スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 感想でも言ってくれましたけど、ラクスの下地があってもそれをちゃんと活かせたミーアはすごい。本物出てきてもどっちが本物だ? ってなるくらいには信じられてたんでしょうね。流石にDPとかで議長は選んだんでしょうけど、あっけなく切って囮にするのはもったいなさすぎるほど強いよねって。あ、ミーアになる作品好きです。

 サイン色紙は私室に飾ってあります。

 フリーダムアストレイ完結おめでとうございます! 買うか……


新たなる繋がり

「んあ? どちらさま?」

 

 ローラースケートを滑らせながら器用に部屋に入ってきたユウキ、パイロット控室ではアスランたちに合わせて、見慣れない男がいた。

 

「お、これで揃ったな」

 

 アスランの首に回していた腕を離すと、差し出してきた男は、

 

「新しくミネルバに乗ることになったハイネ・ヴェステンフルスだ。よろしくな」

 

 エースである赤服に、限られた者だけが身に着けることができるFAITHの証をつけていた。どことなく、歌が上手そうな雰囲気を漂わせている。

 

「ユウキ・イチノセだ」

 

 何のためらいもなく手を握り返すユウキ。目があえば何がおもしろいのか笑うハイネ。

 

「聞いてるぜ? ブルーピリオドからの出向にも関わらず、ミネルバで1番自由にやってるってな」

「1番規律に関わってる真面目な人間の間違いだな」

 

 言い間違えである。

 

 確かに言われて見ればそうかも? と首を傾げるのは今いるメンバーの中で最も純粋なシン。それ以外は何を言っているのか理解できず、心の底から不思議にしている。

 

「あっはっはっは! 面白い奴だな」

「そっちこそ、よかったら歓迎会でもしようか?」

「お、いいねぇ。親交を深めるためにもそういうのは大事だよな」

「よしじゃあお前ら全員参加な」

「は?」

「え?」

「はいっ!」

「…………」

 

 返事をするまでもなく強制参加が決まったハイネの歓迎会。ひとりだけ元気に返事をしたが、それ以外は碌なことにならないと予想し返事を渋る。のだが、その様子を見てお互いに大げさすぎるほどに悲しい表情を見せて、首を振る2人。

 

「おいおい、せっかく仲間が増えるってのに不参加なんてないだろ?」

「そうだよなぁ~嫌われてるみたいで悲しくなってくるぜ」

「俺たちはこの先協力し合う仲間なんだ。参加してくれないとなぁ?」

「まったくだ。そんなんじゃこの先やってくのも苦労するってもんだぜ」

 

 わざとらしい大袈裟な演技のユウキにノってくるハイネ。だいぶイラっとしたが、否定することもできずに参加することになった。

 

 マユやメイリンを始め、適当に声をかけてそこそこの人数になってしまったハイネの歓迎会。

 

 大きめの休憩室を借り、簡単な装飾を取り付け簡単な食べ物も用意する。その様子を見ていた途中参加のメンバーも増えてかなりの大人数になってしまった。

 

「なんだこの騒ぎは⁉」

 

 騒ぎが大きくなってきたころに乗り込んできたアーサーにはタリアの許可証を見せつけたユウキ。まぁ許可があるならいいかと頷いたアーサーもそのまま参加した。用意されたロシアンルーレットシューには5回連続で当たり、しばらくの間しゃべることも辛く、タリアに呆れた眼で見られていた。

 

 ホーク姉妹とマユのカラオケやユウキのミネルバクルーの個人的クイズなどで盛り上がり、何故かダメージ受けた者がいるが、新たな仲間を歓迎する名目で楽しんだ。

 

 なお1番盛り上がったのは歓迎される側のハイネ本人の歌である。

 

 

 

 

 

 

 

 大西洋連邦と条約を結び、度重なる申請に派兵を承認してしまったオーブ。

 

 その後も準備に時間がかかる、トラブルが起きた、天候が悪い、とあきらかな言い訳を立てていたのだが遂に地球軍と合流してしまう。

 

