スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 感想で知ったんですがランキング載ってたみたいです。ありがとうございます。確認したら20位くらいとこにいました。これ載っても作者に連絡来ないんですよね、自分が方法知らないだけかもだけど。

 前回のおまけの曲分かってくれた方が多くて嬉しいです。蝶の方も好きですがアチラも大好き。


 ぜひぜひ感想や誤字報告お願いします。(意外と以外をめっちゃ間違えるの反省してます)


ぶつかる思い

「ストライクにホワイト⁉ なぜ彼らが⁉」

 

 メネラオスに乗るハルバートンが驚きの声をあげるが、自ら指示を出す前にホワイトのコクピットと通信が繋がった。

 

『どうも、きちゃいました』

「いったい何のために、いや今すぐアークエンジェルへ戻り共にアラスカへ向かうのだ! 敵は我々が引きつける!」

『ありがとうございます、手伝いに来ました』

「我々に任せろと!」

『壊滅してでも、ですか?』

 

 自分が知っているはずの少年の顔が、一瞬で一端の軍人のように真剣な瞳で自分を貫く。その程度で怯むことはないが、あまりの変貌っぷりに言葉が途絶えた。

 

『戦力差、は分かっているはずです。だからストライクやアークエンジェルを作った。そうでしょう?』

 

 ユウキの言うとおりザフトとのモビルスーツとの戦闘を得て、ハルバートンは対抗するためにモビルスーツの開発を進めた。それはつまるところ今の戦力では戦えない、敗北の可能性が高いということ。

 

『短い間でしたけど、お世話になった人が死ぬなんてごめんですよ』

「…………我々は歴戦の軍隊だ、子どもに頼るほど弱くはない」

『だからですよ』

 

 するどい瞳から一転、見覚えのある活発的な笑顔でユウキは笑う。

 

『大人が子どもを守るように、俺たちも生きててほしいんですよ。お世話になった優しい人なんかは特にね』

「……………………」

 

 わがまま言えるのは子どもの特権ですよ、と無邪気に笑う。言葉もなくモニターを見つめるのはハルバートンだけではない。この船では誰よりも軍人としての誇りを持つホフマンも、ブリッジにいるクルーもモニターに映る自分を案じる子どもを見ていた。

 

『これはそんな尊敬できる大人に教わったんですけどね、たったひとりで戦況が変えられるなんて、おこがましいらしいですよ?』

「…………!」

 

 その言葉を教えた尊敬できる大人ははっと目を見開く。

 

『なんで、生きて助けてください。お願いします』

『ハルバートン提督、わたしからもお願いします』

 

 新しくモニターに映るのはコープマン、彼もまた子どもに助けられ助けてきた大人だった。はじめはモビルスーツを操縦する天才、次は威張ることもなく艦内清掃を行う立派な少年、そして時間が経てば手のかかる悪戯小僧。そうして知っていった少年の頼みを聞きたいと思う程度には、コープマンは彼らに情が湧いていた。

 

『彼らのために命を張ることなどいつでもできます、しかしその時は今ではありません。どうか、ご決断を』

 

 子どもだけでなく頼りになる仲間からもそう言われて断る頑固さを提督は持ち合わせていない。肩の力を息と共に吐き出し、前を見る。

 

 

 

「……………………ダメだ。目的はアークエンジェルの降下、そのために切るべきは老いぼれの命。キミ達こそが生きねばならんのだ」

 

 しかし彼にはそんな若者こそが生きるべきだという頑固な精神を持ち合わせている。その強く前線で戦ってきた軍人の力強い意志、そんな確固たる決断を前にクルーにも力が籠る。

 

『提督…………』

 

 悲痛な表情を見せるコープマン。分かってはいたのだ、そのような上司だとだからこそここまで着いてきたし若者の提案にも乗った。しかし自分ではその頑固な優しさをもつ仲間の意思を変えることができなかった。

 

 せっかくの誘いを無駄にしてしまったと提案してくれた少年を見る。俯いた顔で少し震えていた。無理もないだろう。助けたいという申し出に必要ないと断られたのだ。お互いの思いやりがぶつかり、大人の意地が少し強かっただけ。いやまだ終わっていない。無事この戦場を生き延びて、再び顔を合わせようと考えた時、奇妙な音が聞こえた。

 

 それは人の声であり、若い笑い声だった。誰もが注目する中で、少年は顔をあげて笑う。

 

『だろうと思ったよ』

 

 失敗したはずの企みを前に成功したように笑う。

 

『こんなガキの言うことを聞くなんてないだろうと思ってた、いやそりゃ聞いてくれるならありがたいけどさ、まぁしないだろうね。そういう人だよ』

「…………お気に召した様ならいますぐ『悪いね』なに?」

 

 いつの間にかメネラオスの目前にいたホワイト、振り返ると背中のスラスターに火が灯る。

 

『そろそろ行くんで。後はうちの艦長とよろしく』

 

 言いたいことだけ言って通信を切るユウキ、メネラオスの向こうで白い機体が星のように戦火の中へと飛び込んでいった。

 

『こういうのはやったもん勝ちなんだよぉ‼』

 

 ケラケラと笑って去り行く悪戯小僧、行ってしまったのならどうしようもない。まさか撃ち落とすわけにもいかないし、このまま自分の意見を通せば最悪共倒れになる可能性もある。してやられたとため息を付きながら、今度会ったときはどうしてくれようかと、胸の中で未来の予定を立てる。

 

『申し訳ございません、ハルバートン提督。わが隊のパイロットが無礼を働いてしまいました』

 

