スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 みんなメンデルでの問答楽しみ過ぎてない? いやまぁ自分も読者なら楽しみだけどハードルが、ハードルが高すぎるっぴ。潜り抜ける準備しておかないと。

 Q.バエルソードの返還もっといい展開なかったの? A.これくらい雑な方がらしいかなって。戦闘中での返却も考えたけど、それするとたぶんシャニ死亡するんだよね(フラグ的に)

 カード熱が冷めてきたんですが、そんな時に受注生産のみの特別イラスト(めっちゃつよい)が売られると聞いて悩んでいます。いちプレイヤーとしては買いたい。でもいち個人としては買っても、という悩みが生まれます。カード辞めたら? は禁止カードです、はい。まじでやめるのが一番だとは思う。

 お楽しみのメンデル回です。どうぞ


それぞれの生まれ

「なぜここにいる、ラウ・ル・クルーゼ!」

「次は貴様がその機体か!」

 

 ラクスたちが隠れ蓑としているコロニーの内部、そこでは因縁の対決が始まっていた。

 

 ランチャーストライクと新型の指揮官型ゲイツ、その二機が戦っている横で、

 

「デュエル、イザークか!」

「バスター⁉ おのれディアッカの機体を‼」

 

 また別の再会を果たす者たち。

 

「なんだありゃ」

 

 そしてそこへたどり着く白い悪魔。

 

 いまだ役者は揃わない。

 

 

 

「三人とも戻ってきてない?」

『そうなの! コロニーの中に行ったけどそれから通信が繋がらなくて…………』

 

 心配という気持ちをそのまま出しているミリアリアにキラは考える。

 

 ムウは勝手に持ち場を離れるような人ではない、そしてそれはユウキも一緒だ。

 

「…………本当にいるのかもしれない」

「キラ?」

「アスランは残ってて! 見てくるから!」

「おい、キラ!」

 

 ラクスからも止められて残るアスランを後ろに、キラはコロニー内部へと進んで行く。ただ仲間を迎えに行くだけだと思っていた少年は、自分の生まれた理由を知るとは夢にも思っていなかった。

 

「ディアッカ!」

「キラか! ユウキなら向こうに行ったぞ‼」

「ありがとう‼」

 

 途中デュエルと牽制しあうディアッカとすれ違い、キラはさらに奥へと向かう。

 

「このぉ!」

「貴様になら討たれても良いと思っていたがな、違うのだよ! ()()()を討つべきなのは‼」

 

 ランチャーパックを外し、アーマーシュナイダーで突撃するムウをあっさりと返り討ちにしするクルーゼ。手足を捥がれ、立つことさえままならなくなったストライクを、白い影が抱えた。

 

「なにやってるんですかムウさん!」

「う、ユウキか……すまねぇ」

 

 攻撃を受けた時にコクピットの一部も破裂し、ムウへの横っ腹を掠めた。突き刺さりこそしなかったものの、パイロットスーツを切り裂き出血し始めている。

 

「来たか…………ユウキ・イチノセ」

 

 ストライクをかばうバエルを前に、クルーゼは武器を下ろして佇む。

 

「ムウさん! ユウキ!」

 

 敵意を感じられることはないが、それでも警戒はとかずに睨みつけるユウキ。その後ろからフリーダムに乗るキラが追ってきた。

 

「ほぉ…………キラ・ヤマトもか、ちょうどいい。全員ついてくるがいい」

 

 背を向けて進んで行くゲイツ、顔を見合わせて頷くとその後ろを距離を開けたまま三人は追っていった。

 

 

 

「降りるといい、迎えが来ている」

 

 先に目的地へとたどり着いたクルーゼ、コクピットシートの後ろのスペースに手を差し出した。

 

 

 

「フレイ⁉」

 

 機体から降りてきた二つの人影、ザフトの白服を着た男に手を引かれて降りてきたのは、見覚えのある紅髪だった。

 

 着陸したフリーダムから転げるように降りて走り出すキラ。

 

「キラ!」

 

 誰が乗っているのかに気が付いたフレイもまた走り出し、抱きしめあって久しぶりの再会を、生きていてくれた嬉しさを分かち合った。

 

「つつ……アルスターの嬢ちゃんじゃねぇか! 何のつもりだクルーゼ‼」

「たまたま出会ってね、手を貸してもらっていただけだ。もちろん丁重に扱っていたとも」

 

 ユウキの肩を借りながらも拳銃を向けるムウに、涼しげな顔で答えるクルーゼ。同じく銃を持ってこそいるが、使うそぶりすら見せず建物の中へと入っていく。

 

