ポケモンで表すとストフリはシャンデラ、インジャはラムパルドな尖りステータスで合計種族値だとデスティニーがトップみたいな?
そして1番使いこなせるのがシンだけ、うーんバグ。
「え?」
おもいがけない言葉に意識を取り戻すと、顔を振ってオルフェから離れる。
隠しきれない驚きがオルフェだけでなく、アウラとシュラにも表れていたがラクスにとってはどうでもいい。
何故いまの今まで意識していなかったのか、大事な存在の声に靄がかかっていたラクスの頭を晴らす。
「わたくしの愛する人は、あなたではありません!」
声の主はこの場にいない、ならばどこにいるのだろうか。
「くっ……………………ふん、キラ・ヤマトですか? 残念ながら彼はもうこの世にはいません、貴方が討っても良いと許可を出したのですから」
「っ! …………なら、ユウキも」
自分の身柄を確保するための罠、そのためにキラを攻撃したというのなら彼も同じように、という最悪の想定がラクスの頭に浮かび顔が青くなる。
「ユウキ? あぁユウキ・イチノセですか。大層にも白い悪魔などと呼ばれていましたが、我らの兵士の相手にもなりません」
「キラ・ヤマトと同じく藻屑となっているでしょう」
自慢げに語るオルフェの目線を受けたシュラも、あざ笑いながら答える。
膝から崩れ落ち、口元を抑えてむせび泣くラクスだが慰めの言葉をかける者はいない。ただ後方で控えていたイングリットだけは、ほんの少しだけ違和感を覚えた。
「どのみち彼らはこれからの世界に必要ない」
「…………必要でなければ…………理由がなければ愛さないのですか」
自分の下位互換であるスーパーコーディネイターにただのナチュラル、どちらも不必要だと言い切るオルフェだが、ラクスは震える膝に力を入れ、揺れる声で答える。
「必要だから愛するのではありません……」
初めて会った時、彼は何の理由もなく危険を冒そうとしてまで助けようとしてくれた。それは彼にとってできることであり、やるべきだと思ったからだ。決してプラント議長の娘という立場を利用するためではない。自分がこれまでにできなかった事、やらなかった事、必要ではないと触れることのなかった経験は、ラクスの中で大事な思い出となっている。
「必要に駆られた愛など、愛ではありません…………」
誰かのために行動する姿に憧れた。
傷つくことも厭わない姿に心を痛めた。
はしゃいでいる時よりも、ひとり静かに過ごしている横顔を眺めていたかった。
戦わなくていいから隣にいて欲しかった。
隣に立とうとして悲しませた。
謝りたかった。
死んだと聞いて悲しくなったというのに、生きていると心の奥底で確信があった。
「愛するのに理由などいりません!」
自分が作る食事を美味しいと言ってくれるたびに嬉しくて心が弾んだ。
女の子と仲良くしている姿に嫉妬した。
デートをしているカップルを見かけた時に、自分と彼ならどうするだろうと想像した。
手を繋いで、2人で遊びに行きたい。
そんな夢を叶えたい。
「愛しているから! 心が求めるのです‼」
この先もずっと彼といたい。
「っ…………ナチュラルのような世迷言を!」
温和な表情が崩れ、険しく醜い顔でラクスの言葉を切り捨てる。オルフェにとっては必要のないものだからだ。
「出撃する。シュラ、イングリット、母上と姫を頼んだぞ!」
今頃接近しているであろう軍隊を蹴散らすため、ラクスに見向きもせず部屋を出ていくオルフェ。すれ違い、うつ向くラクスの眼からは涙が止まらないが気づくことはない。
流しつづける涙は、悲しみなのか、ずっと前から燻ぶっていた心の感情を吐き出した安堵なのか、ラクスが分かるにはまだしばらくかかりそうである。
時は少し遡り、アスランやニコルによって回収されたコンパスのメンバーは、秘密裏にオーブへと戻っていた。
モルゲンレーテ社の水中港から入港し、アークエンジェルのクルーたちもケガはないかと診察を受け、幸いというか重症が数名いる程度で済んだことが、休憩室に集まっているメンバーに伝えられた。
「とりあえずマーズさんとヘルベルトさんは絶対安静、起きるのに数週間、リハビリは経過観察をしてからね」
「そうか…………」
カルテを見ていたフレイの言葉に胸を撫でおろしたのはヒルダ。年下の隊長という不思議な関係だがこの場において付き合いは長い、やはり1番心配していたのだろう。
「で、何があったの?」
モルゲンレーテに所属しアークエンジェルに乗ったり乗らなかったりするフレイだが、今回の作戦には参加しておらず、事件の概要を何も知らない。
だがどう説明したものかと顔を見合わせるマリューとエリカだが、彼女たちもまだ全貌を把握しているわけではない。
