ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい   作:王の物置

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スマホでまおりゅう始めたのにスペック足りなくてまともにプレイできなかった…悲しいなぁ。


他人の平和が一番羨ましく思う件

「いただきます!」

 

村のご厚意でわざわざ用意してくれたらしい食事……手渡されたのは具材いっぱいのスープ…美味しそうだ。

 

「エドルス殿、ご一緒しても?」

「あ…勿論です!」

俺が1人なのを気にしてかわざわざ声をかけに来てくれたリグル……本当に優しい。

 

俺は全然1人で食べることは前世今世通して結構あるので別にあまり気にならないが、食事は1人より誰かと一緒に食べる方が美味しく感じるし人がいてくれるに越したことはない!

「ふー、ふー、ふー…」

 

「エドルス殿、少々お尋ねしたいことがあるのですが……」

「ふー、はい?」

 

リグルは何か聞きたい様子…なんだろうか?さっきの話の続きだろうか?それじゃないなら俺の知る情報はなんでも話せるぞ!

何でも聞いてきなさい…!答えられることなら答えよう!

答えられることがそもそも少ないのは置いといて何でも聞いてきなさい!

 

「エドルス殿は旅を…されているのですよね?その、もしよろしければ旅のお話など聞かせて頂きたいのですが……」

「ふ〜……アチッ…なるほど。まぁ大した話はできませんけど良いですか?」

リグルが聞きたいのは旅の話か。確かに気になるよな! ま、俺もあんまり知らない側で聞きたい側の人間なんだけどね…

 

「是非!質問する形でもよろしいでしょうか?」

「モチロンです…」

俺の心情を知らず、純粋な目で俺を見つめるリグル。くっその目が眩しい…!俺はあまり外を知らないボンボンなので殆ど答えられないけど許して欲しい!

 

なんかボロ出たらどうしよう…結構俺考えたことが口に出やすいタイプだし…

まぁ質問形式なだけ助かる…最低限脳内を整えてから話せるからだ、まぁ言っちゃいけないことが出る時は出るんだけどね。

「では最初の質問なのですが、どこからいらっしゃったのですか?」

「あ、はい…えと…ファルムス王国という国からです」

「ファルムス王国…というのは具体的にどう言った国なのですか?私はこの森から出ることがあまりないので……」

 

「あー…えっと…」

 

地理あんまり詳しくないから勘弁してほしい!なんて言えずに考える…地図を持って出るべきだったか。場所で言うと…なんていえば良いんだろうか?

 

ドワルゴンの隣…と言っても分からないか…ブルムンドの上の方…と言ってもダメだし……くっそ地図を持ってないのが悔やまれる。

精一杯に脳内に地図を描いて、なんとなくのフワフワとした場所で言葉を続ける。

「ふー…えと…封印の洞窟から、あー…えっと……北西?に進んだところらへんですかね……?」

 

説明が下手すぎてしんどい、多分通じないだろう。封印の洞窟から北西の方に進むは草。もうちょっと詳しく説明しろって感じだ。あと少し頑張れたかもしれないが俺にはこれが限界だった…

 

「成程!もしやドワルゴンの南西にありますか?」

「あ、はいそうです。ドワルゴンの隣です。」

通じるんかーい!普通にドワルゴンって言えばよかったのか…そういえばリムルと会う前にも行ってるー…みたいな話をしてたっけ?

ヤバいなー、原作見てから十何年も経ってるからな。どんどん曖昧になっていってる…普通に記憶違い起こして大惨事になりそうだ…

 

「やはりそうでしたか!そのファルムス王国とはどのような場所なのですか?」

「えっと…」

 

これ以上言うべきだろうか?ファルムス王国のことを説明するべきか…?ご飯の場で説明する内容じゃ無いよな…『魔物撲滅を掲げてる人類至上主義国家ですー』なんて言えない…

他の特徴?分からん知らん。俺ほぼお飾り業務しかしたことないしあんまり地元について詳しくないんだよね。作物が結構有名なのと観光業に力を入れてることしか知らない。

 

「えっとー…あまり何もないところですよ。ドワルゴン程軍需産業なんかの製造業に力を入れてるわけでもなく…農作がさかんですけど、特筆するものがあるわけでもありませんしま…観光業に力を入れていて食事をするお店などが多いことくらいですかね…?」

 

