スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

47 / 101
 曇らせもだけどみんな少女の方気にし過ぎじゃない? 誤字報告でもちゃんと来てて笑いました、ありがとうございます。誤字じゃないです。タグも昔からついてます。

 ひとり言ですが、皆さんこの作品の7話を見にいくらしいですよ? 不思議ですね? 全体的な人気は8話っぽいんですけどね?

 最近下手にコンボ組むより普通にぶん殴るデッキ組む方が強いことに気が付きました。ブンブン、どうもノウキンです。あと地龍神の魔陣めっちゃつよい。たくさんほしい。

 皆さんお待たせの曇らせ回です。どうぞ


羽を失った天使

 コーディネイターは進化した人類、と自称している者たちがいる。

 

 実際に遺伝子の調整をすることで、これまでの人類よりも性能は上がっている。病気になりにくく、様々な分野で常人以上の結果を出せ、まさに地上から宇宙へ進出した人類に適した進化と言える。

 

 だが、その実態は通常よりも物覚えが良く身体が丈夫であるくらいでしかない。

 

 学んでいないことに関してはナチュラルの専門家に勝てるはずもなく、時折歴史の中で生まれる天才を超えた偉人相手なら足元にも及ぶこともない。

 

 もし本当に優秀であるのなら、そもそも戦争は起こっていない。

 

 起きたきっかけが自分たちこそが優秀だという傲慢、そして同胞を失った怒りと悲しみというなんとも人間臭い理由である。進化したのは戦争の技術というのだから、幾度となく繰り返された歴史をなぞっているだけでしかない。

 

 未だ本人は知るよりもないが、コーディネイターの中でもあらゆる才能を持つスーパーコーディネイターの少年がいる。彼は自分の生まれを知らず、一般家庭のどこにでもいる子どもとして育った。

 

 すくすくと育ち、学校に通い、友人と遊びたまに宿題をさぼり、何ということもないただの日常を送っていた。

 

 戦争に巻き込まれた、というのも本人からすればありえないが歴史の中ではそう珍しいものではない。運がいいのか悪いのか生まれ持ったスペックを活かし、戦争に巻き込まれながらもどうにか切り抜けてきた。

 

 その理由の大半は共に戦う友人がいたからである。

 

 繰り返しになるが、一般家庭の少年が銃を持ってすぐさま戦えと言われてどうなるのだろう。

 

 引き金を引くだけなら簡単だ、それこそ最低限の握力などの身体能力があれば誰だってできる。

 

 ただ命のやり取りは?

 

 精々が家畜などに授業で触れて命の大切さを道徳を学ぶ程度だ。

 

 そんな少年が血生臭い戦場に出て心を保てるはずもなく、すり減っていく精神は別の世界でならとっくに壊れていただろう。進化した人類の頂点に立てようが、戦いの分野でも才能を発揮できようが、人であることには違いないのだ。世界が、人間が、力があるというだけで彼の心をすり減らしていった。

 

 だが、この世界では友人がおり余裕がある。

 

 たまたま出会い、たまたま仲良くなっただけのただの友人だ。

 

 人の命を奪ったとしても、折り合いがつかなくても、そんな友人がいるからがんばってこれた。

 

 いつもと変わらず、なんてことはない。相手も疲れていた、悩んでいた。戦争に巻き込まれて、理由があるとはいえ自ら踏み込んでどの面下げて親に会うのか悩んでいた程度にはその友人も普通の少年だった。

 

 

 

 

 

 ならそんな友人が、悪友が死んでしまったとしたら?

