知識はちゃんとあるんですけどね、自分がそうなるとかカケラも思ってなかったが故に小学生以下情緒のままでした。妹はまぁ赤ん坊故の勘でしょう。
リバティホワイト好評みたいでよかったです。ただfreedom ZERO同様freedomアストレイも最終巻ないので設定齟齬あってもユルシテ……
混沌とする戦場で、お互いの胸の内を吐き出しあう顔見知り同士の戦いがあった。
「シュラだけが私の価値を分かってくれる!」
「利用されているだけよ! どうしてそれが分からないの⁉」
ブラックナイツの中に紛れていたギャンシュトローム、まさかと思い近づけば機体もパイロットも本人であった。
再会に喜ぶルナマリアだが、アグネスからの返答は躊躇のない攻撃。動揺しなかったと言えば嘘になるが、同時に受け止めることができたのも事実である。
「昔っから人の彼氏ばっかり狙ってたよね」
「何がイケナイのよ! 男ならみんなわたしのこと好きでしょ!」
2人の関係はザフトのアカデミー時代に遡る。
お互いに成績優秀で赤服候補と呼ばれ、貴重な女子だとアカデミーでも人目を引いていた。
特にアグネスは見た目も派手で、彼女がいる男子を狙うという悪癖もありアカデミー内でも有名だった。問題なのは実力があり、家もかなりの権力を持ち、それでいて悪評すらも本人からすれば賞賛と変わらないと認識していること。
事実アカデミー在学中はシンよりも成績が優秀であり、ルナマリアも当時付き合っていた彼氏を取られている。
それも惚れたからではなく自分の方がふさわしいから、というなんとも自分勝手すぎる理由である。
ルナマリアからすれば腹が立つが、簡単に靡く相手だと見抜けなかった自分が悪いと切り替えて終わった話である。
「アンタだってあんな山猿と!」
「っ…………悪いっ⁉」
「ウソ⁉ 本気なの⁉」
「好きでないならなんで付き合うのよ!」
傍から見ればそんなわけがないと思われるが、アグネスはルナマリアのことを認めている。聞けば否定するだろうが、ルナマリアの相手を自分の方がふさわしいと思い、認めていないシンを妥協と思う。つまりはもっとふさわしい相手がいると思っている。
もちろん自分の相手より下でなければいけない、という前提が着くのだが。
お互いに自らの得意距離である近接戦で火花を散らしあうソードインパルスとギャン。
連結させたエクスカリバーとビームアックスを打ち付けあい、胸部バルカンで牽制しあう。
しかしいくら改良されたインパルスといえど、最新の試作機であるギャンとは覆せないスペックの差が存在する。
グフから継承されているヒートロッドがエクスカリバーを断絶し、ギャンが距離を詰めようとすればブーメランでヒートロッドと盾に切り傷をつける。
「バカな男と一緒で頭煮えちゃったの⁉」
戦う意味を問うわけでもなく、お互いに思っていたことを感情のままにぶつけあう。
「アンタこそ、ずっと勝てないからって」
終始勢いのあったアグネスの感情が揺らいだ。
「だまれぇー‼」
怒りと羞恥で顔に熱が集まる。
大振りとなったビームアックスを避け、武装のなくなったソードからフォースにシルエットを換装したインパルス。赤と黒のダークカラーから鮮やかなトリコロールカラーに変わり、広げたシールドを構えて突撃する。
「あんなバカに、私が負けるわけないでしょ!」
「誰もユウキさんだなんて言ってないけど」
「くっ…………!」
引っかかってしまったが、言葉を取り消すことなどできない。
「あんなの! 機体の! おかげでしょ!」
言葉に合わせて振り回されるビームアックスをフォースの機動力をもって躱していく。シルエットを換装したことでスピードこそ張り合えるようになったものの、火力は依然としてギャンが上。
その事実を踏まえた上で勝つ気でいたが、ルナマリアの視界にはミレニアムから飛び立った白い光がいる。
「なら確かめてみる?」
「なにをっ⁉」
ギャンとインパルスの間をビームが通り過ぎ、2機の間に距離が生まれた。
「援護の部隊⁉ 邪魔すんじゃないわよっ!」
振り返った先にいたのは白く淡い光を放つ、白と黒の機体。ルナマリアも姿を見たのはほんの少し前であり、アグネスが見るのはもちろん初めてである。
「無駄に光って、目立ちたがりのバカな…………っ⁉」
それでもパイロットに気が付けたのは、アグネスは否定するだろうが、それだけの付き合いがあった事にほかならない。
「生きていたのなら、何故来なかったユウキィ!」
目標をインパルスからホワイトに変更し、加速して接近していく。勢いをそのままに振り下ろされたビームアックスは避けられることなくシールドで受け止められた。
