スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 感想でも言われたガンダムseed最初の壁、フレイの闇落ちですね。気づかいと無意識な差別の板挟みでキラほんと可哀そうだった。ワンチャンニュータイプ覚醒するやろってくらいストレス多すぎ。


 この作品では別方向のストレスが多いですが原作よりは元気だと思います、はい。


 というわけで今回もどうぞ!




 感想や高評価いつもありがとうございます。書く上での励みになってます。


踏み出した一歩

 弾丸が飛び合いそこらかしこで爆発が起きる。

 

 宇宙へ進出しても人は変わらず争いをしていた。

 

 変わったのは戦うための兵器くらい、戦う理由は何も変わっていない。

 

「キラそっち行ったぞ!」

「ごめん今行けない!」

「オレがカバーする! ユウキはそのまま艦の護衛を続けろ!」

 

 宇宙空間を自在に動き続けるモビルスーツ、そしてメビウスが戦艦を守ろうと奮闘していた。怒鳴り声に近い叫び声で連絡を取り合いお互いをカバーして動き回る。攻めるでも逃げるでもなく守る、防衛という目標をこなすにはまだ練度が足りずユウキ達は苦戦していた。

 

「キラァ‼」

 

 そして相手は正規の訓練を受けた軍人、イージスに乗るアスランもジンと共に守ることなく攻めてくる。目まぐるしく回る戦闘宙域、戦艦も対空防御や回避をしているがそれよりも身軽に火力を持つモビルスーツを前に少しずつ火を噴き始めている。

 

「ひ、ヒィィィ!」

「ダメージコントロール! 消火急げ!」

 

 隣で悲鳴をあげるしかできない役職だけはある一般人に内心で舌打ちしながらも指示を出すコープマン。ハルバートンからアークエンジェルを守れと指令を受けて来たものの、その実守るべき対象から守られている始末。最悪を想像するがその最悪はアークエンジェルの轟沈、そうならないためにも大声で指示を出すが、一機のジンがこちらの艦橋に銃口を向けるのを見てしまった。

 

「キラ!」

「うん!」

 

 覚悟を決めたコープマンの前に割り込むストライク、シールドを掲げてジンからの攻撃を防いだ。

 

『大丈夫ですか!?』

「子ども……………!? 済まない、助かった!」

 

 通信から聞こえる声の幼さに驚くコープマン以下クルーたち、いろいろと言いたいことはあるが端的な感謝を返す、それを聞くとストライクはすぐさま飛び去って行った。

 

「艦長! この船は大丈夫なのだろうね!?」

「船を用意させますのですぐさま脱出の準備を!」

 

 助かった命を無駄にはしない、その一心で邪魔な一般人をどかして戦闘に集中する。飛び回るメビウス・ゼロはかの有名なエンデュミオンの鷹だろう。しかしストライクは子ども、下手をするともう一機のホワイトも、そう考えながらも苦々しい顔で指示を出し続けた。彼らだけでも生き残ってもらいたい、自分に下された指令だけでなくひとりの人としてもそう思っていた。

 

 

 

「あなたたちいったい何を!?」

 

 一方アークエンジェルのブリッジ、遠距離ではあるが近づきながらも援護を続けているためブリッジは騒がしかった。そんなところに現れた二人。

 

「ラクス、なにをするの? 今は邪魔になるって」

 

 頼まれたから案内はしたものの、今が邪魔になるとはフレイも分かっている。ただ興味があるだけだったら断っていたが出会ったばかりの穏やかな表情ではなく、強いなんらかの目的を持った顔で頼まれては断ることもできなかった。

 

 ブリッジにいるクルーも何が目的なのか分からず、戦闘宙域から目は離さず意識を少しだけ向けていた。

 

「すみませんが、通信機器をお借りしてもよろしいでしょうか?」

「現在は戦闘中です! 一般人は退避を!」

 

 ラクスの言葉に噛みつくようにナタルが返事を返す。相変わらず真面目な答えだが、こればかりは誰も文句を言わなかった。言う暇もなかったが、それ以上に正しいと思ったからだ。フレイもラクスの袖を引っ張って部屋に連れ帰ろうとする。その時、

 

 第八艦隊先遣隊の旗艦モントゴメリィ、フレイの父ジョージが乗る艦に向けてミサイルが飛んで行った。

 

「…………………………!」

 

 目を見開くフレイの前でストライクが間に割り込み防ぐ。すぐさま飛び立っていくがもし間に合わなかったら、想像が一瞬で頭を横切り顔が真っ青になる。そんなフレイを見て、モニターに映る飛び回り戦うホワイトを見て、ラクスは決まっていた覚悟をもう一度決め直した。

 

「わたしがいることをザフトに伝えてください、そうすれば戦闘は終わるでしょう」

 

 ブリッジにいた全員が絶句した。

 

「ラクスさん…………いったい」

「艦長さん、わたしはこの船に拾われて幸運でしたわ。コーディネイターであるにも関わらず差別を受けることもなく、非常に苦しい中で皆さんは優しくしてくれました。そんなご恩を返したいと、そう思うのです」

