戦いを呼ぶもの
プラントと地球軍による戦争は第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦によって終結。
これにより世界は一時の平穏を迎えた。
しかしそれは、新たなる戦争の短すぎる猶予でしかなかった。
「やっぱり必要ですものね」
「ああ、ナチュラル共に見せつけてやるのさ」
プラントにある軍港、そこではザフトの新モビルスーツなどが立ち並んでいる。
「これはこれは、オーブ代表カガリ・ユラ・アスハ様」
そこでは表に出る予定のなかった極秘会談が行われようとしていた。
「様付はよしてくれ、ギルバート・デュランダル議長」
あいさつを交わすのは現プラントの最高評議長デュランダル、そして齢18にしてオーブ代表となったカガリ。政治的交流は鋭い視線の少女を受け流すところから始まった。
「不必要な力はまた争いを生む種となる!」
「しかし、争いが終わらぬから力が必要となるのです」
理想と現実、どちらの言い分も間違ってはいないが故の平行線。政治家としての討論とはとても思えないが、そもそも20も超えていない少女が国の代表としているのがおかしいのである。
ただそれを考慮するものはおらず、本人もまた望んでいない。
どこ吹く風と涼し気な顔をするデュランダルに対し、表情に悔しさがにじみ出ながらもどうにか自分の考えを伝えようとするカガリ。その後ろでは赤いサングラスをかけた若い警備が、少女を見守っていた。
歩きながらもお互いの意見をぶつけ合い、立ち並んでいる新たなモビルスーツに眉を顰める。
剣呑な雰囲気を醸し出しながらも兵器を使った戦争ではない言葉を交わし合う論争、それは間違いなく平和の時間ではあった。
「そっちは?」
「OK、情報通り」
「いいよ」
「あの、兄を探してて」
「そうかい、じゃあ一緒に乗り込むか」
港に鳴り響く警報、同時に爆発がおき港が揺れる。
それは短い間にしかない平和の終わりを告げる狼煙となった。
そこは進水式を待ち望むザフトの最新艦『ミネルバ』のブリッジ、突然の爆発に鳴りやまない警報。慌ただしく対応に追われる中、艦長であるタリア・グラディスの号令が響き渡る。
「アーサー彼を! まったく、出入り口でめんどくさいバカも来てるっていうのに」
腹ただしさを隠すことなく指示を告げる艦長、誰も気にすることができないほどに艦内は騒々しい。
『インパルス、発進スタンバイ。パイロットはコアスプレンダーへ』
オペレーターの声に導かれ、赤いパイロットスーツを着たザフトの兵士が艦内を駆けていく。
「こっちだカガリ!」
そこらかしこで爆発や崩壊する音が鳴り響く軍港、その中でどうにか避難しようと走っていく男女。
しかし向かう先向かう先で戦闘が繰り広げられており、どうにか抜け出そうあたりを見渡して見つけたモノは、
「アスラン⁉」
「ここでキミを死なせるわけにはいかない!」
倉庫が崩壊し倒れこんできたザフトの新たな量産型モビルスーツ、ザクウォーリア。目立つ外傷はなく、そのコクピットに乗り込むと起動して立ち上がらせる。
逃げる背中から撃たれてはどうしようもないと、こちらへ意識がむいていなかった目の前のカオスにショルダータックルを喰らわせて吹き飛ばした。
「くぅ!」
ビームライフルで攻撃するも避けてシールドで受けとめるザク。数手躱しただけで厄介な相手だと意識を切り替え、狙いをつけるガイアガンダムのパイロット、ステラ。獣の如き猛攻を受け、パイロットとしての技量こそはアスランに軍配があがるものの、機体性能、カガリと同乗、これらの要素がアスランの動きを鈍らせ傷を負わせていく。
「なんだコイツ」
「やっちまおうぜ」
様子を見ていたカオスガンダムのスティング、アビスガンダムのアウルも合流しようとしており、明らかに不利な状況での3対1の状況が生まれようとしていた。
その戦場に、
「なに?」
「戦闘機⁉」
2機の間を縫うように攻撃が割り込まれる。
見上げれば4機の戦闘機、一瞬の隙をついて影が合わさると、二振りの対艦刀を持つ赤色のモビルスーツとなって大地に降り立った。
「また戦争がしたいのか、あんた達はァ‼」
ザフトのエースである証、赤いパイロットスーツを着る若きインパルスガンダムのパイロット、シン・アスカの叫びが戦場に響き渡る。
