ぼくらの先生   作:アルティメット毒チワワドラゴン

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昼休み

 先生。ぼくらは、先生のためなら死んでもいいって思うほど先生のことを尊敬していました。

 

 先生、大好きです。――だって私のことを心配してくれた。

 

 先生、大好きです。――だって俺のことを見捨てないでくれた。

 

 先生、大好きです。――だって私のことを心配してくれたから。

 

 先生、大好きです。――だってぼくらの先生だから。

 

 ぼくらの先生だから尊敬して好きだと思うのはなにも間違いではない。間違いと指すものは等式を誤っていると非難するものと同義だ。それはそうと、大好き、という気持ちを先生はどうお考えですか? 嬉しいですか? 嫌いですか? ……それとも? 僕らは先生のことが大好きです。でも先生のことを言い様に思ってない奴らがこの教室にいます。アイツらは先生のことを否定しました。絶対に許されないことだ。

 

だって、ここは先生のための教室なんですよ。先生のためにある、一つの世界です。従わない人間なんてこの世界には必要ではない。従う人間だけを残しましょう。その行動こそがこの世界を安寧へと導くんですから。アイツらは、必要ない。そうですよね? ちゃんと、はっきりと、そうだと、言え。ほら、言え、……言え! ねぇ。先生。先生は、どう思っていますか?と問う声で快晴で卒業式の日で胸に大きな赤いお花がついているのにもかかわらずアイツらを屋上に引き連れてやってきたそこは大きく大きな拍手が下から落ちてきている曼荼羅も恐らく祝福を目の当たりにしているかけがえのない日に私たち俺たちあなたたち僕たちでさよーならーと一声をかけて「せーの、で、お前らは、死ね!」と一人が言うのでガタガタと歯が鳴る先生先生先生先生、先生はどうして一番下でぼーっと見ているのか殺される殺されるんだいいのかとかのんきな声を出しながらベッドの上で見た地球儀は死角なのに青い空はきっとこのまま海に染まってしまいきっと夢さえも食べてしまいますのかと教師はどんな顔して言っていたのだろうかと生まれ変わってまた鉄を強いられて主観に主薬に生まれ変わって生まれ変わりたいあのときのようにみんなの前で死んだあいつのようにはとカチカチカチカチずっと好きなの好きだったんですって過去形?鏡の中にはウーウーウーとサイレンの甲高い音が引っ張っていきふとマージナルになって咀嚼してるてる坊主は幻までも凌駕をして空はいつの間にかみどりみどり噴水色がおかしくて滑稽なレジ打ちの店員は鋭い眼光で天国の階段をエスカレーターにしていって愛してるという言葉が泡沫に消えて実は私妊娠していましたと言われた女子生徒の手を取りずっと泣き出した体育教師を校舎裏に呼び出して集団で殴り美術教師は彫刻刀を持ち黒板を引っかき教科書の上でするシャトルランに心を踊らせた化学反応式はきっと堕ちていき子宮の中に溺れていたカマキリはポップコーンみたいに吹き飛びメリーゴーランドで火星は潰れて地球人大パニックで放射能を投げ飛ばすメジャーリーガーが焼き肉を食べたのならば「死ね!」の喝采が周りで鳴っているのかガタ、ガタ、あ。あ。あ。あ。あ。あ。あ。

 

あ。

 

あ。あ。

 

 「早く死ねよ、先生が待っているだろう! あは」あははは、と笑うクラスメイトは楽しそう。

 

「死ね」「しね」「死ね」「死ね」「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」

 

「先生の思う通りにならない、お前らなんて、永遠に卒業できねーよ! わははは」

 

 せーの、で、声を合わされて。

 

「ゴホン。あー。お前ら、卒業おめでとうございます!」

 

パチパチと手を叩く、嬉しそうなクラスメイトの音が耳に嫌なほど鳴る。あぁ、いやだ。いやだ。死にたくない。死にたくないよぉ。

 

「死にたくない、死にたくないよ」

 

隣にいた小池は泣きながら下を見る。

 

「無理です。死ぬべきなんです。だって先生に従わないでしょう。そんな思考を持ってる人らは、生徒は、このクラスには必要ないんですよ。そんなこと小池さんにも分かりますよね。分かるでしょう?」

 

「分、分からないよ……」

 

「そうですか」

 

 橋本はため息をついた。そして小池の肩を持った。

 

「じゃぁ、死ね」

 

小池は落ちた。

 

 「りっちゃん、落ちた、ねぇ、りっちゃんが、ひより、助けてよ、ひより」

 

「むりだよ。ひよりは芽衣より先生の方が好きだもん。先生のためなら死ねるけど芽衣のためなら死ねないよ」

 

「死んで、詫びろ。あは、あは。ははは」

 

「先生の言うことに従わないやつは、死んでしまえ!」

 

 「じゃぁ」

 

彼の一言で後ろで騒いでいたクラスメイトは一気に黙り込み視線をむける。

 

「なんでしょうか、先生」

 

クラスを威圧で牛耳っていた白瀬ですら先生に頭を垂れた。

 

「んー、ぼくのこと従えないなら、死ねば?」

 

嬉しそうに千田翔馬は言った。

 

「うん、先生!」

 

 先生と呼ばれたのは千田翔馬だった。

 

全部、コイツの思い通りの世界だったのか。

 

その声が聞こえ、後ろから、皆、押される。羽ばたくこともなく、落ちる。

 

先生の顔は、真っ赤になった。

 

 アイツらにはまた明日はない。

 

 

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