秘儀! おきて破りのOPイメージBGM!
イメージBGM「INVOKE -インヴォーク-」from:T.M.Revolution
『自分自身の声だと? そんなもの今ここにある!』
『そうじゃない! 自分を造る言葉じゃない、お前自身の声を聞かせろ!』
『これがすべてだ! 人はおろかに争い続ける! それゆえに我らは生まれた! 導く者が必要なのだ‼』
『どう導く! どこへ招く! 誰が頼んだ!』
『世界が望んだ!』
『俺は望んでいない‼ キラも! ラクスも!』
『定めに抗い、戦乱の世にするのがお前たちの望みか! コーディネイターという進化した人類の手によって世界は進む‼ 誰もが望んだ世界へと!』
『人にそんなことできるわけねぇだろ!』
『ならば我らがしてみせよう! そのために生まれたのだからな‼』
『神様にでもなったつもりかっ⁉ 俺もお前も人なんだよ!』
『できぬというのなら指を咥えて見ていればいい! 私が成し遂げるさまを‼』
『お前の語る平和ってなんだ! コーディネイターにしかできないって、これまでの人と何が違うんだよ‼ これまでにだってたくさん、たくさんいたんだ‼』
『そいつ等では力不足だったのだ! 進化し、能力のある人間が、個人適正にあわせて生きていけばよい‼』
『それで世界が救われると! 本気で思っているのか‼』
『当然だ! 溢れる僻み、他者への妬み、積もる恨み、生まれることのない世界でなければ平和には‼』
ぶつかり合う拳で生まれる火花と共に重なる言葉の応酬、オルフェの吐き出す言葉は間違いだと言えない。それどころかC.E.という世界を正しく表している。
コーディネイターへ歪んだ嫉妬を持つナチュラル、憎悪が増していきナチュラルを滅ぼそうとしたコーディネイター。
自然の摂理から外れたコーディネイターこそ滅ぶべきだと歌ったナチュラル、遺伝子という名の運命の導きを信仰したコーディネイター。
ぶつかり合いすれ違う火花と共に生まれ落ちた、希望を願う復讐者。
生きる理由ではなく、誰もが相手の死を願うようになった世界。
知る人々はこの世界に生まれたいと願うことはない。
──────だから、どうした‼」
ホワイトの頭部が振り下ろされ、カルラの頬の一部が欠けた。
「
ぶつかった時の衝撃でホワイトのブレードアンテナにも罅が入る。
「いつだって死にたくなるほどに残酷で! みっともなく生きたいと願うほどに温かい!」
絶望の中を生き、希望を知ったが故の恐怖を抱えてきた少年の独白が、光と共に広がっていく。
切なそうに、辛そうに、泣きそうに、真剣な顔で聞く者たち、
「そして俺は生きることを選んだ。選ばせてもらった」
涙をこぼしながら、笑いながら、続きを待つ者たち、
「それは貴様の世界だ! 降りてきた幸運を浴びてきた傲慢な言葉だ‼」
「知ってる!「ならば!」それでも!」
泣くように叫ぶ少年の帰りを待つ者たちがいる。
「この生き方を選んだのは、俺の自由だ」
自由、とは、
「この世界に自由などない! 産まれも生き方も! 心すらも‼ ───っ⁉」
思わず出てきた言葉に、オルフェ自身が驚く。
アコードとして生を受け、人類を導くためにと育ち、定められた番と出会うために生きてきた。そこになんの疑問もなく歩んでいく、はずだった。
「いつどの時代においても世界は不平等で、不公平だ!人生の大半は生まれで決まり、運勝負の土台にすら上がれずに! 何かに縛られて生きている‼ 唯一公平に存在する死すらも! 理不尽に訪れることすらも理解していない! みんな愚か者だ‼」
堰を切ったようにあふれ出す言葉、思わず飛び出そうとしたイングリットをキラはそっと手を翳して止めた。
「貴様もそのひとりだろう!」
アコードとしての力を使うまでもなく、オルフェは感じ取っていた。目の間にいる相手は血まみれの手で灰をかぶりながら生きてきた人間だと、人一倍臆病な生き物だと。
だというのにアコードの姫になるはずだった存在を始め、大勢に囲まれている。
「……………………そうだな」
「ならば!「でも全部じゃない」…………なにを」
そっと目を閉じたユウキの心が、ダイレクトにオルフェに伝わっていく。
「こ、れ…………は」
虚ろな目で銃を握る幼少期から、現在に至らるまでの記憶全てが流れ込んでくる。ラクスと始めたあったときに目があった2人が繋がり、何かが呼び起された記憶、そのすべてをさらけ出されてきた。
「貴様っ………こんなものを見せられて!」
振りかぶられたカルラの拳をホワイトが受け止めた。機体のパワー差により押し切られそうになるも、踏ん張って耐えるホワイト。
「何故あがく! ふざけた記憶を見せつけて! 私が折れるとでも思ったか⁉ 貴様がそうならば! 我らに迎合して回りの人間だけを置いておけばいい! 違うか⁉」
「…………違うんだよ、そうじゃないんだよ」
「自由だと言ったな! 何が自由だ‼ 1番縛られて生きているのはお前ではないか‼」
押し切ろうとさらに力を籠めるカルラ、少しずつホワイトの体勢が沈んでいく。
「…………いや自由だよ」
「何がだ! 出生も! 身体も! 心も! 全て‼」
同じように──────そう言いかけた口をオルフェは嚙み締めた。口内で鉄の味が広がるが、関係なく自らの歯を噛み砕くほどに強く、もっと早く潰してしまおうと力を籠める。
