出撃許可? ほら、急ぎの時は事後報告で問題ないでしょうし。
「態勢を整える! ディアッカ!」
「任せろイザーク!」
地球へと落下しているユニウスセブン、その破砕作業をしていたザフトの白服となったイザークとその部下であるディアッカたち。
始めたころは順調に作業が進んでたのだが、そこへ落ちてきた光が作業中のゲイツやメテオブレイカーを撃ちぬいた。
攻撃の出所を探れば黒く塗られたジンの一団が銃口をこちらへ向けている。
宇宙活動が目的であったために重火器の装備は搭載していない機体が多く、作業中の仲間を守ろうと奮闘するイザークやディアッカ。
ザクウォーリアにはユニウス条約によってモビルスーツの保有数を制限させられたがゆえに、一機で数多の戦場へ対応できるようバック換装による『ウィザードシステム』が搭載されている。機動力の『ブレイズ』、近接の『スラッシュ』、遠距離の『ガナー』。これらはオーブから移民してきた技術者の協力ものと完成された。
名前の由来はザフトの守護者、なのだが知る人が見れば気が付けるだろう。
あのガンダムを元にして生まれたザクなのだと。
「ユウキ・イチノセ、ゲイツ、出撃する!」
「アスラン・ザラ、ザク、出る!」
「このぉ!」
ユニウスセブンは混沌としていた。
ユニウスセブンを砕こうとプラント本国から出て気たイザークたち、それを妨害しようとする謎の黒いジンの一団。そこへ割り込んできたカオス、ガイア、アビスの3機。三つ巴の陣営がどんな意思を持ってこの場で動いているのか把握できている者はいない。
ディアッカの操る黒いガナーザクウォーリアの狙撃がジンを撃ちぬき、隊長機であるイザークのスラッシュザクファントムが切り裂く。
その間にもメテオブレイカーを運ぶザフトの部隊が攻撃され、予備はあるがそれでもユニウスセブンを砕くための数が減っていく。
「はぁぁぁぁぁ‼」
割り込んできたのはミネルバの部隊。
出撃直前に妨害者が現れたために装備を整え一歩出遅れた。
それでも工作隊が大半だったイザークたちにとってはありがたい救援である。
「なんだお前ら? たぶん関係ねぇだろ! 帰れってんだ‼」
最新鋭の艦とモビルスーツの中で紛れている古い機体。
昔の隊長を思い出させるその機体をイザークは静かに眺めていた。
「ゲイツ? しかもあの色は………………」
「イザークか! どうなっている‼」
「アスラン⁉」
意識を取り戻したのは久しぶりに会う友人の声。
「あの程度の敵にいい様にされるんじゃない! はやく破砕作業を進めろ!」
「なんだと偉そうに‼ 今の隊長は俺だ! 指図するんじゃない!」
突然割り込んできた声に言い返しながらもその口元は笑みを浮かべる。
無造作に攻撃を仕掛けるアビスに接敵するイザーク。肩から覗いているビームガトリング砲「ハイドラ」で牽制し、両手で握られた大型ビームアックス「ファルクス」を振りかぶる。
「はっ! そんなもんっ!」
たやすく躱し反撃しようとするが、
「はぁっ⁉」
「チィッ!」
2機の間を遠距離のガナーザクウォーリア、モビルスーツの背丈と変わらない砲身である「オルトロス」の砲撃が通り過ぎる。
「外すなディアッカ!」
「距離が近すぎるんだよ!」
罵倒に近い会話だがそれ以上に熟されている連携。
最新鋭の機体が相手でも引くことはなく、見事に押しとどめている。
また、その一方でスペックの差はあれど迫りくるジンを多対一にも関わらず撃墜していくアスラン。
攻撃を躱す動きを止めることなく、腰の後ろに回したビームライフルで相手を撃ちぬいていく。
「…………これがヤキン・ドゥーエを生き抜いたパイロット……………………」
初対面から相性の悪さを感じていたシンだが、アスランの操縦技術の高さには同じパイロットとして学ぶものが多い。
決して尊敬すると言わないのはプライドもパイロットの素質故だろうか。
一方で白いゲイツに乗りカオスやジンを相手取るユウキ。
ジンより性能は上だが、カオスには劣る。そんな機体で三つ巴の中、未来を読んでるかのごとく先を取り常に有利な位置に動く。
「クソッ!」
「なんだコイツは!?」
向こうの攻撃は当たり、こちらの攻撃は当たらない。
一方的な攻防を繰り返しストレスが溜まっていくカオスのパイロット、スティング。ドラグーン・システムが採用されている機動兵装ポッドを展開し、ジンを堕とした隙に3対1の構図でゲイツを囲い込む。
────とった!
