あと水鉄砲以外の戦いですが、やっぱほら頭部を破壊されたら失格の王道のルールがありますし(戦争ヤバすぎて苦肉の策とか言ってはいけない)
ちょいちょい来るカガリの貴重シーンを見逃すズラシリーズ好きです()
見返してたらラクスとアスランの回が挟まってたんで書いてみました、どうぞ
「まぁ、いらっしゃいアスラン」
プラントにあるクライン邸、そこに訪れたのはラクスの婚約者であるアスランであった。受け取った花束を荷物搬送用のペットロボに預け、二人で庭に出る。
大勢のハロの中から一体を捕まえ、ひげのマークを書くと鬼ごっこを始める。転がったり跳ねたりと、追いかけているのかいないのかよく分からないが眺めるには楽しいものだった。
「あ、これ前に言っていたものですけど」
「まぁ!」
アスランが取り出したのは大きめの箱。開封するとそこには、最低限の足場にそこから伸びたハンドルが伸びており、タイヤが付いている。
「どんな機能が欲しいのか分からなかったので安全性を高めています。また何か言ってもらえたら調整するので」
「ありがとうございます、さっそく乗ってみてもいいですか?」
アスランがうなずくと、足を乗せ庭を走り出すラクス。バランスや走破性を確認しながらまだ改良の余地はあるな、ハロも乗せられるようにしておくかなど次のアイデアを考え出す。
「今日は素晴らしいプレゼントをありがとうございます」
「いえ、普段はあまり来れませんしこれくらいは」
テーブルについてお茶とお菓子を楽しむ二人、珍しく話が弾む。艦内ライブは好評であり機会があればまたお願いしたいと思っている。ハロにはこんな機能をつけてみようかと、セグウェイもまた改良して持ってくると。
「次はいつ来れますの?」
「…………どうでしょう、次は地球に行くかもしれません」
「キラ様を追って、ですか」
「⁉」
思いもがけなかった言葉に固まるアスラン。考えないようにしていたが、それが次の任務だろうと薄々気が付いていた。すでにイザークとディアッカは地球に降りているだろう、遠からずニコルも、そして自分も。
友をうつために。
「…………キラ様は戦いたくないとおっしゃってましたわ」
「俺だって! 好き好んでやってるわけじゃ…………」
「アスランとのことも話してくれました、トリィをくれたと」
「! アイツまだ持って……………」
別れる時の餞別として送った鳥型のペットロボ、とっくに壊れたか無くなっているものだと思っていた。それを未だに大事にしている。
『ボクはいやだよ』
ラクスを受け取った時のキラの言葉がアスランの心を乱す。決めたはずの覚悟が揺らいでいく。
「…………たくさんのお友達に囲まれて楽しく過ごされていましたわ」
「…………だからと言って、戦わないわけにはいきませんよ」
来た時よりも元気のないまま帰宅するアスラン、帰り道に通り過ぎていった車からラクスの歌が流れてきた。艦内ライブでも歌っていた昔のアニメの曲、プラントに戻ってから新しい歌をいくつも歌うようになっていた。
「信じるという言葉を子供っぽいと笑う、か」
『ボクは嫌だよ』
子供のような感情だけが込められた言葉を吐いた友達、笑うことすらできない自分は何者なのだろう。漠然とした悩みが胸の中で渦巻いていた。
「…………やはりダメでしたわね」
コロコロと転がるハロたちを見て膝を抱えるラクス。私室であとは寝るだけという薄い服装で、手元のハロをなでながら今日の会話を思い出す。
アスランは変な人だ。優しさも強さも持ち合わせているのにほんの少し揺れるだけで大波となってしまう。きっと戦うことよりも、町の工場などで機械を触っているくらいがあっているだろう。休日はいつかのデートみたいにジャンク屋を廻り、子どものおもちゃやご婦人方の家電の調子を見たり、そしてその隣に自分はいない。
お互い気が付いているだろう。
両親の関係、お互いの容姿、経歴、ともにお似合いだと言われているが肝心の中身はかみ合わない。嫌いではないのだ、きっとこの先も上手くいくのだろう。結婚して子供ができたとしても。
覆いつくされた幸せの中心に無視のできない小さな小さな歪みを感じながら。
これが普通の恋人なら別れて終わり、もしくは友人となるのだろうがそうもいかない。だからこそ自分のしようとしていることにできれば誘いたかった。そうすればきっと、
「私の理想、夢は」
口に出して想像する。
