春姫さんは九尾の人柱力   作:寝心地

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第12話

狼と狐の咆哮が轟く

 

狐は狼に敵わない

 

『儂の力を得ておきながらこのザマとはやはり貴様は弱いな』狐の中の化け物が語り掛ける

 

狐は確かに力が欲しかった、友達を助ける力が

 

だが目の前にあった力は破滅の力のみ、きっと全てを破壊してしまう

 

それでも助けたいと思う気持ちに嘘を付けなかった

 

中途半端だった犬歯と爪が鋭く伸び体を覆う様に半透明の赤い物体が包み込む

 

「春姫…………お前」

 

「フゥー!!フゥー!!」

 

「テメェ…………一体何なんだ」

 

「ウィーネさんの友達です!!だから貴方達に彼女は渡しません!!」

 

春姫の咆哮をベートは黙って受け止める

 

「…………テメェがただの雑魚じゃねぇ事は分かった、なら後はどっちが強えかの勝負だ!!」

 

アイシャは目の前の信じ難い光景に目を奪われていた

 

Lv1の春姫がかのLv5ベート・ローガと互角に渡り合っている

 

更に普段大人しい春姫は獣の様な唸り声を上げている

 

「全く…………この短い間に何があったんてんだい」

 

アイシャは乾いた笑いを浮かべ春姫の後を追う

 


 

「オラァアアアアアアアアアアアア!!」

 

「アアアアアアアアアアアア!!」

 

その戦いは一言で表すなら野生そのもの

 

春姫は本物の狐の様に四つん這いになり爪と魔力で出来た尻尾をベートに振り下ろす

 

それがベートのナイフでも断ち切れないのが余計にたちが悪い

 

ベートもベートで獣じみた速さで空を舞う

 

(俺の動きに付いてきやがる。さっきまでとは別物って訳か!!)

 

ベートは春姫の動きが自身と互角になった事に気付き警戒する

 

春姫は次の瞬間、ベートの眼前まで移動しベートの首を取りに来るのをベートはギリギリで回避しカウンターの蹴りを放つ

 

ベートは余裕を失った事で本気の蹴りが春姫の顔に直撃しベートはハッとする

 

(やべぇ!?加減しそこねた!!)

 

ベートは春姫の首が繋がっている事にひとまず安心し次に首が折れていない事を確認し春姫と目が合った

 

(は?)

 

「アアアアアアアアアアアア!!」

 

春姫の拳がベートの鳩尾に直撃しベートは大きく吹き飛ばされる

 

建物を2つ貫き止まったベートは立ち上がり春姫を蹴り飛ばす

 

「上等だ」

 

その顔は何処か楽しそうに笑っていた

 

『もっとだ、もっと儂を求めろ、その程度ではお前の守りたい物は何も守れない』

 

九尾は更に春姫を唆す

 

尻尾が更に増え春姫の速度が増す

 

『もっとだ、もっともっともっともっともっともっと」

 

何時の間にか九尾の言葉に春姫の言葉が被さり春姫自身が破滅への道を進む力を得ようとしていた

 

皮膚が焼け爛れ赤い血が人の形を取るような姿に変わろうとした時

 

春姫の首から下げられたネックレスが青白い光を放った




次回の投稿は17日の予定です
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