ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい 作:王の物置
ついに3歳になりました、エドルスです。
本当にここまで頑張ってきた…本当に辛かった。
特に0歳の時は恥ずか死ぬとこだった…あんよが上手あんよが上手とおっさん達から見られご飯を食べるにも自分で食べれず、トイレに行きたいのは分かっていても、自分ではどうしようもなく……
とんでもない羞恥プレイだ…!あまりにも酷い!
1歳も辛かった!
既に喋れたけどもぺちゃくちゃ喋る幼児とかキモすぎるので『らーじぇん!』とか言ってみたり『きしさんー!』とか言ってみたりした。
言う度に凄い凄いと褒めてくるし、当たり前のように挨拶するだけで褒められる!
辛い…!当たり前のことを褒められるって、こんなにも辛いことだったとは気が付かなかった。
しかしそんな苦痛もここまでだ…!この3年間そんな扱いから脱却すべく俺は頑張ったのだから!
良い感じの言語能力の成長を見せつつラーゼンさんに魔法を教えてほしいとお願いしたし、父上にも魔法を教わりたいと言う意思を表明した…そしてその努力が実り、願いは3歳の誕生日の日に叶えられることになったのだ!完璧かな?
「エドルス様、ご誕生日おめでとうございます。そしてエドルス様が魔法に強い興味を持ってくださり、このラーゼン大変嬉しく思います」
ラーゼンさんは満足気に笑いながら言う…お世辞のうまい人だ、こういう思ってもないことを言える人のことを世渡り上手と言えるのだろう。
そもそも俺みたいなクソガキに時間を割いてくれている時点でガチ聖人君子なのは間違いない。
「ラーゼンさん今日からよろしくお願いします!」
魔法…転スラ世界では活躍の場が多くはないような気がする枠だが、是が非でもマスターしたい…!
別にインフレに置いていかれて使えないレベルになるわけでもないし、極めれば極めるだけ理不尽技から身を守れるようになるというものだ。
何よりカッコ良い!ルビがカッコいいのは当然として一つの技ドーン!敵撃破!より、多種多様な技を合わせた方がより底知れなさを相手に与えれるしめちゃくちゃカッコいい!
「ではまずは魔法を使うための基礎部分、魔素についてお話しさせて頂きます」
ラーゼンさんはそう話すとゆっくりと俺に分かるように魔素についての説明を始める。
早くカッコいい魔法を扱えるようになりたいという気持ちは強いが基礎がしっかりしていないと怪我の元だ。
国も民がいないと成り立たないみたいなのを前世で読んだ古典の教科書に書いてあった気がするし基礎は大切だ…!
「魔素とは魔法の源……そう、つまり……、そう、エドルス様が毎日食べる食事のようにこれがなくては魔法というものが使えませぬ。魔素という食べ物は……空に多く漂っており、それを扱うことで魔法を発動させます」
うーん優しい。ラーゼンさんは超偉い人で忙しいはずなのに俺の為に毎日この時間を取ってくれるし、子供に分かりやすいような例えで説明してくれるし、詳しく小馬鹿にせず教えてくれる……優しすぎる…!本当に同じ人類とは思えない優しさだ。
ん?ショウゴ乗っ取り事件?………まぁあれらは兵器としての運用だからセーフってことで。
「ラーゼンさん!質問があります!魔素がどこにでもあるならなんで魔法が使えない人がいるんですか!」
この授業は優しさによって成り立っているのならコチラも質問しなければ無作法というもの。
ふっどうしたそんなビックリした顔して!子供だからって舐めるなよー?俺だってやる時はやれるんだぞぉー!
「素晴らしい考えですね。魔法というのは…そう人で表すなら騎士のようなものなのです――」
??つまり…どういうことですか?何が何だか分からない…
詳しく…説明してください。
ちょっと自分頭悪いんでもっと噛み砕いてほしいなって思います。あと例え話は脳みそがついていけないのでできる限りやめてください!
