スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 今作では呪われたCV.桑島さんキャラが生存していますので、freedomでは4キャラ演じてもらう必要があります。声優に詳しくなかったころ、ナタル=フレイと聞いてすごく驚きました。声優さんってスゲー!

 今作の場合4キャラ分のギャラが発生するんですかね?

 あ、ナタルシャワーシーンはそこになければないです。変わりにアウラが脱ぎます。


 バカがおとなしくないですか? と聞かれましたが原作でもfreedomが始まったのはズラが出てからですよね。そういう事です


月光

 日も暮れて空は暗くなっていたが、王城内の広場は豪華な装飾のシャンデリアに照らされていた。

 

 豪華な料理に壮大なクラシックが流れ、コンパスと歓談の機会とダンスパーティーが開かれている。武力とはまた違った意味でファウンデーションの底力をラクスやマリューは感じ取っていた。

 

「我が国ではナチュラルやコーディネイターを問わず能力のある者を雇用しておる。すべてオルフェの采配だ」

 

 アウラの言葉で視線を集めながら立ち上がるオルフェは、ラクスの元に行き手を差し出した。

 

「よければ一曲如何ですか、姫」

「…………よろこんで」

 

 誘われるがままに会場の中心へ向かうと、一糸乱れぬ、というより初対面とは思えないほどに息の合う踊りを披露する2人。他にも踊っている組はいるのだが、それでもやはりひと際目立ち注目が集まる。

 

 ただひとりだけ苦し気に自分の身体を抑える青女性がいたが、柱の陰に隠れて誰にも見つかることはない。

 

「隊長! 踊りませんか?」

 

 ダンスを眺めていたキラの横から、聞き覚えのある声が届く。

 

 振り返れば大抵の男なら頷いてしまうような笑顔のアグネスが、キラの腕をとっていた。

 

「いや、ご飯食べてるから…………」

 

 確かにキラの手には何種類かの小さめのケーキが乗った皿がある。

 

「食べ終わってからでいいですから!」

「んー…………流石に怒られそうだしやめとくよ」

 

 めげずに誘うアグネスだが、言い訳半分本音半分の言葉を残しケーキを咀嚼しながら消えていくキラ。思わず出そうになる舌打ちを堪え、続けて少し離れた場所にいたハイネに近づく。

 

「ハイネ隊長1曲どうです?」

「わりぃな、歌う方が好きなんだ」

 

 手に持っていたシャンパンのグラスを軽く振ると、ムウの元へ向かっていくハイネ。キラとは違ってスマートな断り方に悔し気に顔をゆがめていると呆れた表情のルナマリアが近づいてきた。

 

「よしなよもう、隊長たちにちょっかいかけるの止めなよ」

「何でよ、何か悪いっての?」

「ハイネ隊長はともかく、ヤマト隊長は相手いるでしょ」

 

 ラクスの婚約者らしいという建前は外向けに報じられているが、コンパス内ではちゃんとフレイという相手がいることは知られている。アークエンジェルに配属されているため出会う機会は少ないが、2人きりでいるところなどは見られており、アグネスのように声をかける女性職員はいない。むろんアグネスも顔を見たことはあるのだが、

 

「相手がいるからってあきらめる理由にはならないでしょ。アンタと違って適当なところで妥協する気はないの」

 

 開き直るどころかいっそ清々しい発言にルナマリアは説得も諦める。どうせ靡くわけないしいっかと、アグネスよりはフレイと付き合いのあるルナマリアはキラに関しては言う事をやめた。

 

「…………ハイネ隊長は相手いないし別にいいけど……………………本気で好きってわけでもないでしょ? だからユウキさんに「うるさいっ!」…………」

 

 猫をかぶるのも得意だが、元来の感情の浮き沈みが激しい事を加味しても驚くほどに強烈な敵意。濃い目の化粧が崩れることも気にしないほどに憎らし気な顔でルナマリアを睨む。いつ思い返しても腸が煮えくり返るほどの怒りがアグネスのそ(・)こ(・)には残っている。

 

「っ…………あんなバカが…………!」

 

 これ以上話すことはない、とルナマリアを押しのけるように歩いていくアグネス。

 

「何の話? ユウキさんって言ってたけど」

「なんでもないわよ、ほらデザート食べましょ」

 

 本当に何も知らないとひょっこり顔を出して来た彼氏に少し癒されながら背中を押していく。仕事中ではあるが、礼のタイミングを間違えたり立食パーティーで遠慮なく食べる彼氏のめんどうも見なければいけないのだ。

 

 

 

 広場のように人がおらず月が照らす幻想的な薔薇の庭園で、ダンスで温まった身体を冷まそうとラクスとオルフェの2人は歩いていた。

 

「これだけ美しい花たちも、貴方の眼にはまるで映っていないようだ。どうぞ、貴方のために咲いたのです」

 

