スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 ラクスはバカに惚れてるの??? 惚れてないです。少なくとも本人は言い切ってます。珍獣への興味です。原作ではキラの優しさと弱さに心ひかれたラクスなので、そんな弱さを見てないユウキには惚れていません。

 再会したら? さぁ? 危険を顧みず自分を助けようとしただけの相手ですし、仮に女連れでも種割れするくらいじゃないですかね???

 関係ないですけど、バカの実態を知らずに気になった相手は知ると離れます。知ったうえで気になると別にあんなバカの事なんか! って反応になります。はい

 最近参加した大会の最後にあるじゃんけん大会、参加者内で最年少の小学生が勝ってたのを見てほっこりしました。

 主人公の過去編です。どうぞ


始まりの出会い

 後に知ったのだが、この頃の年の子どもはおもちゃの銃や紙を丸めた剣で遊ぶらしい。

 

 ただ自分は本物を扱っていたが。

 

 周りもそうだし、大人は使い方と使い道、使う理由を教えていた。何度聞いても理解できなかったのは、自分の頭が良かったからだろう。脳みその出来が違うと会話をするのもひと苦労だ。

 

 向ける先は同じ服を着た集団。自分たちが持つものより格段に性能も良く、整備もされており連携もとれている。

 

 そんな相手から逃げるだけなら簡単だったが、何もなく帰れば殴られるのでどうにか頭を振り絞って足止めやらなんやらで命を奪った。

 

 味方なら引っかかる罠も相手は超えてくるので、自分への被害を抑えながらも自傷覚悟の罠を考えに考え抜いた。拾った武器を、相手の持ち物を分解し、観察し、構造を理解していく。分からなければ終わるのだ。初見だろうと見抜けるようになるまで学んだ。

 

 周りと比較しても優秀だったが、やる気もないので適度に手を抜く。

 

 怪我をして帰れば雑な手当にもっとやれと怒鳴られる。

 

 同年代は褒めてもらおうとバカな突撃をしていく。

 

 アドバイスは受け入れられず、死ぬのが怖いのか! と聞く耳を持たない。話を聞いてくれる奴らも、どうすればもっと殺せるのかと無邪気な顔で聞いてくる。

 

 世界ってのはこんなものか、死ぬ気はないが生きる価値もないと思っていた時だった。

 

 いつも通りの罠を仕掛け、どうにか無茶を言ってもらった長い得物で相手を撃つ。

 

 それだけなのだが、音がしたと思えばすぐ近くにいた。相手も気が付かなかったのか、銃を抜き出す前にとびかかり抑えて離れて掴みかかってと何をどう動いたのか覚えていない。

 

 気が付けば真っ暗な世界で水に撃たれていた。

 

 終わるのか、と思っていたら顔が濡れる。雨が降っているのだから当然のことだが、いま思えば寂しかったのだと思う。

 

「お、起きたか」

 

 パチパチと鳴る音で目を覚ませば暖かい服に覆われて、焚火のそばでは昼間に掴みかかった相手が銃の清掃をしていた。

 

 飛び上がって構えるも何もせず、一口食べた食べ物をこちらに差し出した。

 

 お世辞に旨いとは言えなかったが、食べるという行為に価値があるのだと学んだ。

 

 相手はおしゃべりだった。

 

 聞いてもいないことをべらべらとしゃべり、聞き返せば頭がいいなと褒めてくれた。

 

「おれは………てきだ………………」

「でも子どもだ。俺たち軍人はお前みたいな子どもを守るためにがんばってんだ」

 

 なのになぁ、と悲しそうにつぶやく顔が印象的だった。

 

 結局寝ることはなくずっと話していた。寝れないのではなく、寝るのがもったいないと思ったのははじめてだった。

 

 太陽を背に伸ばされた手を、掴むことはできなかった。

 

