ブルコスはねーたぶんあんなことするよね、って思ったら同意がきたのほんとブルコス。戦争ってなんだっけ? ってなる暴れ具合。
そんなわけでもう1人のコーディネーターです。どうぞ
「ユウキ様………………?」
「………………」
フレイによって案内され移動した先の部屋にユウキはいた。
誰かに教わったわけではないが、元の部屋に向かえばラクスはおらず、探し回っていた時に偶然ラクスの匂いがしたのでなんとなしに進んできたのだ。
ハロの開錠機能を使えば出ることもできるが、流石に今の状況で出歩くなどできない。フレイもナタルも自分のために動いてくれたのだと分かっているから。そんな中でさらに迷惑をかけようなどと思うこともなく、新しい部屋で大人しくしていた。
そんな時に現れたのがユウキ、今ではもう見慣れたおチャラけた顔ではなく真剣で少し暗い顔をしていた。
あいさつもせず、まっすぐに自分の方へ向かってくると勢いそのままにラクスは座っていたベッドに後ろ向きで倒れた。目の前にはまっすぐと自分を見つめるユウキ、瞳に自分が映って見えるほどの距離に、ラクスは跳ね上がる鼓動を抑えながらいつも通りに声をかける。
「ユウキ様? どうされたのですか?」
「………………ラクス」
「………!」
お互いの吐息が触れるほどの距離、自分の名前を呼ばれて抑えていたはずの鼓動が一段高く跳ね上がった。ラクスの脳内で何かがはじけ、ユウキの開かれた口をスローで見えるほどの集中力を発揮し、次に来る言葉を聞き逃さないよう全神経を尖らせていた。
「あの放送は………………自分の意思か?」
「………………………………………………………………………………はい、そうですわ」
ちゃんと聞こえていたはずなのに返事が遅くなった。理由は自分でもよく分かっていない。
「ナタルさんがした理由は?」
「………………自分で放送しようとしたのですが、それよりも早く横から手が入りこんだのです」
「そうか………………」
話している内容は普通の事なのに何故か違和感がある。いつの間にか鼓動は収まり、ドキドキがグツグツになり始めていた。理由は自分でもよく分かっていない。
「ナタルさんが………………」
「………………」
チラリと自分の横に置いてある手を見るユウキ、ラクスからちゃんと見えないが少し雑な巻き方の包帯が目に入る。目から光が消え始めた理由は自分でもよく分かっていない。
「………………あの、少しよろしいで「ラクス、いる?」しょう」
そして開かれる扉、そこにはフレイとキラが立っており偶然二人の立ち位置からはこう見えてしまった。
戦艦の中でも中心から離れた、人通りの少ない部屋にいる少女をベッドに押し倒す少年。
「こ、の、バカ!」
固まる少年を差し置いて赤毛の少女の動きは速かった。コーディネイターなど比べ物にならないほどのスピードで相手の真横に付き、握られた拳は斜め下から弧を描くように振りぬかれる。後に、一連の流れを見ていたコーディネイターの少年はこう語った。
「えぇ、すごくスムーズな動きでしたよ。ボクが真似しようにもできないと思います。なんでしたっけ、昔で言うアレは世界を狙える右だったと思います」
「大丈夫ラクス、何か変なことされてない? あそこにあるゴミはちゃんと宇宙に捨てておくから安心して」
「いえ、わたしは大丈夫なのですが」
少し困った様子のラクスのあちこちを見て安否を確認するフレイ、最後の捨てておくからという言葉では満面の笑みを浮かべていた。部屋の隅では倒れたナニかを棒でつつくキラ、触ろうにも触れないしモザイクがかかっているのでむしろ触りたくない。
「おい赤いの、何してくれやがる」
「とりあえず荷物はこれにまとめて、あとノーマルスーツに着替えないとね」
「無視か」
「あきらめなよユウキ」
何をしに来た、なんて話はしない。荷物をまとめさせてすぐさまモビルスーツの格納庫向かう。文句たらたらな一名がいたが前で手を引っ張る赤毛には聞こえない。
「………………どうするの?」
「なんでそこ考えてねぇんだよ」
フレイを除く全員がノーマルスーツに着替えるとそこでようやくフレイが気がついた。ラクスを助けようと連れ出したが、具体的な案は何も考えていない。全員がユウキの顔を見る。あきらめたようにため息を付いた。
「キラ、お前がラクスと一緒にイージス呼び出して渡せ………………それくらいなら聞いてもらえるだろ」
