入道少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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第3種目・ガチバトルトーナメント 雲居一輪VS飯田天哉

 騎馬戦の試合が終了したものの……ポイントを獲得しているのは一輪チームのみ。

 それに対して教師間で協議が為されて5分。

 主審であるミッドナイトより通達が為される。

 

『えー‼︎ 只今の騎馬戦の結果について報告します‼︎ 協議の結果、一輪チームを除いて最後までポイントを保有していた上位3チームと一輪チームを第3種目へと進出させる事としました‼︎』

 

 マイクを持ったミッドナイトがそう叫び、電光掲示板のポイント保有数が時系列で目まぐるしく変わっていく。

 ポイントを最後まで保有していたのは緑谷チーム、爆豪チーム、峰田チームであった。

 出場権を獲得した者達は以下の通り。

 

 雲居一輪チーム

 雲居一輪

 八百万百

 轟焦凍

 耳郎響香

 

 爆豪勝己チーム。

 爆豪勝己

 芦戸三奈

 切島鋭児郎

 瀬呂範太

 

 緑谷出久チーム

 緑谷出久

 麗日お茶子

 常闇踏陰

 飯田天哉

 

 峰田実チーム

 峰田実

 障子目蔵

 蛙吹梅雨

 心操人使

 


 

 そうして……一旦お昼休みを挟んでから午後の部となる。

 一輪の昼ご飯は変わらず弁当であり内訳は白米、海老フライ4本、卵焼き、かぼちゃの煮物数個である。

 朝から揚げ物をするのは予想以上に面倒であったが手間を惜しまずに作った料理はとても美味しそうである。

 残った自由時間はずっと澄み渡る空を見上げて……青空を眺めしばらくして眼を閉じて亡き兄への想いを馳せていた。

 そうして、お昼休みは終了し……第3種目の発表となる。

 再び会場へと集まりミッドナイト先生からの説明を受ける16人。

 

『さて‼︎ 最終種目の発表よ‼︎ 最終種目……それは『ガチバトルトーナメント』‼︎ 進出4チームの16名からなるトーナメント形式の一対一のガチンコバトルよ‼︎ 組み合わせのくじ引きを騎馬戦1位の雲居一輪チームから引いてね……組み合わせが確定したら30分間のレクリエーションを挟んだのちに開始となります‼︎ レクに関しては参加者16名は参加するもしないも個人の判断に委ねるわ、息抜きしたい人も個性を温存してたい人もいるだろうし……では雲居一輪さんから運命を司るくじ引きよ‼︎』

 

 そう告げられて……くじ引きを引く一輪。

 順々にくじを引いていき確定したトーナメント表が電光掲示板に表示される。

 それを確認して、己のくじ運の無さを再確認する一輪。

 1回戦の初っ端からスタートして……対戦相手は飯田天哉であった。

 緊張を解すがどうにもやりづらい、先程の挑発が残っているからか皆の眼がやや怖い。

 深呼吸して意識を切り替える一輪。

 

 そうして……レクリエーションも終了しセメントスによるバトルフィールドの形成が完了し選手がそれぞれの通路から登場する。

 解説のプレゼントマイクが放送用マイクを手に取り観客へと自身の声を届ける。

 

『色々とやって来ましたが‼︎ 結局これだぜ‼︎ 毎年恒例‼︎ 時間制限無しガチンコ勝負‼︎ 頼れるのは己のみ‼︎ ヒーローじゃなくてもそんな場面ばっかだ、わかるよな⁉︎ 心技体に智慧知識を総動員して駆け上がれ‼︎ さて‼︎ 記念すべき第1回戦‼︎ 雲を自由自在に操れる‼︎ 雲居一輪‼︎ 対するは‼︎ 凄まじい速度のエンジンが‼︎ その体格とフィジカルに上乗せされるぅぅ‼︎ 飯田天哉‼︎』

 

 選手の紹介に観客のボルテージは最高潮まで高まり歓声は会場を埋め尽くす。

 プレゼントマイクよりルールの詳細が語られる。

 