 倒れ伏せる相手、喜びの声をあげながら近づいてくる仲間だったもの。興奮した声で焚火が見えた、お前のおかげだ、山分けしよう、助けたんだ感謝しろ、そんなことを言っていた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 約二週間後、ある紛争地区が制圧された。メンバーの大半は年端もいかない児童であり、戦うことで救われるなどという宗教理念のもと戦わされていた。

 

 拠点の捜索中、仲間割れでもあったのか酷くやせ細っている児童を保護。数々の打撲の跡があり、見せしめにされていたと思われる。

 

 頑なに握りしめていた手からは、現場で戦死した兵士のドッグタグが発見された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、今日はおでかけでもする? それともお家で映画でも見よっか?」

 

 努めて明るく笑顔で話しかける。それでも相手の表情は変わらず、無言で席を立つと外へ出かけていった。

 

 いってらっしゃい、と声をかけるも扉が閉まり切ると悲痛な顔でテーブルの上を見る。そこには、一切手を付けられていない食事の跡。用意した野菜ジュースのコップだけが空になっている。

 

 これでもマシになったのだ。ひどいときは水しか飲まず、一度倒れて病院へと運ばれた。それから最低限の飲み物程度は口にするも、食事をとることはほぼない。

 

 病院での診察結果で子供ができるのはほぼ不可能と言われた時、人生で二度目となる絶望が身体を襲った。しかし、同時にそこから救ってくれたのも同じ人物だった。

 

 孤児院で心臓がうるさかった時も、隣でいつも通りに笑い、勧められた子ではなく隅でうずくまっている子に声をかけたのもだ。

 

 苦い顔で善意から来る引き留めも笑顔で押し通して承諾した。

 

 不安しかなかった。

 

 自分のような親からの愛情を知らない女が母親として、こんなにも苦しい人生を送ってきた子どもの母親になれるのか悩みに悩んだ。

 

 同属の中でも自分は優秀な方だろう、だとしても上手くいく自信など欠片もなく、どうにか母親をやってみようとしているのだが、

 

「………………わたしには無理なのかな、シキさん」

 

 俯いた顔で食事にラップをかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こんにちは」

「…………」

「あ、あのボク最近引っ越してきて、えっと、この辺に住んでる? の?」

「………………」

「その、よかったらお話したいなぁ~って」

「……………………」

 

 どこにでもある公園のベンチ、座っていた少年に話しかける影があった。

 

 引っ越して来たばかりの少年は探索も兼ねて辺りを散歩していた。その時に見つけたのが、自分と同い年くらいの少年。緊張しながらも話しかけると、チラリと横目で見てまた前を向く。

 

 断られることもなかったので、おじゃまします、とベンチの端にちょこんと座った。

 

 別に人と話すのが苦手というわけではなく、かと言って初対面では緊張するくらいの度胸しか持っていない普通の少年。何を話したらいいのか分からず、とりあえず自己紹介も兼ねて自分の事を話した。

 

 家族の事、引っ越す前の友人の事、好きな食べもの、思いつくことを片っ端から話してみた。

 

「でね、アスランが作ってくれたのがこのトリィで」

「……………………バッテリー消費を抑えるためにホバリングではなく滑空の構造」

「! 分かるの⁉ すごいねキミ!」

 

 つい口から零れた。

 

 そこからますます元気に話しかける相手に、適当に返事をする。そしてすごいと称賛される。

 

 いつかの記憶が、笑いかけるその顔が、あの人と重なった。

 

 気が付けば涙がこぼれていた。

 

「え、な、ご、ごめん! 話しすぎちゃったよね!」

「………………違う」

「え、ならどうしたの? どこか痛い?」

「いたい………………そうか……………………痛いんだ」

 

 ぼそぼそと話す過去。それは普通の少年が聞くのは重すぎて、想像を絶するがゆえに分からなかった。

 

「そっか………………全部はその、ごめん。分からなかったけど、いやだったよね」

「いい………………分からなくていい」

「で、でも分かったこともあるよ!」

「………………なに」

 