 

 マリューの眼には出会った時の世間知らずの令嬢ではなく、戦場に立つ軍人のように覚悟を持った顔の少女が映っていた。その覚悟に誰もが飲まれ、伸ばされた手を止めるものは誰もおらず、

 

「こちら地球軍所属アークエンジェル!」

 

 ラクスの手よりも早く通信席に割り込まれた手があった。

 

「こちらは漂流していたプラント最高評議会議長シーゲル・クラインのご令嬢、ラクス・クラインを人道的な理由で保護している! ただちに戦闘を中止されたし!」

 

 アークエンジェルのブリッジ全ての意識が副艦長ナタルに向けられていた。

 

 モニターでは全ての艦、モビルスーツの動きが止まった。指示が出されたのか帰還していくザフトのモビルスーツ。息を吐き、顔をあげるとこちらを見るラクスとフレイの2人と目が合った。

 

「フレイ・アルスター、ラクス・クラインを上官用の部屋へ、荷物も一緒に運べ。その際誰にも見つからないよう注意しろ、急げ」

「え、あ、はい。行くわよラクス」

 

 言われるがままにラクスの手を引いてブリッジを出るフレイ。引っ張られたラクスが扉を閉める前に軽く微笑んでいた気がするのはナタルの気のせいだろうか。閉まった扉を見て再び自分の席に戻ろうとして、

 

「艦長、戦闘中に利己的な行動をしてしまい申し訳ありませんでした。反省のため自室に戻らさせていただきます。指示があればお呼びください」

 

 マリューに頭を下げ、ブリッジを出ていった。

 

 あまりに突発的なことが多すぎて誰も口を挟む隙間もなく、真っ先に我に返ったマリューが先遣隊との合流、被害の確認と急ぎ指示を出していた。

 

 

 

「ムウさんどういうことですかっ!?」

 

 アークエンジェルに返って来たキラは真っ先にムウのところにいった。戦闘中に流れてきたラクスのこと、「そんな卑怯なことしかできない地球軍にいるのか!」といって消えた友人のこと、聞きたいことがありすぎる。本人に聞けばいいがすぐ近くにいたムウに聞くほどにキラの頭には血が上っていた。

 

「しょうがねぇよ、艦長たちがそう判断したんだろ」

「でも! こんな人質をとるなんてこんなこと!」

「オレたちが弱かったからだ! だからこうなったんだよ」

 

 弱かったから、そう言われては何も言えない。もちろんムウも思うことはある。だがどれだけ卑怯なことでも上がそうすべきだと判断して行ったことをムウはその身をもって知っている。自分につけられた異名がそうだからだ。

 

 

「ユウキは…………」

 

 何かあったのだろう、そう思い消えていったムウを見送ったキラが次に探したのはユウキだった。ちょうど戻って来たホワイトのコクピットが開き、パイロットが出てくる。そのまま無重力の中を通路へ飛んで行った。

 

「ユウキ! ユウキはさっきのこと、どうおも………………」

 

 近くに寄って声をかけた、ヘルメット越しに見えたのは沈んだ表情の友人。

 

「わり、いま無理」

 

 それだけ言って進んでいく友人をキラは後ろを見ることしかできなかった。

 

 

 

「クソッ………………!」

 

 ノーマルスーツを脱ぎ、いつも通り軍服の胸もとを少し開けたユウキ。誰も通らない通路で拳を握り壁に叩きつける。

 

 その程度で壁が凹むこともなく、拳の方が痛むだけだが気にせず何度も叩きつける。ガンガンと音が鳴り血が滲みだした時、

 

「何をしている」

「………………………………………………ナタルさん」

 

 通路の向こう側からユウキが今もっとも会いたくない相手、放送主であるナタルが立っていた。




 原作死亡キャラ生存タグいるかな? というわけでジョージ・アルスター生存しました。と思ったけどこの先退場したらどうしたらええんやろ。教えてえろい人。


 見返して人質とるのムウも良い顔はしてなかったんですよね、理由が弱かったからって自分にも言ってるんだろうなぁって思いました。

 >>「艦長、戦闘中に利己的な行動をしてしまい申し訳ありませんでした。反省のため自室に戻らさせていただきます。指示があればお呼びください」

 軍とかで自分に罰を与える時なんて言うんですかね? その辺の知識無いのでイマイチだったら感想とかで教えてください。書き直します。



 おまけ

 アークエンジェルを見に来たお偉いさん「キミがホワイトのパイロットか! トイレ清掃とは感心するな!」
 罰則中「まーやれって言われたんでやってるだけですけどね、立派なのはちゃんと指示を出す艦長とかですよ」
 感動するお偉いさん「それでいて謙遜とは! 威張っていてもおかしくないモビルスーツのパイロットという立場なのに!」



 
 伝言を頼まれたクルー「あの、艦長を褒めるメッセージが来ています。あと普段のお詫びだとイチノセから」
 それを聞いて頭を抱える艦長「………………………………」
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