入道少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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第3種目・ガチバトルトーナメント第2回戦 雲居一輪VS障子目蔵

 そして始まる第2試合。

 対戦カードは雲居一輪VS障子目蔵,

 プレゼントマイクの合図と共に両者が向き合うが……戦闘スタイルがあまりにも異なりすぎている。

 一輪は凡ゆる距離に対応可能だが障子は違う。

 中遠距離攻撃の手段を持たない。

 故に……雲山による拳のラッシュで決着を付けようとしたが……ラッシュの嵐、ラッシュの弾幕を最小限の動きのみで全て回避され懐へと潜り込まれ明らかに武術を会得した者特有の動きで踏み込まれ鋭く重い拳を打ち込まれる。

 一輪とは違う意味で死角が無い……触腕から複製した眼で背後をくまなく『見て』おり残った複製部位で拳を増やしている、複製部位から更なる複製も可能な様だが今回は精密性と機動性、操作性を極限まで重視しているのか最低限の複製に留めていた。

 雲山が防御して一輪自身は何とか事なきを得るが、近接格闘術を叩きこまれた一輪だからこそ理解できた……柔術や空手といったルールで縛られたスポーツで体得する様な動きじゃない。

 古武術とかもっとそっち系の動き……つまり実戦による戦闘に重きが置かれた体系の武術を学んだ者、個性ではなく極限まで技術を磨いて人を殺傷に至らしめる技を会得した者特有の動き。

 尤もそれは一輪とて同じ。

 一輪も聖白蓮を師としてあらゆる武術を叩き込まれた。

 一輪は腕を軽く伸ばすと雲山と共に構えを取り呼吸を整える。

 障子さんの個性は今までの授業や演習で把握している。

 個性に頼らない純粋な近接格闘戦では自身と双璧を成す程にクラスの誰よりも強いだろう。

 そんな2人の近接格闘戦を実況のプレゼントマイクが熱を入れて語る。

 

『おぉっと‼︎ 2人とも個性による真っ向からの殴り合いぃぃ‼︎ ウェイトや体格も障子目蔵に分がある様に見えるが⁉︎ 果たしてどちらが勝つのか⁉︎』

 

 その実況が耳に入る事は無い。

 互いに距離を詰めて鋭く打ち込まれる拳をギリギリの所で避け合いお互いに個性を行使して牽制し合う。

 一輪は雲山を用いて拳の弾幕を貼り続ける、対して障子は複製した拳と眼で拳の弾幕を最小限の動きで回避し距離を詰め続ける。

 そして、互いに拳が交わる距離まで接近すると一輪から速く重く鋭い左フックが放たれるが、これを障子は複製した眼の持つ驚異的な動体視力と鍛え上げた身体捌きで難なく回避して返す刀で障子も一輪の顎に向けて脳を揺らす角度で拳を打ち込むが一輪も鍛え上げた動体視力と肉体でヒットの直前でほんの僅かに後ろへと移動して当たらない距離を作り回避を行う。

 

『オイオイ‼︎ 2人の近接格闘技術が凄すぎて言葉がでねえよ‼︎ アイツら個性はどうしても回避できない攻撃を回避するサポートで使用してるだけで近接格闘主体でやり合ってるじゃん‼︎ どう思うよ‼︎ 解説の相澤さん‼︎』

 

『2人とも近接格闘術に秀でているな、見た所2人もハードパンチャーの気があるから一撃重いのを入れた方が一気に優勢になるとは思うが』

 

 実況のプレゼントマイクも解説の相澤先生も熱を入れて叫んでいる間も拳打や蹴りによる応酬は続いている。

 障子の鳩尾に突き刺さる一輪の肘撃ちが決まったかと思えば動きを止めた刹那の隙を突いて障子が一輪の肩を掴み即座に脳を揺らす角度で顎を打ち抜く。

 よろめき、ドスンッと尻餅をつく一輪。

 脳震盪まではギリギリいかなかったのか尻餅を突いたのを認識した一輪は即座に体勢を仰向けの状態のまま軽く上半身を起こしており、明らかに寝技を誘っている。

 一輪に対して障子は冷静に一輪の太腿へとローキックを叩き込んでおりスタンドを要求していく。

 その威力は蹴りがヒットした瞬間少しではあるが一輪が浮く程の威力であった、2発3発と立て続けに蹴られる一輪。

 そうしてローキックの後、15秒ほどの睨み合いの時間が続くが互いに乗ってこないと判断して障子が先に仕掛ける。

 マウントポジションを取りコンクリートに拳の痕が刻まれる程に、ズドンッズドンッと砲撃の様な音を響かせる程に、力強いパウンドを繰り出していくが一輪側がキッチリとクローズドガードを決め込んでおり当たれば意識を刈り取る威力を有したパウンドも障子側の動きを上手く制限させている。

 複製腕から放たれる鋭い打撃と死角を潰している眼によりかなり厳しい状況に追い込まれている一輪。

 雲山による打撃もここまできたら出し惜しみなどしてられないのか確実に仕留める為に複製腕から更に複製を重ねた拳で全てを対処し一輪に全力を注いでいく。

 複製した拳と元々ある障子の拳から降り注ぐパウンドが雨霰の様に叩き込まれるが全て雲を纏わせた腕でガードして30数発目が降ってきた所を雲を使って上手く掴み雲を器用に利用したラバーガードで体勢を上手く入れ替えてマウントポジションから脱出するとそのまま逆にマウントポジションを取りパウンドを振り下ろす。

 しかし、パウンドを振り下ろした一輪の顔面にカウンター気味に放たれた障子のペタラーダがヒットする。

 一輪の短い叫びが木霊する。

 

「ガッ⁉︎」

 

 ぐらりと倒れ込んだ一輪に対してそのまま障子は三角絞めを極めるが障子の脚を邪魔するがごとく、一輪の首の周りには雲がマフラーの様に巻かれており、それにより絞め落とすに至るまでの力が脚に入っていない。

 一輪はそのまま無理矢理に立ち上がり中腰の状態で左に廻りつつ無理矢理スペースを創り出して三角絞めより脱出する。

 ギリギリで脱出してそのまま再度マウントポジションを取り障子の喉元に向けて左フックを叩き込むと一瞬意識が飛んだのを見逃さずにそのまま雲山の拳によるラッシュで場外へと叩き出す。

 試合時間が25分というかなり長い試合時間であった。

 主審であるミッドナイトより宣告が為された。

 

「障子目蔵さん‼︎ 場外‼︎ よって雲居一輪さん第3回戦進出‼︎」

 

 その言葉を聞いて、肩で呼吸を行い荒い息が収まらない一輪であるが数分かけてどうにか収める一輪であった。

 なお、そのまま障子目蔵と一緒にリカバリーガールの出張治療室へと担ぎ込まれたのは言うまでもない。

 


 

 ベッドに寝かせられている一輪。

 治癒も既に終わっている為に10分もすると目覚める。

 

「いてて……顎に喰らった蹴り上げ、アレはヤバかった」

 

 治療所から出てそう呟く一輪。

 治療所を出ると丁度同じタイミングで出てくる障子。

 互いに健闘を讃えあう。

 そして、互いに近接格闘をまた練習し合おうという約束を交わして、2人は先程の試合、自分や相手の動きがどうだったか、あそこでどう動けばよかったかなどの感想戦をしながら観客席へと戻っていくのであった。

 




☆1が付いてしまった悲しみ

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