地上では赤いガンダム、そして片腕を失ったザクが奪われた3機のガンダムを相手に戦っているが分は悪い。
片や自由に暴れられる侵入者、片や仲間への被害を考慮しなければいけない自軍のエース。
「…………ちょっとマズいな」
「あの、わたしは大丈夫なので」
「……………………ごめんな、少しだけ踏ん張ってくれ」
「はい!」
その様子を上空から眺めていた白いモビルスーツが戦場へと降下してきた。
「新手⁉」
「増援か!」
情報にないインパルスを前に動揺が表に出ながらも暴れ続ける3機のガンダム。
被害を抑えようと奮闘するインパルスに片腕ながらも援護するザク。
そしてまた1機、白いモビルスーツが割り込んだ。
「白いゲイツ⁉」
「隊長機かっ!」
インパルスと横並びにするは先の大戦にて活躍したモビルスーツ、ゲイツ。通常色とは違い白色に塗装されている。
「あれは…………」
「おまえも! 敵かァ!」
思わず注意がそれてしまうインパルスとザク、そんな2機と対称的に突如現れた新手へ怯むことなく突撃していくガイア。
「なんつーか荒々しいなおい」
四足歩行のモビルアーマー形態となったガイアの攻撃を躱し、
「もらった!」
宙に浮いたところをアビスの攻撃が後ろから迫る。
「はぁっ⁉」
間違いなく仕留めたと思われた攻撃、実際にただの一般兵であるなら撃墜されたであろう攻撃を、ゲイツは振り向くことなく横へ移動して避けた。
「…………チッ、ダメだな」
ガイアへと向けたビームライフルもしまい、シールドのビームクローを展開して驚きで動きが固まっていたアビスへと切りかかる。
「なんだよコイツ!」
あっけなく躱されるものの、深追いをすることなく引き下がるゲイツ。
押しつ押されつつの一進一退の攻防を繰り広げられるが、注意が惹きつけられたいま、間違いなく被害は抑えられていた。
「さぁーて、あの3人は上手くやってくれてるかね。そろそろ時間だ、始めるぞ!」
ミラージュコロイドを解除した謎の戦艦、そのブリッジでは謎の仮面をつけた黒い地球軍の制服を着ている男が指示を出していた。
「どこへいくつもりだ⁉」
突発的な3対3で均衡を維持していた戦場からガンダム3機が飛び出していく。インパルスが追いかけていく後ろを、白色と赤色のザクが援護に入るのを確認して、息を吐いたアスランはザクを歩かせ始めた。
散乱する瓦礫の山、救助されていく負傷している兵士たち、いろいろと現状を確認し、最終的に向かったのは近くにあった新たなるザフトの戦艦、ミネルバ。
白いゲイツもスラスターを噴かせてアスランの後を追っていった。
「ちょっとちょっと! なんなのいったい!」
格納庫にいた赤服のルナマリア・ホーク、戦闘に参加していたものの自身の専用機である赤色のザクが不調のためミネルバに帰投。モビルスーツ格納庫で整備士たちとザクの状態確認をしていたところ、片腕を無くしたザクが侵入してきた。
武装を用意した憲兵と共にコクピットから降りた二人に近づくが、
「こちらはオーブ連合首長国代表のカガリ・ユラ・アスハ氏。 俺は警備のアレックス・ディノ、会見中騒ぎに巻き込まれて代表はケガをしている! 救護を頼みたい!」
「おーいこっちもケガ人いるんだ、頼む」
続いて響き渡る声、振り向いた先には機体の複数個所が煤汚れている指揮官用の白いゲイツが立っている。
まさかの大物すぎる人物に驚愕しているクルーたちの視線が向けられている中、開かれたコクピットからは青年と幼い少女が下りて来た。
「…………そちらは?」
「! おまえっ!」
驚いている2人を他所に銃を下ろしたまま聞くルナマリア、少女を背負っている青年が顔をあげる。
「アスハ代表の警護のため、ブルーピリオドから出向してきたユウキ・イチノセだ」
よろしく、と笑顔で敬礼する相手に呆然とするミネルバのクルーたち。何故かオーブから来た2人は頭を押さえている。
背負われていた少女、マユ・アスカは自分を助けてくれた青年の顔を後ろから眺めていた。
混濁した状況によって生まれた出会い、それは偶然すらも必然とする運命か、それとも自らの意思に切り開かれし未来か。
それはまだ誰にも分らない。
書くにあたり運命見直して来たんですが、種よりなんで戦ってるのか意味不明でした。
ところでキルラキルの25話みたいんですけど、どこで見られますかね?
感想や誤字報告、ここすきなどよろしくお願いいたします。