消える水着!ポロリもある水鉄砲大会ですが、バレた瞬間に地獄から生還するミッションが始まるのでしません。せっかく平和的解決なのに別の戦争始まっちゃうからね。自分はナタルさんに着て欲しいです。
ちょっと長くなった砂漠の虎編ももうそろそろ終わりです、ではどうぞ
「邪魔だ、くんな」
ストレートな物言いだが、相手はひかない。怒るでもなく怯むこともなく立ちふさがる。
「俺たちがいなけりゃ勝てない。けどあんた等がいなくても勝てる」
冷静に客観的にも判断している事実。理解できていないほどバカではない。しかしだからといってはいそうですかと首を振るバカでもない。
「必要なのは武力じゃねぇ、どうすり合わせるかって政治力だ」
どうするべきかも伝える。大人たちにも手伝ってもらい集めた情報をもとにできること、すべきことを端的に、負けるわけでも縋るわけでもないということを。
だというのに、
「あぁ、お前さん方には世話になった。若いもんの命とかな」
「なら恩人からの頼みだ、無駄に死ぬな」
「無駄じゃねぇよ。俺らの目的のため、恩を返すために命を張れるんだ。これ以上に贅沢な使い方はねぇよ」
「だったら……………………!」
「戦力は少しでも多い方がいい。虎の実力は分かってんだろ?」
ギリギリと歯を食いしばる少年。その前で髭を蓄えた中年が朗らかに笑う。
「ありがとうよ、お前さんのおかげで俺たちはこれから生きていける。そこまでする事情も聞かせてくれたな。気を使わせちまってすまねぇ……………ただな」
ぼすっと大きな手が少年の頭に置かれると、実の息子へ向けるものと同じ優しい笑みを浮かべた。
「子どもに任せっぱなしにすると、息子に合わせる顔がねぇのよ」
頼んだぜ、そういうと選ばれたメンバーたちと共に装備を整え始めた。
自分の弱さを改めて感じながら少年は振り返って歩き出した。途中、自分を呼んだ副艦長におざなりな返事をすると態度が悪いと叱られた。げんなりとしながらも眉間のしわが取れた少年は、白い巨人のもとへ向かう。
行く先は戦場である。
「…………バルトフェルドさんたちは来るかな」
「来るだろ。来ない理由がない」
「どうしたらいいのかな」
「水ぶっかけたらいいんだよ、砂漠の敵は水が弱点だって相場が決まってる」
「そういって水を被って風邪ひいたの忘れたの?」
「俺は風邪ひかないの忘れたのか?」
「ひいたこと忘れるバカだから風邪ひかないもんね」
「デスソースぶっかけてやるよ」
スカイグラスパーの後に続いて二機のモビルスーツが飛び出した。
バルトフェルド隊、アークエンジェルに明けの砂漠、二つの陣営が砂漠の上で鎬を削る。その中でひときわ目立つのはやはり二機のモビルスーツだった。
ストライクはエールの機動性を生かしながらバクゥを撃破し、ホワイトは時折移動しながら砂山の陰に潜み、的確な射撃で軍用ヘリやミサイルを撃ち落とす。双方ダメージはあるものの、有利なのはアークエンジェルだった。
明けの砂漠のメンバーも奮闘するが時たまヘリを撃ち落とす程度、ジーブの小ささゆえに被弾も少ないがそれでも被害はある。ザフトへの被害は少ないが、アークエンジェルへの被弾も少なからず減らしている結果だった。
バスターとデュエルも艦上で攻撃をするが飛び回るストライクに砂山へ潜むホワイト、せいぜいがアークエンジェルに攻撃するしかなく戦況は誰の目で見ても明らかだった。
「ここまでやるとはね、流石だよ!」
傾いた天秤を戻そうと飛び出したのはラゴゥ。
橙色の機体を太陽のもとに晒しながら、戦場でひと際目立っていたストライクへと迫りくる。
「ユウキ!」
「任せろ!」
間に割り込んだのはホワイト、シールドでラゴゥの頭部を受け止めると衝撃を逃がすように後ろへ飛ぶ。そのまま空中でビームライフルの射撃をするが、すぐさま動き出したラゴゥには掠りもしない。
「他より早い…………アンタだな」
「さぁ存分にやりあおうじゃないか!」
ホワイトの周囲を射撃を挟みながら走り出す。明らかに機動性はラゴゥが上、さらに火力もホワイトを上回っている。
「…………かわろうか?」
「冗談、そっちやってろ」
キラの言葉を笑い飛ばし向き合うユウキ。ホワイトがXシリーズのスペックを上回っているのは事実だが、それはストライクも例外ではない。もっともそれはストライカーパックを抜きにした話だ。
エールを装備したストライクに機動力は敵わない。火力もソードやランチャーに及ぶことはない。それだけを考えるならストライクに任せるの正解だ。
以前と同じように一撃離脱を繰り返すラゴゥ。バクゥの時よりも大きな音が鳴り響く。
「どうした! その程度なのか白い悪魔‼︎」
