ハードな国に転生したけどカッコ良く生き(り)たい   作:王の物置

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こんなキャラだったっけ?と思いつつ描いてたので解釈違いがあっても許して……これからもっと酷くなると思うから許して……


太陽にあたりたいような件

ある部屋の一室、家とはまた違った高級感溢れる部屋…そこで俺は人を待つ。

こちらへとやってきた男は真っ白のスーツに身をつつみ、堂々たる歩きから発される圧に俺は緊張を隠しきれずに息を呑む。

 

「……魔王でアルようナお方に、お目にかかれて光栄デス。クレイマンサマ」

「ラプラスから聞いた。お前は未来が見えているらしいな。さて聞かせてもらおうか…その未来というのを」

 

ど う し て こ う な っ た ?

 

 

 

 

 

 

どうも、警備がより厳重になってプライベートで空の下を歩いたのが3ヶ月前になったエドルスです。

 

 

前まで見逃されていたりしたのにラプラス遭遇事件があってから一切そういう甘えが許されなくなって扉を開けても窓を開けてもずっと見張りがいる状態…流石にそれはどうしようもできない。

 

「スライムくぅん……なんかとんでもない事になってるんだけどどうしよう」

 

最近は何かしら用事がない日は家の中で軟禁されています…そんな日はスライムを抱きかかえながら部屋で寝ている。

 

うん悪くないね。モチモチスベスベのひんやりボディ…昼寝の枕に使いたい感じの冷たさが心地よい。

 

「スライムくん、もう疲れたんだ。毎日毎日ずっと部屋にいて……何もすることがないんだよ。話し相手もいないしさぁ!」

 

 

返事が来るはずのないスライムが話し相手になってくれるが虚しい事この上ない。会話のキャッチボールは二人いないと成り立たないが相手が投げてくれないのなら壁当てしてるのと何ら変わらないのだ。

 

危険な事件があったから部屋に入れるのは要件がある者か騎士団長レベルの偉い人のみ?!

外に出させろ!誰だこんなルールを作ったアホは?!

「マイファザか…」

 

最近本当に独り言が激しい気がする……いや、そういう年頃なのだから仕方あるまい。

「はぁ…」

 

ため息が止まらない、何が楽しくて部屋に居続けなければならないのだ…

 

暇が潰せるのは小説か魔導書の2択、人と顔を合わせる機会は1日に8回くらい、話す相手はうんともすんとも言わないスライム…こんな場所に居続けたらうつ病になってしまう!

 

 

 

「……家出するか」

 

思えば最近マジメに計画を立てていなかった気がする…周りの支援もあるなどという甘えが自分に最近芽生えていた。

 

今こそ初心を取り戻し、計画を見つめ直すことが大切なのかもしれない。

 

「よしっ!やるか」

 

そうと決まればじっとはできない、記憶の中にある使えそうな魔法を選別しながらあまり覚えていない魔導書を片っ端から読み漁る。

 

何か一つの目的のために辞書のように魔導書の魔法を読むこの時間は、ただやるだけの魔法よりも何倍も楽しい…!

 

「転送魔法か…」

探して探し回っていた内に一つの魔法が目にはいる。

 

知識としてはあるが一度も使ったことのない魔法だ、中々使えそう…だと思ったが説明を読めば生き物の輸送には向かないらしい。

 

なんかリムルがやってた気がするがあれはリムルがチートだからか?それともスライムと人間じゃ構造が違うから可能だっただけで普通は無理なのか?

「……いや」

 

そうとは限らない。転送魔法ではないが似たような魔法に召喚魔法が存在する。召喚魔法と言っても転スラで出た精霊とか悪魔とかを召喚するような高等なものではなく、特定の物体を呼び寄せるだけの低級の魔法である。

 

俺はコチラから呼ぶのが召喚、コチラから送るのが転送と認識している。

 

そして俺には召喚魔法、転送魔法共に多岐に渡り種類が存在しているがなぜ送り、呼び寄せるだけの魔法に派生など存在するかという疑問があってラーゼンさんに聞いたことがある…

 

ラーゼンさん曰く転移系の魔法という物は条件を絞れば絞るだけ低燃費になって扱いやすくなり、より多くの人間に使えるようになるらしい。

精霊召喚で言うなら微精霊を召喚する魔法は比較的簡単だが上位精霊を召喚する魔法はめちゃくちゃ難しいとのことだ。

 

魔法の位が違うからと言えばそれで終わりしレベルの存在するRPGをやったことのある人ならレベルが上がってないと使えてもマジックポイントが足りなくて使えないなんてのも想像できよう。

 

「………!」

俺の脳裏に電流はしる!閃いてしまった!