「このやろっ!」

「フレイ! ムウさんの傷見てくれ!」

「何ようるさ、ムウさん⁉ ちょっとそのまま支えてなさい‼」

 

 追いかけようとするムウを抑え、フレイを呼ぶ。邪魔だと言わんばかりの顔から一転し、すぐに駆けつけてきた。

 

 ユウキとキラに支えられたムウの治療を終え、船に帰るべきだというフレイに歩けると言って進んでいくムウ。

 

 仕方なしに三人ともついていくことになった。

 

 

 

「コーディネイター、それはジョージ・グレンが唱えたものだ」

 

 薄暗い建物の中でクルーゼの声が響いている。

 

「あらゆる分野で好成績を出し、果ては宇宙へと進出した男」

 

 宇宙探索へ行く中で、彼はあるビデオメッセージを残した。

 

 それは自分は遺伝子を操作し、調整して生まれてきたということ。

 

「宇宙へ進出した新たなる人類との懸け橋、調整者(コーディネイター)なのだと」

 

 探索の結果持ち帰った宇宙クジラと呼ばれるもの、その結果はジョージ・グレンが願ったものと……………………真逆となった。

 

「見下し恨み、生まれを呪いあうようになった」

 

 コーディネイターとは遺伝子を調整し、望まれた才能や容姿を持って生まれた者、だけではない。

 

 才能がない、髪の色が違う、流産してしまう、成功する傍らで失敗し、なくなる命もあった。

 

「その研究を進めた研究者のひとりが、ユーレン・ヒビキ、キミの父上だよキラ・ヤマト君」

「!」

 

 思いがけなかった情報に本人だけでなく、共にいた人物たちも目を見開く。

 

 クルーゼから投げ出されたアルバム、そこにはカガリも持っていたのと同じ写真。

 

「彼は遺伝子をコーディネートする時の影響に、妊娠中の母体が大きくかかわってくると突き止めた」

 

 その結果、数多くの命が…………いや命となるはずだったものが失われていった。妻であるヴィア・ヒビキの静止も聞かず、実験を続けその結果。

 

「キミは数多の兄弟の屍の上にあらゆる才能を注ぎ込まれて生まれた。いわばスーパーコーディネイターなのだよ」

 

 膝をつくキラ。自分の両親は両親ではなく、数々の実験の上で生み出された存在。その事実はただの少年には重く、声をかけるフレイやムウの声も届かない。

 

「そしてムウ、わたしは昔、貴様と出会ったことがある。何せ己の死ですら金で買えるとおごった貴様の父、アル・ダ・フラガのクローンなのだからな!」

 

 才能を与えるのではなく、才能を持った自分がいればいい。そう思いあがった男の、愚かな行い。その結果生まれたのがラウ・ル・フラガ、もといラウ・ル・クルーゼなのだ。

 

「! あの薬は!」

「察しがいいな…………クローンとして生まれたわたしは常人とは身体が違う。あれはその不具合を整えるためのものだよ」

 

 クルーゼの近くにいたフレイが気が付いたのは必然だった。看護師として、クルーゼに拾われた後も勉強を続けていたフレイ。クルーゼの持つ錠剤がどの薬にも当てはまらないことを疑問に思っていた。

 

「人は思いあがったのだ! 全てを手に入れることができると! その結果が憎しみの終わらない戦争だ‼」

「黙れ! お前の勝手な考えを当然だと語るな‼」

 

 ムウの発砲した銃弾がクルーゼの横を掠めた。

 

 マスクが外れ、ずり落ちたその下から現れたのは、

 

「「「!」」」

 

 どこか見覚えのある顔。

 

 ただし、その眼には深い絶望と老いを宿していた。

 

「…………この混沌とした世界、その中であるのだよ! わたしにだけは‼ この世界でただひとり! 復讐する権利が‼」

 

 上を見上げ、両手を広げて高らかに声を張り上げるクルーゼ。その言葉にムウですら、黙ってしまった。

 

 キラも自分の生まれを知り、心が締め付けられ、塞がっていたはずの傷が開きだした。鉛のように身体が重く、頭が動いている様で動かせない。

 

 フレイもまた、その言葉に込められた思いを分かってしまったからこそ、何も言えなかった。

 

 

 

 ────それがどうした」

 

 静寂を切り裂く声、全員が振り向けば普段の騒がしさが欠片もない少年。

 

「不幸自慢がしたいのか? なら付き合ってやるよ」

 

 肩を借りているムウも、うつむいていたキラに付き添っていたフレイも顔をあげた。

 