町工場で働くアスラン、そこにキラと自分が遊びに行く。フレイやミリアリア、ほかにも大勢で遊びに行くこともあるかもしれない。その中のひとりが可笑しな事を言い出して、それを止めたり悪ノリして遊んで、怒ったり笑ったりしている。
そんな光景が容易く思い浮かぶ。
「…………そのためにも」
種をまくのだ。
今すぐではない、時間がかかるかもしれないが夢へはばたくために。平和の花を咲かせるために。
アークエンジェルで教わった歌のように、自分だけにできる形で大きな花を咲かせるのだ。
ベッドから降りると端末を起動する。映し出されたのは新たなモビルスーツと戦艦の図形。
それらを眺めるラクスの胸には勇気の火が灯っていた。
「どうするのアンディ」
「んーそうさなぁ」
アイシャに聞かれて考え込むバルトフェルド。つい先ほどなくなったバクゥの補充を受け取ったのだが、来たのは砂漠では使いづらい、どころか型落ち気味になっているザウート。そして経験者という名の厄介払いのような若いエースパイロットが二人。
負けの経験だとアイシャがからかったりしたが、下手に自信のあるパイロットが来ても砂漠では邪魔になる。
せいぜい足を引っ張られないようにしてほしいと思いながら作戦を練っていた。
「好きでしょ、あぁいう子たち」
そんな時に言われた言葉、食を共にしてお互いのことを話し合い、果ては戦士として戦いの会話すらできる。なんともまぁ眩しい存在だろう。癪だが目元を仮面で隠している奴が気に入ったのも分かる。
「キミの方が大事さ」
「ふふ、ズルいわね」
抱きしめあい、大事なものの熱を感じる。これでいい、決まった覚悟を胸にモビルスーツへ乗り込む。
「さぁ存分にやりあおうじゃないか、白い悪魔くん‼」
バクゥよりもひと回り大きくなった橙色の四つ足のモビルスーツラゴゥに最愛の人と乗り込む砂漠の虎。獲物は白い悪魔、にして戦場で出会えた友人。
「うーん、やっぱ飯は現地のモノが最高だな! そしてソースはヨーグルトソースが一番!」
「…………虎も同じことを言っていましたよ」
「そうかい、砂漠の虎ってのは味の分かる男なんだな」
「ソイソースと付け合わせの辛いペーストも気に入ってましたけど」
「こだわりのない男だな」
もしゃもしゃと食事をするムウだが、食事の手をとめるキラを見てまた声をかける。砂漠の虎に出会ったという報告は受けた。ちゃんと艦長と副艦長による説教をくらい、終わった直後には動いていたので元気にはなったのだろう。
安堵のため息を吐いていた副艦長の様子はマリューとムウだけが気づいた。
「これから戦う敵の事を考えてもしょうがねぇよ、無理にとはいわんがちゃんと食っておけよ」
そしてまた悩んでいることにも。どうしてこうもいい子たちなんだろうねウチのパイロットたちは、と裏で話していた。そして自分たちにはどうしようもないのだとも。
「虎が、どうしたら戦争が終わるのかって、敵か味方全滅するまでするのかと」
「おいおいぶっそうだな……………………ユウキはなんて?」
「終わらないから水鉄砲でも使えばいいって」
「ブㇵッ! そりゃいいな! 艦長に向けてだったらよろこんでするぜ俺は‼」
噴出して笑いだすムウにキラもつられて笑う。語られる男の妄想に笑いながらも付き合うキラ、こうして笑えるのならあのバカげた提案もいいものだと。
『総員、第一種戦闘配備!』
そしてまた、平和の時間は終わっていく。次の平和を迎えるために。
たまたま出会った男に影響されて婚約者にねだる姫、って書くと最悪ですね。
たまたま出会ったの:いろんなこと教えてくれて話もして最悪命を懸けて自分を助け出そうとしてくれた。
婚約者:ジャンク屋につれていき褒められたペットロボを大量に送ってくる。たぶん本質も分かってはいるだろうけど表に出すことはないだろうなとも分かっている。
どこで差がついたんやろね。
おまけ ~ラクスの理想~
ズラ「お前またこんなものを作ろうと!」
バカ「いいだろ面白そうだし」
スパコ「まぁまぁ、プログラミングは僕がやるから」
ズラ「そもそも作るなと!」
バカ「できないってんならいいけど?」
ズラ「できないとは言ってないだろ!」
歌姫「どうされました?」
赤いの「またあの3バカがやらかしたんだって」
薄いの「相変わらず元気ね」
感想誤字報告いつもありがとうございます。
※活動報告にておまけネタ募集してます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=335661&uid=235477