機動戦士ガンダムSEED Gladius   作:プワプー

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お気に入り登録が100を達成していた(わあぉ)。
よくよくこんな小説を登録してくれたなぁっと、逆にいいんですかと思ってしまう…
(ネガティブで申し訳ない)
これからも完結まで走り続けて行きますので、
これからもよろしくお願いします。






PHASE-48 光り輝く天球・壱 ‐はじまり、はじまり‐

『他国を侵略せず、

 他国の侵略を許さず、

 他国の争いに介入しない。

 

 南太平洋に浮かぶ20以上の群島からなる島嶼国家、オーブ連合首長国。

 建国時より上記の理念を掲げ、その理念の下に国防軍を保有し、その理念ゆえに海外派兵はC.E.の歴史においては皆無であった。

 地球連合…主に理事国が独立を掲げるプラントに対しての宣戦布告をし、いよいよ開戦の機運が高まる中、当時に代表ウズミ・ナラ・アスハは、この理念を下に、オーブはこの戦争にいかなる事態が起ころうとも中立・独立を貫くという宣言を行った。

 開戦から1年近く経った現在、オーブの所有コロニー『ヘリオポリス』がザフトの地球軍新型機動兵器の奪取作戦により崩壊という非常事態、一部避難民が戦闘に巻き込まれ、命を落とすという悲劇を経てもなお、中立を貫き続けている。

 

 しかし、この建国の理念がいかにして掲げられることになったのか、知る者はほとんどいない。

 

 

‐レーベン・トラヴァーズ私的レポートより‐』

 

 

 

 

 

 

 ヤラファス島、通称オーブ本島と言われる通り、この島に首都が置かれ、 政治の中枢となっていた。

 中心街の オープンカフェでレーベンはコンピュータの前で悶々としていた。机には資料が れている。

 「オーブ連合首長国…もともと複数の部族が寄り集まってできた国家。現在は立憲君主制をとっている。国家元首は各部族の代表である首長たちの中から、さらに勢力の強い5つの氏族、俗に五大氏族の中から選ばれた代表首長であると同時に、主権は国民にあり、議会によって政策、決定を行う、という政治システムをとっている。しかし、依然として首長たちの力、とくに最大首長家であったアスハ家が代表首長を継いでいる…。元々、この国は産油国として富を得、石油枯渇後はその資本によって工業国へと転身、以後C.E.年代には赤道直下という利点を活かした宇宙港の誘致、宇宙コロニ―での技術産業、コーディネイター受け入れによって先進技術国へと成っていった。その過程は…。」

その後も、オーブの経済・歴史について自分の書き上げたレポートを読んでいくが、どこか納得のいく顔をしていなかった。

 「な~んか、違うんだとなぁ…。」

 レーベンは長時間の執筆作業で凝り固まった首肩をグルグルと回しながら、嘆息する。

 ちょうど、オーブに来たのだからと、これを機に 「中立国オーブ」について調べ、集めた資料を基に書き上げた。しかし、どこか薄っぺらい様な気がしてならない。これではもっと奥深い何かがあるのを見ようともせず、表面だけで理解できた気になって、偉そうに批評する評論家みたいだ。

 「特にこことか、こことか、こことか…どうしてオーブはその選択をしたのか、これじゃあ全く見えてこないというか…。やっぱりまだ調べる必要があるかなぁ…。」

 しかし、問題もあった。調査の期限が刻一刻と迫ってきているのだ。

 「ミレーユたち、もう終わっちゃかなぁ…。」

 大きく背伸びし、一息つけながらレーベンは別の用事で共に来ているミレーユたちがいまどうしているだろうかと気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって、ヤラファス島の南にある島、オノゴロ島。