「うん………………」
「俺は近くで威圧しない程度に着いて行く」
端的に言うとそのままホワイトに向かっていく、その手を後ろから掴まれた。
「どした?」
「また………………会えますか」
不安げに見上げるラクス、今すぐ離れるというわけではないがちゃんと顔を見られるのはこれが最後だろう。これが日常ならまた明日、と返せたが今は戦争をしている。また明日が一生来ない可能性すらあり得る。そんな不安をここにいる年端も行かない学生たちは身をもって学んでしまったのだ。
「当然」
掴まれた手を握り直し、なぜか腕相撲の時と同じつなぎ方で、引き寄せるといつも通りの笑い方で力強く笑った。
「では……約束ですよ」
その手を両手で包むと額に当てて目を閉じる。それはどこにでも見られる相手の事を願い、祈る姿だった。
「え、ウソでしょ? ホントに???」
「あ? え? え?」
何やら慌てている二人がいるが特に気にすることはない。終わると手を握ったままニコリと笑う。同性であっても見惚れる笑みだったが相手はいつも通り笑うだけだった。
「お、ユウキどうしたんだ?」
「散歩行ってくる」
「は?」
整備をしていたトールが返された適当な返事に頭をかしげるがいつも通りかとあきらめて邪魔にならないように避ける。向こうではカズイもキラと何か話している。なら二人揃ってなにかするつもりなのだろう。巻き込まれないように離れることにした。
「土産はいるか?」
「いらねぇから怒られる前に帰って来いよ」
「そりゃ無理だな」
慣れたようにホワイトを起動して歩かせる。ほかの整備クルーも慣れているのか、そそくさと道を開けて宇宙へ放り出されないようエアロックへ退避した。
「おい何やってんだボウズ共!」
唯一遠慮なしに叱ることができるマードックが来るが一歩遅い、キラとラクスを乗せたストライクがカタパルトへのゲートを開いた。
「警報!? なにがあったの!」
上官用の部屋でこれからについて打ち合わせしていたマリュー、ナタル、ムウ、コープマン、が立ち上がる。通信をつなげば返って来たのは次の言葉。
『すいません! モビルスーツ格納庫にていつものです!』
頭を抱えるマリューにムウ、何も分からず二人を交互に見比べるコープマン。そして、
「………………騒ぎを起こすなと言えば良かったのか」
座っていたイスに身体を投げ出し天井を見上げるナタル。あきらめたようにも見えるが、口元が緩んでいたのは誰にも気づかれることはなかった。
「で、あの二人今度は何してんの?」
追い出された時にこれ幸いと飲み物を飲んでいるトール、近くにいたフレイに聞いてみると、
「………………あのバカがモテることってあると思う?」
「頭打った?」
謎の言葉が返って来た。
近くにいたカズイと一緒に本気でフレイの心配をしていたところ、
「トール! キラとユウキが出ていったんだけど!」
慌てたミリアリアにサイも来たが、それでもフレイの調子は戻らない。どうしたものかと悩んでいたところ艦内全てに通信が入った。
『こちら地球軍所属、ストライク。ラクス・クラインを引き渡す。ただしヴェサリウスはその場で停止、イージスのパイロットが単独で来るのが条件だ!』
どの船でもざわつきだすが、ただある船の一部だけが呆れたように笑っていた。モニターを確認すればストライクの少し後ろを付いていくホワイト。そこに原因があるのだろうと知っていたから。
自分のこと気にかけて命もかけるようなことを言いながら他の女性の事を気にかけるボケナスのことをラクスはどう思っているのでしょうか。(なお爆弾は他にも埋めております)
ギャグかけたので満足。やっぱ広い艦内だとセグウェイみたいなやつあった方が良いですよね。広い駅や工場だと自転車で移動したりもあるらしいですし。
オマケ~ストライクのコクピット内~
パイロット「大丈夫? せまくない?」
歌姫「大丈夫ですわ」
パイロット「ごめんね、ホワイトの方に乗せられたらいいんだけどボクがつなぎ役になったから」
歌姫「大丈夫ですわ」
パイロット「………………もしかしてなにか怒ってる?」
ハイライトが消えた歌姫「………………ユウキ様はオモテになられたりするのでしょうか?」
白目をむくパイロット「」
ホワイトのパイロット「へっくしょん! あー風邪か?」