「俺は元少年兵だ。字も読めねぇ書けねぇ頃に銃を握って人を殺してきた」

「「!」」 

 

 初めて聞く過去に驚く二人、そして知っている少年は悲痛な顔を見せる。

 

「俺を助けようとしてくれた軍人さんは、俺を助けるために仲間に殺された」

 

 静かにそれでいてハッキリと出される声が部屋に響く。

 

「引き取ってくれた両親にも心を開けず、水ばかり飲んでて入院もした」

 

 自分たち以外に生命はいない、そんな建物に少年の独白が流れる。

 

「巻き込まれたとはいえ、また銃を握って命を奪った親不孝者だ」

「ユウキ!」

 

 たまらず叫ぶキラ。そんなことはない、お前は悪くないとフレイもムウも口を開こうとした。

 

「そんな俺でも、願いがある」

 

 静かに聞いていたクローンの口角が上がった。

 

「俺を助けてくれた人、周りにいる人たちの幸福」

 

 数多の命が生まれ、そして奪われた場所で、熱のこもった言葉が生まれた。

 

「お前の生まれに同情する! 行動に納得もする! キラの生まれにも俺はバカだからなんて言えばいいか分からねぇ‼」

 

 静かに、呪われて望まれて生まれてきた命に涙が浮かぶ。

 

「だからどうした‼ そいつのおかげで俺は救われた! 地獄みたいな世界で‼ 俺は人として生きていくことができた‼」

 

 暗闇の中、火を灯してくれた軍人、分からないなりにどうにかしようとしてくれた初めての友人、自信がなくても愛してくれた両親、出会い共にいてくれる友達に仲間、その全てがある少年の生きる勇気となっている。

 

 そこには、たとえ間違っていただろうがある研究者も含まれている。

 

「お前が復讐したいってなら勝手にしやがれ! だけど世界を滅ぼすってなら、大事な人たちを傷つけるってなら‼」

 

 熱が込められた視線がラウ・ル・クルーゼを射抜く。暗く冷たい殺意ではなく、優しく温かみを持った人なら誰しもが持っている優しさが込められた熱。

 

「俺は全力でお前を止める」

 

 もはや取り繕うこともせず口元を歪ませるクルーゼ。そして、隣にいた友人も少女に支えられながら立ち上がる。

 

「…………バカなこと言わないでよユウキ」

 

 一切後ろを振り駆ることのないユウキ、その隣にふらふらと頼りない足付きでしっかりと踏み出し隣に立つ。

 

「ぼく達で、だよ」

「…………あぁそうだな」

 

 より静かに、より強く、熱が込められた言葉が建物を満たす。

 

「「ぼく/俺たちで止めてみせる」」




 風が吹く街の二人でひとりの探偵大好き。

 メンデルでの問答いろいろ考えたんですけどね、感想でも言われましたがユウキはifのクルーゼでもあるので言い返したりはできないと思いました。自分の幸運を分かっているので相手の不幸を否定はできない、でもそれはそれとして自分の幸せも否定させない。といった感じです。この辺は感想で意見聞きたいので良ければお願いします。

 自分の生まれと世界の闇を知った絶望孤独おじさんに育ちが不幸で立ち直って仲間と一緒に立ち向かう宣言をした少年、おじさんの情緒やいかに⁉

 たぶんだけどこの場で1番ダメージがデカいのムウな気がする。自分程度の不幸とか、それでいてこんな過去を持つ弟分たちに頼って1度死なせてしまったって。マリューさんの180分癒しコース入ります。

 TSキラならたぶんここで落ちたと思う。自分の生まれがヤバい、でも生まれたおかげで救われたと主人公に言われるヒロイン、うーんこれは強すぎるっぴ。と思ったけどこれラクスもなんだよね。あれ、結構強いな?


 おまけ ~名前の由来~

 幼きバカ「なにこれ」
 母「あなたの名前よ、昔の別の国ではこう書くの」
 幼きバカ「ふーん…………あれ字が違う」
 母「仮にこの言葉で書くならね、読み方は同じなのよ」
 幼きバカ「そうなんだ。あ、いってきます」
 母「いってらっしゃい、キラ君によろしくね」

 机に置かれた紙、そこには「優気(ユウキ)」と書かれている。

※本人も記憶が曖昧な母と父しか知らないことです。ヒロインはこの母親相手にがんばってください。


 いつも感想や誤字報告ありがとうございます。ここすきとかしてもらえると読み返した時に嬉しいのでしていただけたり? してください(土下座)
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