 国防本部や半国営企業モルゲンレーテ社のあるこの島の軍港に1隻の貨物船が停泊していた。

 今、そこに積まれていたコンテナがクレーンで釣り上げられ、ゆっくりと地上へと降ろされていた。

 少し離れたところでその様子を見ている男がいた。

 たくましい肉体に凛々しく端正な顔立ち、謹厳実直・質実剛健という言葉が合いそうであった。

 そこに太陽に反射し、そのきらびやかさを増した金髪をなびかせて近づいてくる女性がいた。

 「シグルド、アークエンジェルはJOSH-Aに到着したそうよ。後は契約等の話が済めば、そちらの仕事は終わるわ。」

 「…そうか。」

 ミレーユの言葉をシグルドはただ頷き、短く答えただけであった。

 「なにかこの国に嫌な思い出でもあるの?オーブ(ここ)に来てからずっと不機嫌そうよ。」

 彼は寡黙、というタイプではない。無駄な会話が嫌いというわけでもない。にも関わらず、あまりにもそっけなく応えたことにミレーユは面白半分で質した。

 「別に…いつもどおりだ。」

 彼女の追及をかわそうとしているが、やはりいつもと違っていた。

 「シグー!ミレーユさーん!」

 すると、コンテナの作業が終わるったのかフィオがモルゲンレーテ社の主任技術師であるエリカ・シモンズとともにやって来た。

 「この後、モルゲンレーテの工場の見学をさせてもらえることになったのー!」

 フィオは嬉しそうに報告した。

 「いいのか?」

 「もちろん、それも今回の取引(・・)の報酬に入っているのだから。」

 取引。

 果たして今回の案件はその言葉に当てはまるかはなはだ疑問ではあった。

 なにせ、フィオリーナがクリーガーの一部改造を行うために手に入れたMSのパーツを本来の所有者に戻しただけの話である。

だが、互いに利益になったのでるのであれば、そうであろう。

 当の本人、フィオはというと、パーツを手に入れたときの苦労や手放すことへの未練はすでにどこかへと飛んでいったのか、今はこの後のことを楽しみにしているようであった。そして、エリカと同じモルゲンレーテ社の赤いジャケットを羽織った女性に付き添われ、彼女は社内見学へと行ってしまった。

 「実は…よかったぁという気持ちを、ああ少し遅かったかなていう気持ちが半々ってところかしら。」

 エリカは意味ありげに話し始めた。

 もともと自分たちが持っていたパーツは、連合からの技術盗用で開発した3機の試作機の予備パーツにあたるものであった。しかし、ヘリオポリスが襲撃され、崩壊したことにより、3機はなんとか無事であったが、2機分の予備パーツは行方不明となってしまったのだ。

 「本当は諦めていたのよ。」

 「右腕と右脚だけでもか?」

 シグルドが付け加える。

 「それでも欲しかったのよ。ただ、少し事情が変わってね…。」

 エリカは口ごもり、そして申し訳なさそうな顔をした。

 「でも、実は残りのパーツを持っていた所有者が現れて、この後引き取るからうまくいけばPシリーズがもう1機できるかもしれないわ。」

 「取引か…。」

 一連の会話でシグルドが一番興味を持ったのは、残りのパーツの所有者のことであった。

 ヘリオポリスが崩壊して、かれこれ3ヶ月は経っている。Pシリーズがジャンク屋や傭兵が乗っているという情報と共に、その機体をどうにかして手に入れようと企業や軍を始め、裏社会の人間まで躍起になっていた。実際、フィオにパーツを引き渡そうとしたジャンク屋もその価値以上に厄介事からなんとか逃れようとしたから起こしたアクションでもある。にもかかわらず、これまでその所有者が元の所有者へ引き渡そうと至ったのか、いろいろな憶測ができる。

 とはいっても、自分たちの仕事はこの引き渡しで終わりだ。この先の事は関知すべきではない。

 フィオが見学を終え次第、本島にいるレーベンを合流し、一刻も早くこの国から出るだけであった。

 「そうそう、この後だけど…。」

 「ある方(・・・)があなたに会いたいそうよ。一緒に来てくれるかしら?」

 エリカは思い出したようにシグルドに告げた。

 「もちろん、その方もこのPシリーズに関わっているからこの仕事の一環であるということは忘れないでね。」

 シグルドがあまりいい顔をしなかったことを察してか、付け加えるようににこやかに言った。

 

 

 

 

 

 

 「さて、どうしたものか…。」

 ダンは自宅の書斎で手前にはコンピュータをいじりながら、悩んでいた。

 約束は約束として、彼に一連の出来事は話した。あとは彼自身の問題だ。こっちの懸念は、彼の身を今後どうするか、だ。

 彼を元の居場所に戻すのが一番いい方法だが、それをどのようにして行うかも問題だ。

 あれこれと考えていると、ふと書斎のドアが音もなく開く気配を察知した。ついで、人1人がこちらにソロリソロリと音もなく近づいてくる。

 こんなことを考えるのは1人しかいない。

 「何の用だ、ミソラ。」

 名前を呼ばれ、後ろの人物は「あちゃ~」と、悔しがっていた。

 「もう~、あと1歩だったのに~。今度こそ兄さんを驚かせることができると思っていたんだから。」

 ダンは溜息をつき、クルリと椅子を180度向かせた。

 「あと1歩もなにもこの部屋に入って来た初めから全部まるわかりだ。」

 まったく凝りもしない妹だ。

 ダンはこの年の離れた妹のミソラの相も変わらずの行動に呆れた表情であった。

 当の本人はそんなことはお構いなしのようだ。ミソラはダンの肩ごしにあるコンピュータを覗く。

 「あー、このMSのデータ…例のヤツの?」

 「ああ、そうさ。」

 ミソラは興味津々にそのデータを読んでいった。そして、一通り見終えると、ダンの方へと向き直った。

 「…で、このMSでいったいどんな遊びを思いついたの?」

 「遊びってなぁ…おまえ…。」

 ダンは心外な顔をして見せた。これは仕事場から取って来たのだ。それを仕事以外に何に使う。

 と思いつつ、ダンはにんまりとした。

 「遊びだよ。遊びという名の仕事さ。」

 「仕事という名の遊びでしょ?」

 このMSにある面白い機能(・・・・・)を別の用途で使えないかと考え、きっとモルゲンレーテの人達が見たら技術屋魂に火がつき、こっちがお願いしなくても勝手に手伝ってくれるだろうと予想し、あとはいったいどういう名目で着手するか、構想を練っているところであった。

