スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 忘れるのが1番ダメだと思うので、アグネスとユウキの確執乗っけておきますね。

 アグネス→コンパスきたらなんか知らんけどバエルの新型乗ってる奴いるし声かけとこ
 ユウキ→誰お前あっちいけ
 アグネス→むきー! ギャンでボコボコにしてやられたぁ⁉ 機体性能でしょ!いいし! あんなナチュラルとかふさわしくないし! 隊長たちの方がふさわしいし!
 キラ&ハイネ→あーはいはい

 だいたいこんな感じ

 相性は壊滅的に悪いですが、一周回って息があうタイプです。


空の器

 街頭に負けない月明かりが照らす港で、オルフェが出会ったのはオーブ軍の青い軍服を着たミレニアムの搭乗員。パーティーや女王アウラへのあいさつにはいなかったが、共同作戦を行うにあたり顔と名前は知っている。

 

「キミは…………バアルのパイロットか、確か名前は」

「トール・ケーニッヒです」

 

 記憶していた情報と違う名前を名乗られてオルフェは内心で首を傾げた。

 

 

 

「……ユウキ・イチノセ、という名前ではなかったか」

「そうですね、間違えてました」

 

 素直に頭を下げて謝罪するが反省している様子もなく、オルフェの内心では疑問が湧き上がってくる。とはいえ、キラ・ヤマトではないにせよかの有名なバアルのパイロットである。目(・)的(・)のためにも、そして2人と会うかもしれない時間つぶしも兼ねて会話を投げることにした。

 

「綺麗な月だが、夜の散歩かな? まさか緊張して眠れないわけでもあるまい」

 

 からかうような発言だが、立場で言えばオルフェの方が上でありさほど問題があるわけではない。

 

「そちらこそブラックナイツなどの護衛はつけなくていいのですか? 王宮の外は危険がいっぱいですよ」

 

 だからと言ってケンカ腰に対して、穏やかに返す性格などユウキはもちあわせていない。仮にハイネやムウがいれば即座に頭を引っぱたいて謝罪していただろう。

 

「ははっ、もし危険があれば手を貸してもらうかな。いや私が君も助けた方がいいのかな? 白(・)い(・)悪(・)魔(・)くん」

 

 思いがけない言葉にユウキの目元がピクリと動く。どこか満足気な雰囲気を醸し出したオルフェが立ち去ろうとした時、ユウキの携帯端末が鳴った。断りも入れることなく通話を繋ぐが、オルフェも気にすることはなく、

 

「……………………ラクス?」

 

 踏み出した足が止まった。

 

「いま、ミレニアムの中だけど…………おれの部屋だよ。いやトイレ……………………どうかしたか」

 

 

 

「特別用事があるわけでは…………少しだけお話をと」

 

 ミレニアム内の一般クルーよりも少し広いが、足の踏み場もないほどに様々なものが散らばっている部屋で、ラクスは備え付けのベッドに腰掛けていた。

 

「ご飯は食べられました?」

『…………パーティで』

「そうでしたか」

 

 風の音などのノイズは除かれているが、声の響き方は環境音でどこにいるのかは何となく分かる。机に目を向ければ散らばった工具やラムネなどのお菓子がおいてある。

 

『…………まだちょっとやる事があるんだけど』

「そうでしたか、お邪魔してすみません」

『……………………おやすみ』

「はい、おやすみなさい」

 

 通話が切れた画面を見てそのまま横になるラクス。

 

 こっちはいいからと言っていた親友は、今頃頭を下げる恋人をからかったりしているのだろう。

 

 言葉に出しづらい感情が胸の中で渦巻き、寝ることもできず部屋の主が返ってこないのも分かっているラクスはそっと部屋を出た。

 

 

 

「ラクス・クラインと仲がいいようだな」

「…………なにか?」

 

 通話を切った端末をポケットにしまうタイミングで声をかけてきたオルフェに、眉をひそめて返事を返すユウキ。失礼な態度ではあるが何かいいことがあったのだろうか、どうにも機嫌がいい。

 

「彼女は世界を導く光だ。民衆にも優しく、憧れるのは仕方のない事だ」

 

 後ろで手を組み、ゆっくりと歩きながら語り掛けるオルフェ。

 

「デュランダル議長の示したDPを否定し、世界はどう変わった? 何も変わっていない、妬み争いその度に止めようとしているが、いつまで続けることができる?」

 

 月明かりに照らされた劇場で選ばれし主役のごとく、力強く宣言する。

 

「できないさ。君にも、キラ・ヤマトにも、だが私にはできる‼」

 

 それは自信でも確信でもない、絶対的な事実という意思が込められた言葉。事実ファウンデーション王国という実績があり、簡単に否定できるものではない。

 

「戦いが終わった時、君たちはどうする? その血塗られた手で、彼女の手を握ることができると? 争いしか生み出さず、破壊と殺戮しかできないのに?」

 

 もし仮に、ユウキのことを知っている者がこの場にいれば驚くだろう。

 