リグルの反応は………フムフムと素直に俺の話を受け止めてくれているようだ。ヨシッ、なんとか説明になったみたいだ。

 

「リグルさんに聞きたいことがあるんですけどドワルゴンってどのような国でしたか?お恥ずかしながら行ったことがなくて……」

 

これ以上話すと俺の無知をさらすことになる。そう判断して、話をそらして誤魔化す…リグルを見るにたぶんうまくそらされたようだ。

 

「そうですね……他の国を見て回ったことがないので比較はできませんし数回程度しか通ったことがないのですが…まず産業についてですが先程おっしゃっていたように魔道具や武具の生産に力をいれており、皆が忙しなく活動しておりました。武器や防具、どれも一級品で外から来られている人も多い印象でしたね」

 

「そして国全体が岩山を削って作ったようになっており、天然の要塞といった様子でした。広いはずなのに山に囲まれているからか非常に窮屈に感じ、日の光が入らない場所も多いように感じましたね」

 

……リグルは本当にドワルゴン数回しか行ってないのかと思うほど詳細に丁寧に説明してくれる……えっ?この人めっちゃ頭良くね?普通になんかそういう記事とか書いてる方?

普通に俺の脳と交換して欲しいレベルでスゴイ。俺と立場変わって欲しい…

 

「朝も夜もにぎわっていて、日中も人の出入りが多いですが……夜は中にいる人がかなり増え、現地の方と来訪された方が外で飲み食いをしている光景を何度か拝見しました。全体的に夜のほうが活気に溢れているように感じましたね…」

「な、なるほどぉ」

 

どうやってその観察眼を手に入れたんだと聞きたくなるレベルの内容を話し、リグルは俺を驚愕させる。

 

…これが才能というやつだろうか?国の次期王子より村の次期村長の方が観察眼高いのはスゴイな……いや、俺の観察眼が低いだけか?自分で言って悲しくなってきた。

 

「ふー、ふー……美味しいですねこれ。すごく素材の味が引き立ってて…」

「そうですか?そう言っていただけてとても嬉しいです!」

 

悲しい現実から目を背けるように料理を食べて気持ちを落ち着かせる……うん、本当に美味しい。

野性味を感じるような味わいだが決して血なまぐさくない具材達。鍋の水炊きを彷彿とさせる安心感のある美味しさだ。

 

「……もし、良かったらなんですけど……またお手伝いに来ても構いませんか?」

「もちろんです!また来ていただけると私としても嬉しい限りです!」

俺はリグルを気に入った。できれば死んでほしくない。

 

多分牙狼族が攻め込んでくるのはヴェルドラの気配が消えてからだ…つまりリグルが死ぬのもヴェルドラがリムルに捕食されてからだろう。

一月、二月に一度様子を見に来よう。そして必ずヴェルドラの気配が消えたら訪れよう。

 

「ありがとうございます…リグルさん。皆の元へ戻ってあげてください…私はこれを食べたらすぐに帰りますのでお気になさらず」

「え…?いえ私は――」

 

リグルが俺の誘いを断る前に、俺はコチラをチラチラと見ていたゴブリンを一瞥する。アチラはギクリと固まった様子で目を背けるが俺には関係ないことだ…別に俺が何をしたいわけじゃないからな。

 

「……いえ、すいません。ごゆっくりとしていってください」

リグルは俺の視線の先を追うように振り向くと何がそこにあるか気がついたのかやれやれといった様子でソチラに向かっていく……コチラを観ていた少年…村長とともにご飯を食べる少年、多分原作でリグルの名を継ぐ少年…あれがリグルの弟だろう。

 

「ニイさん…!」「全く、お前は……客人に気を使わせて……ハァ。全く、まだまだ全然残ってるぞ!しっかり食べろ!」

 

凄く平和で何気なくて、家族団らんを絵にしたような素敵な光景。微笑みというのだろうか?不思議とにこやかな笑みが浮かぶ。

 

願わくばあの少年がリグルにならないことを祈る。




エドルス
多分スライム君の存在をちょっと忘れてる。都会で揉まれた疲れが村の空気で少しだけとれた。水炊きは何もつけずにそのまま食べるタイプ。豆腐は味が好きだけど鍋だとあんまり食べない。猫舌かもしれない。

リグル
マジで好青年。周りを見て行動できるイケメン。多分村のなかで一番モテる。ゴブタ達に嫉妬されてそう。
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