スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 なんでロボットもので殴り合ってるんだよ! って突っ込みがこないんですかね。ガンダムって不思議ですね。

 スクライド? いえす、スクライド!


声を

 白い光の結界の中で、止むことのない金属と金属がぶつかり合う音が鳴り響く。共に外装に傷がつき、共に耐久性があるとはいえ、すぐに修理に出すべきだろ。

 

「いい加減に墜ちろ!」

「まだまだぁ!」

 

 それでも鳴り止まない。

 

 お互いに止まることはない。

 

 足を、腕を、止めた方が負けなのだと分かっている。

 

「何故ここまで抗う! 貴様も争いを求めるのか!」

「求めてるから抗うんだろ!」

 

 拳に混じり、言葉も投げあう2人。

 

「人は愚かだ! それ故我らは産まれた‼︎ 世界に安永を齎すために‼︎」

「それはお前が産まれた理由だ! 生きる目的じゃない!」

 

 この時初めてオルフェの動きが鈍った。カルラの狙っていたカウンターのタイミングがズレて、ホワイトの拳が突き刺さる。

 

「っ! 何も知らぬ愚か者がっ、知ったふうな口をきくな‼︎」

 

 反撃と言わんばかりに攻撃の手を増やすカルラ。押し込まれたホワイトは防御に専念していく。

 

 

 

 

 

「目標敵旗艦‼ 最短距離で突き抜ける‼」

 

 マリューの号令により進路を決定したミレニアム。

 

 数は減ったとはいえファウンデーション軍の艦は未だ健在であり、一隻で突撃など自殺にも近い。

 

 だが艦長の命令は絶対なのが船の掟である。

 

「ローエングリン撃ぇー‼ ミレニアムの進路をこじ開ける!」

 

 ドミニオンの援護も合わさり、旗艦グルヴェイグの近くへ接近することができたのだが、

 

「やらせん!」

 

 ジャガンナートの乗るナスカ級高速戦闘艦・ブルクハルトがミレニアムを妨害しようと迫ってきた。

 

「コーディネイターの未来のためにも! 同胞が流した血を忘れてはいかんのだ‼」

 

 混戦した戦場で、敵の接近に反応が遅れることはある。そして一瞬の隙が命取りとなる戦場において、反応の遅れは致命的すぎる。

 

 焦りすぎたと冷や汗を流すマリューの視界を覆いつくす戦艦を、

 

 

 

 謎の外部パーツが漂う、なにもない空間から放たれたビームが貫いた。

 

「何っ⁉」

 

 突如火を噴いたエンジンにブルクハルトのブリッジは慌てだし、さらに追加の報告がオペレーターから流れてくる。

 

「前方! デュエルです!」

「頭上にはバスターが!」

 

 腰から構えられたライトニングバスターの砲撃が、戦艦に穴を開ける。

 

 ミレニアムを庇うように立ちふさがるバルサミナデュエルのランサーダートが、ブリッジを貫いた。

 

「忘れるわけねぇだろ…………」

 

 下に見ていたはずのナチュラルに捕まり、殺されかけたというのに今では連絡をとりあえる友人となったディアッカ。

 

「だからこそ進まねばならんのだ…………」

 

 若いというには愚かすぎる行いに、罰を受けようとして生きることを望まれ、自分のような過ちを繰り返させまいと進むイザーク。

 

「僕たちは……変われるんです」

 

 仲間のためにと命を張るも、死に際に敵である存在に命を救われ、本当の意味で誰かのためという指針を見つけたニコル。

 

 火を引いて沈んでいく船を忘れまいと、アッガイの外装が漂う中心に姿を現し、背部から右脇の下を通るアームから伸びたスナイパーライフルを仕舞い、船を見送るセレテニィブリッツ。

 

「あなた達にもあった誰かのためという気持ちが…………銃口を向けた相手にもあるんです。それを知らないから、戦ってしまう…………だから」

 

 

 

「残りわずかだ! 気をぬくなよお前ら!」

 

 こちらの動きを学んでいるのか、ただでさえ手ごわかった黒いフリーダムの動きがさらに洗練される。左手にフラッシュエッジ、右手にビームを両刃に展開したグラムを装備し、周りと共に自分へ言い聞かせるようにハイネは声を張り上げた。

 

「お前は俺たちの上司じゃねぇだろ‼」

 

 カラミティの背負っていた砲門が肩から脇の下を通るように、逆向きで構えられる。適当にバラまいているようで、相手の進路を妨害するようにミサイルが発射された。

 

「待ってたぜ、抹殺‼」

 

 レイダーの投げ飛ばしたハンマーが短いビームの刃を展開し、回転しながらカラミティのミサイルから逃げていたセンテンスの懐へたどり着く。

 

「よおっし、今ので」

 

 全て終わらせたと思い装備を仕舞いなおしたハイネの後ろから、ボロボロになったセンテンスが銃口の狙いをつけた。

 

 自身へ迫りくる光を見て、一瞬だけ遅れた反応を笑うように、躱すことができないと判断を下した時、

 

「はん、マヌケ」

 

 フォビドゥンの代名詞である、ビームを湾曲させるシールドをもった装備が単体でハイネのデスティニーとの間に割り込んだ。

 

「はっ、お礼にオススメの曲教えてやるよ‼」

 

 輝く左腕を突き出し、ボロボロになりながらもまだ狙いを定めようとするセンテンスの頭部を掴んだ。

 

 パルフィマキオーネの輝きが収まると同時に、今度こそ動くことのなくなったセンテンスが流されていく。

 