 だが、今はそれを考えるよりも手を付ける事案がもう1つある。

 「ところで、ミソラはどうするんだ?9月まであと半年もないんだぞ?カレッジにしろ、ハイスクールにしろ、もしくは就職するだの…いい加減決めないと俺も学校からも言われてるんだぞ。」

 「そう言われても~。」

 ミソラはげんなりとした顔になった。

 「だって、一度でもいいから宇宙(そら)に行きたいって思って、ヘリオポリスにある学校を決めたのに、崩壊しちゃうんだも~ん。他のコロニーに行きたいって言ったら危険だって猛反対受けるし…。」

 

 ミソラは口を尖らせながら、不満を言い並べた。そして、一息ついた後、ミソラはダンに尋ねた。

 「そうだ。もうすぐ、その時期だからクラスで何かしようと思ったんだけど、兄さんの時は何をしたの?」

 「何をしたって言ってもなぁ…そんな大したことしてない気がするが…。」

 「ええっ!?一度しかない青春だよっ。」

 「いや…そんなこと言われても…。」

 ミソラになぜか怒られてしまうが、もう過ぎてしまったことなのでどうするこもできるはずもない。

 「もうっ…兄さんに聞いたのが間違いだった。こうなれば、誰も真似できないようなとびっきりの事をするかぁ。」

 なにか勝手に意気込み始めている様子のミソラにダンは、何をしても構わないが、とりあえず、他人に迷惑をかけなければよいと思いつつ、クラスメイトの誰かが巻き込まれるんだろうなぁとそのどこの誰かを憐れに思いつつ見守った。

 

 

 

 

 

 

 シグルドがエリカに案内されたのはモルゲンレーテの社員でもごく一部の者しか立ち入れない部屋であった。

 その部屋は薄暗く全体を完全に把握できないが、無機質でどこか殺風景な雰囲気を醸し出していた。

 エリカは自分の役目は終えたというのか、「ここで待っていて」と言い残して、部屋を出て行ってしまった。

 シグルドはこの部屋に1人置き去りにされるという形になった。

 否、

 彼の正面、部屋の暗さのためはっきりとその正体を掴めないが、黒い影が座していた。

 「アストレイの件、ご苦労であった。」

 その影が声を発する。その声音は女のものであり、どこか冷たく高圧的であった。

 この部屋に入ってからそれなりに目が慣れてきたが、やはり正面の人物を捉えることはできない。しかし、シグルドはその影が何者であるか推察できているようであった。

 「そのために俺を呼んだのか?」

 彼としては、あまりこの国に長居したくなかった。

 「用件があるのであれば手短に言ってくれ。」

 シグルドは促す。

 「ふっ、そう()かすな。」

 影はシグルドのぞんざいな態度に怒ることはせず、話し続ける。

 「そなたのことは噂には聞いていてな…。少々、試させてもらった。そして、はっきりとした。」

 「何をだ?」

 「シグルド・ダンファード…どうだ?我らと手を組まないか?」

 「手を組む、だと?」

 シグルドは影の言葉に眉をひそめる。

 「我らはいずれ世界を手にする。その同志(・・)にとして誘ったのだ。そなたのその能力…一介の傭兵で終わるには実に惜しい。」

 「俺は、自分でこの道を選んだんだ。現状に不満はないさ。」

 「ウズミ・ナラ・アスハを打ち倒すことができる、としてもか?」

 影は言い放つ。

 「言ったであろう?噂を聞いていると…。そなたのことを調べさせてもらった。母親の事だ。ある活動家や運動との関わっていたと言うことも含めて、な。」

 シグルドは眉をピクリと動いたが、黙したままであった。

 「だからこそ、おまえは下野(・・)したのであろう?いや、せざるを得なかったというべきか…。」

 やがて、シグルドは深く息をつき、一拍置いて、口を開いた。

 「…どうやら、おまえたちは俺の事を少し勘違いしてないか?」

 そして、静かに言う。

 「俺は別に活動家たちのように揺れる時代への気高い理想も浮かされるほどの情熱も持っていない…。」

 そして、振り返り部屋を出ようと歩き出す。

 「だが、ウズミ・ナラに対しての憎しみはあるだろ?」

 その問いを聞いたシグルドは一度歩みを止め、顔だけ振り向く。

 「あの男とは…そういった簡単な言葉で片づけられないものじゃないさ。」

 再び歩き出し、部屋を出て行った。

 

