スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 ダブルノックアウトをしたカガリが称賛されましたね。これを機にオーブは他国から一目置かれるように、いやせんでも注目浴びとるわ。

 そしてカガリへの感想、うんシャトルと共にツッコミどころしかないseed。そこから二十年越しでも燃え上がる人気作品になるとは、リハクの目ry

 クルーゼはなんかね、拗らせてますけども。いずれ「待ちかねたぞ勇ましき少年」とか言い出し、たりしないはず。きっと。


お姫様の社会見学

「OK! 引っ張って!」

 

 合図とともにアークエンジェルの上にカバーがかけられる。削られた岩肌の隙間に入り込み砂色のカバーで覆いかぶせれば、空から目視で探すことは不可能に近いだろう。レーダーによる捜索もザフトのNジャマーにより使えない。宇宙へも進出した時代で、もの探しは人の目が一番という時代の逆行が起きていた。

 

 マリューたちが明けの砂漠本部でこれからについて相談していたころ、アークエンジェルの内部では若者が集まっていた。

 

「よくやってくれたわ、ありがとうね」

「なんで仲間を倒した相手に礼を言うんだ…………」

 

 医務室にて満面の笑みを浮かべるフレイはその前でうなだれている少女、名前はカガリという、にお礼を言っていた。すぐ近くにはベッドで寝ている二人のパイロットがいる。

 

「うちの問題児トップツーをやるなんて大したもんだよ」

「だな、これからは敬意をこめてさんづけ、いや様付で呼んだ方がいいな」

「絶対にするなよ?」

 

 本人がいる中で盛り上がるカズイとトール、呼び捨てにしろというカガリにミリアリアが飲み物を持ってきた。

 

「カガリって教授の部屋に来てたわよね。あの後離れ離れになったけど、ここで会えるなんてびっくりしたわ」

「…………まぁ、わたしもいろいろあったんだよ」

 

 明らかに隠し事があるという雰囲気、しかしそれに踏み込むことはなくそうなのね、とミリアリアは流した。そっちは何があったんだと聞かれこれまでの航海を話す。機密情報とかあった気がするがそれを突っ込む者はいない。後にバレて全員がナタルに甲板清掃を命じられた。

 

「こいつらがパイロットねぇ」

 

 感慨深げに寝ている二人を見る。片方はコーディネイターで密かに作られたストライクのパイロットとなっていた。はずみで殴ってしまったが、彼もまた巻き込まれた被害者だ。起きたら謝ろうと思う。

 

 問題はもう一人だ。

 

 どこにもいないはずのナチュラルのパイロット、それも自分が知らない機体を操縦していた。作ったのは地球軍、いや軍人たちも知らないというのならオーブが作った可能性が高い。もしかするとパイロットすらも事前に用意していた可能性だって、

 

「っ…………!」

 

 ここまで考えて唇をかみしめるカガリ。国を出てから自分の知らないことばかりだ、しかしそのことを知っていたであろうはずの相手は碌に言葉を返さない。

 

「どうしたの? 具合悪い?」

「え、いや」

 

 暗い顔になっていたカガリにフレイが声をかける。ハッとして顔をあげれば心配そうな顔でこちらを覗き込んでいた。

 

「みんなもだけど、具合が悪かったら言いなさいよ。さもなきゃコイツと一緒よ?」

 

 コイツの時に寝ている一人を指さす。

 

 ひどい熱中症で倒れていたはずなのだが、起きたと思ったらすぐに抜け出していた。探し回っている時に聞けば、軍服を雑に羽織ってホワイトに乗り込んだらしい。しかも修理したばかりでろくな調整もしないまま。

 

 ハッチを開放するとそのまま膝をつきバクゥを狙撃、戦闘が終わったと思ったら砂漠に出てレジスタンスと一触即発の空気の中へ飛び込む。そこをカガリが止めたというのだ。

 

 医師も言っていたがユウキはまだ万全ではない。若さゆえの回復力と体力こそあるが、もし全快していたのならカガリの頭突きでも倒れなかっただろう。だというのに、起きた時あたりを見渡したと思えば一点を集中して見た。フレイこそ気が付かなかったが、視線の先ではキラが戦っていたのだ。

 

 なぜ起きたのか、なぜ無茶をしたのか、その理由は全員がなんとなく察していた。

 

 だからこそベッドへ送り返したカガリが称賛されたのだが本人は知らない。

 

「ん…………あ」

「お、キラ起きたのか」

 

 話し声によってなのか目を覚ましたキラにサイが声をかける。寝起き特有ののんびりとした空気をまとって起き上がるキラ。差し出された水を飲むと、視線はカガリに向かう。

 

「あ、えーっと」

「その、なんだ……………さっきは悪かった」

「いやボクの方こそ…………その、ごめん」

 

 いったん時間が経ってくだらないことでケンカをしたと冷静になった二人が謝りあった。

 

「あの、お前がストライクに乗った経緯とかを聞いた…………わたしのせいで、すまない」

 

 そしてもう一つの謝罪、自分のせいで助けてくれた相手を巻き込んでしまった。自分を避難シェルターに押し込んだ後の行方がカガリの心に残っていた。もっともそのお礼や謝罪の前に拳が出てしまったが。

 

「? …………あぁ、いやそれは大丈夫だよ。たぶん、カガリがいなくても乗ることになったと思うし」

「それはなぜだ? まさかオーブか地球軍とつながりがっ!」

「いやいやそんなのはないよ! ただ」

 