 

その当たり前を考えてみて今俺は思った、めちゃくちゃ制限をつけたら俺でも使えるんじゃないか、と……机上の空論の域を出ていないが何事もチャレンジ精神が大事だと思うのだ。

 

「ネバーギブアップってやつだ!」

そうと決まればやる事は一つ、まずは転移魔法のコツを掴む。床に魔法陣を描くため、魔法陣を見ながら丁寧に内容を映していく。

 

「おー何読みよるん?魔法の…転移魔法?長い間ここに封じ込められとるしええ加減外の空気吸いとうなるか。子供を閉じ込めるなんてほんま酷い親もおるもんやな」

 

「いやマジでそう。元気で普通の子供だから外行きたいのよ」

 

こんな部屋の中に閉じ込められているなんて子供じゃなくともスマホがパートナーな現代人には耐えられないだろう。現代人は暇つぶし道具があるから何もないところで楽しめるのであって何もないのを楽しめる感受性豊かな人は中々いない。

 

「……あんさんは普通言うには色々足りすぎてる気がするけどな」

「言えてる」

 

ほんと酷い親もいるものだ。人と顔を合わせるのも最低限だし会話も殆どしてないし……友達と呼べるものも全然いないし悲しすぎる今日この頃。

 

喋る相手が一人でもいればここまで苦痛な日々は送らないのに……

 

「ん?」

 

今誰と喋ってると思い、隣を見れば見覚えのあるピエロが立っている…気のせいだろう。

「……えっ?」

 

どこから現れたのだろうか?幻覚?ついに俺は人が恋しすぎてイマジナリー会話相手を作り出してしまったのだろうか?

…だとしたらラプラスって…夢がないな…

 

「なんや、どうしたベタベタ触って?そーんなにワイが恋しかったんか?」

 

触れれる。引っ張れる。上に乗れる。

 

「幻覚じゃない」

「ラプラスさんやでー」

 

幻覚かと思ったがなんだ普通の不審者か。身代金目当てだろうか?

 

 

死ぬしかない、か。皆さよなら…核撃魔法 (?!?ちょいちょいちょいちょい!)――」

 

 

「……なんですか?」

「なんですかあらへんよ?普通に危ないやろ、ワイがわざわざ来たっちゅうのに自爆されたら敵わんわ!」

 

あと少しで自爆できたのに邪魔されてしまった、まぁするつもりはなかったが…しかたなく来た理由を聞くべくラプラスの方を向いて会話する体制を整える。

 

「で、何しに来たんですか?帰ってください。僕はどこかの誰かさんのせいで暇だから話し相手にはなれるけど国の秘密とか知りませんよ?秘密を聞くなら私ではなく父にどうぞ」

 

ただ来たわけではあるまい…理由があるなら…なんだろうか?

……俺に用がある、のなら。どうやって擬態というスキルを手に入れたかとかか?

 

「ワイが来た理由はな。ここから出たいやろなァと思ってな?良い話を持ってきたんです」

えーこれは、やばいやつですね。空気でわかる、闇金が審査なしで借りれるって言ってるのと何ら変わらないやつだ。

どれだけピンチでもこれに頼ったら残されるのは死のみ、断ったほうが良いとみた。

 

 

「いや別に大丈夫ですよ?その内自力で脱出しますし」

「そう言わんといてーな。ワイとエドルス様君の仲やろ?なーんも怪しいないで?ちゃんとした取引や」

 

