ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい   作:王の物置

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このペースで行ったらリムルが出てくるのいつになるんだろうか。


や、やる事が多い件

 

「やあキララ。今日は町中の串焼き買ってきたよ、それとパンもあるよ!あとクッキーとかもある…好きなの食べていいよ!」

「エドルスってそればっかり食べてない?週一で見てる気がするんですけど…加減しないと太ると思う」

 

キララの元へと通って2ヶ月弱、彼女とはそこそこ打ち解けてきたと思っている。待遇だけは良いので差し入れより話してばかりがメインでむしろ食べ物を頂く側な気がするが仲は良くなっているはずである。

 

「ほら俺って太らない体質だからさ、大丈夫なんだよね。まぁただ太る時が来るなら冬」「クマじゃん…」

 

交流して感じた事は、キララは結構辛辣。最初こそ大人しかったが、最近はツッコミのキレが良くなってきている。

 

あとめっちゃ美容のことについて詳しい。俺は美容とかにはあまり詳しくないが中々にこだわりが強いのを感じる。

食事とかもきっちりと管理してるし、前色々あった時に化粧と保湿って一緒じゃない?と聞いたら烈火の如く怒られて力説された。

 

「ガオー!…クマになってクマったなってね」

「チョーつまんない。2点」

 

中身のない話をダラダラとしているだけで、キララは退屈だと思っているかもしれないが、俺は結構楽しんでいる。

 

キララを救うため、支えるためなんて上から目線な気持ちで始めたけど、今はこうやって気軽に話せることが俺の支えの一つになってしまっている…

「……最近調子どう?楽しみとか見つけれた?」

「別に……何にもないけど。用がある時だけ連れてかれてあとはずっと同じ」

質問を投げかけてみるがキララはいつも通り素っ気なく返す。

 

うーん、やはり駄目か。何かしら拠り所が出来れば良いのだが……原作キララは確か不満が溜まって「死んじまえ」と叫んだら本当に人が死んでそれを正当化しようとして……みたいな流れだったよな。

 

今のところそういう話は入ってきてないし、した様子もないけど今のままだときっと同じ出来事が起きてキララは歪んでしまう…

 

「そういやこの世界のクマって角生えてたりするんだよなー」

 

「ふーん。どんな感じなの?狩りするときに突進してきたりするの?」

「頭にチョンって乗ってるくらいで…たぶん大きさにすると小指の先から第二関節までくらいの大きさなんだよね」

「ちっさ…もう毛に埋もれてるでしょソレ」

これから先きっと直面する問題。

回避できる事故は必ず避けなければならない…ショウゴ問題とかも含めて何かしらアクションを起こさないとな……

 

「ちなその角何に使うの?」

「ビームとか撃つんじゃない?」

 

 

 

 

「お邪魔しとるでー」

部屋に戻るとなんかいたエドルスです。

今から行われるショウゴが召喚されるであろう異世界人召喚に向かおうとした矢先にこれだが……よりにもよって今か。かなり不味い状態になったな…

 

「すいません、今忙しいので聞くだけでいいですか?」

 

ラプラスめ…厄介なタイミングで現れてくれた。俺この人のこと嫌いだわ…!

 

「あら?用事入っとんか?」

「えぇ…その、異世界人召喚についての夢を見て」

 

とりあえず予知夢という手札を切って様子を見る。最近話すネタもなくなってて状況的にヤバかったな…ここで話せばもしかしたら引いてくれるかもという淡い期待を持って話を続ける。

 

「その、何と言ったら良いか…大量殺人が起きる夢を見たので、その解決の為に…」

「えらい物騒な夢やなぁ」

 

そうなんだよ、物騒な夢なんだよ…だから頼む帰ってくれ!

「…それで用の話するで、申し訳ありませんなー」

 

しかし悲しいかな、俺の願いは打ち砕かれる。ラプラスが帰る気配は当然ない。俺が断れないのを良いことに話を振りやがって…立場が変わったら覚えてやがれ…

 

「今回はクレイマンの奴が話あるっちゅうてなー」

「は?――いやはい?クレイマン様がですか?」

…殺意を覚えた、そんな大事な用事をなぜ当日に伝えるんだ?俺のことをいつでも使える駒か何かだと思ってる?*1

 

しかもよりにもよってクレイマン、ここ数年ろくに顔合わせも無かったのに…なぜ今なんだ…

 

なんとか荒波立てない方法で断われないか?断れるような立場じゃないのは分かってる…分かりきった地雷なんて踏みたくない……しかしわざわざ事件を見逃すこともできない。

 