 続いて繋がったのはアークエンジェルの若き艦長。謝る、という割にはあまり反省している様子はない。会話をしていた時にも思ったが、この艦長はかなり図太い精神を持っているようだ。いや、女性に太いなど言ってしまえば嫁に怒られるな、と自嘲気味に笑う。

 

「かまわんよ、助けたいという思いやりを突っぱねたのはこちらだ…………何か作戦があるのだろう?」

 

 そこまで向こう見ずな者でもあるまい、と笑うハルバートン。寛容な言葉にほっと息を吐くと、顔を引き締めて作戦を伝える。ハルバートン、コープマンにホフマンも渋々ながら作戦を了承した。

 

 ユウキが考えたものだが簡単な内容だけ伝えて詳細はこちらに丸投げという、ナタルが必ず勉強させると燃えていたが、それでも何も言わないよりはマシかと毒されていた。

 

 誰もが慣れていたので突っ込まれることはなかったが。

 

 

 

「来たっ」

 

 アークエンジェルから現れた二機のモビルスーツ、ザフトのGを駆る赤服のパイロットたちは一斉に視線を向けた。

 

「今日こそ落としてやる!」

 

 意気込んで新たに武装が追加されたデュエルで真っ先に進みだすデュエル、そのあとをブリッツとバスターも追った。

 

「キラ…………」

 

 一瞬遅れたがそれでもモビルアーマー形態に変形したイージスも向かう。友人を撃つために。

 

 

 

 場はすでに混戦状態。地球軍の艦隊がメビウスと共に奮闘するが、ジンやGなどによって落とされていく。壊滅するのは時間の問題だった。

 

「はっ! 所詮ナチュラルだな!」

「この程度、チョロいもんだぜ‼」

「逃がすかよ! 俺のスコアになれ!」

 

 もはやゲーム感覚に近いザフトのパイロットたち、それも仕方ないほどの戦力差がそこにはあった。メビウスを撃ち落としたザフトのパイロットが次の獲物を探そうとすると、

 

「ん?」

 

 回線に謎のノイズが走った。

 

「なんだぁ、命乞いか?」

 

 気にせず進もうとしたが、そのノイズは徐々に大きくなる。大きくなるほど鮮明になるその音は、一定のリズムを刻んでおり管楽器と打楽器、さらにほかの楽器の音も聞こえてくる。

 

「…………サックスにドラム、鍵盤、ピアノの音?」

 

 ブリッツに乗るニコルが音楽経験者としての知識を活かし、いの一番にその音の答えを出した。

 

「……………………ジャズ?」

 

 ホワイトが近づくにつれて音はさらに大きく戦場に響き渡る。

 

 

 

「俺は反省した。偉いからな」

「偉いなら反省することはしないんじゃないかな?」

「不快音は目立つが持続性はそこまでない、というか味方にまで迷惑をかける」

「分かってるならやめなよ」

「でもちゃんとした音楽なら脳に刻まれて反射的にその方向へ注目する」

「それ逃避行での経験談?」

「邪魔をするなら不快な爆音、注目を浴びるなら丁寧な音楽だ」

「音楽を学ぶなら後ろのミスディレクションの本は関係ないよね?」

 

 このあと殴り合いをしながら話し合った。

 

 

 

「は? ナチュラルがなにを」

 

 ジンに乗ったパイロットの言葉はそこで途切れた。自分の向こうを駆ける光から飛んできた光がジンを貫いたのだ。閃光が走り、宇宙の塵となる。

 

「待たんかホワイトぉ!」

 

 向かってきたホワイトは自分たちを無視してそのまま、進んで行った。もしや艦を狙うのかと追いかければ動き続けたまま近くのジンなどを狙い撃つ。相手にされないことに腹を立てたイザークは激昂しながら後を追った。

 

「待てと言われて待つやつはいない、っと」

 

 スピードにそこまで差はないが、たまに攻撃をする以上ホワイトに追いつけないはずがない、そう確信して追い回すイザーク。耳障りな音を聞きながらもひたすらに追いかける。追いかける。追いかける。

 

 追い、

 

「つかない、だと?」

 

 さっきも言ったが機体のスピードにそこまで差はない。ならばたまに攻撃をするホワイトにひたすら追いかけるデュエル・アサルトシュラウドがいずれ追いつく。はずだったのだが、

 

「こちとら逃げ足には自信があるんだよね」

 

 相手は数々の猛者から逃走してきた歴戦の逃亡者。速いだけで追いつけるわけもなく。

 

「こんのぉ!」

 

 バスターの砲撃も動き続けるホワイトには当たらない。

 

「くそぉ!」

「ナチュラルのくせに!」

「あのうるさいやつを叩き落とせ!」

 

 徐々にホワイトを追いかける数が増えていき、一つの光を追いかける集団のようになった。

 

 

 

 そしてその様子を眺めるものが一人。

 

「ふむ、これはキミの作戦か、それとも智将ハルバートンのものか。どちらにせよ見ものだな」




 なんか久しぶりの戦闘シーンです。完結しましたねジャズガンダム。アニメ全然やってないですけど、ハサウェイするし次に来るかな?

 裏話ですが最初ハルバートンは主人公の提案に頷きました。けど考えてみるとキャラ的には断る気がしたのが今話です。どっちがいいかはまぁ感想でもください。参考にしたいです。


 おまけ〜感想で面白かったやつ〜

 夢のアラスカ旅行! 君もぜひパンダを見よう! と書かれたツアー募集風のポスターが大量に貼られたアークエンジェル

 ポスターには目つきの悪いパンダがツアー用の旗を持っているが、何故かそこには父と書かれている

 それらを壁から剥がす副館長「コレを作ったバカはどこだ!」
 たまたまいたトール「パンダを捕まえにエジプトへ……」
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