ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい   作:王の物置

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駆け足気味です!


ホウレンソウはどの世界でも大切な件

あれから一週間…分身が一向に帰ってきません。

何をしてるんだろうか?ちょっと遠征し過ぎでは?旅立ってから一切連絡を寄越さない。

 

まさか死んだのだろうか?

いや流石にそんな事になりそうなところまで行くことはしてないと思うが……

 

「いやまさか……ねぇ?」

不安だ、とても不安だ。分身が帰ってこないのもそうだが殺されているならほんっとうにヤバい。魔物ならまだ良い、しかし何かしら変なことに首突っ込んで死んだなら本当に厄介だ。

 

それこそロッゾ一族とかにちょっかいかけてたら非常に不味い。分身が起こした問題を本体の命によって償うとかになったら最悪だ。まぁ流石にそこまで考えなしだとは思いたくないが不安なものは不安なのだ…

 

「スライム君、分身帰ってこないんだけどどうしたら良いかな?」

 

スライムを抱き寄せて聞くがスライムはあいも変わらず返事はない、その身体をプルプルするだけだ。

 

…スライムって耳とかないが俺の話を聞けているのだろうか?まぁ聞けていようと返事が返ってこないので意味がないのだが…

というか何年も一緒に過ごしてきたのに名前をつけてないというのはどうなんだろうか?そろそろつけたほうが良いか?

 

名前、名前か…考えておこう。今は分身がどうなっているかの確認が最優先、確認と言っても何をすれば良いかまるでわからないが。

「うーん…」

何をすれば良いだろうか……生憎占い術は履修していないので安否を確認とかは無理だ。

 

…占いなんて覚える暇があるならもっと他の魔術をなんて思っていたが、占い術は覚えておいたほうが良かっただろうか。

「魔力感知ももう少し気合入れて覚えようとしたほうが良かったかな…」

 

後悔先に立たず、悔やんでも悔やみきれない…今は待つ選択肢しか俺には残されてないのだ…

 

いやもう一体分身を出してみようか…?いやそれをして両方とも帰ってきたら癖強なうるさい奴らが更にうるさくなる……うーん、悩みどころだ。

 

「クッソ…分身いつになったら帰ってくるんだよ……」

 

「ごめんごめん思ったよりも色々あってね。」

「?!?!」

窓から声が聞こえると見てみればいつの間にやら分身が戻ってきているではないか。コチラを監視していたのかと疑いたくなるタイミングだ…

 

何かしら事件に巻き込まれていたのだろうか…少しはねぎらってやらないといけないか…?

「遅かったな、何かあった……みたいだな?」

労いの言葉をかけて分身の姿を見てみれば剣を装備し、なんか服も新調している。

 

しかし全体的に使っている跡があり、新たな服も新品ピカピカとは言えない状態で剣もよく見れば鞘が少し汚れている…随分楽しんできたなコイツ、羨ましい限りだ。

 

「色々あったよ。お試し程度に色んなところを周って思ったよりも以上に楽しかったよ」

 

…見れば分かる。と言いたいところだがその気持ちをグッと堪えて分身との会話を続ける。

 

「例えば?」

「まずは自由組合に登録しに行ったんだ。最近ファルムスにも支部ができたの知ってた?Bからのスタートだった。あとジュラの大森林思ってる以上に広いから覚悟しといて」

 

「ほーん…」

 

いわゆる自由人……いや冒険者の登録をしに行ってきたのか…多分その途中で剣なりをルンルンで購入した、と。

 

Bというとどのくらいだったか…確かエレン達のチームがB+とかだっただろうか?あの三人組はポンコツのイメージしかないがエリート集団である。

 

そのBからスタートというのはなかなか優秀なのではないだろうか、さすが俺の分身、お前は俺の誇りだ。

 

「まぁ伝えたかったことは伝えたからあとは自分で確認してくれよ」

「ほーん……は?なんで?」

分身は徐々に塵になり、俺の元へと帰っていく…分身の一言を待つがこちらを見るだけで一言も喋らない…さすが俺の分身、大切なことを何一つ伝えない…さらば我が汚点。

「もっと教えてくれてもよくない?」

 

心の底から色々教えて欲しいことが山程あるのだが、そう若干の説得を試みるが分身はニコリと笑うのみ…一向に喋る気配がない。

 

分身の身体は消える寸前、再びニコリと笑い、何を言うかと耳をすます…

 

「……自分で確認したほうが…面白いだろう?」分身はそうとだけ言うとそのまま塵になり俺の元へと帰っていく……本当にそれだけ言いに来たのか?もう少し口で聞きたかったのだが?そんな言葉を投げたいが分身はもうそこにはいない。

 

分身は完全に消え、分身が来ていた装備品のみがその場にのこった…

そして、分身が俺の身体へと戻ったことで…分身の経験は…徐々に俺へと流れ込んでく、る―――

 

 

