作者は謎に38.9℃の熱発をして倒れてました。
皆様もこの時期はインフルエンザや謎の高熱などにお気をつけください
「ゴフッ……」
うつ伏せになり血を吐く一輪。
その首に刃が振り抜かれる……誰も動けない、助けられる者など居ない。
この状況下、自分を助けられるのは自分のみ。
身体が動かせないだけで個性使用までは封じられていない、首に迫る刃が当たる刹那、防御する様に雲をマフラーの様に巻く一輪。
金属音が鳴り響き火花が舞う、防がれたと理解したステインはナイフに持ち替えて一輪に馬乗りになって勢いをつけ刺殺しようとしてきたが……どうやら間に合ったようだ。
ナイフが一輪の胸に到達する前に丁度、一輪のいる場所とは真反対の位置から眩い炎がステインのいる軌道上へ一直線に放射される。
「悪い‼︎ 遅くなった‼︎ 雲山に説明されてエンデヴァーに許可貰うのに手間取った‼︎」
「やっと見つけた‼︎ 飯田くん‼︎」
雲山の分離体を向かわせていた片割れが漸く戻ってきた、雲山を見つけた緑谷も此処へ現着したらしく声が聞こえる。
轟さんが状況を理解して即座に一輪とステインを引き剥がす様に焔を連射する。
ステインが飛び退いた瞬間に氷結を滑り台の様に作って一輪と飯田、プロヒーローの3人を纏めて手繰り寄せる。
うつ伏せのままツゥゥッと滑り落ちながら轟さんの脚元に到着する一輪。
血を大量に吐きベタベタに汚れた口元、腹部と背中の傷、そして傷口から流れ出る血液を見て轟さんの顔が歪む。
一輪の口からはヒューヒューとか細く弱い呼吸音が漏れ聞こえており一刻の猶予も無いのが見て取れる。
襲い来るステインに氷結と炎熱を織り交ぜながら対応するも尽くを避けられる。
反撃と言わんばかりに剣戟が放たれるが遥か上空より満月を背にして跳躍してきた存在が全てをぶち壊す。
「ミルコさんの大事な妹に何してんだテメェェェ‼︎」
怒りを滲ませて、凄まじい咆哮と脚力でコンクリートを陥没させ……凄まじい振動と共に現れたのは一輪の職場体験先のプロヒーロー、ミルコであった。
ミルコの登場より数秒遅れて雲山の分離体が現れて、一輪の近くに居る雲山と結合していく。
蹴り技を主軸にしているミルコは凄まじい脚力を有した脚で距離を詰めて行きステインに刀剣類を振らせる隙を一切与えない。
多勢に無勢を悟ったステインは逃走し一旦状況を仕切り直そうとするが此処に来たのはミルコだけではない。
ミルコと一輪の師匠である聖も現着している。
ステインの逃走経路方面の通路に立ち塞がる様に仁王立ちしている聖を見てステインが叫ぶ。
「どけぇ女‼︎ 退かねば殺す‼︎」
狂乱した表情と声音で叫び、何処に隠し持っていたのか……都合5本目となる脇差を引き抜いて斬りかかろうとした瞬間……眼にも留まらない速さで聖の拳がステインの持つ脇差を正面から砕き、粉々に圧し折ったと同時に、そのコンマ数秒後には腹部目掛けて振り抜かれる1発の拳。
そのまま勢いを殺す事なく地面に叩きつけられ血を吐きながら気絶するステイン。
一瞬で制圧すると聖は一輪らを見て語る。
「……無事とは言えないようね? 応急処置くらいだけどやっておくわ」
その言葉は……八苦を滅した尼公と謳われている慈愛に満ちた者の言葉であり不思議と安心感が込み上げる。
聖が一輪へと近づいてコスチュームを捲り肌を晒し血がドクドクと流れ続けている傷口を確認する。
聖は自身のコスチュームから包帯を取り出すと一輪に語る。
「一輪、此処洗い流せるかしら? 雲から少し雨を降らせて」
その言葉に対して無言でティッシュ箱程度の大きさの雲を傷口の1cm上に出すと雲から雨水を放散させて傷口を洗い流していく。
一輪の操る雲は2パターンの構成方法がある。
1つ目は普通の雲と同様の構成方法。
そして2つ目、此方は普通の雲とは違い純粋な水で構成されている。
滅菌精製水や注射用水レベルの極めて清潔な水で構成されており飲み水や食事、傷口の洗浄、手術器具の洗浄にそのまま転用できる程の清潔な水で構成されている。
そして今、傷口を洗い流しているのは2つ目の構成パターンの雲から流れる雨水。
傷口を洗い流し、包帯を聖から受け取って自身で巻く一輪。
呼吸を整えて切れた血管を意識して感知すると其処を繋ぐ様に雲を血管の代わりにしてこれ以上の出血を防ぐ。
最後に肺に溜まった血を雲に吸わせて全て除去する一輪。
霞む視界でミルコにお姫様抱っこの形をされているのを理解する。
その後……流石の大量出血で意識を保ってはいられなかったのか一輪は次に目醒めると病院の個室ベッドの上にいた。
手術着衣を着ており傷口を確認すると手術で縫合した痕が見えた。
「おう、起きたか……済まなかったな、すぐに救援に向かえなくて……」
ドアがスライドされ、そう語るミルコさんと聖、相澤先生が見えた。
事の顛末を伺って、相澤先生からは無茶をしたのを反省しろと諭す様に語られる。
雲山をガイドにして戦闘にほぼ参加させなかったのは流石に無茶だった。
雲山が居てこそ一輪の戦闘能力は磐石となる、攻防一体、堅固な護りと全てを貫き通す攻撃……雲山も加味すれば一輪はプロヒーロー、それも戦闘メインの者達にすら引けは取らない。
しかしながら雲山が居なければその戦闘能力は格段に落ちる、尤も……雲山を抜きにしても近接格闘は聖とミルコに教授されたので落ちると言っても下落幅はそこまで大きく見られないのだが……。
「いえ、あの場合は仕方がないです……あのあとは?」
自身が意識消失になったその後の出来事を伺うと……ミルコは無言でテレビを付けて適当なチャンネルを回すと丁度ニュースが流れており……コメンテーターやワイドショーの内容を確認し理解する。
傷や麻酔の後とは別の理由で頭痛がする頭を抑えて一輪は溜息混じりに語る。
「英雄回帰? 本人の主義主張は自由なので尊重しますが……やった事は単なる連続殺人に連続殺人未遂でしょうが……それでやった事が罪のないヒーローや未来ある者を殺した……
実体験に基づく思いを込めて苛立ちつつ語る。
すぐさまテレビを消して……話を戻す。
「……すみません、熱くなりすぎました……それでお話とは」
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