さーてそろそろ物語が大きく動く、ってわけでもないか。それにしてもカガリの設定盛りすぎでない???
オーブ入国です、どうぞ
「撃てぇー‼」
ナタルの号令に合わせてアークエンジェルのあらゆる火器が火を噴く。目標はグゥルに乗ることで空中戦をしかけてくる四機のG。どちらもがいい加減にしろと思いながら、因縁のある相手と火花を散らす。
「このぉ!」
そして現在の主力機であるムウの駆るスカイグラスパー。戦闘機対モビルスーツなどザフトが制空権を取っていることから全てが分かるだろう。しかし現状では空を飛べないモビルスーツ以上に重要な戦力となっている。
「くぅ!」
アークエンジェルの甲板でビームライフルを振り回すのはエールストライク。飛行こそできないものの、飛び上がり短時間の空中戦なら可能がゆえに出撃していた。
『おいまだか、暇なんだけど』
そして格納庫にてパイロットスーツを着てホワイトのコクピットで待機しているユウキ。空中戦ではソナーの仕事はなく、かと言ってカタパルトを開けていては海中へ落ちた時にどうしようもない。ゆえに現在できる仕事はなく、戦っているキラに野次をいれるだけのニートとなっていた。
「なら働いたらいいんじゃないかな!」
『働きたくても働けねぇんだよ、難儀な世の中だな』
「悪いのは世界じゃなくて自分の責任じゃないかな⁉」
『そこまでいうなら俺を働かせてみろ、暇すぎてお前の部屋遊びに行くぞ』
「絶対に行かせない‼」
謎の意気込みを込めて飛び上がるストライク、向かってきたデュエルと肉薄する。
「今日こそ落としてやるぞストライクゥ‼」
勢いよくビームサーベルを振り下ろすが、同時にキラもビームサーベルを振り払う。見事にビームサーベルのみを切り落とし、デュエルを蹴り落とすと乗っていたグゥルを乗っ取った。
「やってくれたなキラ!」
その光景を見ていたムウが遠目から攻撃してくるバスターを牽制し、アークエンジェルへと戻っていくストライクを援護する。
「ほんとにやってくれるなんて…………カタパルト展開! ホワイトの準備を!」
同じくブリッジで見ていたマリューも驚きながら格納庫へ指示を飛ばす。それを合図にマードックたちがあわただしく動き、ホワイトがカタパルトへ。
「何をやっているんだ…………?」
ストライクの謎の行動に訝しむも攻撃の手を止めないニコル。一度カタパルトに戻ったストライクがグゥルに乗らず再び甲板へと戻ったのを見て何かを察する。
「マズい!」
遠距離に、または火力に特化しているバスターとデュエルは今はいない。思わず舌打ちをしてしまう。ずっと出てこなかった理由は簡単だ、海上での戦闘ができないため。自分たちもそうだが、それはグゥルという装備によって解消されている。それが今敵の手に渡ったということは、
「この乗り物もーらいっ‼」
ストライクが出ても開いたままであったカタパルトから、白い悪魔が飛び出した。
『ご覧ください。こちらは我が領土海域からそう遠く離れていない場所での映像であり』
ニュースキャスターが原稿を読み上げるその横ではアークエンジェルとストライク、そしてイージスやブリッツの戦闘が映し出されていた。
それを見る人々は恐ろしいやら遠くでやってくれなど、好き勝手に思った感想をそのまま口にした。自宅でニュースを見ていた少年も妹と一緒に巨大なロボットが戦うさまを、映画のように見ている。この国のだれもが遠い遠い、自分とは違う世界での出来事だと思っていた。
「…………ふぅ、あとで放送局へ一報を入れねばならんな」
その国の政治家たちが集まる会議室。全員の注目はテレビに映る戦艦とモビルスーツ、そしてひとりの男だった。
「ウズミ様、どうされましょうか」
「……………………むろん、我が国の理念は他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない、だ。軍部への連絡を、そして公式発表の準備を。原稿はあるか」
中心となっているのはウズミ・ナラ・アスハ。
現在のプラント、地球連合軍の戦争において中立を示すオーブ連合首長国の前代表。しかしその手腕とカリスマが消えることはなく、間違いなくこの男を中心にオーブは動いていた。
目を細める先では必死に抵抗するストライクと火を噴き始めたアークエンジェル、そしてグゥルに乗って自在に海上や空中を動き回る白いモビルスーツが映っていた。
「嘘だろ⁉」
