時は流れて6月最終週。
放課後。
期末テストまで残す所1週間を切った訳だが一輪と八百万がみっちり詰め込んだ勉強会のお陰で筆記に関しては問題なく突破できるだろうと芦戸や上鳴達が話し合っているのを聞いて安堵の溜息を吐く一輪と八百万。
期末テストの日程や範囲から逆算してギッチギチに詰め込んだ勉強会は互いに教える箇所を理解した2人による共同授業であり滞りなく進み……期末テストを2週間前に控えた週から集中的に、更に勉強会を詰め込んだ。
八百万と一輪制作の期末テスト模擬試験では芦戸も上鳴も平均点以上を獲得していた為にあとは本番でソレを叩き出すだけである。
「アレをクリアしたなら頑張れば余裕です……本番でも頑張ってください」
そう語るのは障子と格闘技の話題で盛り上がっている一輪、一輪は格闘技や古武術に関して障子と情報交換や組み手をする事が多く放課後など、時間がお互いに合えば組み手を何度も行っている。
そうして話は期末テストの演習試験の話になる。
各自があらゆる伝手を使って得た情報を纏めると雄英の期末テスト、1年生は例年通して巨大ロボとの実戦演出……規模や環境は受ける生徒によりけりだが大体概ね似たり寄ったりである。
期末テストを乗り越えたらそのあとは楽しみにしている林間合宿である……芦戸や上鳴は……林間合宿で行われる楽しみに思いを馳せていた。
しかし、一輪はその情報について苦言を呈する。
「……確かに例年通してロボット相手でしたが……USJ内での襲撃、そしてヒーロー殺しの件もありましたし……もしかしたら対人戦闘を見据えたものに変更していくかもしれないですよ……まぁロボットであろうと対人であろうとやる事は変わらない訳ですが」
そう語る一輪であった。
それと時を同じくして雄英教師陣は会議室にて今学期の期末試験実戦演習の内容を決める会議を行なっていた。
根津校長が語る。
「
それに呼応するかの様に各教員が頷く。
そもそもの話、ロボットは確かに人体限界を遥かに超える高G機動と、人間を遥かに超える反応速度と精密無比な攻撃力と連携を併せ持つ凄まじい脅威をプログラミング次第で簡単に、何通りものパターンで設定できる。
しかしそれは裏を返せば人間特有の意味不明な思考や突飛で破天荒な行動、底無しの悪意による想定外の動作に弱い。
具体的に言うならば……戦闘時間が経てば経つほど機械的な動きが読まれ易い事や想定されていない装備の応用の様な機転の利いた行動を先読みし回避する事は絶対に出来ない。
更に付け加えるならば『人工知能プログラミングにより高度に洗練された超高精度の戦術プログラムにより有効な戦力と成る』という事は、裏を返せば『定められたパターンやプログラム通りにしか動けずそれを読まれればただの機械』である事を意味する。
確かに基本的にロボットならば反応速度、人体の負荷を無視した鋭角的な動き、高速の複数の敵に対する捕捉や攻撃精度やロボットならではの高耐久性能は人間を遥かに上回るが人間特有の感情が介在した指示やそれに伴う状況変化や特殊地形などへの咄嗟の対応力に乏しい部分がある。
その為……人外の更に向こうにいる技量や反応速度を有する相手に関しての教訓や挫折はロボットとの戦闘では決して学べない物だ。
そもそもロボットは『入学試験という場で子供に対して危害を加えるのか』等というクレーム回避の為の自衛策の1つに過ぎない。
相澤は例年通して『無視しときゃいいんだそんなもん、言いたいだけなんだから』と斬って捨てていたが……。
兎にも角にもコレからは極めて対人戦闘や活動を見据えたより実戦に近い訓練を行う必要がある。
故に会議内容はプロヒーローである教師陣1人VS生徒2人組の対人戦闘となる。
そしてそのまま対戦する教師と生徒の振り分けへと話を進める。
相澤は手元の書類を見ながら告げる。
「まずは芦戸と上鳴……この2人は良くも悪くも単純な行動傾向にありますので……校長の頭脳でそこを重点的に抉り取っていただきたい……そして轟、一通り申し分ないが全体的に力押しのきらいがある……マイクやれるな? 頼むぞ」
