スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 前回、過去最高に感想を貰いました。内容なのか投稿時間なのか判別しにくいのが悩みです。

 Q.兵士ホモだと思ったの? A.前作に引っ張られ過ぎ。 なんかねばつく嫌な感情を向けていたので手を貸したってだけです。今作にホモはいないから………………原作にもいないよね???

 あ、前回投稿ミスしてたのであとがきが無かったです。読み逃した方がいればどうぞ。

 バイオレンス・サンダーとか懐かしすぎるカード名が出たので現在のカードプールでどうするか悩み中。グリッファで踏み倒しながらジャストダイバーアタックとかいいかも。

 原作の舞い降りる剣回です。どうぞ


駆け巡る翼

 コツコツと足音が響く。

 

 地球軍の基地であるアラスカ内部だが、足音の主は何故かザフトの白服を着ている。

 

 基地の外では銃撃と爆撃の音が止まらず、基地自体もたまに大きく揺れており間違ってものんきに歩いている場合ではない。

 

 だというのに、時折現れる地球軍の兵士を淡々と処理しながら進んで行く。

 

「………………フゥ」

 

 疲労ではなく絶望が混ざったため息。世界に絶望し、全てを巻き込んでの滅亡を望んでいる男のモノだった。

 

 自分の計画通り軍内部はもぬけの殻、そしてサイクロプスによる自爆もセットされている。

 

 間違いなく自分のシナリオ通りだというのに、心は動かない。

 

 理由は分かっている。

 

 ある日届いた一報、それは地球軍の白い悪魔を討伐したという知らせ。ザフト内部ではもちろん盛り上がったのだが、それと比例するかのように下がっていくナニカ。途中で出会った因縁の相手も適当に流し、巻き込まれまいと撤退しているのだが走る気は起きない。

 

 むしろここで巻き込まれても、と思うほどだった。

 

「ざ、ザフト⁉」

 

 角で出くわした兵士も流れるように処理し、半ば無意識に弾倉の確認をする。

 

「まったく、ここまで女々しいとは自分でも思わなかったよ」

 

 呆れたように笑う。出会ったのはたった一度、顔を見たわけでもなく会話をしただけ。だというのにその活躍を耳にするだけで心が躍った。

 

 このような世界で真の意味でコーディネイターとなりえる生き足掻く少年。彼ならば、という思いも今は過去の話だ。

 

 せっかくのプレゼントもあったのだが、埃をかぶる前にバラしてしまおうか、そう考えていた時だった。

 

「………パパ?」

 

 年若い女の声、反射的に銃を向ければ地球軍の服を着た少女。

 

 向けられた銃を見て身体が強張るも落ちている銃を拾うことも、逃げ出そうともしない。

 

 震えながらもこちらを睨みつけてくる。

 

「………すまないが私には娘はいなくてね」

「そう! だったら私の聞き間違いね! ザフトは出ていって‼ ここは地球軍の基地よ!」

 

 度胸のある返し、戦うのではなくただ帰れと言うのだ。

 

「キミは地球軍なのだろう? ならばザフトである私を撃たないのか?」

「あいにく! わたしは正規の軍人じゃないし、仕事は看護師なの‼」

 

 涙がこぼれているが強気な態度は変わらない。しかも看護師だから銃を握らないと言う。冷めていた心に少し熱が入った。

 

「ふ、ユウキ・イチノセだけかと思えばこんな出会いもあるのか」

「………アンタ、あのバカの知り合いなの」

「! ………………ふふ、まさか彼の知り合いとはな。もしやアークエンジェルのクルーだったのかな?」

「その前からの付き合いよ」

 

 未だに止まらない銃撃と爆撃の音、そんな戦場の中で奇妙な出会いがあった。

 

「まったく、残念だよ。場所が違えば彼の話を聞きたかったが、故人の話をさせるのもな」

 

 クルーゼなりの気づかいだった。気に入った相手、そのおそらくは学友。心の強さに敬意を持ったからこそ、話を聞くのは躊躇った。

 

「………………本当に死んだの? アイツ」

 

 のだが、帰ってきたのは思いもよらない言葉。

 

「………………どういうことかな? 同じ船に乗っていたというのなら、キミは見たはずだ」

 

 ユウキ・イチノセの死亡を、と続けようとしてやめた。仲の良い友人の死など認めたくないだろう。若い身であるのならなおさらと、真実を突き付けようとする。その前に、

 

「死んだって聞いたけど………まだ生きてる気がする。なんとなく………………鼓動、というか命の熱が、まだどこかにある気がする」

「………………ほう?」

 