ろくでもない事をさせられるのはなんとなく分かる…契約を持ちかける系キャラクターの契約はヤバいって漫画に書いてあった。

「いや大丈夫です。帰ってください」

「話だけでも聞いてってやー!損はないで?」

 

 

しつこいな。これは聞くという選択肢を押すまでループするやつだ。

 

「話だけですよ?」

「……で、話とはなんですか」

「この事に協力してくれればこんな狭ーい部屋で頭を悩ませんでええんでっせ?このワイのお願いを一つ聞いてくれたら…ココを出る時のサポートはしっかりやらせてもらうで」

 

「……」

「一回ポッキリやない、一つワイのお願いを聞いてくれたらそっからはずぅーと協力したる。どうや?悪い話やないやろ?」

確かに悪い話じゃない、良い話…なのだが……良い話すぎるというか…願いの内容を聞いてからではあるが、それでも何度でも手助けをしてくれるとなると相手の労力が半端ない。

 

なんのためにここまでするのか?それがわからない。分からないからできれば断りたい……

 

「ちなみに願い、というのは?」

 

「簡単なことや。ある方がお前さんに会ってみたいと言っとってな?その人に会って欲しいだけやで」

 

「……それだけですか?」

「それだけやで。ほんっとにこれだけや」

 

……これは、いい話なのか?いやしかしラプラスのこの態度は怪しい。

 

だがしかしだ。ここで断ってもここまで言っているのだから何かしらでいつか会うかもしれないしこの条件を受け入れれば自分に少なからずのメリットがもたらされるのだ。

 

それにラプラスの言うある方って絶対クレイマンだろう。ユウキの可能性もなくはないが多分ない。

問題が先延ばしになるだけなら今あったほうが賢明なのか…?

 

「分かりました、その依頼引き受けます」

「そう言ってくれると思ってたで!じゃ早速――」

「ちょっと待ってください」

「……なんや?」

 

呼び止めてみればラプラスから放たれるのは覇気、目に見える圧というのはこういう事を言うのだろうか?蛇に睨まれた蛙のように身体が固まるが、ひと言ひと言を途切れぬように口から発する。

 

「いや、その。知ってたらで良いんですけどその人が俺に会いたがってる理由って教えてくれますか?」

「ん?あぁ……まぁええか。お前さん……ワイのこと知っとったやろ?そのことについてや」

「あーね?」

 

やっぱりか…多分めちゃくちゃ顔に出てたもんな俺。あの時は本当に心臓が痛くなるくらいドキッとしたからな。

ホントになんとなく察してはいた。

 

「やっぱりそんな驚かんのやな」

「その件についてははい…バレてましたか…バレたからには隠しませんよ。僕、実は未来が見えるんですよ…ちょっとですけど……」

 

本当は前世でアニメとか追ってたからと言いたいが、あまりに荒唐無稽な話すぎて信じて貰えないだろう。

信じてもらえたとして全て知ってるとなれば危険因子として帝国とかに殺される展開待ったなし…ここは一旦会話を合わせるようにして続けていく。

 

「やっぱワイが合っとたな、クレイマンのやっちゃワイの事ホントかホントかって疑いよってから……クレイマンも分かるんか?」

 

「あーえっと、はい。白い服の魔王様ですよね。中庸道化連n」

 

言葉を言い切る前にラプラスの脇へと抱えられて宙に浮く……

一瞬何が起きたか分からなかった。

 

「詳しい話は向こうで聞くわ」

「あ、はい」

……発言をミスったらしい、ちょっと迂闊すぎた。中庸道化連のくだりは必要なかった…言っても自分の寿命が縮むだけなのに言ってしまった。

俺はもがいてみるがびくともしない。力量差が計り知れないレベルで存在しているのだと痛感する。

 

 

俺、生きて帰れるかな…




エドルス
踏んだり蹴ったりで可哀想。最近スライムに芸を仕込もうとしていたが手がどこか分からないしお手以外芸とか知らないので諦めた。

スライム
名前はまだない。プルプルしているその身体でエドルスを癒す。最近デカくなったらしい。

ラプラス
ちょっとエドルスの未来視()に危機感を覚えた。どこまで知ってるのか根掘り葉掘り聞く予定。
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