「悪いアグネス、後でもいいか」
「私なんか眼中にないってこと⁉」
もし平時なら落ち着いた雰囲気のユウキを見て悪態をつくか、バカにしているだろう。しかしルナマリアの言葉に自分を軽んじる態度はアグネスの頭をさらに沸騰させた。
さらに力を込められシールドが破壊されるよりも早く距離をとると、インパルスの傍に近寄る。
「…………おれはアグネスに何かしたのか」
「私から見ればちゃんと相手してたと思いますけどね…………すみません、いいですか?」
「分かった」
余裕がないとはルナマリアも分かっている。分かっているうえで自分の彼氏が信頼しており、自分も師事を受けた相手に頼んだ。
ミネルバ時代から知っていたが、フリーダムに乗る隊長との喧嘩を見て全然知らないことがあるのだと分かった。
頼りになる年上が好みだと思っていたのだが、真逆ともいえる彼氏ができたせいなのか、何となくこの人がモテる理由も分かった。
ラクス様やマユに悪いとは思うが、ケンカをしていても仲間には変わらない。
「それだけケンカができる異性なんて、初めてでしょ。大事にしなさいよアグネス」
「また新しい機体⁉ いいわね白い悪魔様は恵まれてて!」
相手の動きを先読みして胸部のビームバルカンを乱れ撃つが、それすらも分かっているかのように攻撃が躱される。全身の光も相まって、残像を撃ち続けている感覚にアグネスは舌打ちする。
「子供じみたバカも私を油断させるためだったの⁉」
距離を詰めてビームアックスと回転刃を起動したシールドの連撃も、自由自在を体現するホワイトの残光を切り裂くことしかできない。
背部から伸びた左肩を覆うシールドから、発行する白い刃が射出されギャンへ襲い掛かる。
「ドラグーン⁉ これまで1回も使わなかった癖に! 何も言わずに隠し事バッカりなんて‼︎」
ギャンに装備されたあらゆる兵装で迎撃しようと動くが、ドラグーンの強みであるモビルスーツよりも小さく小回りの利く武器には翻弄されるしかない。
「埒が明かなっ…………!」
襲い掛かるドラグーンの隙間に、意識の薄れていた本体の姿が頭によぎる。
振り返った先には両腕でビームライフルを構えるホワイトの姿があった。
当てるのならそれなりの装備が必要となる距離にも関わらず、歯を食いしばるアグネスの頭に浮かんだのは敗北の2文字。
引き金が引かれたビームライフルから飛来した光はギャンの両腕を貫き武器を落とす。
衝撃に揺らされたコクピットで顔を上げれば、画面いっぱいに映るホワイトの顔。
「やっぱ強いなアグネス…………帰ったらごはん食べような」
ドラグーンを回収し、光の尾を残しながら戦場を突き進んでいくホワイトの後ろを眺めたアグネスの目から雫がこぼれた。
自分に靡くことなくコンパスに選ばれるほどの実力を持ち、常に叱られているくせに大勢から信頼を持たれている生意気なナチュラル。
「…………また負けた」
「なら、また挑みなさいよ。あの人模擬戦断ったりしないでしょ」
「……………………」
戦闘不可能なギャンを支えながら月面へ着陸させると後で迎えに来るから、と言葉を残し飛び去っていくルナマリア。
コクピットを開き、未だに光が飛び交うソラの下で膝を抱えるアグネス。
ぐちゃぐちゃになった感情を吐き出すように化粧が崩れるほどの涙の奥では、次に戦う時のためにドラグーンの対処法をシミュレートしていた。
今回のMVPはルナマリア、精神年齢の高さも周りへの気遣いもコンパス上位の姉御です。
本当はビームサーベルなど基本装備だけで終わらせたかったユウキ。けどアグネス相手だと出し惜しみしたら負けると考えて、初見ドラグーンの囮に通常ビームライフル狙撃を披露しました。情報共有される懸念があったからですが、言わずもがなアコードたちはそんなことしません。戦い方としては間違ってませんが、徒労でした。
アグネスが典型的な鼻の高い子どもとは皆さんも共通だと思います。このタイプに必要なのは叱る相手とつかず離れずの距離を保てる相手。信頼度を稼いだら連絡を絶つことで依存度が高くなります。
皆さんもぜひ参考に金髪誰だお前⁉
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。
ひと口メモ
・アグネス→ユウキ ムカつく(遠慮なく本音が出せるので無意識に懐いてはいる。どうでもいい相手ならそもそも関わってない)
・ユウキ→アグネス けっこう高評価(模擬戦する度に強くなるしシミュレーターしてるとこを見てる。異性関係はよく分かってないのと被害がないためあまり気にしてない)
・戦争とかない世界線でも知り合えば仲良く?なれます