 面白いことを言う少女の続きを聞こうとしたのだがその瞬間、爆発により通路の奥から爆風が流れてきた。

 

「きゃ⁉」

 

 風にあおられてバランスを崩すフレイ、その隙にお腹へ一撃を入れて気を失った少女を抱えた。

 

「まったく、キミの周りはみんなこうなのかい? ユウキ・イチノセ」

 

 さっきまでのやる気のなさはどこなのか、勢いよく走りだすと待機させていたディンに乗って帰還した。思いがけない手土産を持って。

 

 

 

 

 

 

 

「罠なんだよ! 俺たちは捨て石だ‼」

 

 そのころ、基地の防衛をしていたアークエンジェルに被弾しながらも無理やり帰ってきたムウによって衝撃の事実を知ったアークエンジェルのクルーたち。

 

 作戦内容はザフトを誘い込んでの自爆、自分たちはその囮だという言葉に誰もが言葉を失った。

 

「………………いやですよ」

 

 涙を流すミリアリア、その隣にいたサイが身体を、拳を震わせた。

 

「せっかくキラやユウキが助けてくれたってのに! 顔も知らないヤツの命令で死ぬのなんて‼」

 

 握った拳を叩きつけられたコンソールが揺れる。いつもなら辞めろと注意するクルーも、同じ気持ちなのか何も言わなかった。

 

 全員の視線を感じながら目をつぶって考えるマリュー。艦長として、クルーの命を預かる長としての命令を下す。

 

「この作戦の目的が敵をおびき寄せるものというのなら、本艦はそれを達成したとみなします。これはマリュー・ラミアスの独断であり、クルーへの責任は一切ありません」

 

 凛とした声がブリッジに、アークエンジェルに響く。

 

「本艦はこれより戦闘空域より離脱します。他の艦への伝言を、『我二ツヅケ』‼」

 

 艦長の号令により一斉に動き出すクルー。船を翻し、他の艦の道を開くために先陣を切るアークエンジェル。

 

 ムウも乗り慣れたスカイグラスパーで出撃し、援護をする。

 

 

 

 

 

 しかしそれでも、数の暴力は強く。

 

「くうっ!」

 

 被弾、そして轟沈する味方。どうにか盾になり注意を惹きつけようとするも、その代償は艦へのダメージとなって足を鈍らせた。

 

 そしてついに、

 

「ミサイル接近!」

「対空!」

「ダメです足りません‼」

 

 被弾に次ぐ被弾、それはアークエンジェルの足だけでなく武器も減らしていき、空いた空間を抜いて飛来するミサイル。

 

 真っすぐにブリッジへと飛来するそれを、誰もが直撃すると頭を抱え、息をのみ、歯を食いしばった。

 

 

 

 

 

 降り注ぐ空からの光。

 

 ミサイルの大多数を撃ち落とし、それでもなお飛んでくるミサイルとの間に翼が広げられた。

 

「え……………」

 

 アークエンジェルのブリッジを守るよう構えられた盾をとき、胸を張って青き自由の翼を広げたモビルスーツ。

 

 誰もが死んだと思ったその時、もしも紅髪の少女がいたらこう思うだろう。

 

 パパを助けてくれた時と同じだと、そして同じ少年が守ってくれたのだと。

 

 

 

 

「こちらフリーダム、キラ・ヤマト。アークエンジェル! 聞こえますか⁉」

 

 そんなに時間は立っていないはずなのに、何故か懐かしく感じる声。ありえないと思いながらも、モニターに映る顔は紛れもない仲間のものだった。

 

「キラ……くん………………?」

 

 幻と思ってしまうその顔は、記憶のままにニコリと笑う。

 

「はい、助けに来ました。マリューさん」

 

 失ったはずの片翼が、再び繋がった。

 

 

 

 

 

 

「あ、あの私たちは囮で」

 

 どうにか状況を伝えたいが味方に裏切られたという衝撃、そして死んだと思っていたはずの知り合いとの再会が頭をうまく回してくれなかった。

 

「大丈夫ですよ、マリューさん」

 

 珍しく取り乱すマリューにキラは以前と変わらず話しかける。

 

「ぼくたちならできます」

「! ………………作戦は、私たちを囮にしてのサイクロプスによる自爆。急いで離れないと巻き込まれるわ!」

「了解です!」

 

 冷静を取り戻した艦長の言葉にうなずくとフリーダムを飛ばす。

 