 

 

 

 心の中にある何かがぽっきりと折れた音が聞こえた。

 

「う、ウ゛ワ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛‼」

 

 分からない、いや分かっている。分かっているからこそ分かりたくない。

 

 コーディネイターとしての優秀な頭脳が情報を処理していくが、心が拒否している。行き場のない感情が獣のごとき叫び声となって、彼の喉が張り裂こうと慟哭となって響いた。

 

 

 

 そしてそれは、目の前にいたかつての友人も同じだった。

 

「ニコル……………………?」

 

 爆炎に飲み込まれた黒かった機体、その中にいたはずの友人の名前を呟く。しかし返事が返ってくるわけもなく、冷めていく脳が冷静に事態を把握していく。

 

 ────ゥ‼‼」

 ────ィ‼‼」

 

 

 

 お互いに叫びあい、止まったのは声を出すための空気が肺から搾りつくした後だった。

 

 顔をあげて視界に入るのはかつての友人、必然と言えるのかお互いに頭に浮かんだのは同じことだった。

 

「「お前の/キミのせいで‼‼」」

 

 脳内で何かがはじける。これまでにない集中力を発揮し、目の前の敵を討とうと光のない瞳が敵を見据える。

 

 ただ感情の赴くままに、進化したはずの人類は友人のために友人を殺そうと、自分の持つ才能を充分に発揮していた。

 

 

 

 

 その情報を呟いたのはミリアリアだった。

 

 不時着したアークエンジェル、同じく目の前に落ちたバスターから照準を外すことなく狙いをつけているとパイロットは投降。回収と共に被弾したムウも帰還していた。

 

 船の状態に戦況の確認、全員が自分の役割を全うしていた。

 

 未だ不慣れな新人だが、そんな学生たちは誰もが友だちのためにとがんばっていた。もちろんミリアリアもそのひとりであり、仕事を真面目に教わり励んできた。だからこそ口に出せた。否、出してしまった。

 

「ホワイト……………………反応、ロスト」

 

 聞こえていたブリッジの空気が凍る。

 

 全員がミリアリアに意識を向けるが、気が付いていないのか震える手で、半ば無意識に教わった通りに確認のため、機器を操作する。

 

「………反応………ホワイト、ユウキ? 反応して、ユウキ? ……………………ユウキ‼ こたえて‼」

 

 静かながらに呟かれていた声が涙交じりの声となって響く。

 

「………格納庫! スカイグラスパーは出せるか⁉」

 

 めったに見せない必死な形相の副艦長の声。戦闘時に焦った声を出すことはあるが、ここまで痛々しい声は初めてだった。

 

『ダメです! さっきの不時着したときの衝撃で少しやっちまったみたいで、飛ばすのに時間がいりますって少佐ダメですよ‼ おいお前ら止めろ‼』

 

 ミリアリアの声を聴いていたのはブリッジだけではない、戻ってきてすぐに飛べないと言われたにもかかわらず無理やり乗り込もうとするムウを整備員たちが複数人で抑えていた。

 

 マードックの適格な返事にもどうにかして飛ばせ、と言いたくなるところを我慢できたのは軍人としての歴だろうか。

 

「っ………ストライクの現在地の確認を! 戦闘はまだ終わってないわ‼」

 

 誰もが緩めてしまった意識を艦長のひと言が張りなおす。そうだまだ戦闘は終わっていない、まだ戦っている仲間がいるのだ。モニターに映しだされたのはストライクとイージスの戦闘、何かしらの援護をしようとしたとき、

 

「……………………は?」

 

 誰の声だったのか。

 

 モビルアーマー形態で組み付いた色のないイージスが爆発した。

 

 もちろん、目の前にいたストライクを道連れにして。

 

 

 

 ここまで奇跡の航海を続けてきたアークエンジェル、その源を船は二つ同時に失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーブにいるカガリのもとに届いたのはアークエンジェルからの救援要請、人命救助という理由のため躊躇いはあれど軍はすぐに動いた。

 

 出る前とは打って変わって政治家としての勉強に精を出すカガリ、その知らせを聞いて飛び出したのをウズミは止めることができなかった。

 

 モビルスーツの残骸、焦げた地面などの戦闘痕、そしてコクピットが開いていたストライクを発見。生きているかもしれない、と捜索して見つかったのはザフトのパイロット、アスラン・ザラ一名。

 

 報告によれば、バスターのパイロットは捕虜としてアークエンジェルが連れて行ったらしい。

 

 そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 PS装甲を持たないアストレイ・ホワイトフレーム、その近くで発見されたフェイズダウンして巻き込まれたブリッツ。ともに損傷がひどくパイロットの生存は絶望的である。

 

 そうオーブの報告書にはまとめられた。

 

 

 

 近くを通っていた地球軍の船もいたが、すぐに引き返すと再び捜索の隊が組まれて戻ってきたが生存者は見つからなかったとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、頭の固い軍人たちには困りますねェ。コーディネイターが乗っているからって、大金をかけた船を見捨てていい理由になると思ってるナンテ」

 

 あるオフィスで金髪のスーツを着た男性がタブレットや書類が並んでいる机で、めんどくさいといった風に呟いていた。

 

「そりゃ僕だって嫌いですヨ? でもねぇ、だからと言って使えるものを捨てるなんてモッタイナイことをする訳ないでしょうに」

 

 そこは地球軍でも限られた人物のみしか知らない秘密の実験施設。

 

 白衣を着た研究者に様々な薬品があることから医療関係と思われるが、どこにも怪我のない少年たちが様々な装置をつけられて悲鳴をあげている。

 

「なにより、こんなオタカラを手離すなんてとんでもない」

 

 取り出したのはある少年の情報、オーブに住むナチュラルだ。経歴もそうだがアカデミーでの情報は読みものとして面白いほどに濃い。特に気に入っているのは、コーディネイターを相手にイベントで立ち回り勝利したという。

 

 短い電子音が鳴り、机に備わっているボタンを押した。

 

「えぇえぇ、まだ目覚めませんカ。あれだけのケガで生きてる方がスゴイですからネェ。もちろんダメですよ、ちゃんと正規の治療のみで、もうひとりもです。死んだってかまいませんが、生きてた方がお得ですからネ」

 

 念を押して通話を切る。研究熱心なのはいいが、何でもかんでも薬漬けにするのはやめていただきたい。時間がなくて自分の息がかかっている治療ができる場所ではここが一番近かったので仕方ないが、移動することも考慮しなければいけない。

 

 めんどくさいと思いつつ、端末を起動して最近お気に入りの動画を再生する。

 

「……………………ネェ、君ならこの世界を救う悪魔にだってなれるでショ?」

 

 画面では先頭を行く白い光につられて数々の光が集まっていく。まるで火に自ら飛び込む虫のように、何度も見返して、頭の中でいつでも再生でき、結末もすでに分かりきっているというのに釘付けになってしまう自分のように。

 

 

 

 机に置かれてたタブレット、その少年の情報にはモビルスーツの操縦ができる現状唯一のナチュラルのパイロット、と記載されていた。




 次回まで引き伸ばし? しないよ! 曇らせは鮮度が高いうちにって言いますもんね(いわない)

 はい、今話を呼んだ方曇らせが足りないと思いませんでしたか? そうですね、原作を見直してください。こういうのはね、ちょっと時間が経って自覚してくる必要があるんです。カレーと一緒にね、一晩くらい寝かせるのがちょうどいいんです。

 なんで次回、アラスカまでのお通夜状態のアークエンジェルです。まるまる一話使い切りたい。



 最後の金髪? さぁ?


 おまけ ~直前~

 副艦長「………艦内でパンダの着ぐるみが笹で部屋を埋め尽くすという報告があるのだが」
 バカ「? 不思議なこともあるもんですね?」
 副艦長「ではその手に持っている着ぐるみと笹の入ったカバンについて聞こうか」

 クルーA「まーたやってるよw」
 クルーB「俺やられたから後で片付けさせるかw」
 クルーC「あ、フレイちゃん。探してる彼なら副艦長に追われてるよ」
 
 巻き込まれたスパコ、セグウェイにひかれた通りすがりのサイ、ブリッジのモニターで笑うマリューやムウたち。

 この直後、戦闘が始まり捕まったバカはモビルスーツ格納庫へと向かった。帰ってきたら話の続きだと副艦長に怒鳴られながら走り出す。


 いつも感想や誤字報告ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。