 

 

 

 シグルドが部屋を出た後、その影の背後から別の影が姿を現す。その形は座っている影とほとんどと言っていい程、同じであった。

 「いいのか、ミナ?」

 「いいさ。少々、私の眼鏡違いだっただけのことだ。」

 ミナと言われたその影は自分の後ろに立っている者、自分の半身と言っていい存在である弟のギナの問いに対し、答えた。

 ロンド・ミナ・サハク。ロンド・ギナ・サハク。背丈も容姿も瓜二つで違うのは性別だけの彼らは先ほどのシグルドとの会話の通り、野望を持っていた。

 「で、取り戻したパーツはどうする?」

 「残りのパーツを取り戻したのち、アメノミハシラへと持っていく。P01、P02、P03…すでに世に放たれた3機のアストレイに続く4機目となろうぞ。」

 「そうか…。では、我は引き続きP01の運用データをとるとしよう。ちょうど、新しき(・・・)右腕(・・)が移植されたことだし…。」

 彼らは自分の野望を達成すべく確実に事を進めていた。

 「なかなか…精が出るようだな。」

 すると突然、薄暗い部屋にミナでもない、ギナでもない、第3者の、冷たく鋭い声が響いた。

 この部屋に入ることは だが、その人物は例外であった。

 「これは養父上(ちちうえ)…こんなところまで一体何しに来たのです。」

 ミナは椅子から立ちあがり、代わりに彼を椅子へとすすめる。

 その男は何も遠慮することもなく、当たり前のように椅子に座った。

 男の名はコトー・サハク。

 オーブの氏族の1つであるサハク家の当主にて、この姉弟の養父にあたる。

 「なに、アスハ憎しと事を進めているお前たちの活躍とその様子を見に来ただけだ。」

 彼らの会話の端々からうかがうことのできるアスハに対しての憎しみと蔑み…それは、このサハク家の特殊性にも要因があった。

 古くから存在するサハク家は政治のアンダーグラウンドの面の役割を担ってきた。陰謀。恫喝、裏切り、暗殺…数えきれない汚れ仕事をし、このオーブという国を支えてきた。どうしてこの家がその役割を担うにいたったか、一族のほとんどの者たちも覚えてないほどではあるが、ただ、それを快く思っていない者も存在した。

 政治の表舞台にでること。

 それがサハク家の者たちの願いであり、その思いがいつしか、代表首長を代々つとめ政治の表舞台を飾る自分たちの対極としての存在、アスハ家へ憎しみにちかい感情を募らせていった。

 この姉弟も例外ではない。

 特に、彼らの場合は、他の家の者が表立ってアスハの憎しみを口にしないことを平然と言い放ち、批判をしていた。

 そして、同時に、アスハの行為に批判的ながらも、それを言わない自分の養父に失望もしていた。ただ、下級氏族にすぎなかったサハク家を代表首長の選ばれる資格権限のある五大氏族に入らせた手腕は認めてはいた。だからこそ、邪険にすることはしなかった。

 「そして、お前たちに1つの問答をしに来たのだ。」

 「問答、ですと?」

 ギナは訝しむ。

 「そうだ。お前たちにサハクの後継者にふさわしいか定めるべく実権を渡し数年…お前たちはその遺伝子操作によって得た能力をいかんなく発揮し、サハクの地位を私以上に上げてきた。そして、ここ最近の一番の功績は、連合との協約及び技術盗用によって開発されたMS…アストレイシリーズを開発に成功・量産体制を整えたことだ。」

 コトーはつらつらと並べ立て、そして問い質す。

 「お前たちはそれほどの力を手に入れ、そして、サハクの力をもって何を為そうとするのだ?これは現当主として、次期当主への、サハク家を担う者にふさわしいか、その資格を問うものである。」

 ミナとギナは共に黙るが、やがてミナが答えた。

 「『支配者による統治世界の構築』…。」

 「ほう…。」

 「養父上もご存じでしょう、オーブの長く続く欺瞞(・・)を。代表首長を五大氏族の中から選挙で選ぼうとも、一般市民より選出された議会があろうとも、この国は建国時より代々アスハの者たちがトップに居つづけ、世襲されてきたそして、オーブの氏族、国民すべてアスハの名に崇拝し、その統治に一切の疑問を持っていない。アスハただ、それだけでオーブに君臨し続けているのですよ。そう…アスハの()だけで。我が目指すのは、その逆です。名でもない血縁でもない人の上に立てし者、支配者たる能力を持つ者こそが統治者となる世界…それが我らの目指している世界です。」