 激昂しだすカガリをなだめながら隣のベッドで寝る友人を見る。もしカガリがいなければ? ストライクはなかったかもしれない、しかしユウキはホワイトに乗っていただろう。その後パイロットとしてではないだろうが、アークエンジェルへ搭乗しユウキのサポートをしていた。そんなもしの世界など簡単に想像できる。つまり、カガリがいようといなかろうと、ユウキが戦うと決めただけで戦う運命に巻き込まれた。逆もしかり、どちらにせよだ。

 

 カガリがきっかけかもしれないが、選ぶ道が変わることはない。

 

「…………こいつは、いったいなんなんだ」

 

 出会ったのは学校、その時からすでにお調子者なのは分かっている。だというのにここにいる学生も、明けの砂漠と会話した軍人たちも信頼を置いているように見えた。

 

「バカだよ、頭にとびっきりがつく」

 

 そう言って笑うキラ、つられてトールたちも笑う。フレイだけは険しい顔をしていたが、それでも暗い感情はなかった。ここに今、彼らがこうして集まっているのもそれが理由なのだろう。友人と呼べる友人がいないカガリにとって、少しうらやましいと思えた。

 

「…………うるせぇ」

 

 静かに目を開くユウキ、その第一声が憎まれ口だろうと気にすることなく笑って囲む彼ら。

 

「ユウキ! 大丈夫なの?」

「気使うなら寝かせろよ、うるさくて寝られやしねぇ」

「これくらいの方がお前は寝られるだろ? 教授が怒鳴ってても爆睡してたことあるし」

「あれはサイが徹夜でゲームに誘ってきたからだ」

「いや俺は誘ってないぞ⁉ お前が負けたからってむきになって挑んできたんじゃないか!」

 

 一人起きただけというのにこの騒ぎ様、口が悪く悪態もつきながらも囲まれている。その中心人物は髪をぼりぼりと搔きむしるとすぐにベッドから起き上がろうと、

 

「なに起きてるのかしら?」

 

 して止められた。

 

 目の前には真っ赤な髪が逆立っているフレイ、笑っているというのに後ろには般若の顔が浮かび上がっていた。

 

「あ? 目が覚めたから起きるに決まってんだろ」

「いいえ? 病室で起きたのならまず診察を受けないとね?」

「元気だから起きたんだよ、つーわけでそこどけ」

 

 立ちふさがるフレイを無視してベッドから降りようとするユウキ、もちろんフレイがそうさせるはずもないが腕力で押しとどめることができるわけもなく。強引に押し通ろうとした時、

 

「キラ」

 

 指を鳴らすとスーパーコーディネイターが立ちふさがり、ベッドへ押し戻した。

 

「おい、そこどけ」

「ダメだよ? 病人はちゃんと寝てないと」

「いつから赤いのに従うようになった! あの頃のお前を思いだせ!」

「どの頃だよ! 何を思い出してもユウキへの恨みしか思いつかないけどっ⁉」

「俺に勝てると思うなよ!」

「やめてよね、ボクに勝てるわけないだろ!」

 

 数少ないキラがユウキを上回れる腕力勝負、力を込めて粘るユウキだが敵はひとりだけじゃない。

 

「大人しく寝てろって」

「カズイ⁉」

「たまには静かに過ごしたらどうだ?」

「トォール!」

「せめて診察は受けなって」

「サイィ!」

 

 多勢に無勢、無理やりベッドへ押し戻されて拘束されるユウキ。暴れまわるが日頃の恨みとばかりにノリノリな男子四人だと流石に勝てるわけもなく。そんな様子を悪い笑みを浮かべて眺めるフレイ、そんな彼らをドン引きしながらカガリは眺めていた。

 

「…………いつも、こんな感じなのか?」

「そうよ。あ、ご飯食べてく? よかったら食堂に案内するわよ?」

 

 もしかして一番強いのはこの子ではないのだろうか、そう思いながらもミリアリアについていった。離れても騒がしい声が響き渡る艦内、聞きつけた副艦長の雷によって鎮静化された。とぼとぼと連れていかれる彼らを見て、あの場にいなくて良かったと同じ机に座っているミリアリアに感謝した。

 

 

 

 

 

「さーて、オイタしたものにはきっちりとお仕置きせんとな」

 

 これまで狙われることのなかった目標、そこへ理由のある暴力が降りかかろうとしていた。




 ストライクがいなかったので他の人がめっちゃ頑張ってカバーかけました。ちなみにまだホワイト乗ってたら理由は知りません。

 なんだかんだ学生組と仲良くなってます。と書いてて思ったけどカガリ友達いなくね? 三人娘って仲良い職場の人っぽいし。


 おまけ 〜現状の主人公への評価 学生組〜

 カズイ「発想はすごいよな、名誉童貞って言ったのは一生許さないけど」
 トール「なんでキラと持久走とか負けるけどスポーツとか張り合えてんだ? なんだかんだモビルスーツ動かせたりすごいと思ってるよ。シャルピー衝撃試験は絶対にやり返す」
 サイ「……もう少しマシな方向に頑張れば凄いのにってよく考える。あとフレイとデートしないのはお前のせいでもある」
 ミリアリア「よく動くわよねー元気、っていうよりじっとしてられないんじゃない?」
 フレイ「バカ。 …………大バカ」(この後止まらない罵倒)
 キラ「尊敬してる。絶対に言わないし真似したくはないけどね。あと言うまでもないけど、

 「「「「「「友だち」」」」」」



 感想誤字報告いつもありがとうございます。

※活動報告にておまけネタ募集してます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=335661&uid=235477
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