水中系モビルスーツ好きなんですよね。初代のアッガイやズゴック、ゴッグやゾックを始めSEEDのゾノやグーンも好きです。モビルスーツでありながら人が世から離れて怪物じみたデザインが琴線に触れます。まぁこれ以上は出ませんが。
黒いフリーダムにキラクローンと、元ネタは皆さんご存じ映画の没ネタです。せっかくなので拾わせてもらいました。
いくつかの光がエルドア地区から飛び立った後、小さな光が舞い降りた。
地面に突き刺さり決められたとおりに起動すると、ファウンデーション王国と同じ光が周囲を包み込んだ。
「ん?」
ブルーコスモスの隠れ基地から避難しようとしていたミケールは、何が起きたのかも分からぬまま同志たちとともに火に包まれて骨も残らず灰となり、歴戦を潜り抜けてきた大天使も同じ光に包まれ、傷だらけの身体と共に生涯を終えた。
エルドアの惨劇と呼ばれたこの事件の真相を知る者は少ない。
『エルドアの周辺は未だに放射線量は高く、関係主要国の救援活動は思うように進んでいません』
世界中のテレビでは現在同じニュースが流れている。
ニュートロンジャマーによって世界中のエネルギー問題が起こっていたが、現在はNJCが使われ解決に進んでいる。そんな時に起きた核による事件は、世界情勢へ大きな石を投げ込むがごとく、日々更新される情報に右往左往させられていた。
「爆心地付近にアークエンジェルと思われる残骸を確認しました。フリーダム、ジャスティスなどの作戦行動中のモビルスーツ部隊は未だ発見できず、呼びかけにも応答はありません。流石にモビルスーツの耐久力では…………もし残骸があれば確認もできますが、放射線量の関係で確認は難航しています」
その中でも今回の事件でもっとも動いたであろうオーブ、日が差し込む執務室ではカガリの秘書であるトーヤが現在確認できている情報を各国へ報告していた。
『うむ………………クライン総裁はご無事なのですな?』
「ミレニアムが確認したそうですが、ファウンデーション高官らと事前に脱出したと……連絡は?」
『いや、なにも』
現場にいたミレニアムのクルーからの情報では足りず、作戦本部にいたはずのラクスは連絡が取れない。オーブやプラントとしてはこれ以上情報を集めることはできないとカガリやラメントは伝えたのだが、
『どうしてくれるのです!』
共有できる情報が終わったとばかりに責任を追及するのは政治家としての本能だろうか、大西洋連邦の女性大統領フォスターは矛先を協定を破ったキラへと向けていた。
元々コーディネイターやプラントを嫌うが政治としてコンパスに参加していたフォスター。責任の追及先もなく、暗に裏で手を組んでいたのではないかという発言にモニター越しでの会議は荒れていった。
未だ若く感情のふり幅が大きい性格であるカガリは、軽く深呼吸をして息を整える。
怒ってはダメだ、アズラエルに言われたように感情を揺さぶって交渉を優位に立つのは定石。武器にもなりえるが弱点にもなると、そういえばアズラエル本人ではなく代理が参加しているがどこへ、などと少し落ち着いた脳で考えていた時、
『はぁい、どうもみなさン。遅くなって申し訳なイ』
『『『!』』』
『盛り上がっているところ失礼しますガ、フォスター大統領。もしかしてこうおっしゃられていますス? 我々がユーラシアへ攻め込むためにブルーコスモスと手をくんでいたト』
新たに追加されたウインドウから、聞き馴染んだ特徴的な声の持ち主が現れた。
『……………………勝手な憶測でものを語られては困りますね、元ブルーコスモス理事』
『おっと懐かしい呼ばれ方ですネ』
顔を見た瞬間に顔をしかめるフォスターと対称的に、心の底から楽しいと言わんばかりの笑顔で答えるアズラエル。心ばかりラメントが呆れているようにも見える。
『今はこうして世界平和のためにがんばっているというのニ』
『ならば、今回の件も説明してくれると?』
『憶測で話すのは良くないと思いますが、そうですネ』
わざとらしく腕を組み悩ましいと首を傾げると、
『一部のものが独断で手を組んで裏切っタ、というのがありそうですネ。そうなると、やはりヤマト隊長が怪しいかと』
「キラがそんなことするものかっ‼」
勢いよく振り下ろされた手と共に素のしゃべりかたで大声をあげたカガリ。
『…………では我々はこれ以上関わるつもりはないので』
『我らもだ』