 「そして、おまえたちはその世界での支配者(・・・)たろうと?」

 「我々にはその力を持っている…。そう自負しております。だからこそ、我らをコーディネイターになさったのでしょう?」

 両者の間に沈黙が流れる。

 この親子には血縁はない。

 サハクは常に実力のある者を一族に向かえ後継者としてきた。現当主のコトー・サハクも先代から認められ、当主となったのである。この姉弟の場合は、それをさらに発展させる形として、養子となるために受精卵の段階で遺伝子操作を受けたのであった。

 そのことが彼らの思想の根源となっているのである。

 コトーは鋭い眼光を見据えたまま、しばし沈黙するが、やがて口を開く。

 「なるほど。おまえたちの野心はわかった。」

 だが、次の言葉は冷たく、彼らをつき離したものであった。

 「おまえたちは世界を知らなすぎる。」

 思いもかけない養父の言葉に2人は眉をひそめた。それを横目にコトーは続けた。

 「オーブは、しょせんオーブだ。己を能力ある者と思うがいいが、それはこの小さな島国であるからこそまだ通用する程度のものだ。」

 「つまり、我らは井の中の蛙と?」

 反論したのはギナであった。

 そこには怒りが混じっている。

 MSの開発の1件…それは大国である大西洋連邦に協力すると見せかけ、その裏では見事に彼らから開発技術をかすめ取れたのだ。さきほどその功績を口にしたのはコトーの方だ。それで世界を知らないと言われるのは心外であった。

 だが、コトーは彼の反論に目もくれてなかった。

 やがて、椅子から立ちあがる。

 「お前たちは、アスハを憎んでいるが…。」

 そして、彼らに背を向け、顔のみを向け、そして嘲るように言い放った。

 「そんなのでは、ウズミを勝つことなど到底できない。…それだけの程度の者たちだ。」

 

 

 

 

 

 

 先ほど案内された道をそのまま辿って行き、シグルドは元の場所まで戻って来た。そこにはミレーユとエリカが待っていた。

 「それで、お偉い方と会って何を話してきたの?」

 ミレーユが面白そうに尋ねた。一国のMSの開発計画に関わっているような人物ならそれなりに国の要職にある者と簡単に推察できる。その人物が一介の傭兵に会いたいということに少し興味があったのであろう。

 「別に。たいしたことは話してないさ。」

 「そう…。」

 ありきたりなシグルドの答えにミレーユはしこりが残りつつも、それ以上追及しても分かっていたためそこで終えた。

 すると、そこへちょうどフィオがモルゲンレーテの見学を終えて戻って来た。

 「お待たせ~!ねえ、オーブって先進技術立国っていわれているだけあるわよね。もう、ホントっに凄かったんだからっ。」

 目を輝かせて、感想を話すフィオに案内をしたモルゲンレーテの社員が微笑んでフィオを褒める。

 「フィオちゃん本当に勉強熱心で…。ウチにもフィオちゃんぐらいの年の息子にも爪の垢を煎じて飲ませたいわ。」

 「ねえねえ、爪の垢って煎じることができるの?」

 フィオは女性社員の言葉に真顔でシグルドに聞く。

 「ことわざだ。その人にあやかりたいっていうことさ。」

 「なるほど~。つまり、アスカさんの息子さんは私を見倣ってほしいのか。じゃあ、今度勉強でも教えようかな~。」

 自分が褒められていることに気付いたフィオは照れ笑いした。

 「今度(・・)な。今回は(・・・)これでお終いだ。」

 「…やっぱりダメなの?」

 あくまでも、ここでの仕事を終わりにして、帰ろうとするシグルドにフィオは訴えるような目をむけるが効果はなかった。

 「次の仕事があるんだ。」

 フィオは名残り惜しそうに、見送るエリカと見学の案内をしてくれた女性社員に別れの挨拶をする。

 モルゲンレーテ社を出たシグルドたちは一旦、近くの海岸公園にまで行った。

 「それで、次はどこに行くんだ?早いところレーベンと合流しなくてはな。」

 シグルドはミレーユに尋ねる。

 この仕事の後のすぐに仕事があるということだけを聞いていて、それがどういった内容なのかはまだ聞いていない。

 「ああ、レーベンを迎えに行く必要はないわ。」

 「なんで?」

 いきなりのミレーユの言葉にシグルドは疑問が湧き上った。

 「だって、次の仕事はすぐそこ…国防本部よ。」

 「……はぁっ!?」

 しばらく彼女の言葉の理解が追いつくまで固まり、そして驚きの声を上げた。

 「こっ、国防本部って…ええっ!?俺は聞いていないぞ!?」

 「だって、今、言ったからよ。」

 ミレーユはあっさりと言い返す。

 「パーツの受領の話と相まって、依頼が入って来たのよ。依頼主はカガリ・ユラ。それともオーブの代表首長家アスハの当主、ウズミ・ナラ・アスハの1人娘…カガリ・ユラ・アスハと言った方がいいかしら?」

