ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい 作:王の物置
なんかエドルス君のユニークスキル影薄くない?薄い!
本当にすいません……もうしばらく!もうしばらくお待ちください!
静かな自室。決して誰にも侵されることない聖域…そこで優雅にお茶を啜る…うーん幸せ…うちの自室はのんびりのどかなところだ。
ついこの間、自分の誕生日があったエドルス(10)です。
いやー思い出すだけでも本当に頑張ったと褒めてあげたい…具体的に何をしてたかと聞かれれば特に何もしていないが結構頑張った。
ていうかお茶まじウメェ。このお茶、あの分身が使ってた乾燥したヒポクテ草(?)を使って作ったお茶本当に美味しい…あの分身の唯一の成果は間違いなくコレだ…!鞄結局これしか入ってなかったしどうやって作ったのか製造過程の一切が謎だが多分リラックス効果のあるお茶だ。本当に分身には感謝している。
まぁそれはそれとして分身を再び使おうとは思わないけどね…
味が良い。薄味で前世の緑茶を彷彿とさせる味……うん、本当に好きな味だ。
「スライム君も飲む?」
俺はテーブルの上に鎮座しているスライムに茶を勧める、このスライム…というかスライムという生き物は結構なんでも食べる。
肉だとか野菜、魚はもちろん。床に落ちてるゴミ、床に置いてた本、果てには剣だとかも食べるのだ……これのおかげで俺は私物と城の備品を犠牲に床に物を置く癖が無くなった……
スライムは俺の言葉に少しプルッと震える。多分了承の意なんだろう、このスライムは俺の言葉をかなり理解している節がある…やめろと言ったらやめてくれるしこっちにおいでと言ったら来てくれるのだ。
本当は喋って欲しいところだがそういう器官がないので仕方ない…まぁ良いのだ。静かで穏やかで何をするというわけでもないこういうゆとりの時間が今の俺には必要なのだ。
呆れるほど平和な部屋、プライベートが保証される空間…この聖域は誰にも崩されることはないこの状態こそ俺の理想郷なのだ!
「なんや今日はえらい暇そうやな?」
…我が
横を見れば仮面をかけたピエロ…ラプラスがソファでくつろぎながらこちらを見ている。
毎回思うがコイツどこから現れているのだろう……はいるなら俺の視界内から来てほしい
「いや今から忙しくなります。帰ってください。」
その仮面、もう見れば見るほどイライラする…もうまず座り方が腹立つ、不法侵入の分際で脚組んで座るな。というか挨拶くらいしてくれ毎回毎回用件だけ話して帰るな。
「まぁまぁそう言わずにな?ワイとアンタの仲やろ?」
ラプラスはいつもの軽いノリで俺に話始める。
俺はラプラスと友達になった覚えはないのだが……
「暇やろ?暇よな?そんな退屈してるエドルスちゃんにええ話ありますねん」
「……は、なし?」
本格的に俺の平穏が終了しそうだ…いつものように予知夢聞くだけ聞いて去っていくだけだと思っていたのに今日は少し違う話…もう贅沢は言わないので静かに生きさせて…
「せや、モーチロン報酬もあるで。何でもええ。クレイマンの奴にそれ伝えといとくわ」
「何でも?」
「あぁ、なんでもや。何でもええで?まぁ……流石に国滅ぼせとかは勘弁やけどな」
うーん……断ろうかな。今の生活に満足している、正直クレイマンとかラプラスに頼むことなんて特にないしな…
「今失礼な事考えてへんか?」
「いえ別に」
鋭いなコイツ、俺の周り超能力者予備軍多くね? 心読むスキルとか持ってるのか?
「まぁええわ。……本題なんやけどウチのボスがアンタのこと興味持っとってな?」
「へぇー」
あー、自由組合総帥のユウキね?とはならない…これ言ったら大変な事になるのが目に見えているからだ。
同じの過ちは繰り返さない…俺は過去の俺ではない、過ちを一つ、また一つと克服していっているのだ。
「会いに行けば良いってことですか?まぁ、良いですけど…」
正直言って会いたくない……だって絶対頭良いじゃんユウキ…俺の嘘が簡単にバレそうだし。
ラプラスは憂鬱気分でヘコんでいる俺を見て残念でしたといわんばかりな顔をする。
「いや惜しいなー。ボスがアンタを上手く使ってやれ言うててな。せから、ちょいと手伝ってもらおうおもてな」
「は?」
衝撃の一言。
ちょ今なんて言った? 俺達協力し合おうぜ!って話しだったの?え?無理です…ただでさえ最近ストレスが溜まっているのにこれ以上ストレスを溜めたくないです……
これ以上はハゲてしまう…!
