何故かしれっとランキング入ってましたが何だったんでしょ? 未だにシステムがよく分かってないです、ありがとうございます
ミーア・キャンベル、かつてデュランダルが民意を誘導するために用意した偽りの歌姫。
生まれつきのラクスと似た歌声に、アイドル志望の経験を持ち、整形することでラクス・クラインとしてプラントの支持を集めていた。
しかしそれもラクス本人が姿を現すまで。ラクスの代理だと自負はあったが、渡させた台本はすれ違っており都合のいい操り人形でしかなかった。
マネージャーをしていたニコルやラクスたちの協力をもってデュランダルの元を離れ、現在はブルーピリオドに所属。復興支援ライブなどを行っている。
『聞いたわよー! 元気ないんですってね‼』
顔こそ整形したままだが、髪は生まれつきの黒であり所々にピンクのメッシュが入っている。
『もーだめよそんなの私を呼ばないと! って思ったけどそこまで落ち込んでなさそうね。元気でたの?』
「ん…………そんな感じ?」
『なら良かったー! でも無理しちゃだめよ? ちゃんとライブにも来てもらわないとダメなんだから!』
ラクスと同じ顔、だというのに仕草や喋り方は全くの別人である。今ではラクスと混合する人は少なく、ミーア自身のファンも多くいる。
『そうだ! こんどオーブに行くから案内してよ!』
「別にいいけど…………そんな詳しくも」
『いいのよ! 妹のチアキちゃんにも会ってみたいし、ね!』
「…………それくらいなら」
『やった! 約束よ! だから』
画面の向こうでキョロキョロと辺りを見渡し、ミーアはカメラに顔を近づけた。
『ちゃんと帰ってきてね。最初のファンには、もっと私を見てもらわないとダメなんだから』
ばいばーい! と笑顔で手を振って画面が暗くなる。
「あ、終わりました? ってどうしたんです?」
「…………なんか、忙しくなりそうだなって」
どこか困った表情でタブレットとイヤホンを渡すユウキを見て、何を話したのかミーアに聞いておこうと決めたニコル。
空を見上げて悩むユウキだが、深刻そうな雰囲気もなくニコルはうれしくなった。少しだけ大人びた横顔がライトに照らされて「あ、ニコル」「ひゃい⁉」
「どうかしたか?」
「い、いえなんでも、どうかされましたか?」
急に振り向かれて心臓が跳ね上がったが、バレてはいないだろう。もちろんユウキは何を慌てているのかと疑問に思っているが、気が付いていないのは本人だけである。
「ニコルにも、世話になってるなって」
らしくない、と大勢が言うだろう。
だがニコルには何故かしっくりきた。むしろこれまでの騒ぎ立てていたこれまでよりも、今のような静けさがユウキに似合っている。
「そんなことないですよ」
笑いながら否定するが、実際にニコルはそこまで世話をしたとは思っていない。仕事の関係で後始末などをよくしていたが、苦でもなくむしろ楽しんでいた。チームメンバーには悪いがクルーゼ隊にいた時より、アズラエルの下で4人の面倒を見ていた時のほうが楽しかった。
プラントのためにとザフトに入ったはずなのだが、何がどうしてナチュラルがトップに立つ組織で世界平和のために働いている。父も母も不安だと口論になったこともあったが、今ではちゃんと分かってくれている。顔をよく見せろと言われるのは、まぁ仕方ないと割り切っている。
「それでも、礼は返さねぇと」
いらない、と言っても聞かないだろうなと笑いならばと提案を出す。
「じゃあ今度ピアノを弾くので聞きに来てください」
以前ほどではないが今でも空き時間に指を動かし、休日では弾いている。2人きりの演奏会、など少しだけ浮ついた心はもちろんあった。
「そっか、じゃあプラントいかないとか」
「え」
「? ニコルの家に行けば良いんだろ?」
浮ついた心などすべて吹き飛んだ。
「え、あ、え?」
「違うのか?」
「いやっ違わない、っです!」
思いがけない提案に断ることもできずしかし飲み込むには大きすぎ混乱しだすニコル。冷静な計画と暴走していく妄想が頭の中で走り回り、顔を温めていく。
「? あ、そうか両親いるなら邪魔しないほうが」
「いえ! パパとママも大丈夫なので! きっと! はい!」
「そうか? 無理なら別に」
「大丈夫なので! あ、あとでまた連絡しますので! では!」
急にハキハキとしゃべりだし立ち上がるとどこかへと消えていくニコル。ミレニアムに乗っていくはずなのだが、時間になれば戻ってくるだろうとユウキは作業に戻った。
「各部チェック終了、メインエンジン出力上昇」
「もやいを解け」
「ミレニアム前進、第1戦速」
コノエから艦長の席を譲られたマリューの指示により、準備の終えたミレニアムが静かにオーブの港を旅立った。
