ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい   作:王の物置

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原作開始からはトロすぎるテンポを速くしていきたい…!


原作開始〜
上司のパワハラ どうしたらいい件


どうも17歳になりましたエドルスです。

ヴェルドラが消えました。

 

 

ヴェルドラが消えたことでどこもかしこも大騒ぎで非常にピリついている。ラーゼン率いる魔術師部隊だけでなくフォルゲン率いる騎士団も大騒ぎだ。

まぁ仕方のないことだ、ジュラの大森林がどこにも属さない理由の一端…いやほぼ全てを背負っていたといっても過言ではない存在が消失したのだから。

 

…にしても俺の誕生日の日に消えるとは…実は俺厄災とかの類いだったりしないか?

 

国中大慌て、とても外に出られそうな雰囲気じゃないが俺は自由に外に行かせてもらおう。リグルの様子も見ておきたいし、何より…

 

 

『よくやってくれましたね。貴方の言った通り、暴風竜の消滅を確認できました』

 

「…私自身、非常に荒唐無稽な内容だとは思いましたがご報告していてよかったです」

『えぇ、報告に感謝しますよ。コレで予定通りオークロード誕生の計画を早めましょうか。もうしばらく…周辺の動きを見てから指示を出します。ソレまでは今まで通り動いてもらって構いませんよ』

 

 

「承知いたしました。それでは…失礼いたします」

通信が切れた瞬間、全身から力が抜けた…手が汗でじっとりしている。服で拭いても拭いても取れやしない、脂汗と言うやつだ。

 

……オークロード。

 

その単語が頭の中で何度も反響する。目をつぶっても、目を空けてもその言葉は聞こえ続ける。

 

「…死ぬっぽいよなぁ…」

今、俺の命には王手がかかっている。まだ詰みじゃないだけ…そのうち詰むんだろうなと分かるくらいには追い込まれている。

 

仮に、仮に俺主導で動けて、恨みを買わずに進むとしよう…そうなればリムルの腹心である鬼人5人組が仲間にならない…ソレはいけない。

 

特にクロベエが誕生しなくなると最強武器がリムルに行き渡らない可能性が出てくる。そうなれば後々…と言うまでもなくおそらくヒナタあたりで詰む。

 

仮にソレを超えたとしても更に先のことを考えるとクロベエは必須……やはりオーガの里が滅ぶのは運命なのか…?

「――はぁ」

 

再び大きなため息がでる。こっからなんか逆転できる方法ないだろうか?頭をひねっても唸っても何も案は出てこない。

 

こんな事で出てきているのならとっくに出てきているのだ…

 

 

「スライムくん……なんかない?こう…全てが丸く収まる方法がさ!」

手汗を拭くように…いや癒しを求めるように、足元をうろついているスライムをペチペチと叩いて見るが反応一つしやしない。呑気で良いなこの野郎…俺はスライムをむんずと掴み持ち上げる。

 

「冷たー…………全て丸く収まる方法……原作通り進んで、なんかこう良い感じになる方法……」

スライム君の冷たさが、俺の身体を冷やす。

全身の熱が引いていく、さっきかいた汗も冷えていく…

かなり涼しい、頭も冷えてきた。

 

俺という変数が少しでも影響を与えずにすみ、原作終焉でクロエがループせずに済むようになる方法…

 

「俺が死ねば万事解決?」

頭が冷えても碌な考えは出てこない、馬鹿はどこまで考えても馬鹿なのだ…俺が死んだとて誰かが救われるわけでもないし…普通にリムルがヒナタに負ける世界線もあるらしいので、俺は俺のできることをやりたい。

 

「…まぁとりあえずリグル達の様子をみてくるか」

 

すぐに牙狼族に攻め込まれている…なんてことはないと信じたいが、心配なものは心配だ。

 

 

そうと決まれば有言実行!コレで善良さアピをして来たる日が訪れてもリムル達に温情を貰えるようにするのだ。

 

『少し状況が変わりました』

「?!」

 

背後の水晶玉からは切ったはずのクレイマンの声が聞こえる…間違いなく俺は切った、クレイマンが自分から連絡をよこすとは思えないし…つまりこれは幻聴だ。背後の水晶が淡く光った。

 

後ろをちらりと見てみれば、水晶玉の中に見慣れた白髪の男の顔、クレイマンが映っている。これはきっと悪い夢だ。誰だこんな世界を作ったやつは?俺の幻想なのか?