 差し出された花の香を楽しむラクスの表情がほころび、オルフェもまた笑顔を浮かべる。

 

「やはりあなたには笑顔が似合う」

「えっ」

「施政を担うものとして、悩みは分かるつもりです」

 

 オルフェの口から語られたのは世界の歪み、争いの原因それは公正な社会でないからというもの。ナチュラルやコーディネイターの違いもなく、誰もが誰かに必要とされる公正で平等な社会を作れば世界はきっとより良い方向へ向かう。

 

 そう力強く語るオルフェにラクスもまた、立派な志だと称賛する。

 

「私は貧困も差別もない世界を造るために生まれた…………そう思うのです」

 

 貴女も、オルフェの手がラクスに添えられた時、ラクスの意識は起きているというのに寝ているような不思議な感覚に陥った。

 

 それ以上に不思議なことに、オルフェの顔がある知り合いと重なって見えた。

 

 大事な友人で、親友の恋人である、

 

(キラ……………?)

 

 何故か、と思うよりもはやく旅の疲れが出たのだと距離をとり、あいさつをしてかけていく。いるべき場所とでもいうものに引き込まれそな感覚を振り切り、スカートの裾を掴んで小走りで駆けていく。

 

 走っていく後ろ姿を見ていたオルフェはまだ時間がかかるか、と言わんばかりにため息を吐いた。

 

 

 

 ミレニアムに戻り、先ほどの感覚が何なのかと不思議に思いながら誰かに相談しようと艦内をうろついていたラクス。ひとまず既視感のあったキラに話してみようかとモビルスーツ格納庫に向かうと、

 

「お夜食をお持ちしました」

「ん、ありがとう。そこに置いておいて」

 

 整備指揮所でトレーにおにぎりなどの食事を乗せたアグネスがキラに話しかけていた。思わず物陰に隠れるラクス。別に悪い事をしたわけではないのだが、反射的なものであった。

 

「……………隊長は寂しくないのですか?」

「ん?」

 

 ちらりと出入り口を見て前を向くアグネス。突然の質問に、思わずパネルを操作していた手が止まる。

 

「世間では別の婚約者がいるって言われて、本命の相手とは会えなくて寂しくなったりしません?」

「いや全然?」

 

 さて何を言い出したのだろうかと首を捻るキラだが、アグネスはゆっくりと儚げな表情を作り近づいていく。

 

「いいんですよわたし…………隊長なら」

「???」

「誰だって温もりを求めるんですから…………」

 

 しだれかかり顔を合わせようとしてやっと身体を動かしたキラ。直前まで頭が混乱していたとは思えないほどの瞬発力で身体を捻り、距離をとる。

 

「何のつもりだアグネス!」

「なんで! あの人がいるなら、私でもいいじゃないですか‼ なんで戦場にも出て戦いもしない、優しさにつけ込んだ人がいいんですか! 私ならそんなことしないのにっ‼」

 

 潤んだ眼でしがみつくも、口から出てきた言葉に普段は温厚なキラも大きな声をあげる。

 

「ボクたちは戦ってほしいわけじゃないんだ! アグネスこそ、ユウキに相手してもらえないからってこんな事しないでくれ!」

「っ‼」

 

 掴まれていた袖を振りほどき部屋から出ようとした時、すぐそばで口を押えていたラクスと目が合った。

 

 ラクスは口を押えていたにも関わらず、視線があっただけでお互いに全ての事がわかり合う。

 

「用事ができたので失礼します」

「待ってラクス! ちゃんと自分で言うから‼」

 

 鍛えているはずのキラにも捕まらない速度で駆けていくラクス、コンパスの誇るエースの情けない声が艦内に響くが気にする者はいない。

 

「……………………っ! アイツのせいでっ‼」

 

 憎しみの声と共に整備指揮室のコントロールパネルが揺れた。

 

 そんな話題に上がった人物はと言えば、

 

 

 

 

 

「おや、キミは」

「……………………宰相オルフェ・ラム・タオ」

 

 月明かりに照らされたミレニアムやアークエンジェルが泊まっている港で、ファウンデーション王国独立の立役者にして宰相と邂逅した。




 アグネスみたいな嫌な女キャラを扱うのは初めてですが結構楽しんでます。昔はこんなの創作世界だけやろw とか笑ってたのが懐かしいくらいには老けました。

 なんで教室で笑顔で不倫してるとか言えるんだコヤツ(リアル体験談)

 ユウキの活躍(?)は次回から!

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後の燃料となってます。


 ひと口メモ

・アグネスとユウキの確執ですがちゃんとあります。ただ作中で書くスペースがあるのかは現状不明なので、なかったらここで書きます。

・この後ラクスはフレイに電話しました。いつかのニコルミーアとアスランみたいなことがキラはフレイラクスにされています。
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