「ミレニアム、ただちに停船せよ! …………止まる気配はありませんユウナ様」
『そう? じゃあ攻撃するしかないよね、好きにやっちゃってトダカ』
「かしこまりました。いいな艦長」
「はっ! トダカ海将仕込みの百発百外し、モノにしております!」
後ろから迫りくるオーブの艦隊、ムラサメ改の攻撃をものともせずミレニアムは突き進んでいく。
「茶番だな」
その光景を宇宙から見下ろしていたオルフェは鼻で笑った。
『10分後、貴国へ向けてレクイエムを発射する』
「っ! 待ってくれ! ミレニアムは何者かにハイジャックされたのだ!」
『言ったはずだ、少しでも動きがあれば撃つと』
カガリの元へつながれたファウンデーションからの通信、それはミレニアムは茶番を見抜きレクイエムを撃つという宣言。バレていた、とはいえ認めるわけにもいかず時間を稼ごうにもファウンデーションの行動は早い。
『だが、ある要求を呑むのであれば勘弁してやろう』
「? …………聞かせてもらおう」
予想していなかった反応にカガリの額が険しくなる。周りにいたオーブの高官たちも身を構えた。
『DP提唱者ギルバート・デュランダル氏の解放、引き渡しをするのであればレクイエムは発射しない』
「なんだと!」
予想していなかった、いやよく考えればそうおかしくもない要求。脳内でどうするべきか計算をしだすが、
『返事は今すぐにだ、断るのであれば即座に撃つ』
「我が国だけの一存では決められない、プラントにも」
『今すぐにといったはずだ、飲めないのであれば宣告通りレクイエムを発射する』
カガリの言葉を最後まで聞くことなく画面は切れた。
「今すぐオーブ国民の避難を開始せよ‼︎」
国の危機に悔いる暇も悩む隙もなく動きだす。
道路は車で埋まり、M1アストレイも車両を抱えて空輸する。
「やはり騙されてはくれんか!」
無事離水したミレニアムではレクイエムの発射準備を確認しており、コノエの珍しく焦った声がブリッジに響く。
「どうするのさ」
「どうするって、これしかないだろ」
だというのに呑気に話す2人はのんびりとコントロールパネルを触った。
「国際救難チャンネルに放送を受信」
「何だと⁉︎」
レクイエムの発射用意が済んだファウンデーションの元に、謎の通信が繋がった。
映ったのはキラ・ヤマト、ではなく、
『おい「へっぷし」アコ「ごめん紙ちょうだい」しら「何故用意していない」「いいですか調整は宇宙へ上がって」「オレの用意した菓子を取るんじゃねぇ!」「貴方たち少しは静かに」「うわー! ジュースが降ってきたぁ⁉︎」うるせぇ!』
ごちゃごちゃと騒ぐミレニアムのブリッジでカメラの外を向くユウキの横顔が映し出された。
生きていたことにシュラも驚くが、それ以上に自分たちを無視する姿にオルフェの額に青筋が浮かぶ。
『おいそれ俺も食いたい、ん、何だっけ』
ようやく画面に顔を見せたユウキは頬を膨らませてモシャモシャと粗食している。
『んぐッ、あぁそうだ』
飲み込んで指に着いたカスを舐めとり、画面に向けて突きつける。
『新人類だが類人猿だか知らねぇが、舐めたマネしてくれやがったな』
成長した、大人びた、だがそれはそれ。
『不意打ちごときでナチュラル1人もやれねぇマヌケ共が、回りくどい方法でケンカを売ってきやがって』
ただの男の子にとって、負けっぱなしというのは何よりも腹が立つものだ。
『殴り合う覚悟もねぇならそこで一生引きこもってな! ただし! 俺たちはそこにいく! 何があろうとそのケバい面と臆病者をぶん殴りにな‼』
この放送がどこまで広がったのかは分からない。
ただ事実としてレクイエムはオーブから標的を変更し、狙われたはずのミレニアムはファウンデーションの索敵からロストした。
「クソッ! ええい、ブランクaからcの出撃用意! オーブへ向かわせろ‼」
オルフェに浮かぶのは憎しみ、ナチュラル如きが生き延びており自分たちアコードへ宣戦布告したこと、よりも。
臆病者と言われたことが心の中で何かを煮えたぎらせていた。
いやしか女杯開催と見せかけてニコルにしか票が入ってないの信頼ですね。まぁ実際そうなんですけども。
2人きりで、が実家へのご挨拶に変わりかけてて焦るニコルちゃんでした。カァー! みんねいやしかry
ちょっとだけ成長しても負けず嫌いまでなくなったわけではないです。スクライドがちょいちょい顔を出してくるので抑えないと駄目ですわ。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。
ひと口メモ
・未だにラクスの相手をキラだと勘違いしたままです。