 

…一旦深呼吸をして、自分が笑顔を浮かべたのを確認してから水晶玉へと向き直り、恭しく一礼してから接近する。

 

「変わった…というのは?」

『少々予定が変わりましてね、貴方には今すぐ行ってもらいたい。数日ほどそこを空けることになるでしょうが…ラプラスを向かわせているので、連携はラプラスに』

「…わかりました。」

 

再び深呼吸をして、もう一度口角を上げて答える。自分の苛立ちを抑えるように精一杯に笑う。

俺の微笑みに応えるようにに、クレイマンはニヤニヤと何やら悪いことを考えてそうな笑みをこちらに向ける。

 

……………声イカン、殺意がもれる。コイツマジでぶっ飛ばしてやりたい。

『では、頼みますよ』

クレイマンが…水晶玉の光が消えていく……俺は力なくその光が消えるまで見守り続けていた。

 

「…」

 

迷っている時間はない、クレイマンの口ぶり的にしばらくは自由時間はない…どころかココに帰ってこられるか怪しい。

 

すぐにリグルの様子を見に行くのは不可能…となれば非常に…ほんっとうに嫌だがアレに頼るしかない。

 

 

「…来い。分身」

魔法【写身(ドッペル)】を発動させる、魔力を2割程度使って、分身を作成していく……作ったのは一人。今は意識のない魔力の固まり。

分身に意識を集中させていくと、徐々に俺の意識が分身へと入り込んでいき混ざり合っていく感覚に襲われる…数秒経てば、向こう側から打ち切られるようにぷつりと感覚が遮断される。

 

「よし成功…だよな?久しぶりに使ったけど…大丈夫?」

「………あぁ、成功だよ。流石俺だ、魔法だけは一流だね」

 

会話のキャッチボール成功。無事完成したようである。

分身を使ったのはかなり前…とはいえ随分と落ち着いているような気がする、これが成長か……

 

こう、自分の顔をまじまじ見ていると分かるが前に比べて髪に銀が増えている。割と遠目で見てもキラリと何本か輝いて見えるレベルだ。…若白髪が酷いな本当に。これも全てクレイマン達が悪い。

 

「――やるべき事は分かっているよ俺。行ってくる」

「お、おう。話が早くて助かるよ俺、それじゃあ頼んだからな…?」

 

「……そんなに慌てるなよ、大丈夫。俺はここで待ってればいい。役割分担ってやつさ」

こちらを向いて多少口角を上げるレベルの微笑みを見せる分身…

?!?!!なんだこのイケメンは…?!本当に俺なのか?!仕草とか表情がカッコ良すぎるだろ!気遣いもできるとか神かな?

 

「………何かあれば僕から報告するから。後のことは頼んだよ。」

 

 

分身はそう言い残すと転移で目の前から消えた。

……分身って一体何者なんだろうか、なんか個体差有り過ぎないか?まぁ計4体くらいしか見たことないので何とも言えないが。

 

俺は部屋でラプラスを待つだけ、俺の呼吸音とスライム君の這いずる音だけが部屋をこだまする……1秒1秒が長く感じる。なんだか心配事が一つ増えただけの気がしないでもない。

 

 

「…分身呼ぶべきじゃなかったな〜」

色々考えすぎか頭が痛い、頭痛の種…いや頭痛の苗を植えてしまったかもしれないな。




エドルス(分身)
なんか結構個体差があるヤツ。百体くらい増やしたら本体が出来ないことも出来るようなビックリ神個体がポップするかもしれない…
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