そうスティングが確信した時、
モニター越しにも関わらず、ゲイツのパイロットが自分を見抜いた気がした。
「! ……………なんだ?」
通知音が鳴り、見ればネオからの通信。
「チッ、撤退だ」
「…………………………下がっていく?」
何故か撤退信号があがり、下がっていくカオス、ガイア、アビスの後ろを見送るレイ。
後に知ることになるが、タリアによる国際救難チャンネルによるボギー1へメッセージが送られていた。それはユニウスセブン破砕作業による作戦行動中につき、そちらと敵対する旨はないこと。自軍へ侵入し、新型モビルスーツを奪取した相手への信頼してほしいというメッセージ。
相手がどう受け取ったのかは分からない。
だが結果として、引いていき敵は少なくなった。
「残りは!?」
「ユウキ! お前もいたのかよ!」
相手をしていたカオス等がいなくなり、集合するイザークたち。
戦闘中ではあるがメテオブレイカーによる破砕作業は進んでいる。
邪魔こそ入っているが何とか二つに分断することには成功した。
「貴様! 何故こんなところに! ニコルにもちゃんと連絡を取れ!」
「うるせぇイザーク! この前ゲームに誘ったわ!」
「それ以外でもだ!」
「知るか!」
作戦行動中にも関わらず私語を繰り広げる2人だが、機体は滑らかにお互いのカバーをこなす。
ボギー1が撤退したことで破砕作業が進むかと思いきや、更なる問題が彼らを待ち受けている。
「彼らにも伝わったのだろうか」
「…………高度の問題もあります」
ハッとした顔になるデュランダルとカガリ。気がつけば地球の重力に捕まり、墜落するまであとわずかとなっている。
「ミネルバはこれより、大気圏降下をしながら限界まで艦主砲による破砕を行いたいと思います」
「えぇ!?」
驚く副艦長のアーサーを他所に、デュランダルへの了承を取り指示を飛ばしていくタリア。忙しなくクルーが動く中、戦闘中のパイロットへも通達が飛ばされる。
「艦主砲だけでは不十分な可能性もある、これだけでも」
限界高度に達した通知を受け取り撤退していくザフトのパイロットたち、その中でも最後まで残り作業を続けようとするアスラン。その手伝いをしようとシンが近寄るが、残ったのは彼らだけではなかった。
「我が娘の墓標! 落として焼かねば世界は変わらぬ‼」
「何故ナチュラルと偽りの平和の中で笑い合う!」
「パトリック・ザラの取った道こそが! 我らコーディネイターの正しき道なのだと!」
怨恨の塊、怨霊と言い換えても良い相手が残った2人の元へなだれ込んできた。
赤く熱されてきた大地の上で、怨嗟の声が響き渡る。
その声にさらされて動きが鈍くなるアスラン。せめて最後にメテオブレイカーを起動できないかと、目の前の敵を撃とうとするが、
「お前ら何してんだ!」
割り込んできたのは白いゲイツ。
ジンの一機を後ろから蹴り飛ばし、間に割り込むと立ち塞ぐように武器を構える。
「ユウキ!」
「ユウキさん!」
態勢を整え3対3のまま向き合うモビルスーツ。
その中で不敵に笑うユウキ、その眼が見据えるのは、
「とっておきの策がある」
「…………呼ばれてきたんですけど、これいいんですか?」
『もちろん、ちゃんと許可は貰ってますかラ。シモンズ主任から説明は受けましたネ?』
「えぇまぁ」
『あくまで人助けでス。気負わずやっちゃってください』
ユウキが見つめる青い星にて、ハザードシンボルの付いた自身の身の丈以上の砲塔を構えるモビルスーツがいた。
PS装甲を起動し、トリコロールの色が付いたその機体はザフト、地球軍、ひいてはオーブ全ての陣営が名を知っている。
「超望遠システムクエビコ、ストライクのセンサーと同期完了。全システムオールグリーン、カグツチ起動」
送られくるデータを元に、数度の誤差を修正していく。その目標は遠い空の果てにある地球へと落下していく争いの残骸。
「では、頼みますよキラ・ヤマト君」
遠い宇宙の果てで戦っているであろう友人たち、その手助けをするために少年は操縦桿を握りしめる。
カグツチってなんですか? デュナメスのあれです。
運命見直しながら書いてますがアスランとシン、あんまり仲悪くないですね。カガリに対しても個人よりそれを通してオーブと弱い自分を見てるようで、今作だと幸せになってほしいですね。
まぁよろしくない展開もありますが(小声)
アストレイシリーズを入れるかもしれません……ちょこっとですが、
いつも感想や誤字報告、ここすきなどありがとうございます。
…………あとでフレイに何て言おうかな…………………………。
───伝説の機体に乗るスーパーコーディネイターの少年