隣にいる親友へと告げる相澤。
肝心のマイクは書類を見ながら自分たちの高校時代を思い出したのか楽しそうな表情を浮かべていた。
そして組み分けが順々に決まっていき残すは雲居一輪や数名。
相澤は……亡き親友との懐かしい思い出を思い返して……ゆっくりと口を開く。
「雲居は雲山を横に添えた戦闘では間違いなく最強でしょう……プロヒーロー、それもランキング上位のプロとも互角以上の戦いが出来る……反面、雲山が居なくなったもしくは居ない時には驚くほど脆くなります……そして八百万、こちらも個性故に万能の立ち回りが可能ですが咄嗟の指示や判断能力……そして応用力に欠ける、よって2人は俺が個性を消した上で近接戦闘と捕縛を仕掛けて対応します」
相澤のその言葉に対して教員は全会一致で異議なしと告げると残った書類を見ながらオールマイトを見て告げる。
「そして緑谷と爆豪……この2人はオールマイトさんに頼みます、この2人に関しては能力だったり成績だったりで組んでいません……ひとえにその仲の悪さです、雄英の中ではそれで良くても外に出れば否が応でも嫌いな相手と組まなければならない時など多々ある……緑谷の事がお気に入りなんでしょう? よく誘導しておいて下さい」
コレにて全ての組み分けが確定して残すは林間合宿の内容についての会議となる。
A組B組合計40人と引率教員2人を例年受け入れている合宿場への連絡や必要事項、その他保護者への対応などを事細かに決めていき……会議は終了した。
そして迎える期末試験当日。
筆記試験は入念な対策とギッチギチに詰め込んだ勉強会のお陰で問題なくクリア出来たらしく芦戸と上鳴、耳郎さんからお礼を言われる八百万と一輪。
そして演習試験当日。
ヒーローコスチュームを着用して集められたA組。
各自事前に定められた組み分けによりバスに乗って演習試験場兼観戦ルームまで向かうとの事で校門前で纏めて説明が行われる。
しかしながら雄英の教員がやけに多い、説明だけならばこんなに教員が居る必要がない……相澤先生の言葉を借りて言うならば合理性に欠ける。
「この演習試験でも当然ながら赤点はある……林間合宿に行きたけりゃ無様な真似は晒すなよ? なお言うまでもない事だが諸君ならば事前に情報を仕入れて何をするか薄々察していると思う」
それに対して芦戸と上鳴がサムズアップしながらテンション高くワクワクした表情で叫ぶ。
「入試みたいなロボ無双だろ‼︎」
「花火‼︎ カレー‼︎ 肝試しー‼︎」
上鳴さんはともかくとして芦戸さんは林間合宿の内容じゃ……そう心を一致させたクラスメイト一同であった。
しかし、現実は非常である、相澤先生の操縛布からピョコンと飛び出てきたのは根津校長。
根津校長は語る。
「残念‼︎ 諸事情があって今回から内容をガラリと変更したのさ‼︎」
唐突な発表にあからさまに残念そうに膝から崩れ落ちていく芦戸と上鳴。
ソレを見ながら根津校長は言葉を続ける。
「より実戦に近い訓練を行っていくのさ……という訳で、2人1組で此処にいる教師1人との対人戦闘になるのさ」
根津校長の発表にざわめくクラス一同。
それを見ながら相澤先生が語る。
「なおペアの組と対戦する教師は事前に決めてある……親密度や動きの傾向、成績など諸々を踏まえて教師陣の会議で独断で組ませてもらったから発表するぞ……まずは雲居と八百万がチームで……俺とだ」
そう告げられ……まさかまさかの対人戦闘による演習試験が開始された。
評価バーマックスになってとても嬉しい気持ちでいっぱいです
このまま赤色が続く限りは更新し続けますので今後もよろしくお願いします
ぜひ下記から9や10といった高評価点を投げて下さると励みになります
評価付与 お気に入り登録 感想
駒草山如が主人公のヒロアカ二次創作も執筆中です
こちらもよろしければご覧ください
https://syosetu.org/novel/398522/#
劇場版は読みたいですか?
-
絶対読みたい
-
読ませろ
-
要らん
-
そんなもん書くなら本編書き進めろ