「具体的には何をすれば?」
そう口にだせばラプラスはこちらにぐいっと寄ってきて俺の顔を見つめて仮面の底でにやりと笑う
「お、興味持ってくれたんか?いや、実はな。めちゃくちゃ!極秘のプロジェクトなんやけど…受けるか受けんかはアンタの自由やで?」
「…」
終わった、何もかも…断ったら殺されるだろうし受けるしかない…しかもなんか結構重要そうな話、なんか変なことしなくても用済みになったら殺されそうだ…
「まぁ、聞くだけ聞いてみます。」
「ほーか、んじゃ話すで?」
……俺はもうラプラスの話を聞くしか選択肢がない、もうどんどん死期が近づいてきている気がするが気の所為であってほしい…
「まぁ簡単に言うとやな―――新魔王の誕生や」
「?!」
ラプラスの口から放たれた内容、それは俺の心臓を跳ね上がらせるのに十分な言葉だった。
クレイマンの計画の根幹に近いレベルの情報、それを今……ラプラスは俺に言ってきた。
なぜ?仮にユウキがクレイマンの計画に俺を混ぜるように伝えてたとしよう、だとしてもクレイマンがこんな重要な計画に俺を混ぜるだろうか?
「………」
いかん、座ってるのに立ちくらみしてきた……落ち着け、慌てるな。
俺は何も知らない。顔に出すな、押し黙るな。普通に喋れ…この沈黙をした分に相応しい回答で返すのだ――
「―新魔王の誕生と言いますと?魔王のような強大な力を持つものが意図的に生み出せるとは思いませんし、不可能では?」
ラプラスの反応は…まぁわからんがそこまで俺に対して警戒はしていないようだ…まだ大丈夫。
「簡単に言うたら蠱毒計画やな。魔物っちゅうのは名前がついたら名付け親の魔力吸い取って進化するやろ?」
「あー成程。その名付けされた強い者同士を戦わせて強くしていく…そして最終的には…というわけですね?」
落ち着いて、相手の情報から理解を得たように話せ…
「そういうこっちゃ。んで、その計画にアンタが一枚噛んでみぃひん?って言うとるわけや」
……正直言って思考が追いつかない。
ラプラスの提案はあまりにも常軌を逸してるからだ。
目的が見えてこない。故に何がどう、何の発言が危険なのかがわからない…
「その蠱毒計画に僕が参加する必要性が見えてきません。」
「いや、あるんやなそれが…例えばやで?名付けをしたとするやろ。それに名付け親の半分のエネルギーを失う…勿論回復するのにも時間がかかる…それなら単純計算で一人より二人のほうが効率ええやろ?」
…その発言を聞いても全く信憑性が生まれない、俺の鼓動は加速していく一方だ。
エネルギーを半分も失うなら確かに単純計算で一人より二人のほうが効率的…
……でもそれは、理論上の話ですらない。俺のような普通の人間の魔素量が上位魔人のような魔素量を誇っているとは考えられない…
「―しかもエドルスはんにもええ事づくめやで?まずこの計画に乗ってくれたら100%クレイマンがバックに付く。それに成功すれば更に新しい魔王がアンタのバックにつくで?正真正銘の魔王が…二人や!アンタが王サマになった時を想像してみ?必ず一人は魔王様が後ろ盾になってくれる…心強いやろ?」
「た、たしかに…」
全く納得できないが適当に相槌をいれる。
……絶対に裏がある。断言できる…もっと警戒して挑むべき話…上手く行ったとしても約束が果たされることはきっとないだろう。
多分協力し続けて気に入られても死が緩やかになるだけだ。
「分かりました…その提案受けましょう」
しかし受けるしか選択肢はない、逃げ道は元より存在していなかった……もう、腹をくくるしか無いのだ。
「お?そうかそうか!やっぱ話が分かるお人やなー、クレイマンにええ報告できるわ。じゃあ夜になったらお迎えに上がらせてもらうで!ほな!」
「…はい、またしばらくしてからお会いしましょう」
ラプラスが窓から飛び降りる様子を眺めながら俺は一人頭を抱える…ホントどんどん辛くなってきている…もしかして俺心臓抜かれて奴隷のように働かされるのだろうか?
もう全部投げて逃げ出したい…俺、来世は何も考えずにオレツエーしたいよ……リムルー!早く来てくれー!
「新魔王の計画な。了承してくれたで」
「そうか、それは良かった。どうでしたか?彼の様子は。」
「ありゃ黒やな。真っ黒や。ボスとワイらが王子さんの頭じゃイコールになっとらん。お前さんの計画…までは行かずともボスを知っとるな。顔か、声か、名前か…ボスは面白がるやろうけどちとお前さんの悪巧みの足かせになるかもな」
「……成程、フッフッフ…そうですか。面白くなってきましたね。そのイレギュラーを思う存分に利用させてもらいましょう」
エドルス
無事ラプラスの話術に引っかかり死亡。なんか大変なことになりだしててめちゃくちゃ焦ってる。今日だけで1週間くらい寿命が減った。
ラプラス
無事エドルスを引っ掛けることに成功。思ったより色々知ってそうでもっと聞いてみたいと思っている。好感度は悪くはないくらいはある。
クレイマン
なんか重要なこと隠してるなら殺そうかなと考えている。使えるうちは使っていく。