「遠路はるばるありがとうございます。悪天候に見舞われたと聞きましたが、大丈夫でしたか?」

「ダメだねウチの軍は。運転は荒いし、体調を崩す奴はいるし、ぼくを見習ってほしいものだよ。あんなに運転が下手だなんて聞いてなかったよ」

 

 大西洋連邦の戦艦にて謎の仮面に黒い地球軍の制服を着ているネオ、そして疲れた疲れたと肩をすくめる元気なユウナ。

 

 付き添いであるオーブ軍のトダカたちは目つきが鋭くなるが、気が付いていないのかヘラヘラとした態度で話を続けている。

 

「ここで待ち構えるのかい?」

「えぇ、ですのでオーブの方々にも手伝っていただきたく」

「もっちろん任せたまえ! トダカ、我が軍のパイロットたちは元気かい?」

「…………遠征にあわせて、悪天候による影響が少なからず出ております。万全とは言い難いかと」

「えぇ~? まったくぼくを見習ってしっかりしてくれよ。大変申し訳ない、ウチの軍がこの程度なのであまり協力はできないかもしれない。しかしそのぶんこのぼくが、がんばるから安心してくれ」

「…………で、あるのならこの辺りに」

「えぇーそんな後ろなのかい? もっとこう、先頭ではりきるみたいなポジションとか? そういうのはないの?」

「…………ユウナ様、組織の長となるものは前線ではなく、自陣の奥にて構えるものです」

「なるほど! なら仕方ないね!」

 

 仮にも国のトップに近い人間が自国の軍隊を貶し、尚且つ見栄やプライドに中途半端な知識を持って無駄な意見を交わす。部下から冷めた目で見られているのにも気がつかず、笑顔で去っていくユウナを見てオーブ軍を利用する気であったネオや大西洋連邦の将校たちすらもトダカたちに憐みの感情を抱いた。

 

 合流に時間がかかったのもあのボンボンのせいなのだろう。オーブ海域でのミネルバとの戦闘のように、あの家柄だけのボンボンに邪魔をされるのはごめんだ。

 

「…………呼ばない方が良かったかもな」

 

 陣形を整えるオーブ軍を見てこぼれたネオの言葉に、聞いていたクルーたちは心の中で同意した。

 

 

 

「あ゛ぁ゛~…………到着しちゃったよ帰りたい」

「仕方ありませんユウナ様。派兵が決定してしまったので、国からの命令であれば我々は動くしかありません」

「だよねーそれ決めたの父上だけど、なんで来ちゃったかな帰りたい」

 

 戦艦タケミカヅチのブリッジにて、威厳も何もかもを放り出して艦長席でうなだれているユウナ。その隣で凛々しく前を向くトダカが冷静に答えを返している。

 

 ウナトたちによるオーブ軍派兵が決まった時、ユウナはもはや無意識で操作するゲーム画面を見ていながら思考は空のかなたへ飛んでいた。

 

「えー! 整備ミス⁉ それはよろしくないね!」

 

 見学という体で軍に行けば小さな理由を大袈裟にして先延ばしにしていたが、気が付けば海の上、水平線に囲まれた景色は思わず涙が出そうになるほどきれいだった。

 

「あ、大雨だね! これは遅れても仕方ないよね!」

「まあ、はぁ」

 

 何かないかと日々くまなく戦艦を調べまわるユウナ。小さなことでも見つけてはルンルンな笑顔でトダカに言えば、安全の為に停船、もしくは減速。運よく嵐に巻き込まれた時は、大きく揺れる私室で持ち込んだゲームを楽しんでいた。

 

 鍛えられた軍人ではないというのに、船酔いを一度もすることなく合流したユウナ。穏やかな晴れの日の順調な航海の方が顔色が悪かった。

 

 ついに合流、となったがまだあきらめの悪いユウナ。

 

 どうにか巻き込まれまいと頭を捻りにひねった結果、バカなボンボンのフリをすることにした。

 