フォスターとラメントと皮切りに遮断されていくウインドウ。最後にウインクだけして消えていったアズラエルに言いたいことはあるが、それ以上にやらかしたという気持ちが大きく項垂れて机にうつぶせになるカガリ。
周りに控えていたオーブの氏族や秘書たちは顔に手を当ててやらかしたと呆れている。
「アズラエルめぇ………………」
気迫のない弱弱しい声がうつぶせたカガリから出るが、スーツを着て同じ部屋にいたサイとミリアリアは顔を見合わせて首を振った。
「呼びましたカ?」
「んなっ!?」
カガリたちのいる執務室の扉を勢いよく開けて現れたのは、たったさっきまで通信越しで居たはずのアズラエル。呆然と固まるカガリを無視して手元のタブレットを操作し、見やすいように差し出す。
「ちゃんとオーブに伺うって言ってますヨ? そんなことよりもですね、こちらに承認をくださイ」
「ん?」
眉をひそめながら内容を確認すると、確かにカガリでなければ許可が出せないものだ。こんな時に、とは思うが遠回りな事はしても無駄は嫌う男の行動だ。断る気はない、いやちょっとだけあるが出すのはここではない。
「おーいカガリ、アズラエル理事来てるらしいガッ!」
遅すぎる情報を伝えに来たボンボンのバカに持っていた携帯端末を投げつけると、差し出されたタブレットの電子書類にサインを書くためにペンを取り出した。
「私もついていきたいところだが、今は忙しい」
「えぇ、存じていまス」
「代わりにアイツを連れて行ってくれ」
カガリが指を差した先には、鼻先を抑えて涙目になっているユウナがいた。
「ジャミングのタイミングといい黒である可能性は92%、ブラックナイツの仕業ですよ」
「あぁ、ブラックナイツだけに黒……って、えぇー!?」
コノエに睨まれて慌てて自分の口を紡ぐアーサー。
現在オーブに停泊しているミレニアムだが、帰投命令が出ており搭載されているモビルスーツはゼロ。正式にはルナマリアのゲルググがあるが、直撃ではないものの核の爆発を受けており修理中である。
それに加えてシンの行方が分からず現在唯一であるパイロットのルナマリアは意気消沈しており、戦うには心もとない。
ファウンデーションの自作自演、だとはブリッジにいるクルーたちも思っているが証明する手段はない。できるとするなら実際に現場にいたメンバーだが、アークエンジェルは落とされておりクルーの生存は絶望的だと、ハインラインが冷静に答えを出す。
性格に難はあるものの、その頭脳はミレニアムのメンバー全員が認めており否定することもできず、
「どうだろう? あの連中がそう簡単に死ぬかな?」
この場において唯ひとり、コノエだけは疑問を抱いていた。
「もぉなんでみんな事を起こすのかなぁ! おかげでゲームする時間がどんどん削られていくよ!」
痛みは引いたはずだが、まだ気になるのか窓のない廊下を歩きながら鼻先を掻くユウナ。
アズラエルと数人を引き連れており、たどり着いたのは一見何の変哲もない丁寧な装飾のされた両開きの扉。
ドアノブを握り、小さく電子音が鳴ったのを確認して外側に開く。付き添いの1人が閉じないように抑え、アズラエルとユウナだけが中に入ると扉を閉めた。
内部はオーブでよく見られる華美過ぎない上品な内装の部屋、窓はないが壁の一面を覆うほど巨大な絵画の縁が施されているモニターには現在のオーブの風景が映し出されている。
「どうも、少しお話を伺いに来たのですがよろしいですかネ?」
アズラエルが声をかけたのは複数のモニターが置かれている前に座っているのはこの部屋の主にして、現在特別保護対象となっている男。
「おや、これはこれは珍しいお客様だ」
かつてプラントの議長を務め平和を求めDPを提唱した結果、自らの手で運命を超える可能性を魅せつけられた遺伝子工学の研究者、ギルバート・デュランダルが振り向いた。
ED「君は僕に似ている」
※今回からたまにその話のイメージ曲を乗っけます。ちょっとでも雰囲気が伝われば、というものなのでそこまで気にしなくて大丈夫です。
作品通して1番freedomなのアズラエル疑惑、続いてクルーゼにデュランダルがランクインでするでしょう。ラスボスばっかだなおい。
ところでデュランダルってアウラが小さくなってることも知ってるんですよね。情報筒抜けによるアコード対策はーじまーるよー
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。
ひと口メモ
・現在出ているキラクローンは3人ですが監督はキラが20人いないと、とおっしゃられていましたがつまり?