『おっ目のつけどころが良いねぇ…――剣■■、かの――帝国から流れてきた一級品だ、可愛いから■■■―――とこうか?』『■■、冒険者の登録ですね。ではこち―――の紙に記入をお願いします』『登録が完了しました。お名前は―――』『そこのアンタ!どこ出身なん―――■■■パーティー組まないか?えっ?■専?なら仕方ねぇか、気が向いたら声かけてくれよな』『嬢ちゃ■ポーション安く売ってやろうか?格安で……えっ?―――が使えるから良い?でもあるに越したことは……あ、良い?ならパーティーの紹介をして…え?それ以外の魔法も使えるから良い?ス―――魔術師(マジシャン)かよ…だが前衛がひつよ……あ、技術(アーツ)もつかえる?マジっすか?』『アンタ、間違ってたら悪いが……爆炎の―――のファンだろ?!―――と炎のみでの戦い方…俺にゃ分かる!』『―――の大■林を目指すんですか?!―――とにかく危険ですよ!』『■―の来訪者とは、珍しい。邪険に扱うつもりは――…敵意がないのは見たら分かる…なにももてなす物はないがゆっくり―――と良い』『そこの人間!ココは我ら――の領域。それ以上踏み入るようなら容赦はせんぞ!』『クアーハッハッハッ!人間風情が我が領域に足を踏み入れるとは!我の威厳(オーラ)を前にすくみ動けぬか?……おーい?……あの?草ばかり集めてどうする?草なんていくらでも生えておるぞ?少し待ってくれ?う、うむ…』

 

 

 

「………なんだこれ?」

イメージ的には脳が爆発しそうな情報量が流れ込んできてしばらく固まって動けない…的なのを想像していたのだが…いや、固まったと言えば固まったのだが…

 

貰った記憶はイメージするものとは程遠く、摩耗し断片的なもので分身が何をしたのかどこに行ったかがまったくと言っていいほど伝わってこない。

 

しかもノイズがかかったようにその記憶も誰と話したのか、どこで話したのか、いつ話したのかすら一切不明…全くと言っても良いほどに何も分からない。一応最近起きたであろうものに近づけば近づくだけ記憶がしっかりと分かるがそれでも断片的すぎて何が何だか分からない。

 

明確に新しく増えた要素といえば分身と統合したため分身が配置したであろう『拠点転移(ワープポータル)』の目印は何個かポツポツと存在しているのが確認でき、おそらく転移先として飛ぶことも出来るのだろう。

 

詳しいことは分からないがそれとなく方角は分かる。

……まさか、自分で確認したほうが…とはこの事なのだろうか?

 

「やれやれ…やるけどさ」

 

転移先が安全なのか念のため大まかな場所を特定しておくために部屋の隅においてある世界地図を取り出し、マークをつけ出す。

 

数は確認できる限りで6カ所、西にはかなり近場に一つ、南西にもそこそこな距離に1つ、東には結構近いものとかなり離れているものの二つ…

 

そして東寄り、南寄りの南東に一つずつで南の方はかなり近いところに存在している。

 

「1つ目は……地理的にほぼ百でシルトロッゾ、絶対に行かない。それなら東の近い方はドワルゴンで南西はイングラシア王国…この三つは確定として……南寄りのは…ブルムンド王国だよな?」

 

地図に大まかな位置を記載しつつ、もう少しヒントが欲しかったと分身を恨む。

 

残りの2つが分からない。残っている東南東の方は魔素の乱れからか距離感が掴みづらくてよく分からない…

そのせいか東の方も一番離れていることだけ分かってる状態、遠すぎて漠然とあることしか感じ取れない。

 

 

「もうちょっと記憶を残してくれれば良かったのに……」

記憶があーも断片的なのはちょっと腹立つ…アイツの発言からして渡せる記憶は分身側に主導権があり、ある程度選別できると思われるがもう少し渡してくれてもよかったのではないだろうか?

色々と物申したいがそういう魔法だったと割り切ろう…

 

「…しばらく分身は封印だな」

……写身(ドッペル)で出す分身には色々と問題があるので封印は確定だ。記憶の主導権がアチラにあるというのは何かしらの精神干渉により操作されていた場合、勘づくのがほぼ不可能となるということ…

 

やはり実際にやらないと分からない欠陥がある。不便な点があるのはまだ良いが不安な点があるのは非常にまずい使用すべきでない魔法と言わざるを得ない。

 

この点に気がつくのは使ってみなければわならなかったし必ず通る道だっただろう。

それなら大事に至らない場で使えたのは幸運か……

「あーあ、ラーゼンさんには申し訳ないけどちょっと行ってくるか」

 

行くなら距離感が掴めない、分かっていない東南東の方になる…魔素が濃いせいで距離感が分からないと言うが一度そこまで飛べば大体分かる。

 

そうなれば東の方も自ずと距離感が見えてくるだろう…

幸いラーゼンさんは大事な用があるらしく妨害される可能性はほぼない。心配させてしまうだろうがすぐに戻ってくるので許してくれるだろう…

念のため分身と同じ姿へと擬態し、装備品も拾って全く同じ装備を身につけ、準備は万端だ。

「よし、行くか!」

 

何が待ち受けているのか…何をしでかしたのか…不安ばかり募ってくるが分身の旅路を辿っていく。

……ほんの少しだけ楽しみなのは内緒だ。

 

 

 

「クァーハハハッ!また来たか人間!待ちわびたぞ!再び訪れた理由も分かっているぞ!」

「?!」

 

転移したら目の前に竜がいた件。

 

「集めていた草を詰めていた袋を置いて帰っておったぞ?それを回収しに来たのだな!……今日は取りに来ただけなのか?いや別に良いのだが、な?」

「?!?!」

 

しかもなんか仲良くなってそうな件。




エドルス(本体)
今回は振り回されてる側の本体。一応心配していたのにこの仕打ちには分身を出さないことをココロに決める。

エドルス(分身)
いろいろ各地移動してた事以外はあんまり分からない人。好き勝手した挙句置き土産をせずに消えていく無能。冒険、未知への探求を味わってほしいと思っている。

どこかの竜
なんか知らんけど洞窟に封印されてそうな気がする竜種。久しぶりに話できる人間が現れてハッピー。通い詰めるだけで好感度UP!一体どこの暴風竜なんだ…
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