 

 

「近接装填! 艦首衝角ゴウテン起動ッ! ぶつけてでも墜とす‼」

 

 マリューの号令でミレニアムの前方下部から熱によってカバーシートが捲れあがる。

 

 熱せられた先端を向けて自らへと突撃してくる様子を眼のあたりにしたアウラはどこへいこうというのか、慌てふためき、椅子から転げ落ちた。

 

 宣言通り突撃するミレニアム、後に聞けばほら話だと思える船に船が突き刺さるという光景だが、誰も気にする余裕はなく、

 

「全砲門展開!」

「撃てェー‼」

 

 コノエの指示にマリューの号令があわさり、外すことのないゼロ距離砲撃がを襲う。

 

 至るとことで爆発が起き、衝撃と合わせてゆっくりと離れていくミレニアム。何の因果か物言わぬセンテンスもたどり着き、グルヴェイグの一部を白衣の男と共に押しつぶして爆発に巻き込まれた。

 

 

 

「シン!」

「レクイエムを破壊する‼」

 

 ブラックナイトスコードと倒し、センテンスはハイネが引き受けることでフリーとなったシンたちは、一直線にレクイエムへと向かう。

 

「レクイエムを破壊するのはいいが、火力は足りるのか?」

「ステラも手伝う!」

 

 ルナマリアと同じようについてきたレイだが、彼の懸念は火力不足。レクイエムは戦艦すらも飲み込むほどの大きさであり、モビルスーツ数機では不安が残る。

 

「ムウさん来ましたよ! シン! 無事でよかった!」

「間に合ったか! ボウズ!」

 

 レクイエムを防いだ代償として、碌に戦闘もできなくなったアカツキを牽引するコスモグラスパー。レクイエム周辺で隠れながら待ち望んでいた増援を前に、ムウは声をあげた。

 

「トールさん! おっさん!」

『おっさんじゃない! お前の装備を受け取れ‼』

『ルナマリア! ディアッカのミーティアがある!』

「はい!」

 

 アカツキがレクイエムの偏光リングを破壊するのに使った、カグツチをもとにモビルスーツへ高火力と高起動を与える「ホノイカヅチノカミ」をデスティニーは装備し、そしてエターナルからディアッカが使っていた大型兵装ユニット・ミーティアをインパルスが装備し、レクイエムへと向かう。

 

 エネルギーは砲口から光がこぼれるほどに溜まっており、第一リングはすでに上空に構えているだろうが、ミラージュコロイドで隠蔽されている。発射直前に破壊できたとしても、照射されたレクイエムを躱すことは難しく、防げるアカツキは戦闘できないほどの状態。

 

 インパルス、レジェンド、ガルム、キャバリアーに乗るジャスティスが持ちうる装備全てを使って、デスティニーの進路を開く。

 

 残っていたレクイエムの護衛部隊が蹴散らされていき、インパルスが大型ビームソードでシールド発生装置を切り裂いた。

 

 光るレクイエムの砲口を真正面から向かい合うデスティニー。レーヴァティンを差し込んだモビルスーツを超える超大型リニアカノンに赤い羽根のドラグーンが纏わりつき、エネルギーが充填されていく。

 

 ヴォワチュール・リュミエールを展開したデスティニーですら姿勢を崩したその一撃は、正しくレクイエムを撃ちぬいた。

 

 

 

 

 

 

「オルフェ? …………本当にオルフェなの?」

 

 離れた場所でフリーダムの手に乗り見守っていたイングリット。心の中にあった不安は疑問に移り変わり、未知への恐怖へとたどり着いていた。

 

 見たことのない知り合いの一面に、非効率すぎる戦闘。初見であるどれもがイングリットの頭に理解をさせない。

 

「なんで? 私が人質になってるから? 「違うよ」キラ・ヤマト…………」

 

 アコードとは違った方面で造られた最高峰のコーディネイター。

 

 説明を求めるように顔を向ければ、困った様に笑う。

 

「あれは……そういうんじゃない。ただ自分の方が正しいって、相手が気に食わないって、他の事はどうでもいいからとにかく勝ちたい…………つまり意地だよ」

 

 フレイにも理解されなかったけど、というキラの言葉を聞いてもやはりイングリットには理解できない。いや意地であるという事は分かった。

 

「分からない…………分からないわ」

 

 しかし理解はできない。意地なんてものでここまでする理由が、理屈がイングリットには受け入れられない。

 

「だろうね…………おっとウッカリ」

 

 何を思ったのかウッカリ手を滑らせてキーを押すキラ。

 

 あたりを包む光の結界が瞬き、

 

 

 

『お前自身の声を聞かせろ‼︎』

 

 戦場へ声が繋がる。




 イメージBGM「Meteor -ミーティア-」from:T.M.Revolution

 3バカとハイネは馬が合うと思いました。シャニとか音楽関係でとくに仲良くなりそう。

 デスティニーやジャスティスにはついて色々と言われていますが、ミレニアムの戦闘もfreedomの魅力だと思っています。ガンダムであんなに戦艦同士の戦いをしてくれるのは新鮮でした。

 そしてウッカリのキラ。

 ドラグーンジャミングの設定ですが、元々は強制割り込み通信網をドラグーンをアンテナにして繋げる、というものでした。結果ジャミングもできたので両立させるか、という経緯があります。後出しでごめんね! ネタバレになるので言えませんでした。いろいろと考えてくれた方々ありがとうございます。


 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。


 ひと口メモ

・範囲は現在宇宙で戦闘している全員、のはず


 後3話くらいかな
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