリューが表情を曇らせて答える。お通夜のように、とはいかないが少し固くなった空気にシンの言葉が響く。

 

「分かってやってるのさ。ミケールって名前で釣れるって確信があるからな」

「今回も目的はプラントの国境侵犯、戦争の火種を作る気だったんだろう」

 

 現在地球では元地球軍のミケール大佐が、現在ブルーコスモス残党の指導者となっている。ジブリールのように資本力はないものの、元軍人としての統率力や人望を活かし神出鬼没な無差別テロ活動を行っている。

 

 現状世界で1番戦争の火種になりかねない戦争犯罪者であり、目的はハイネやムウの言う通りプラントとの開戦。そのたびにコンパスが出動しているのだが、前任とは違い隠れるのが上手く終わらないモグラたたきを続ける羽目になっている。

 

「ま、その辺はアズラエルの旦那辺りの仕事だ。俺たちがやるべきはやs「何してんだバカヤロー‼」お?」

 

 エレベーターに乗ろうとしたハイネの足がマードックの怒鳴り声で止まった。

 

 振り返ればそういえば以下6名とは言ったはずなのだが数が足りない。そもそも乗艦許可を貰う時点で居なかったのだが、誰も違和感がなかった。

 

「止まれってんだバカ! ボウズ! お前もだ‼」

 

 怒鳴り声と一緒に工具をぶちまけたような音、時折何かと何かがぶつかるような音がした後に、静かなモーター音が微かに聞こえた。その後に聞こえた形容しがたい音はどう発せられたものなのか誰も想像できない。

 

「はぁ、まったくあのバカどもは」

 

 閉じかけた扉を開けてエレベーターから降りると、慣れたように通りかかった警備に指示を出して小走りで消えていくムウ。最初に動き出せたのは慣れと言うべきなのか、それとも付き合いの長さと言うべきだろうか。

 

「そういや俺もアイツらに予定があるんだった」

 

 ヘルメットをシンに押し付け、ムウの後ろを続いていくハイネ。戦闘の後だというのに軽やかに駆けていく。

 

「え、あ、ごめん任せた!」

「ちょ、シン!」

 

 困ったようにオレンジのヘルメットと後ろを見た後、謝罪と共にヘルメットを押し付けて走り出していくシン。どうしましょうか、というヘルメットを2つ抱えたルナマリアの視線を受けたマリューは呆れた表情で視線を合わせると、笑ってエレベーターのスペースをあけた。

 

 憎らし気に音のなる方を睨んで鼻を鳴らしたアグネスがエレベーターへ乗り込んだことを確認し、ボタンを操作するとドアが閉まり始める。閉まり切る直前にムウの悲鳴が聞こえた気がするが、艦長の表情が変わることはなかった。




 ハイネがいるおかげでキラの負担が少なく、なってるように見せかけて原作と違いそもそもリーダー気質的なのがあまりないです。バカの影響もあってあまり人を率いるステは原作以下です。変わりに原作以上に元気です。

 なんというか、形勢逆転した途端に攻め込むのホントC.E.だなーって見てました。種時代の明けの砂漠と同じことしてる当たり、大して変わんないですね。

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後の燃料となってます。


 ひと口メモ

・ミレニアムにはハーケン隊、ハイネ隊、ヤマト隊の3部隊が所属しています。ハーケン隊は原作通り、ヤマト隊はバカとシン、ハイネ隊(ヴェスティンフルスじゃないのは本人がハイネの方がいいと言ったため)ルナマリアとアグネスになってます。ある隊は隊長交代しろとよくケンカが起きてますが、変わるわけないのでただのじゃれあい。
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