キズが増えるホワイト。
「この戦争は終わらないぞ! どちらかが滅びるまで‼︎」
何度も飛びかかるラゴゥ。
「キミがたとえコーディネイターを超えるナチュラルだとしても! コーディネイターと仲がよくても! 限界が来る‼︎」
とうとう膝をつくホワイト、その隙を見逃さず最大加速で飛びかかるラゴゥ。ひとつしかないモノアイを輝かせ、膝をつく獲物に飛びかかった。
「それでもキミは‼︎」────────だから?」
機動力が高いということはスピードが乗り、小回りがききにくいということでもある。
顔をあげ瞳を輝かせるホワイト。ダメージを負ったとは思えない機敏な動きで、飛び込んでくるラゴゥの足元へ転がり込んだ。
いくら速くても、着地の瞬間には加速する為にラグがある。
「バクゥよりスペックが上でも基本の動きは一緒だろ、さんざん見た。なにより────」
着地寸前のラゴゥ、そのコクピットにいたバルトフェルドがビームライフルを構えるホワイトを見た。
「────前と比べて随分と甘い動きだったな、砂漠の虎」
命をかけていたというのに充実感を得た初の戦闘。敵陣でありながらも大胆に仲間を庇い、戦争のあり方を答える勇敢さ。騒ぎながらも話し合いオリジナルブレンドを探し出したくだらない食事の時間。
そのどれもが、アンドリュー・バルトフェルドの心に刻み込まれていた。
「…………甘いのは苦手だったんだけどなぁ」
火花が散り、バランスを崩すラゴゥ。その中で抱きしめ合う二人の男女。
「…………すまないアイシャ、こんな男につきあわせてしまった」
「いいのよアンディ。そんなアナタだからこそ愛してるのよ」
崩れ落ちた獣の瞳から光が消えた。大きな砂煙が舞い上がり、砂漠の王者は鉄くずとなって沈む。
「隊長…………!」
艦の指揮を任されていたダコスタがラゴゥの撃破を確認した。親しみやすいとは言うが、変なお願いや無茶ぶりを何度もされた。何が楽しいのか、あのマズい泥水を何度も飲まされ顔をしかめる自分を見ては笑っていた。
思い出にふけるのはここまでだ。バルトフェルド隊の副官として最後まで指揮を取らねばならない。こちらの被害を確認し、戦場を見定める。足つきは何かが引っかかっているのか動きが止まっていた。
「…………総員! 撤退する‼」
出撃する前に会話をした時、戦闘の時に見せる迫力がなかった。そんな隊長の最後の命令。
「もし自分がやられたら必ず引け、ですよね」
戦場では仲間の死を悲しむ時間すらない。
「はぁ⁉ 撤退命令? まだやれるってのに⁉」
「隊長がやられて即撤退、砂漠の虎もたいしたことはないということだ‼」
いつの間にか艦上から下りていたデュエルとバスター、砂漠の砂に足を取られながらも標的へと進んでいた。
初めての地球は熱く乾燥しており、不便だった。そのうえ戦闘では艦の上から降りるなと言われる始末。乱戦になればチャンスはあると言ったがそのチャンスも来る前に戦闘が終わろうとしている。
せめて最後に一撃を、そう考えたのは若さゆえか己のプライドが故か。それとも両方か。
そしてまたこれも運命なのか、二人の前に赤い翼をもつ巨人が現れた。
「ストライク! ホワイトほどでもないが貴様も‼」
「はは、いいじゃないの」
静かにこちらを見つめるストライクの前に、地上ではじめて兄弟機の戦闘が始まる。
あっさりですがバルトフェルド戦終わりました。バカがバクゥの動きになれたのと、なんか動きが鈍かったらしいです。待ち構えてカウンターも経験済みなのになんでやろね。
撤退なのにこっそり戦おうとしてる二人、何してんだホント。でもこの時期ならするよね。
おまけ 〜前回謎の好評を得たアークエンジェル艦内水鉄砲の結果〜
動きやすい服装で全く濡れていない艦長「ふふ、たまにはこう良いのも良いわね」
水も滴る不可能があった男「学生相手にはお遊びだったんだが、艦長はマジでやっても勝てなかった…………」
濡れた髪をタオルで拭い内心ちょっと楽しかった副艦長「まったく少しは遠慮を、おい見るな!」
ノリノリでスコアボードや防水電動式水鉄砲などを作ったスパコ「今度はちゃんとレギュレーションを定めないとね」
水風船トラップダンボールハイドを駆使して集中砲火されたバカ「なんで笑ってんですかナタルさ(バシャ!)」
他は似たり寄ったりの濡れ具合、ミリアリアだけちゃっかり審判役で逃げた。
感想誤字報告いつもありがとうございます。
※活動報告にておまけネタ募集してます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=335661&uid=235477