スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 戦闘中に思い出を懐かしみ、ワクワクしながら料理する。何があったのやら。

 仕事が忙しくて更新遅くなりましたが、お付き合いお願いします。


悪ガキ2人、ただし

 おじさんは変わった人だった。

 

「やぁ、君がユウキの友達だね。…………なかなか難儀な産まれのようだが、仲良くしてくれると嬉しいよ」

 

 気難しい顔のユウキの頭を撫でながら笑顔であいさつをした時、2人の間に確かなつながりを感じとった。

 

 当時は分からなかったが、おそらく両親から聞いていたんだろう。勘違いでなければ、友人というより息子、親戚の子供? のように思われていた気がする。

 

「今日は鬼ごっこだ、2人がかりで挑んできなさい」

「新作ゲームを買ってきたんだ、よければ遊ばないかい?」

「お母さんがお弁当を作ってくれたんだ、ドライブに行こうか」

「その程度で勝てると思ったのなら甘いと言わざるを得ないね」

 

 思い返せば結構大人げない人だった。

 

 子供2人を相手にハメ技や財力(大人の力)を使って勝ちに来た。気が付けばユウキもボクも必死になって勝てる方法を模索した。

 

 そういえば最近はおじさんに挑んでいない、と気が付けば帰ったら遊びに行こうか。いやチアキちゃんがいるから迷惑かな、なんてことを考える。

 

「戦闘中に余所見とはよほど死にたいらしいな!」

 

 ゴーカートでレースをした時、2人で通り道を防ごうとしたらスピードを落として空いた隙間を通りぬかれた。

 

 通り過ぎた時のどや顔にすごく腹が立って、アイスを買ってもらった。

 

「奇怪な動きには多少驚いたが、その程度で勝てるとでも!」

 

 アスレチックコースで競争した時、どちらに行けばいいのかと迷うボク達を置いて迷いなく進んでいった。

 

 事前にルートを調べていたとおばさんにバラされて、不正だもう1回と言うも大人はズルい生き物だよと勝ち逃げされた。

 

 帰りに好きなだけ食べていいと言われ、ファミレスで本当に好きなだけ食べたけどユウキがボクよりも食べた事にみんなが驚いた。

 

「メサイア内部のルートなどどこで知っていた…………!」

 

 両親とも仲が良くて、おばさんとユウキにチアキちゃんの事を心からおもしろおかしくて、楽しい人だと思っている。ユウキの普段の態度もおじさんの真似をしてるんだろう。流石にボクは影響を受けてないけどね。

 

 そんなおじさんだけど昔、一度だけ神妙な顔をしていたことがある。

 

「…………キミたちはきっと、荒れる道のりを進むことになるだろう」

 

 ない方が珍しい気がするボクの家族との食事会の日、たまたま2人きりになったおじさんがそう言った。

 

「だけど忘れないでいてほしい。キラ君の友人はとても思いやりのある、臆病な子だ。頼りにして、支えてあげてほしい」

 

 今更な気もする言葉だったけど、珍しく真面目な顔なので思わずちゃんと考える間もなく反射的に言ってしまった。

 

 

 

 

 

「虫のように逃げまどう臆病者がァ‼」

 

 カルラのドラグーンに合わせたシヴァの激しい連撃がついにストライクフリーダムの翼に届く。

 

 右側のクスィフィアス3 レール砲に腹部のカリドゥスは切られ、ドラグーンはビームの効かないフェムテク装甲を前に使えるわけもなく。機体相性は最悪と言えるマッチアップで粘ってきたが、ついに限界が近づいてきた。

 

「所詮我らに劣る劣等種! 勝てる道理などない‼」

「…………そうかな?」

「まだあがくか!」

 

 カルラが専用ドラグーン、サハスラブジャを展開しキラも対応するようにドラグーンを向かわせる。

 

 クルーゼのプロヴィデンスやレイのレジェンドといった対ドラグーン経験があるキラでさえも対応は難しく、4門のビーム砲を内蔵している全8基のドラグーン、合わせて32門のビームを前に青色のドラグーンを減らしていくことしかできない。

 

「哀れな奴!」

「なに、がっ!」

 

 カルラが引き抜いた対艦刀を受け止めるも、機体のパワー差によって押し切られる。かろうじて月面の地表へ落とされることはなかったが、ドラグーンを使ったビームシールドを背後に広げて逃げていく。

 

「旧式のモビルスーツで我らに歯向かうなど!」

「…………」

「言い返すこともできぬか! ならばここで、旧型の機体を棺桶に朽ちていけ‼」

 

 メサイアの残骸の向こう側に待機していた、小型戦艦ともいえるカルラのドラグーンであるジグラートから大量のミサイルが飛来する。

 

 脳内で弾けてクリアになった感覚のままに操るマルチロックオンシステムが、すべてのミサイルへ狙いを定めた。

 

「もしかして、ユウキが怖いの?」

「…………ふざけるなぁ‼」

 

 数の減った武装を使ってすべてのミサイルを落とす。

 

 一拍の隙間が空いたカルラがドラグーンを使うことなく、直接対艦刀を振り下ろしに来た。

 

「世迷言を! やはり我らに劣る貴様ごときでは「なら何故何も言わない」このっ‼」

 

 攻撃を躱し、足元に向けて腰のレールガンを発射することで爆風に乗り宙へと上がる。

 

「ボクの事ばかりでユウキの事は何も言わない! ラクスを迎えに行ったのも、ラクスが愛しているのも!「だまれぇ‼」!」

 

 再びドラグーン同士による打ち合いが始まるが、ただでさえ性能差がある中で数の差も広がっていき、瞬く間に数を減らすことしかならない。

 