「…………ボクから話すよ」
「キラ!」
「シン、大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫ですよトールさん」
「連絡はどうしますかアスラン」
「アズラエル理事だけしておいた」
ぞろぞろと現れたモビルスーツパイロットたち。キラやシンは機体を失ったため精密検査を受けたが、特別大きなケガもなくフレイからも許可を貰っている。
現場にいたメンバーとファウンデーションの潜入捜査をしていたアスランとメイリン、ニコルとトールの情報をすり合わせ、フレイやエリカなどにも何があったのか伝わると、
「要するにあんた達負けたの」
「「うぐっ」」
容赦のない言葉がパイロットたちの心をえぐる。いつも通りならシンが噛みつきもするが尊敬している隊長の彼女であり、自信もケガをした時にお世話になってルナマリアとも仲がいいフレイが相手では何も言えない。
むしろ直属の上司よりも権限がある。
「なんだなんだ、言われっぱなしかお前等」
言い返そうにも相手が相手で事実がゆえに言い返せず黙り込むキラたちにのんきな声がかかる。
「おら、お前も入れ」
ハイネに放り投げこまれると適当な場所に座り込み壁に持たれるユウキ。拗ねているのか口を開くこともない。
アスランの後ろについていたメイリンがコッソリと見るも、気が付いていないのかワザとなのか身じろぎひとつしない。
そんな時に急遽オルフェによるアコードの放送が流れた。
レクイエムによる先制攻撃、DPの承認実行、アコードという新たなるコーディネイター。
アコードとは何者なのか、という話題があがったとき、アスランの端末が振動した。
「お待たせしました、アズラエル理事」
「いえいえ、ご自由にお座りくださイ」
コンパスの主要メンバーにエリカも付き添い、アスランを先頭に着いたのは十数人は入るであろう会議室。
本来なら階級による席順などもあるだろうがアズラエル自身が気にしない人間というのは全員分かっており、言われた通り自由に座る。
「先ほどの放送は全員聞いてましたネ? コチラもアスラン君とニコル君にもファウンデーションの情報は集めてもらいましたが、この写真で全てが判明しましタ」
「これは、アウラ・マハ・ハイバル?」
「の、過去の姿でス」
モニター設置されていたモニターを操作し、ニコルの走り書きが書かれたアウラの写真を映し出す。過去? という言葉にシンが首を捻るが同じ疑問を抱いた者は多い。
説明を求めるように視線を受けたアズラエルに視線を貰った付き添いが、キラたちが入ってきたのとは別の扉を開く。
「やぁ、全員ケガがないと聞いて安心したよ」
「!? デュランダル議長! あ、元議長」
思いがけない人物の登場に全員驚くが、思わず大声が出たシンが申し訳なさそうに身体を丸める。
「ギルバートでも構わないよシン、初めましての顔もいるが久しぶり、と言っておこうか」
昔と同じ、いや昔よりも柔らかくなって笑みを見せながらあいさつするデュランダルだが、いち早く察したアスランが膝を打つ。
「! そうか、メンデルの」
「その通りだアスラン、私はかつてアウラと共にメンデルのコロニーで共同研究をしていた。DP、アコードをラクス・クラインの母親ともにね」
またも出てきた意外な言葉に驚くが、時間が惜しいとアズラエルにも話した自身が持つ情報を全て話す。
「以上が私の持つアコードの情報だ。質問があれば答えるが、どうかね?」
「心が読める、ってじゃあ隊長が混乱してたのも!」
「恐らくアコードの力だろう」
アスランとニコルは自分たちが得た情報の確信に、キラは当時の記憶を思い返し苦い顔をする。
ありえたかもしれない大事な人を失った世界、心が乱され視界が狭まり聞こえているはずの声にすら反応できなかった。
騙されたこと、嘘だと言い切れなかった事、混ざり合った悔しさがキラの胸の中で渦巻く。
「今プラントとは連絡が取れませン。おそらくラメント議長は身を隠していまスが、それはこちらで対処しまス」
「肝心なのはラクス・クラインだ。彼女がいなければアウラの目的は達成できない」
デュランダルの分かりやすい目的に全員の戦意に火が灯る。
さてどうするのかと意識が移った時、
「……………………おれはいかねぇ」
人で埋まっているはずの会議室に、小さな声が響いた。
ここまで言わせて諦めない男と助けに行かないバカがいるってマ???
ようやく一歩進んだと思えば下がるバカ、思春期ですね。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。
ひと口メモ
・ラメント議長は原作通り+αで行動しています。