やはり俺の逆行は間違っているのか?   作:ペンギンって可愛いですよね

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第十二話 雪ノ下家探索ツアー、現実離れしすぎている件

ティータイムが終わると、

陽乃がぱんっと手を叩いた。

 

「さーて!

次は、うちの中を案内しちゃうよ~♪」

 

「いや案内とかいいから帰してくれ!!」

 

「ムリ♡」

 

即答。

 

雪乃は呆れたようにため息をつく。

 

「お姉さま……勝手にお客様を振り回すのは……」

 

「ん~、いいじゃない? 雪乃ちゃんも来るでしょ?」

 

雪乃は少し考えて――

 

「……はい」

 

(来るのかよ!!

なんでお前はついてくるんだよ!!

怖いだろ!!

観察されるだろ!!!)

 

小町は楽しそうに手を挙げた。

 

「小町、案内うれしいです!」

 

(小町……お前は本当に天使だな……

悪魔の城でも楽しめるタイプだよな……)

 

雪ノ下母は優雅に微笑んだ。

 

「ふふ、いってらっしゃい。

陽乃、雪乃、ちゃんと案内してね」

 

 

◆ 第一ステージ:庭(広すぎる)

 

家の裏にある庭へ出ると――

 

学校の校庭より広かった。

 

八幡

「……」

 

小町

「お、おにいちゃん……ここ……公園……?」

 

雪乃

「庭です」

 

「いや庭のスケールじゃねぇよ!!!」

 

綺麗に整えられた芝生、

花壇、

噴水、

庭師さんが普通に仕事している。

 

陽乃は自慢げに胸を張る。

 

「ここね~、かくれんぼしたら超楽しいよ?」

 

小町

「絶対見つけられない……」

 

「雪ノ下家の庭でかくれんぼとか、

遭難するレベルだろ……」

 

雪乃は淡々と言う。

 

「以前、お姉さまが本当に迷子になりました」

 

陽乃

「ち、違うよ!? あれは……その……」

 

八幡

(迷子になる広さってどういうことだよこの庭……)

 

 

◆ 第二ステージ:書庫(反則級の文化レベル)

 

続いて案内されたのは、

“図書室のような部屋”だった。

 

壁一面が本棚。

中央には木製の大テーブル。

革張りの椅子。

 

まるで大学の研究室か図書館。

 

 

「わぁぁ……!

ほんとに本がいっぱい……!」

 

小町の目が輝く。

 

「でしょ~? お父さんとお母さんの本もあるし、

雪乃ちゃんの好きな本もいーっぱいあるよ♪」

 

「……姉さまの本は少ないですが」

 

「ちょっと雪乃ちゃん、それ言う?」

 

(未来と同じく姉妹のバチバチがあるんだな……

しかしこの本の量……

俺の学校の図書室より多いぞ……)

 

雪乃は静かにこちらを振り向く。

 

「比企谷くん。

あなた、本は読むのですか?」

 

「え、あ……まぁ……少しは……」

 

雪乃

「そう。なら……これなどどうかしら?」

 

差し出されたのは――

小学生が読むには難しすぎる文学作品。

 

(いや無理だろこれ!!!

俺小学生だぞ!? 未来知識あっても無理だぞ!?)

 

「い、いや、その……難しそうだし……」

 

雪乃

「そうですね。

あなたには、まだ難しいかもしれません」

 

なんか刺さった!!!

 

陽乃

「雪乃ちゃん~いじわるしちゃダメだよ~?

八幡くんの顔見てみなよ、軽く死んでるよ?」

 

(お前のせいだよ陽乃!!!)

 

小町は別の棚を見つける。

 

「おにいちゃん! これおもしろそう!!

小町、この本読んでいい?」

 

小町は何か絵本を手に持っていた。

 

「小町さん、とても選ぶのが上手なのですね」

 

「えへへ……!」

 

(……小町、雪ノ下家の人たちに好かれすぎじゃね……?

未来で小町が雪乃と仲良くなる理由、

この世界線だと“幼少期からの関係”になりそうだ……)

 

 

◆ 第三ステージ:廊下(いや廊下って何だよ)

 

陽乃

「じゃあ次は~、二階だよ!」

 

階段を上がった先は――

 

ホテルの様な廊下だった。

 

いや本当に。

 

長い。

無駄に長い。

扉がたくさんある。

カーペットがふかふか。

照明が優しい。

 

小町

「……おにいちゃん……迷子になりそう……」

 

雪乃

「私たちでさえ慣れるまで時間がかかりました」

 

陽乃

「私は今でも迷うよ!」

 

(自慢するなよ……!!

雪ノ下家の広さの異常さを証明するだけだよ!!)

 

 

◆ 雪乃が再び八幡を見る(静かなる興味)

 

案内がひと段落したところで、

雪乃はふと立ち止まった。

 

そして八幡をまっすぐ見た。

 

「……比企谷くん」

 

「な、なんだ……?」

 

「あなた……

とても不思議な人ですね」

 

(ひええええええ!!

洞察し始めた!!!

未来の“探偵雪乃”が顔出してきた!!!)

 

陽乃はけらけら笑っている。

 

「だよね~?

八幡くんって見れば見るほど面白いよね?」

 

「面白くなくていい!!!

普通がいい!!!!!」

 

小町が袖を引っ張る。

 

「おにいちゃんは……

おにいちゃんだからいいんだよ」

 

(……小町……

お前の言葉は時々心に効きすぎるんだよ……)

 

雪乃は小町の言葉を聞き、

優しく微笑んだ。

 

「……そうですね。

妹さんがそう言うのなら……

きっとあなたは、不思議だけれど……

悪い人ではないのでしょうね」

 

(雪乃……お前の言葉が未来より柔らかい……

小町の影響力すごいな……)

 

 

◆ ラスト:陽乃が爆弾を落とす

 

陽乃がふと手を挙げた。

 

「じゃあさ、

今日はみんなで晩ごはん食べてく?」

 

八幡

「いや帰る!!! 帰らせてくれ!!!」

 

雪乃

「私は構いませんが……」

 

(雪乃まで乗り気にならないで!!!)

 

小町

「ごはん……た、食べたい……!」

 

(小町ィィィ!!!

お前の“ごはんにつられる性格”は可愛いけど命取りなんだよ!!!)

 

陽乃がにっこり笑った。

 

「じゃ、決まり♪」

 

(決まりじゃねぇよ!!!!

俺の意思どこいった!!!!)

 

こうして――

 

比企谷兄妹、完全に雪ノ下家に取り込まれる。

 

八幡の心

(……逃げ道……どこ……?)

 

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