「あんなナチュラルが! 何の苦労もなくモビルスーツの操縦ができるだけで、ラクスの優しさに付け込んだだけの「知らないだけだろ!」」

 

 先を切り落とされ、デッドウェイトになったビームライフルを投げ飛ばしカルラの近くで打ち抜き爆発させる。

 

「ラクスがユウキを好きになった理由も! 僕らの人生を!」

「知らずとも分かる! 生まれるべきではなかったゴミ同士、何もできないクセにのうのうと愛されて生きている‼」

「愛されるのに、愛するのに資格なんて必要ない‼」

「っ!」

 

 キラの言葉に息をのむイングリットだが、前に座っているオルフェが気が付くことはない。

 

「彼女は私のものになるはずだった! それを横取りして何が愛かっ‼」

 

 さらに攻撃が激しくなるカルラ、そしてシヴァも要所要所で攻撃の手を挟んでくる。

 

 腹部のトヴァシュトリ 超高インパルス砲を始め、防ぎきれなくなったストライクフリーダムに残る武装はなく、ジグラートによるミサイルの爆風を受けて吹き飛ばされて月面に突き刺さる柱にぶつかった。

 

 搭載されている新型融合炉でもエネルギー供給が追い付かず、灰色となって膝をつく前にシヴァが立ちふさがった。

 

「終わりだ、フリーダム!」

 

 胸部の装甲が展開され、スティンガーが襲い掛かる。物理攻撃を防ぐVPS装甲がダウンしているいま、防ぐ手段はなく、

 

 

 

「キラーァ‼」

 

 友人の名前を叫びながら間に割り込んだのはアスランのズゴック。水中でも動けるように強固な装甲を持っているのだが、連射されていくスティンガーによってボロボロとなり、

 

「アスラン!」

「くっ!」

 

 光と共に弾きとんだ外装の中から、灰色のモビルスーツが飛び出した。

 

 キャバリアーから射出された超高速戦闘対応型ウイング、フォランテスを装備すると赤紫のカラーを纏い、全身からビームの刃を展開してフリーダムと並ぶ伝説の機体ジャスティスが降り立った。

 

『キラ! 大丈夫か⁉』

「トール! いつでもいいよ!」

 

 動きのないフリーダムから興味が移ったシヴァはジャスティスを分断させるように引き連れていく。

 

「とどめを刺す! フリーダムに全火力を叩き込め!」

 

 立ち上がり宙へと飛び上がるフリーダムにジグラートからミサイルとメサイアを避けるように湾曲したビームが襲い掛かる。ボロボロになった背部パーツをパージし、たどり着いたトールのコスモグラスパーから赤い翼を背負う灰色のままのフリーダム。勝利を確信したオルフェの口元が自然と歪んだが、

 

 

 

 

 

「待ってたよ」

 

 

 

 

 

 自由の前に白い流星が降り立った。

 

 

 

 攻撃が止み、爆炎が晴れた時には消え去ったフリーダムの姿が、と思っていたオルフェの脳は実際に眼にした光景を受け入れることができなかった。

 

「ボロボロじゃねぇか、もっと早く来た方が良かったか?」

「まさか、それならボクが勝って終わってたよ。あ、トールありがとう!」

 

 白く輝くシールドからドラグーンが分離し、周囲を囲むように飛翔する中で、離れていくコスモグラスパーで親指を立てて離れていく友人にキラはお礼を言った。

 

 灰色のフリーダムをかばうようホワイト、その姿を認識できたとき、オルフェの中に言い表せない感情がこみ上げてきた。

 

「貴様が…………貴様ごときが!」

 

 オルフェの声が聞こえているのかいないのか、左腕の甲からビームサーベルを逆手に取り出すと、 

 

「さっさと起きろよ、寝坊助やろう」

 

 フリーダムの額へと突き刺した。

 

「⁉」

 

 息を呑むイングリット、通常とは違い虹色に輝くビームサーベルはフリーダムの額を貫く……………………ことなく、頭部から全身に色が取り戻されていく。

 

「なんだとっ⁉」

 

 機体を染めていくのはフリーダム特有の胴体に黒ではなく、胸部が青く、腹部が赤いトリコロールカラー。それはキラが初めて操縦したモビルスーツと同じカラーリングであり、

 

「…………やっぱりユウキにはその機体が似合うよ」

「キラこそ、懐かしいもんだな」

 

 バックパックに装備されたビームライフルとシールドを引き抜く、エールストライクフリーダム。

 

 同じようにビームライフルを右腕を伸ばし半身になって構えるリバティアストレイ・ホワイトフレーム・ブレイブロード。

 

「知らないだろうから教えてあげる、ボク達はあの頃の百倍強いよ」

「これで2対2、遠慮はしねぇぞ」

 

 それは嘗て素人ながらにコーディネイターを相手に生き残り、仲間を助け続けたコンビの姿。

 

 仮にミレニアム内で最強のパイロットは誰か、と聞けば答え無数に出るだろう。しかし最強のコンビは、と聞かれれば誰もが口にする2人組。

 

 ナチュラルとコーディネイターの、悪友コンビが今ここに並び立つ。




 イメージBGM「ニブンノイチ」from:BACK−ON

 新機体はホワイトだけ? んなわけないです。

 今作ではプライドディフェンダーはありません。変わりに色々あります。

 ユウキ両親はユウキの悩みに気が付いてました。すぐに解決できるものはないと分かってたので、別の事に意識を切り替えられないか、という意図の日々です。素かと聞かれれば半分くらいはそうですが

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。


 ひと口メモ

・キラTSさせてたらダメだと思いました。

 エールストライクフリーダム


【挿絵表示】



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 例によって作成楽しくて寝不足です

※活動報告にお知らせがあります。良ければご確認ください
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=346416&uid=235477
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