雄英高校入学試験も終わり……教師陣が集まる一室。
試験の結果発表と……とある理由により反省会も兼ねているのだ。
「実技試験総合結果出ました」
そう語る職員はモニターに結果を映し出していく。
ズラァッと名前と獲得pが並んでいるその中で主席で合格したのは
順繰りで合否を決め……結果判定とクラス分けを同時に行う。
そうして、主席である雲居一輪の番になった。
相澤は手元の書類に添付された顔写真と映像を交互に見て……息を呑み隣に居たプレゼントマイクを見るとマイクも察した様である。
主席合格した彼女は、香山睡の後輩であり相澤と山田との同級生である白雲朧……今は亡き親友の妹であった。
理由は不明だが白雲の姓を捨て、今は雲居と名乗っている様だが……。
一旦、深呼吸をして落ち着きを取り戻すと雲居の試験結果を確認する相澤。
各試験会場に登場した『お邪魔虫』と称された巨大ロボット。
アレは3軸微小振動感知センサー及びサーミスタ式熱感知システムを搭載し用途に応じて武装や高速機動も可能である巨大ロボット。
非運用時は各国家機関に貸し出され有事の際は可動型巨大シェルターとしても転用が可能な代物である。
総工費2400億円。
実に国防費の5%を占めるこの国の国防設備の要である。
毎年何らかの破損や損傷はあったがいずれも軽微なものであり修理可能な物であった。
モニターに映し出されたのは男子受験生が一振りで殴り飛ばすシーン。
このシーンを見ながら担当教員であるスナイプ教員が語る。
「えー……こちらの男子受験生による殴打による損壊は軽微な物です、振動センサーの故障、音感センサー及びサーモグラフィー機能の故障……後は細々とした配線や動力源ユニットの断線や装甲部分の破損……まぁこれらは毎年あるので問題無しです……問題は……」
スナイプ教員が頭痛が痛いとばかりに溜息混じりに問題のシーンを映像としてモニターを飛ばす。
其処には実技試験を受けている雲居一輪の姿が映し出され……お邪魔虫たる巨大ロボットが彼女と彼女の近くにいた負傷した受験者を攻撃しようとした刹那……雲が意思を持って0ポイントギミックを摘むとそれを擦り潰す映像が流れる。
「……此方の女子受験者……雲居一輪による個性で一機の巨大ロボットが完全に消失……跡形も無く消滅してネジの1本も残さずに……1機は完全に消滅、再度作り直しに……頭痛い……」
そう語るスナイプに同情する教師陣……各省庁との折衝も担当しているスナイプに対して心の中で手を合わせる。
そして、教師陣の心は一つだった。
入学は確定として……来年の予算会議……荒れるだろうなぁ……と。
そして、会議の結果……。
雲居一輪は相澤消太が担任を務めるA組へのクラス分けが決まった、そして全ての組み分けと合否が決定してとりあえずの業務は終わった。
試験から数日後……一輪が住まうアパートにて。
学校から帰った一輪が郵便受けを確認すると雄英からの封書。
買い物帰りであり食材が豊富に入れられたビニール袋で両手が塞がっているが一輪は小さな雲を生み出して器用に封書を掴むと長財布のファスナーをも極小の雲を生み出して器用に操作してドアの鍵を掴むとそのまま扉の鍵を開け中へと入る。
1人暮らしである理由は……兄が死んでからと言うもの父はおかしくなった……酒に頼る様になり酒が切れれば死んだように寝る……1日がそれの繰り返し、母はそれに愛想を尽かした為に別居を選択した。
今になって思えば父にとっては最後に残された現実逃避の手段だったのだろう……。
一輪も酒に溺れ続けた父を最初の内は支えていたが……父の方から切り出されたのだ。
こんな自分といたら一輪まで駄目になると、一輪まで腐ってしまうと、しばらく距離を置け、マスコミは兄の事でずっとセンセーショナルに追ってくるから白雲の名を捨てろと……そうして暫くして家を出て母の元に身を寄せている。
と言っても今は一輪1人で暮らしており……言いつけ通りに白雲の姓を捨てた……。
今の姓は母方の姓である雲居を名乗っている。
「ただいま……」
靴を脱ぎ両手の重いビニール袋を綿菓子の様なサイズの雲を1つ生み出して其処に置く。
一輪が居間に入り後ろを追従する様に雲で包んだビニール袋を動かして台所へと置くと、一輪は真っ先に仏壇に手を合わせてお経を唱える。
兄が死んで……ぽっかりと穴が空いた、心の箱にはずっとずっと穴が空いて……何をしても、何をやっても、どうやっても心は満たされない。
願わくば兄にもう一度会いたいと、神に祈って……祈って祈って祈って祈り疲れた。
それでも毎日こうしてお経を唱えるのは毎日の自分自身の心に区切りを告げる為だ。
毎日の習慣、ルーティーン……心に積もり積もった澱んだ思いを取り除く為の行い。
それを終えると夕食の支度に取り掛かる……。
かぼちゃの煮物、もやしの味噌汁、白米、鶏胸肉を焼いた物。
それらを準備し終わるとラップをかけてから入浴を済ませる。
もこもことしたパジャマを着用してから食事を済ませる。
かぼちゃに関してはハズレを引いた様で甘みが薄い。
そうして後片付けの後でようやく封書を開く。
封書を開くと……懐かしい投影機が。
兄に教わった通りの手順で起動させると其処には根津校長が映し出される。
根津校長が語る。
入試での成績を。
実技では後半に行くにつれてポイントの勘定など煩わしく大雑把に数えていたのでドンブリも良い所であった。
その為に一輪はポイントの総数を把握しておらずそこそこだと思っていたが主席合格、そしてかなりの数を撃破していた事を驚いて思わず声を上げる。
「おぉ……意外と獲れてた」
そうして……入学までに必要な物品や書類の申し込み……必要な物などを纏めた別紙を確認してから足りない物をチェックして纏めていく。
そうして諸々の作業が終わり時計を見ると22:00。
母と父に合格した旨を伝えると……事の他喜んでくれた……別居したと言っても、1番険悪な時期を過ぎ去って今では少しずつではあるが連絡を取り合う様にはなっている。
離婚まではしてない……父も母も互いに関係はそれなりに良好なのだ。
いずれ復縁してくれると願っている。
そう願いながら……布団に入り眠る一輪であった。
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