 意識を集中し、はじけてクリアとなった頭で狙いをつける。並のコーディネイターでは扱うのも難しいフリーダムに搭載されたマルチロックオンシステム。それをさらに細かな狙いをつけて、フリーダムの持つ全ての武器が火を噴いた。

 

 腕や頭を打ち抜かれていく機体、戦えないことはないだろうがそれでも一度撤退すべきである。

 

「基地から離れるようにするには………………ユウキの逆か」

 

 キーボードを取り出しすさまじい速さで叩いていく。

 

「ムウさん! 時間が欲しいので稼いでください!」

「よっしゃ、任せろ‼」

 

 どこか乗り方にキレがなかったエンデュミオンの鷹。キラの言葉により、大気を切り裂く鋭い飛行で近づいてくる敵を撃ち落とした。

 

「よし!」

 

 モニターに映る文字の羅列を確認すると、キーボードのエンターキーを叩く。

 

 それと同時に、アラスカの基地内部から音楽が流れた。

 

「なんだこれは」

「………………ジャズ?」

 

 謎の音楽が鳴り始めて困惑するザフトの兵士たち、その報告を聞いたザフトの上官はある情報を思い出した。

 

「白い悪魔………………!」

 

 憎らし気な顔でフリーダムに迫りくるデュエル。

 

「二度も同じ手は食わんぞ! 総員下がれ‼ 何らかの罠だ!」

 

 同じ判断をしたものが多かったのか、それなりの数が下がっていく。そして後ろから撃たれないよう、フリーダムの牽制も兼ねてデュエルは攻撃を始めた。

 

「やつの真似事なんぞ効くと思うなぁ‼」

「分かったならさっさと下がれよ!」

 

 圧倒的ともいえる性能差、それは命を取れたはずのデュエルへの攻撃を逸らし、グゥルから蹴り落とすだけに留まった。

 

「アイツ、なぜ俺を殺さなかった………………」

 

 ディンに抱えられて下がっていくイザーク。その謎はこの先も胸に残り続けていた。

 

 

 

 

 この日、アラスカ基地は崩壊した。

 

 世間では攻め込まれた際に、勇敢な地球軍が敵もろともに自爆したと報じられている。

 

 実際は地球軍が元からそのつもりだったのだが、奇妙な点が報告されていた。

 

 一つ目は、想定よりも被害が少ない事。かなりの数が攻めていたにも関わらず、想定していたよりも戦果は上げられなかった。

 

 二つ目は、奇妙な動きをするモビルスーツの存在。ザフトや地球軍を問わず、基地が爆発するから逃げろと呼びかけていたらしい。この目で見てきた、ナチュラルの卑怯な罠を教えてくれた、と証言する兵士が多く所属はザフトかと思われていたが、地球軍の戦艦を護衛し、ジンなどにも攻撃していたらしい。

 

 ザフトとも地球軍とも、どちらの味方とも言えないその行動は両軍ともに困惑していたとのこと。

 

 ただ事実を述べるのなら、その機体のおかげで被害は減ったというのはどちらからも言われた。

 

 後に、この報告書は両軍から消されたが、その場にいた者たちの記憶に強く残っており、こう伝えていた。

 

 

 

 あれは二極していた戦場で、とらわれることなく大空を駆け巡る、自由の翼であったと。




 キリのいいところどこだろ、と思いきや最後まで書いちゃったぜ。

 原作でキラは平和のためには思いと力の両方がないと何もできないと学びました。今作でで悔いているのは力のなさではなく、戦ったことなので動けるための足を求めています。力? そんなん普通にひっくり返すバカがいるのでどうにでもなると思ってます。ということで剣ではなく、自分が憧れた相手のように敵すらも助けるために駆けつけるための翼としました。感想やら意見やらいただけると幸いです。

 イメージとしては仮面ライダーオーズ、パンツの代わりに悪友がいます。

 最近イッキ読みとか初感想を頂けて嬉しい限りです。これから頑張っていきます。

 おまけ ~同時刻~

 音楽「ヌルヌルしてサイアク………………」
 小説「なんで通路に石鹸塗ってんだよ………」
 ゲーム「壁使っていいなら反射させて」
 盟主王「いやーこれは掃除が大変ですネ」
 緑髪「なんで石鹸を使って廊下でカーリングなんかを………ユウキ? どこを見てるんです?」

 バカ「………………………………元気そうだな」



 いつも感想や誤字報告ありがとうございます。ここすきとかしてもらえると読み返した時に嬉しいのでしていただけたり? してください(土下座)
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