『ルールは極めて簡単‼︎ 相手をフィールドの場外に叩き落とすか行動不能にする……あとは『降参宣言』をさせても勝ちのガチンコ勝負‼︎ 怪我? そんなもん上等‼︎ こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから道徳倫理は一旦捨ておけ‼︎ だが‼︎ 命に関わる様な大怪我は勿論言わずもがな1発アウト‼︎ さてそれでは長々と説明してもしょーがないって事で‼︎ 緒戦、雲居一輪VS飯田天哉‼︎ スタート‼︎』

 

 そう叫び記念すべきガチバトルトーナメント緒戦の開始が宣告された。

 


 

 開始の直後……15mは互いに離れている。

 一輪が考えるよりも先に、一輪の個性発動より遥かに速く雲山が現出する。

 女性の様な顔立ちの雲で覆われた頭部と両拳のみがふわふわと浮遊している存在である雲山。

 自我と知性を備えた黒影(ダークシャドウ)と似た存在である雲山は……一輪の手と全く同じサイズの拳を8個、空中に形造ると己の意思で攻撃を開始する。

 雲で形作られた拳、それによるパンチの嵐である。

 雲山が形成した雲の重さは75kg……雲にしては少し、いや大分軽いが威力は上々である。

 複数の拳から絶え間ないラッシュを繰り出す雲山。

 一輪はと言えば最初の位置から一歩も動かずに立ちっぱなしである。

 その双眸は対戦相手である飯田天哉を逃さずジッと見つめている。

 飯田はと言えば……凄まじい拳のラッシュに対してとにかく回避しか出来ていない。

 雲の拳と言えば軽く見えるかもしれないが……一撃目が掠った時に感じた、アレは攻撃がヒットする直前に雲自体が硬質化している。

 色も形も変わらない為に見分けがつかない、そして何よりも……仮に雲山の拳を全て退けられたと仮定し、そして雲山を仮に突破できたとしてもソレは相手の妨害を突破する、という戦闘においての大前提に過ぎない。

 仮に今この状況を突破しても対戦相手である一輪自身はまるで無傷。

 故に考えるべきは……雲山も一輪も反応できない程の超速で移動をして蹴りを叩き込んで気絶か場外狙い一択。

 そう考えて……飯田は一旦距離を取りつつエンジンを更に加速させる溜めを行う。

 


 

 一輪は考える。

 雲山のラッシュに晒されながらも距離を取った飯田の行動の意味を。

 飯田の一挙手一投足を注視して、もしもの場合に備え対処を進める。

 そして、次の瞬間……眼で追えない速度で飯田が移動して、爪先での蹴りが一輪の鳩尾へと深く……深く食い込んだ。

 肺の中の空気が全て吐き出され一時的な呼吸困難に陥り動きが止まる。

 これを好機と捉えた飯田が一輪の襟首を引っ掴んで場外へと投げ出そうとした瞬間……雲山の形成した拳のラッシュで距離を取らざるを得ない状況に追い込まれ一瞬の判断ミスで思い切り腹部を殴打される。

 意識が飛び掛けて……どうにか持ち直す飯田。

 しかし、つい5秒前まで眼前に居た筈の一輪の姿はない。

 

「チェックメイトです、飯田さん」

 

 背後からそう声が掛けられて反撃の蹴りを叩き込もうとしたがそれよりも速く一輪の蹴りが飯田を襲う。

 ……膝裏を蹴られて体勢を崩され四つん這いの状態になる飯田。

 そして、飯田が立ち上がるよりも速く……素早い動きでそのまま四つん這いになっている飯田に対してリア・ネイキッド・チョークを仕掛ける一輪。

 ガッチリと両脚が胴体にフックした形で極まっている為に脱出はほぼ不可能。

 数秒もすると喉仏や気管を絞めずに綺麗に頚動脈洞だけを圧迫した事による頚動脈洞反射が起きた為に失神した飯田。

 審判であるミッドナイトはそれを見た瞬間に技をかけるのをストップさせて勝利宣言を行う。

 

「飯田さん気絶により決着‼︎ 雲居さん2回戦へと進出‼︎」

 

 そうして記念すべき緒戦が幕を下ろした。

 一輪の勝利という結果で。




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