「彼女の隣に立つべきなのは選ばれた運命の相手だ。どれだけの才能を持とうが、どれだけの武勲をたてようが、ユウキ・イチノセ(白い悪魔)もキラ・ヤマト(スーパーコーディネイター)も」

 

 ここまで好き勝手に言わせていることに、何も言い返さないことに、

 

「ふさわしくない」

 

 言うべきことを言って満足したのか、今度こそ振り返ることなく立ち去っていくオルフェ。主役が退場した後に残されたのは、

 

「……………………知ってるよ、そんなこと」

 

 家族とたったひとりの友だけが見たことのある、感情のない虚ろな表情で空を見上げる青年の姿であった。

 

 

 

 港に建てられた小さな休憩所、微かに聞こえる波の音と月明かりが相まって、装飾の施された椅子に座り俯くラクスを1枚絵のように映えさせる。

 

 何となく分かってはいた。自分が戦場に赴くこと、戦いに関わることを彼は良しとしていない。

 

 だがそれは昔からそうであり、親しい友人であれば誰もが知っていることだ。だというのに、コンパス総裁を引き受ける前からどこか様子がおかしい。

 

 人並み以上にある食欲も、食卓に並ぶ料理は平らげてもそれ以上は求めていない。悪戯だってそうだ、ゼロではないにせよ頻度は下がっている。

 

 身体の調子が悪いのかと思えば、フレイによれば身体の調子は健康らしい。食事の量は減ったとはいえ、キラにもこれくらい食べて欲しいと言われるくらいだ。

 

 ずっと考えていても答えは分からない。

 

 友達ではある。大事な友人であることに間違いはない。

 

 ただその先へ踏み込むのが怖いのだ。

 

 人の心の内など読めるわけもなく言葉にして交わさなければいけないというのに、自分の気持ちも不確定だと言うのに、今のような情勢で辛い事があるのかなどと聞けるわけもなく。

 

 共に戦うことも、元気づけることも、支えることもできず、ただ料理をふるまう程度しかできない。その程度なら自分でなくてもできることだ。

 

 プラントの歌姫、などと呼ばれているが実際はお飾りのトップである。

 

「……………最後に歌ったのはいつだったでしょうか」

 

 ふとそんなことを呟いた時、

 

「眠れないのです? 姫」

 

 優しく耳当たりの良い声が聞こえた。

 

 やはりと思い振り返れば笑顔で立っているオルフェ。気にしないでいいと言われたが、無下に扱うわけにもいかず隣を開ける。

 

「………………どうすれば、人は言葉を交わせるようになるのでしょう」

 

 呟くように口から出た言葉。それは個人としても、争いのたえない世界へむけてへの問いかけである。互いに許し合う争いのない世界が難しくとも、せめて言葉を使ってと思うのはラクスだけではない。

 

「我々ならできますよ」

「はっ……」

 

 悩む少女によりそうよう、そっと手を重ねるオルフェ。

 

 出会った時と同じように何かが繋がり、2人だけの空間に意識が飛ばされる。

 

「そのために生まれたのですから」

「あなたは……………誰なのですか」

「私はオルフェ・ラム・タオ。あなたと対になり、世界を平和に導くことができる者」

 

 その言葉を聞いた瞬間、ラクスの身体に記憶が走る。いや、あるべきだった記憶が目を覚ました。

 

「与えられた使命を果たすために生を受けたのです……………………あなたも」

 

 

 

 誤解から生まれた浮気調査、という名のからかいを終えたキラは探していた相手を見つけたが、仕事の話をしているようだったので引き返した。

 

 離れた木陰にいたイングリットは、何が悲しいのか涙を流しながら自分の身体を抱きしめている。

 

 もし2人がこの場で声をかけていたら、それはまた違った未来を辿ったのかもしれない。

 

 

 

「参ろう子どもたち、そなたたちの運命のままに。すべて決まっていた通りに」

 

 見覚えのある黒い長髪の男に、白衣を着た面影のある2人の女性の写真が飾られているアウラの私室。そこではブラックナイツがアウラへ甘えるように囲んでいる。

 

「全ては計画通り、罪には罰を与えなくてはなァ」

 

 また、王宮の地下で血走った眼で叫ぶ研究者のすぐ傍では、羽のある黒い機体が立ち並んでいた。

 

 

 

 それぞれの思いを抱えたまま夜が明け、ブルーコスモス・ゲリラの討伐、ミケール大佐の捕獲作戦が開始された。




 全体的にアンジャッシュしてきましたね! バカはどうしたんですか、と聞かれれば思春期とだけ

 省きましたがシンとアグネスは原作通りです。自分から声かけたとか偉いぞシン! てっきり誘われて逃げたとか思ってたけどごめんな! でも同じこと考えた人いるでしょ、いるよね?

 駆け足気味かな、と思ったけど映画でもここまでで50分経ってないくらいなんですよね。テンポが良すぎる。

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。


 ひと口メモ

・一部の女性陣:元気なさそうだけど大丈夫かな?

・男性陣+α:バカがまたバカなことでなやんでらぁ
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