 

 

 

 

 

 「カガリって、あのカガリ(・・・・・)だよね?」

 フィオが念を押すように尋ねた。

 北アフリカの砂漠においてレジスタンス『明けの砂漠』と共に戦い、日に焼け、ジャケットとTシャツ、カーゴパンツ姿からはとても国家元首の家族とは想像できなかった。

 「それは、隣の彼(・・・)に聞いた方が手っ取り早いんじゃないかしら。」

 ミレーユが意味ありげに含み笑いをし、シグルドへと目をむけた。

 「さあ…。」

 「あらっ、いつまでしらを切る(・・・・・)つもりかしら?」

 レジスタンスからの依頼が来たときのルドルフとシグルドの意味深長なやり取りは目にしている。おそらく、カガリのことがあったのであろう。

 「さて、なんのことやら…。」

 しかし、シグルドは知らぬ存ぜぬをつき通すつもりであった。

 遠くからの声がするまでは…。

 「シグルドー!」

 声をする方に一同顔を向けると、そこにカガリの姿があった。軍服姿であったが、砂漠で会った本人に間違いなかった。

 カガリは 急いでかけてくる。

 「こらっ、カガリ…あまり急いで行くな。」

 彼女の後を追ってこれまた懐かしい人物、キサカもやってきた。

 「カガリー、やっぱりカガリだー!久しぶりっ!」

 フィオは 再会を喜んで声をかける。

 一方、ミレーユは今度こそ言い逃れはできないと言った顔でシグルドを見る。

 シグルドは頭を抱えるが、同時に覚えた違和感にすべてを察した。

 「ミレーユ、俺の名前を勝手に使っただろ?」

 「うん?どうしたんだ?」

 カガリはシグルドの言葉の意味が分からず、首をかしげる。

 それを見たシグルドはやはりと思った。

 

 

 

 

 

 

 「えっ!?シグルド、何も知らなかったのか?」

 場所を国防本部内の一室へと移し、話を聞いたカガリは驚きの声をあげる。

 「ああ。ミレーユが俺の名前を持ちだして、お前の反応を知るためだろう。それで、砂漠での会った本人か確かめるつもりだったのだろうな。」

 推察するに、依頼を受けたときミレーユは と思ったのであろう。しかし、そこら辺の情報がまったくなく確かめることもできず、それによってさらに疑念を持ち、確かめるつもりで行ったのであろう。もちろん、他にも理由があるだろうが…。

 「やっぱり隠す必要があるのか?」

 「「当たり前だ。」」

 カガリの言葉にシグルドとキサカはほぼ同時に言う。

 何年もたって、実は参加していたという逸話になるのであればともかく、戦時中のなかで、中立国を表明している国家元首、今は前代表だが、の娘がザフトに抵抗するレジスタンスに参加していたとなれば国際問題になりかねない。

 「第一、ミレーユもだ。いくら、カガリの正体を掴みたいからと言って、ここまでやって…。そういうものは詮索しないんじゃなかったのか?」

 「それは、もし彼女が最大首長家の娘だったら、もっと報酬をもらえたはずでしょ?」

 「表向きはレジスタンスとの協力なんだから報酬が高かったら不自然すぎて勘ぐる連中が出てくるだろう?」

 シグルドは溜息をつき、そして、カガリに向き直る。

 「聞いてのとおり、俺は依頼について何1つ知らないんだ。」

 「そんな…じゃあ、ダメなのか?」

 カガリが残念そうな顔をする。

 「とりあえず、内容を聞いてからだ。」

 「わかった。」

 こうして彼女はシグルドたちに頼みたい依頼を話し始めた。

 彼女の話は以下のようであった。

 オーブが中立国として貫いていくため、自国の防衛力強化としてMSを開発した。ヘリオポリスで試作機が造られ、それを元に地上では量産機が開発・製造された。最終的にストライクのパイロット、キラ・ヤマトの協力によって制式化されたが、他にも問題を抱えていた。そのため、地球軍にもザフトにもその戦力を秘匿しておきたかった。

 カガリはその仕事を受け持つことになった。

 しかし、彼女の一本気な性格上、秘匿することになかなかの妙案が思い浮かばないし、実際どのようにすればいいのか戸惑った。そこに、もし地球軍もザフトもオーブに戦力をあぶるために非正規部隊か傭兵を雇って襲撃をかけるのではないか、それを国防軍が迎え撃てば怪しまれること、であるならば、こちらも軍に頼らない戦力で対応すればいいのではないかと助言を受け、砂漠でのレジスタンスとの戦いを思い出したカガリは傭兵部隊『ヴァイスウルフ』に依頼したのだ。

