入道少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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第3種目・ガチバトルトーナメント準決勝 雲居一輪VS常闇踏陰

 そうして、全ての第2試合が終了した。

 緑谷は轟の迷いを打ち消す事に注力していたな……。

 耳郎さんとの会話を区切って試合会場へと向かう一輪。

 出場者用通路を通り対戦者と向かい合う。

 

『さて‼︎ 第3回戦‼︎ 純白の守護者‼︎ 雲の塊‼︎ 雲山と共に‼︎ 雲居一輪が入場だァァァァ‼︎ 対するは漆黒の破壊者‼︎ 闇を力にして‼︎ 漆黒に染め上げる‼︎ 常闇踏陰‼︎ 似通った個性を持った両者のバトル‼︎ 皆も気になるよな‼︎ て事で前置きが長くなってもって事で‼︎ 第3回戦‼︎ バトルスタートォォ‼︎』

 

 開始の合図が響き渡った刹那……互いに、個性発現より人生の全てを共に過ごしてきた最愛の友が……相手と取っ組み合う。

 黒影(ダークシャドウ)と雲山……漆黒と純白が空中で打撃の応酬を仕掛ける。

 この勝負、詰まる所……2人の個性がどれだけ鍛え上げられているかで勝負の分かれ目となる。

 雲山は……物理攻撃は一切効かない。

 黒影(ダークシャドウ)も上鳴や爆豪、轟の個性による攻撃を受けてもやや怯む程度であり実質効かないと見て良い。

 故に……雲山はサイズを膨張及び変化させてもっと大きく……USJ襲撃時の脳無よりも大きい程度のサイズまで大きく変化させて、更に雲を硬質化させる。

 爆発音にも等しい重く鋭い打撃音が響き渡る……受ける相手が人間なら内臓破裂くらいは起きる威力だろう事は響き渡る音からして観客席の全員が察していた。

 しかし、相手は黒影(ダークシャドウ)であり実質無意味。

 対する黒影(ダークシャドウ)も攻撃を繰り出してはいるが雲山が全て捌き切っており一輪には微塵も通らない。

 互いに、一輪も常闇も初期位置から一歩たりとも動いてはおらず黒影(ダークシャドウ)と雲山による攻撃が苛烈に行われるが互いにダメージは無い。

 このまま千日手が続く。

 絡み合い、交わり続ける純白と漆黒、そして響き続ける打撃音。

 5〜6分程して……埒が開かないと思案した一輪。

 黒影(ダークシャドウ)の対応を雲山に一任しつつゆっくりと歩みを進めて距離を詰めていく。

 雲山と黒影(ダークシャドウ)はとても似ている個性であるが本体たる常闇踏陰と雲居一輪はまるで異なる。

 一輪は先の障子目蔵との戦いで圧倒的な近接格闘技術を披露している。

 対して常闇踏陰は近づかれる前に黒影(ダークシャドウ)で対応して……近づかれた場合は距離を取っていた。

 故に一輪は常闇踏陰に近接格闘技術は無いと推察して歩みを進める。

 常闇が苦い顔をして対角線上に大きく動き一時的に距離を離すが一輪は構わずにゆっくりと追いかけて距離を詰め続ける。

 

『おっとぉぉ‼︎ 雲居は黒影(ダークシャドウ)を雲山に一任して自身は常闇との距離を詰めていく‼︎ 常闇は接近戦を嫌い距離を取る様に移動しているが……距離が詰められるばかりかァァ⁉︎』

 

 黒影(ダークシャドウ)が一輪をどうにか引き離そうと対処するも雲山がそれを許さない。

 そのまま緩急を付けた独特の移動法で即座に常闇の懐へと潜り込み掌底を顎に打ち込んで脳を揺らすと常闇の腹に脚を当ててそのまま場外へと押し出す。

 そうして……第3試合は一輪の勝利で幕を閉じた。

 観客席へと戻り……続く試合を観る。

 爆豪勝己VS轟焦凍。

 この試合で勝った方が一輪と対決する。

 試合開始までの残り5分……耳郎さんから話を振られる。

 

「どっちが勝つと思う? 一輪はさ」

 

 勝敗結果予想……どちらも範囲攻撃に長けており無尽蔵とも言えるスタミナがある。

 特に爆豪勝己に至っては時間をかければかける程に汗が分泌されて爆破の威力などが向上する。

 対して轟は瀬呂戦で披露した大氷壁による拘束をスタートと同時に行うだろうし何よりも緑谷戦で見せた左側の焔、アレを使えば自身の弱点である体温調節の問題が一気に解決する為に長期戦のコントロールも容易い。

 さて……勝利予想……個性以外の身体的スペックはほぼ同じ……どちらが勝つかは言ってしまえば運武天賦、神のみぞ知ると言った所だろう。

 だが、どうしても答えを出せと言うのであるならば。

 

「……爆豪勝己さんが勝つと予想しますね」

 

 そう呟く。

 それに対して耳郎さんは理由を問いかけてきた。

 

「轟さんの炎熱、凍氷共に爆豪さんとの相性が少しばかり悪い、炎熱は発汗を促進させて火力を増強……凍氷は温度が下がる事で発汗を制限こそしますが威力、範囲、速度……連発すれば自分にも被害がある……尤も、同時使用が為されれば解決できる範囲の問題ですが……なかなか難しいでしょうね……」

 

 そう語り終えると試合開始の放送が入る。

 プレゼントマイクがマイクを取りテンションアゲアゲマックスの状態で実況をスタートさせる。

 

『さて‼︎ 準決勝‼︎ 轟焦凍VS爆豪勝己‼︎ 2人とも強個性‼︎ 戦闘面に於いては今までの観てりゃどんだけ強えか理解してるよな⁉︎ そんな2人がガチンコで闘い合うって言うんだから期待が高まるぜ⁉︎ 轟焦凍VS爆豪勝己‼︎ 試合スタート‼︎』

 

 スタートの合図と共に……轟から放たれるは大氷壁。

 ただ、瀬呂との戦いで作り出した大氷壁よりは規模が小さい。

 次を見越して連発か温存かは知り得ないが……だが対戦相手の爆豪の姿は見えず氷壁内部よりくぐもった爆発音が鳴り響く。

 そして、爆破により氷壁を掘り進めて轟の元へと辿り着くと爆破を器用に使い跳躍しそのままの勢いを利用して轟の左側へと周りこみ空中で背負い投げの様な形に移行して場外へと投げ飛ばす。

 対して轟側も自身の背面に氷壁を構築し場外アウトを防ぐと眼前に迫っていた爆豪へ対して氷結の連続攻撃を繰り出してはいるがその悉くを回避し爆破を重ねる。

 常に立ち回るのは轟の左側……それを見て解説の相澤先生がマイクを取る。

 

『爆豪は戦闘センスは突出しているからな……なまじ時間をかければそれだけ爆豪の取れる選択肢は増えていく、個性も相まって戦闘で時間をかければかける程に強くなるタイプだな……轟も動きや個性の扱い方は爆豪と双璧を為す程に良いんだが……動きが単調すぎる、緑谷戦以降調子の崩れが露呈しているな……』

 

 そう解説する。

 そして……轟の氷壁が放たれたタイミングに合わせて爆豪が最小限の動きでそれを回避。

 一瞬だけ視界が遮られる刹那のタイミングを狙い確実に爆破を直撃させる。

 そのまま連撃を叩き込み吹き飛ばして……勝利を捥ぎ取ると爆豪はフィールドから観客席に居る一輪を睨みつけて眼で語る。

 次はテメェだと。

 ……その誘いに一輪は笑みで返すのであった。




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