「騎士という門はほぼ全ての者に開かれております。しかし志願した皆がなれるようなものではありません。そうなるにはある程度の技術が必要なのです……それは魔法も同じ。ある程度の素養が無ければ使えないのです、ということなのですが…分からない部分がありましたか?」
……あー、ごめんなさい。完全に理解しました。うん……魔法って技術だもんね……めちゃくちゃアホな質問したわ。これは驚かれてもしゃーない。
「ごめんなさい、変な質問をしちゃいました。つまり魔素が武器で魔法が流派ということですか。凄く分かりやすかったです…ありがとうございます!」
「いえいえ、エドルス様は本当に聡明な方です。これが理解できるのなら1年程度で基礎の元素魔法を扱えるようになりますよ」
ラーゼンさんの言葉が心に染みる。魔法使いとして大成している人に対して『なんで皆魔法使わないのw』とか質問するとかぶん殴られても仕方ない。
なのにラーゼンさんはニコニコと笑いながら『これから頑張ろう』という励ましをくれた、流石にこれは聖人を超えて仏だ。
ん?ショウゴ乗っ取り事件?いやそれh(ry
…というか魔法って扱うまで1年もかかるのは衝撃の事実すぎないか?1年もかかるとか使ってる人凄E、その中でも上位の魔法使える人皆神やん…
こう考えるとリムルはんのチート具合をひしひしと感じる…なんだよエレンが撃った氷食べただけでその上位互換が使えるようになるって…チートやチーターや!
「ではまずは魔力を感じる所から始めましょうか」
「よろしくお願いします!」
ちなみに何も分からなくて勉強というより質問会みたいになってしまった。本当にラーゼンさんには申し訳ないと思っている…。
■
「どうだラーゼン、エドルスは」
ファルムス王はエドルス様が生まれてからというもの、可愛くて仕方がない様子。
エドルス様が私に魔法を習いたいと言われた際には驚いたがそれ以上に王が直々に年が三つになった際には教えてほしいという申し出には度肝を抜かれた。
「はい王よ。非常に聡明、明敏と言わざるを得ません。言葉の習得が非常に早いとは王同様に常々感じていましたがそれ以上に目を見張ったのは探求心です。隅々まで質問をされて幾ばくの子とは思えぬような目の付け所、そして理解力に舌を巻かざるをえませんでした」
最初から教えない選択肢など無かったがあれほどまでに意欲があると教えるのも俄然やる気が湧いてくるというもの…
今日教えた内容もとても10にもならない子供に教えるような事ではなかったが、エドルス様は何の問題もなく理解を示した。
言語能力、理解力、どれをとっても素晴らしい。
間違いなく彼は大成する…常々からそう感じていたが今回の件で確信に変わった。
「そうかそうか、それならば良い」
王は満足げに頷きエドルス様がいる部屋の方へと目をやる。顔が厳しいままなのは変わらないが雰囲気は喜色満面といった様子なのが伝わる。
「素晴らしい感性を持たれております。世辞を抜きにこのまま順調に進めば1年もしないうちに基礎的なものは網羅できるかと」
「そうか……ラーゼン。お主にはいつも頼ってばかりだな、お主がエドルスの教育係を了承してくれたこと…感謝するぞ」
「恐れ多いお言葉でございます……しかし光栄です」
「うむ……では引き続きよろしく頼むぞ」
王の言葉を聞き
「はっ!」とだけ返事を残し私は王の元を離れ、部屋をあとにする。
―まずは何の魔法を教えるべきだろうか。暴走の危険も考慮して水?風?それとも時間があればあるほど幅を利かせれる地?
新たな楽しみが出来た、そう思うと幾年ぶりかに口角が上がる。
「ふっ…」
新たなものの台頭というのは何歳になっても心躍るものだ、もはや禁断の術も慣れたものになっていた自身にとって既知が面白く感じれるようになるのは久々であった。
「さて、エドルス様にはどのような魔法を教えましょうか…」
エドルス
友達とかと勉強会するとなんでマンになる人。授業の内容を分からないままにしてヤバくなってから周りに聞き出すタイプの迷惑野郎。3歳になったらペラペラ話せるようになると思ってる馬鹿。王宮でぬくぬく育ったので他の子とあまり関わる機会がなかったのを考慮しても流石に擁護できない。
ラーゼン
3歳から繰り出されるとは思えない質問を聞いて好感度UP!
攻略するためには積極的に質問を投げかけていこう!