「なんでこんな…………」
「くっ!」
アークエンジェルへの被弾は増えている。宇宙空間と違い重力に縛られた現状では、戦艦よりも小回りの利くモビルスーツの方が有利である。なのだが、
「なんでアイツは宇宙よりも動けているんだっ…………!」
狙いをつけて引き金を引くバスター、その銃撃は海の直上、すれすれを滑るように動くグゥルに乗ったホワイトへ向かう。
「あめぇよ」
スラスターだけでなく重心移動を駆使して綺麗な弧を描き躱す。そのまま勢いを殺すことなく空中へ飛び上がり、全身を捻ると逆立ちの状態で近くにいたイージスへと射撃する。
「クソっ!」
持っていたビームライフルに当たり、誘爆する前に手離したアスラン。遠距離武器がなくなりビームサーベルを構えるが、ストライクには近づきにくくホワイトには追いつけない。頭部バルカンではスカイグラスパーの相手が精々だろう。
憎らし気にホワイトを見るとまたもや海上で滑るように飛んでいる。
「おまえらこんなもん持ってるくせになってねぇな!」
足元から飛んでくるビームライフルの射撃を避けるザフトのメンバー。下からの攻撃はグゥルが邪魔で見えにくく、それでいてあの移動速度では狙いをつけにくい。さらに下へと意識を向ければ上にいるスカイグラスパーやアークエンジェルからの攻撃も来る。
蓄積したダメージにより煙や火が噴き始めているアークエンジェル、足付きを堕とすなら今は間違いなくチャンス。だというのにたった一機のモビルスーツが出ただけでその差は埋められた。
どうすればいいのか、撤退の文字も浮かび始めたアスランだが、戦場にいた全員に通信が入った。
『こちらオーブ軍! 貴官らは我が国への領海へ近づきすぎている‼ そのまま国境を越えようものなら迎撃する準備はできている‼』
モニターにはオーブの艦隊が並んでおり、その砲口は間違いなくこちらへと向いている。第三者の登場にお互いの顔が曇った。
『構わねぇ! マリューさんそのままつっ込め‼』
どうするのが正解か、そう考える前に言葉が届いた。
「ユウキ君⁉ いったいどうしたの⁉」
一瞬いつものかと思いきやモニターに映るのは真剣な表情、付き合いの積み重なったクルーたちはこれがおふざけではない真剣なものだと分かっている。
だからこそ、
「ふざけたことを言うな! このまま進めば今度はオーブ軍の攻撃を受ける‼ 奴らは敵とは言わんが味方でもないのだぞ‼」
いち早く反論したナタル、サイやミリアリアはイマイチ分かっていないがナタルの言う通りオーブは敵でも味方でもない。オーブ製だとつぶやいているものもいるが、所属は地球軍だ。
「おい、どうした⁉ 何をしているんだ⁉」
そこへ現れたのはカガリとキサカ、戦闘中だというのに普段と同じような言い合いをしており困惑する。
「このバカが突っ込めと言っただけだ! 下がっていろ!」
端的な言葉だが全てを理解したカガリ、キサカとモニターに映るユウキ、そしてストライクのキラの顔を思い浮かべ、決心する。
「艦長! このまま行ってくれ‼︎ わたしは『黙ってろカガリ‼︎』⁉︎」
せっかくの決心も横入りした言葉で遮られた。驚けばその視線は自分、の横のキサカヘ向けられていた。
「…………なるほど。艦長、進路はそのままに海へ降りるといい。大丈夫だ、彼らは上手くやってくれる」
もはや何が何だか分からない。だというのに自信満々な彼らの顔を見て、マリューは進路を決定した。
「足付きは、ストライクはどこへ行ったぁ⁉︎」
潜水艦で回収されたイザークの叫び声、艦長が無言で指を刺した先ではオーブの艦隊による攻撃を受け煙の中へと消えていくアークエンジェルが映っていた。
時間なくて駆け足気味になっちゃった。許して
さてオーブ編ですが、見直すとすぐ出発してるんだよね。なんか十話くらいあったと思ってた。密度濃すぎないかな?
おまけ 〜実は人気者〜
学生男子組「筋肉すごいですよね、どれくらい鍛えたらそうなるんですか?」
学生女子組「すいません、カガリどこにいるか知りませんか?」
砂漠の虎「やぁ、良かったらコーヒーでもどうだい」
ムウ「いやぁー色黒の筋肉質なんてモテるでしょ、何かそういう話ないの?」
キサカ「…………」
感想誤字報告いつもありがとうございます。
※活動報告にておまけネタ募集してます。
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