 「つまり、襲撃を受けてもM1アストレイを出させないこと、隠し通して守る抜けということか…。」

 「ああ。それで真っ先に思い浮かんだのが、『ヴァイスウルフ』だったんだ…。」

 話を終え、カガリはシグルドの顔を伺った。話を聞いていないと言うことは、土壇場で依頼を断るのではないかと思ったからだ。

 「なるほど…。」

 シグルドはしばらく何か考え込み始めた。

 「頼む。シグルドにとっては不本意かもしれないが、私にとって最も信頼できるのはシグルドなんだ。この通りっ…。」

 カガリは必死のお願いと、頭を下げる。

 「ねえシグルド…カガリがこうまでお願いしているのだから、依頼受けようよ。」

 フィオがカガリに加勢するように頼み込む。

 「フィオはもっとモルゲンレーテを見たいという下心で言っているだろ?」

 「そっ、それだけじゃないわよっ。」

 シグルドの指摘にフィオはビクリと驚くが隠し通していなかった。

 やがて、しばらく考えていたシグルドは答えが出たのか、やがて大きく息をついた。

 「本当は…こういう依頼の手続きでトラブルがあったら断るのだがな…。勝手に受理して勝手に交渉して、勝手に引き受けたというのはこっちの責任だ。…依頼を引き受けよう。」

 「ありがとう、シグルド。」

 カガリはパッと表情が明るくなる。

 「具体的なことはM1アストレイがあるモルゲンレーテで話したいが、もう夕方だ。宿泊先はこっちで手配したから、今日はゆっくりと休んでくれ。」

 「ああ、そうだな。俺もこう立て続けに、さらにいろいろと会って疲れた。」

 シグルドはやれやれと疲れ顔で席から立ちあがる。

 そして、部屋を出ようとすると、突然カガリが思い出したようにシグルドに話しだす。

 「そういえば、バエンにもう会ったのか?」

 その言葉に突然、場の空気が凍りついた。

 ミレーユとフィオはいったいどういう意味かわからなかった。

 カガリは「知らなかったのか。」と意外な顔をして、説明する。

 「バエンとシグルドは親子だぞ。」

 「ねえねえ、シグルドっ…バエンって誰?」

 「オーブ国防軍の准将よ。そして、オーブの氏族の1つであるリュウジョウ家の当主…。」

 フィオの疑問に依頼を引き受ける際に事前にオーブのことを調べていたミレーユが答える。

 ということは、それはつまり…。

 フィオとミレーユはまさかといった表情でシグルドを見た。

 対するシグルドはワナワナと震え、カガリを見据える。

 「カガリ…おまえ、余計なことを…。」

 「えっ…えっ?知らなかったのか?」

 「『えっ、知らなかったのか?』じゃない…。」

 シグルドは頭を抱えた。

 その様子を見ていたキサカもあきれ顔をするしかなかった。

 

 

 

 

 

 オーブの島々への移動手段は各港より発着する旅客船兼自動車渡船いわゆるフェリーといわれる船や貨客船を利用してきた。そのため海運も発達し、貨物船の往来もあったが、この十数年の経済発展によってさらなる交通・流通速度、コスト減を求められるようになり、島と島の間に海底トンネルと橋梁が合わさった自動車道が建造され開通している。

 シグルドたちはカガリから手配された宿泊場があるオーブ本島、ヤラファス島へと車を走らせた。

 「へ~、シグルド…オーブの人間だったんだ。」

 途中、合流してきたレーベンが先ほどの顛末をフィオから聞き、驚きと意外といった顔をした。

 「なんというか…名前からして北欧あたりの出身かなって思っていたからね。」

 「あっ、たしかにそうは思うよね。」

 レーベンの言葉に、助手席でオーブの観光ガイドブックを見ていたフィオが反応する。

 「まあ、そう思うだろうとは普通は…。この名前(・・・・)からからな。」

 運転しているシグルドはげんなりとした顔になった。

 「だが、レーベンたちの、俺の出身地についての推測の半分(・・)正解(・・)だ。」

 「えっ?半分ってどういう…?」

 レーベンとフィオはその言葉の意味が解らず、戸惑う。

 「俺が生まれた国(・・・・・)はスカンジナビ王国だ。そして、6~7歳ごろにリュウジョウ家の養子になって、それ以来この国で育った。」

 「へ~、そうなんだ。じゃあ、なんで傭兵(・・)になったの?」

 「それは…いろいろ(・・・・)とあるんだよ。」

 フィオの率直な質問に、シグルドは歯切れも悪い返答であったが、うまくかわそうとした。

 「物好きね。」

 すると後部座席のミレーユが口を開いた。

 「いくら養子(・・)とはいえ氏族の跡継ぎなのだから、下手なこと(・・・・・)しなければ…いえ、あなたの実力ならいずれはオーブの国防軍を率いる指揮官っていう将来が待っていたはずよ。十分、表の街道を歩いていていけるのよ。なのに、それをわざわざ捨ててまで、表の世界から裏の世界に来るなんて…物好き以外いないわ。」