「…その、今から…ですよね。少し、少しだけ待って貰いませんか!要件が終わればすぐに戻りますから!」

 

懇願に近いお願い。ラプラスは顎に手を当て、悩む素振りをする……俺は手を合わせてなんとか祈りながら返答を待つ。

「しゃーないな。あんま待たせんといてな」

「ありがとうございます!」

 

…急速に予定が埋まっていくのを感じる。あまりにも辛い。

 

 

 

 

 

異世界人召喚…実は思ったよりも大変らしい。この国のなかでも精鋭と呼ばれる魔術師の方がただ一つの儀式を行うだけのために50人も集められている…

 

まずパッと見て思ったこと絶対何人かサボってるヤツいるだろと思った。儀式の様子を実況したら一つの小さい魔法陣の周りを代わる代わるで隊列変えてるだけ…

 

三段構えの練習でもしてるのかって感じだ。

 

それに素人質問(本物)なので恐縮だが術式が確立されている儀式でこんなに大掛かりでやる理由がわからない。

 

なんというか…思ったより退屈というか…見応えがないというか……まぁ見応えがないと思っているからこそラーゼンは部下に押し付けて一人で何かをしているんだろうけど。

 

そんなことだから部下がショウゴに殺されるんだぞラーゼン!自分で計画したことは自分でしろー!

 

今回の召喚、恐らくこれでショウゴが召喚されるのだろう…まぁ俺なりにショウゴへの対抗策を考えてきてはいるので犠牲は減るだろうけども緊張するな…

 

というかこの儀式、何をもって進んでいると言えるのだろうか?それすらわからない…魔法陣が光ってはいるが5分前くらいからだ…今か今かと待ち構えているのに一向に現れる気がしない…俺の時間は有限なんだ。出てくるなら早くしてくれ。

 

時間がかかる魔法は少ない…上を見ればいくらでもある、しかし幾らなんでも召喚如きでこれは遅くないだろうか?

 

 

「どうですかなエドルス様。随分と退屈する儀式でしょう?」

 

いつの間にやら隣にいたラーゼンがそう語りかけてくる。俺は一応首を縦に振って賛同の意を示す。

…それは主催者の貴方が一番言っちゃいけない言葉だぞ…!俺がポツリと言って貴方が制止する役割でしょうが…!それ他の人が聞いたら士気が下がるからやめな?

 

まぁラーゼン本人からすれば目に見えて違う速さでそれを部下の人達に求めているのかもしれないけど…それでも部下に押し付けてるのに言うのはちょっと良くないと思う…

 

「ラーゼンさん、これが本来の進行速度なんですか?あまりにも遅い気がするのですが」

 

俺の言葉にラーゼンは嬉しそうに鼻で笑う。流石プロフェッショナルというべきか…いつもこんな話題を振れば嬉々として説明してくれる。覚えているのは半分もないし、使えてそうなのは片手で数えるしかないがすごく助かる。

 

「召喚術というのは転移と違い、喚び出す…つまり強制する力が必要になります。そのため、召喚術は儀式の段階が多ければ多いほど魔力の消費量が跳ね上がっていくのですよ…それを大気中の魔素から賄おうとすると莫大な時間を要するのです。悪魔や精霊の場合、あちらが応じるという過程を踏むことが殆どで、原理としてはこちらが用意したものに転移してくるという形に近しいかもしれませんな。」

 

ふーむ…なるほどぉ……そういえば大気中の魔素を取り入れるなんて工程もあったな…

…自慢じゃないが俺は普通の人より内包する魔素量が多く、普通の魔法くらいじゃ体内の魔素だけで自己完結できるので完全にそんな工程もあることを忘れていた。学問は何事も基礎が大切…ちゃんと覚えとかないとな。

 

「ちなみに…あとどれくらいでこれが終わるんですか?」

 

「多少ばらつきがあるのですが……まぁ日が落ちる頃には終わるでしょう。」

なげぇ。びっくりするくらい長い…まだお昼前だぞ?あと6時間くらいこうしてるってことですか?

 

 

…まだ時間があるし…流石に空白の時間あるよな?俺がいなくなる頃にショウゴが現れて……なんてことは流石にないよな?

「少し離席しますね。すいません…」

「構いませんよ」

 

クレイマンの話を速攻で終わらせて帰る、そしてショウゴに対応する…完璧な作戦だな…いやキツイ!

ハードスケジュール…であるわけではないけれども時間不明の出来事があるのがキッツイ!

可能な限り早く終わらせないとな…。

 

俺は急いでラプラスの元へと駆け出した。

*1
正解

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