 ここでようやく、隣に座った少年の顔を見た。

 

 幼くも誰しもが持っている人を思う優しい顔で、

 

「キミも、その助けてくれた人も、新しいお父さんとお母さんも、すごく優しくていい人だよ!」

 

 

 

 

 

 昼前、イチノセ家の扉が開かれた。

 

「は~い、おかえりなさい。ご飯食べる? おなかすい……た………………」

 

 出迎えようとミサキの眼に映ったのは、扉をくぐるふたりの子ども。

 

「は、はじめまして」

 

 ひとりは最近引っ越して来たばかりで、家に誘われた少年。

 

「…………………………………………ただ、いま………………ともだ、ち…………つれて、きた」

 

 そして、

 

「…………………………………………お、かあ、さん」

 

 イチノセ家の長男が帰宅した。

 

 

 

 泣きながら抱きしめる母親から解放されると、ウキウキで料理をする母親を見ながら机に座って話す二人。

 

「きつかった………………」

「でも良かったよ、おばさん嬉しそうだったし」

「………………なまえは?」

「あ! そうだった、まだ言ってなかったね」

 

 この先何度も呼ぶことになる名前、その初めてがこの日だった。

 

「キラ、キラ・ヤマト、そっちは?」

「………………ユウキ・イチノセ…………よろしくな、キラ」

「うん、よろしくユウキ」

 

 新しい場所でできた初めての友だち、この先悪友となり、戦争に巻き込まれ、世界の危機にも立ち向かうことになった二人。

 

 その始まりだった。




 以前フラガでもないのにスペック盛られてる? といった感想をいただきましたが、じゃないと死んでたってだけです。なんでもできる、じゃなくてできないといけないのでできるようになった、でした。シンプルですね、何か意味があると思ってた方はすいません。ダブルオーの刹那みたいな感じでした。

 ここからいろいろとあって現在へたどり着きました。これでキラがキラちゃんだとなかなかに面白いと思いますが、書く暇がないのでどなたか書きませんか???

 軍人は普通の軍人です。特に有能ってわけでも特別な生まれがあるってわけでもないです。どこの国のどの軍なのかも、名前も決まってません。それなりに成長したあと、家族三人で墓参りに行きました。ドッグタグは出会えた親類から預かってイチノセ家に保管されています。



 おまけ ~入れるすき間がなかった父親の話~

 「ただいまーおっと、お友達かい? ユウキの父親です」
 「ははは、心を塞いでいた息子の心をほどいたのはお二人のご子息ですよ。生まれなど気にせず、育て方が良かったのだと胸をはってください」
 「まだ呼びなれないのは仕方ないよ。よし、親睦を深めるためにも男同士、秘密のおでかけをしよう」
 「流石経験があるだけに上手いね、しかしゲームというものは奥が深いのだよ。これでお父さんの完全勝利だ、ハハハ」
 「えーお母さん、連れ出したのは間違いなく自分だし連絡を忘れていたのも自分です。ですがお小遣いを減らされるとユウキへのプレゼントも買えなくて、え! 言っちゃったの⁉ 男の秘密だったのに⁉」
 「一目見て分かったよ。この子は聡く優しい子だってね。さぁいいかい、お母さんは恥ずかしがってあまり言わないけど、ホールケーキをひとりで食べたいくらいにケーキが好きなんだ。一緒に作って驚かそうじゃないか」
 
 
 ※キラ相手にはいろんな勝負やゲームで勝ててますが、父親にはキラと二人で挑んでも勝てたことがありません。
 ※大抵の行動原理は父親の影響です。
 ※2回目ですが、父親(シキ・イチノセ)は病気に強いだけのコーディネイターで、親も普通のちょっと稼いでるサラリーマンと主夫です。


 いつも感想や誤字報告ありがとうございます。ここすきとかしてもらえると読み返した時に嬉しいのでしていただけたり? してください(土下座)
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