 車内が静寂に包まれ、冷たい空気が流れる。

 助手席のフィオは、場の空気が悪くなったことに戸惑い、ちらりとバックミラーからミレーユを伺い、レーベンは運転席と隣とを交互に視線を移し、固唾を飲んだ。

 しかし、事態はレーベンとフィオが心配していたことにはならなかった。

 シグルドが落ち着いた声で、返す。

 「俺は、ミレーユと過去は知らない。だが、そう言いたいだけの思いはあるだろう。フォルテやヒロ、アバンが傭兵という道を選んだいきさつを考えれば、なおのこと俺の選択は物好きだと思われても仕方ないだろう。」

 さらにシグルドは続ける。

 「だがな、ミレーユ。俺がここにいたのは、リュウジョウ家の養子になったのは、流されてきた結果なんだ。流されたていく中で、俺じゃない他の誰かによって、俺が生きていくといことの最悪の中からの最善の選択だったんだ。しかも、その選択の先の未来は、俺が行くであろう道の先は、俺にはなかった(・・・・)だ。」

 シグルドの表情は、未来がなかったことに対する寂しさなのか、辛さのか、それとも、自分が生きる道を選択したその誰かに対しての、生きていることへの感謝か、うれしさか…どうにも読み取れない複雑なものであった。

 「まあ、こう言っても、君からは『甘い』というだろうがな。」

 対して、ミレーユは何も言わなかった。

 ただ、車窓の流れ行く景色をずっと見据えていた。その表情はどこか曇らせ、口をつぐんだままであった。

 それに対し、シグルドは何か咎めることもせず、そのまま黙った。

 それを察したフィオはいきなり窓を開けた。一瞬、冷たくなった雰囲気になり、さらにいろいろなものがない交ぜになってしまった空気を換えようとフィオのとっさの判断だ。 そして、ふたたびガイドブックを取り出した。

 「ねえねえ、ここのお店、美味しそうなの。後でホテルに着いたら、行こうよ。」

すぐ近くだしっ。」

 「あっ、僕も賛成っ。」

 フィオの提案にレーベンも賛同する。

 「おいおい…。」

 観光できたわけではないのだが…と言いかけ、そこで言葉を呑み込む。きっと彼らなりにこの悪くなった空気をなんとかしようとしているのであろう。その原因を作った人間として、咎めることはできない。

 「…そうだな。せっかく来たんだから、行って損はないだろう。」

 「ミレーユさんもっ。」

 シグルドからも了承を得たフィオは、後部座席へと振り向いた。

 ミレーユはしばらく黙っていたが、彼女も2人の配慮に気付いているのであろう。ややあって、口を開き短く答えた。

 「…わかったわ。」

 全員から了承を得たフィオは満面の笑みを浮かべた。

 「よーしっ!そうと決まればシグルドっ、早くっ、早くっ!」

 フィオはシグルドを急かす。

 「おまえなぁ…怒られるぞ?」

 シグルドは呆れながらも、速度制限ギリギリまでアクセルを踏んだ。

 「よーしっ、シグルドっ、あの車を追い越そうっ!」

 「バカっ、さすがにそれは交通違反だっ。」

 外から吹き込んでくる空気によって、新鮮になった車内はさきほどのモヤモヤはどこへやら明るい雰囲気へとすっかり変わっていった。

 

 

 

 




あとがき

PHASE-36ぐらいに書いた新装版の件について…
先日、作者が一番読みたかったものが出てウキウキ気分で買いました。
タイトルは「天星七人衆」
武者頑駄無零壱が好きなんですね。きっかけは「武者○伝」でしたが…。
そのシリーズでは武者頑駄無零壱を始め、
迅風頑駄無や剣聖頑駄無を持っていましたね。
(もちろん他の作品のも買って作ってました。)
当時、作者は本編よりも武者頑駄無たちが好きだったのです。
今では懐かしい話だ。
ちなみ今、作者の手元には天星大将軍があります。
作りたいけど、これ1つと考えるとなかなか手はつけられない(汗)
その話で思い出したのですが、LEGEND BBに武者頑駄無真悪参が
発売されるためか新生大将軍が店にありました。
あまりの衝撃にその勢いで買ってしまいましたよ(いい加減に作らなければ…汗)
当時のはなかなか再販されないので希少ですよね。
あとがきがこれだけで終わってしまった(汗)

というか、あとがきの方が本文書くよりスムーズに書けるってどいうこと(困惑)


‐追記‐
ちなみに、シグルドの本名は「シグルド・セオ・リュウジョウ」です。





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