「いい感じの場所に配置できたと思うけどさぁ。ぼくの流石の演技力でも、向いてない役だと気づかれるかもしれないよねぇ。疑われてないといいんだけど」

「いえお見事でしたよ。思わず演技であることも忘れてしまうほど似合ってました」

「あ、そう? オーブ帰ったら演劇でもやってみようかな、っていま似合ってるって言った?」

「言ってませんよ」

「演技が上手いじゃなくて似合ってるって言った? それぼくがバカのボンボンだって言ってる?」

「言ってませんよボンボンのバカなんですから」

「いま思いっきりバカって言ったよね⁉ それ逆にしたところで一緒だからね⁉ というか軍人が上司に向かってバカとか言って言いわけ⁉」

「立場としては上ですが直接の上司ではないのでバカと言っても問題ありません」

「懇切丁寧にバカと言っていい理由を語れって言ったんじゃないよ‼」

 

 明らかに軍艦での会話ではないのだが、誰も止めることも諫めることもしない。

 

 はじめはオーブを腐敗させていくセイラン家の跡取り、そして国の大事な姫であるカガリのいけ好かない婚約者というイメージだったのだが、

 

「ねぇ今からでも派兵断る方法ないかな? ない? ぶっちしてもいい?」

「はっ! 道に迷ったとか言えばワンチャン‼ いや海のどこに道があるんだよ!」

「なんかこうさ、フロリアントライアングルみたいな不思議空間でバギーに乗って海底鬼面城と戦ってたとか言えない? ダメ?」

 

 なるほどバカなのか、と全員のイメージ一致した。

 

 おそらくは国の英雄と言っても過言ではないパイロットたちの影響だろう。

 

 ならばどう扱えばいいのかも分かっている。

 

「大丈夫です。そのままお飾りの頭を持っていてください」

「まぁね、下手に口だすよりそっちの方が…………ねぇ今ぼくのこと言った? 立場じゃなくてぼく自身の頭が飾りとか言った?」

「バカのくせによく分かりましたな」

「直球で言ったよコイツ! おい誰か不敬罪とかでどうにかしろよ!」

 

 泣いたり騒いだりギャーギャーと騒ぐが誰からもあっさりと否定されるお飾りなトップ。理由はどうあれ、戦わずに済む方法を模索し続ける現オーブでは()()なトップ。

 

 トダカを含むオーブ軍は本意ではない今回の派兵について、ひとつ決めている事がある。

 

「まぁ? 派兵したからって敵が必ず現れるなんてないからね」

「敵艦感知! ミネルバです!」

「ぶふぅ⁉」

 

 騒ぎ疲れて喉が渇いたのか、私物の魔法瓶から湯気の立つ茶を口にするユウナ。しかしタイミングよく、オペレーターの声が響いた。

 

「なんでだよぉ‼」

「戦闘用意!」

 

 飲みかけのお茶と涙をまき散らし、泣きわめく上司を他所にトダカたちは戦争の準備を始める。

 

 戦いたいとは思わないが、思わず見つけてしまったせめて守るべき理由の為に。




 ハイネにはUTAGEな歌を歌ってほしい。お察しかもしれませんが、バカと相性がいいです。この先一緒にあれこれしてます。

 そして悪友運命で1番人気な可能性のあるボンボン。書いてて楽しかったです。モデルは最近新連載を書いてるゴリラのバカ王子。チ〇コでかいやつ。ジイはトダカです。ユウナは小さいけど玉はデカいです。この辺どうするか迷ってたんですけどね、いっそギャグ調で行ってしまおうかと。政治的有能よりも偶然とノリでやり過ごす方がユウナっぽいかなって思いました。

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 あーあーまたゲームしてるよ。とは言っても、この揺れる船の中で船酔いすることなく毎日してるってのはすごいもんだよなぁ。ユウナ様! 食事の時間です! 前みたいに遅くなると我々がユウナ様の分も食べますよ!

 ────名もなきオーブ軍将校
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