目の前にいる何かを、自分とは正反対の生き物を潰してしまおうと、さらに強く。
「それでも────」
さらに増していく力に、膝をついて寝てしまいたくなる力に、ユウキは抗う。
「魂は自由だ」
「っ⁉」
デュアルアイが瞬くホワイトが、パイロットの意志を表すかのように防いでいた拳ごとカルラを押し返す。後ずさりしながらも、こけることなくカルラはバランスを整え未だ死ぬことのない敵を見据える。
「────ごめんなオルフェ」
「なっ⁉」
「俺たちの積み重ねが、俺たちを生んだ。誰が悪いかなんて分かるわけもないし、止める権利なんてないんだと思う。だから」
辺りを覆っていた光が静かにホワイトへと集まっていく。
「この勝負だけは、気にしなくていい。世界でたった俺とお前だけのものだ」
生まれながらに世界を統べるのだと、そう言われて生きてきたオルフェにとってそれは初めて与えられたものでも用意されたものでもなく、誰かに言われて手に入れたものでもない。自分だけのものだった。
「…………私はオルフェ・ラム・タオ、DPによって世界を統治するものだ」
ドラグーンを全てパージし、赤い光の翼を出したカルラ。
「貴様をここで殴り倒し! その後に再び計画を進める‼ ラクス・クラインなど必要ない! 私自らの手で! 世界を平和にすべく愚かな人類を導いて見せよう‼」
「あぁ………いいじゃねぇか、オルフェ」
改めて拳を握りなおし、構えるカルラを前にホワイトの背中へとスティルヒィンを構築していた光が吸収されていく。
「ん?」
気が付いたのは偶然か、必然か。
いまだ混乱している世界の中で、たまたま空を見上げた人がいる。
人々を守ろうと業務をこなす軍人が、不安にかられる人々を安心させているアイドルが、メカニックが、テストパイロットが、理事が、研究者が、家族が、友人が、眩しいとサングラス越しに空を見上げた男が、月の一部で輝く光を見て笑った。
リバティアストレイとは力を持たない一般人にも自衛ができるようにと、あるジャンク屋が開発したモビルスーツである。
特徴は全身が発電機であり、絶えず光を発していることで隠密性が無であること。このことから戦闘には向いていないという欠点があり、同時に自衛以外での戦闘が禁止されている。
ただし例外があり、ホワイトもその1機である。
ホワイトは以前からある人物へ向けて製造を依頼されており、その最中に生まれたリバティの機能を実験的に搭載された。
エネルギーの自足自給変換機能こそついているが、実は完成系ではなく未完成の状態のままである。もちろん機能は十全に使えるのだが、エネルギーの変換率など完成されたリバティアストレイよりも性能は1歩劣る。
ゆえにリバティでありながら、リバティではないホワイトは戦闘禁止の契約外に位置している。
そこへ開発者も知ることのなかったホワイト専用の装備、ブレイブロード。
偶然にも作られたこの装備によって光を放ち、再び吸収することでホワイトは短時間ながらリバティアストレイの中でも最高のスペックを持ち合わせることができた。
歩んだ道のりは、星のように輝いている。
「チャージ完了…………これで終いだ」
もはや機体から溢れんばかりに光を吸収しているのか放っているのか、纏うよりも光そのものと言っていいほどの外見となったホワイト。コクピットのモニターでも薄っすらとしか見えない赤い光を、見逃すまいと睨みつける。
互いに拳を引き絞り、同時に駆け出していく。
撃ちだされた拳はほぼ同じタイミングで相手の顔面へと突き刺さり…………いや、僅かばかりカルラの方が早い。
躱すことも防ぐこともできないと判断したユウキは、限界に近いスラスターをさらに吹かせた。
「なっ⁉」
伸びきる直前の拳を顔面で受け止め、吹き飛ばされそうな勢いを根性で耐える。
罅が広がっていくのにも関わらず、身体ではなく頭を前に、前に前に押し通す。
ブレードアンテナの片側が折れたのにも関わらず前へと突き進み、全身の光を拳へと込めて放つ。
避けられるなどと微塵も考えられていない拳は、混雑した全てを真っ白に染め上げる
イメージBGM「空色デイズ」from:中川翔子
殴り合うのはスクライドだけじゃないんだよなぁ‼
プライムセール商品を眺めていたら、気が付けばキルラキルとプロメアを購入していました。不思議
リバティアストレイは戦闘いいの? って感想を貰いましたが、こういう理屈です。もちろん後付けです、だって最終巻出てないんだもん。
残り2話? 1話かは分かりませんが、よろしくお願いします。あ、同人ですが通販とDでLなサイトでPDFとかも考えてます。できるかは分からんので未定です。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。最後までお付き合いください。
ひと口メモ
・開発者は完成系として戦闘許可を出しても問題ないと言っていたが、依頼主が未完成の状態でいいとしました。気遣われるのも苦手そうなので、と笑ってたそうです。
・依頼主は理事と皇女さんです。モビルスーツ関係は詳しくないのでほぼ皇女に丸投げでした。どっかの解放された支配者も協力してます。
・受け取った後はバカが乗りたくないとオーブ倉庫に保管されてました。対魔忍いないと動かなかったので隠れMVPです。