やはり俺の逆行は間違っているのか?   作:ペンギンって可愛いですよね

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第三話 雪ノ下陽乃、気づいてしまう

本文

 

 

雪ノ下雪乃の姉――雪ノ下陽乃。

 

未来の俺にとっては“絶対に関わりたくない女のランキング”常連の恐怖の存在だ。

笑顔の裏で全てを見透かし、軽いテンションで他人の心を握り潰すスキルを平然と使ってくる。

 

そんな陽乃が、この日――動いた。

 

 

◆ 葉山隼人、目に見えて“おかしい”

 

昼休み。

 

雪乃と会話した翌日、葉山は明らかに変わっていた。

 

・“みんな”に合わせない

・女子の誘いを軽く断る

・雪乃の様子を伺う

・そしてなぜか俺のそばに来る

 

おいおい、やめろ。

逆行して赤ん坊から育ち直しても、俺は陰キャだぞ?

中心人物のお前が来ると周囲がざわつくんだよ。

 

案の定――

 

「なんで隼人くん、あいつの隣なの?」

「雪ノ下さんの次はあれ?」

「意味わかんないー」

 

…はい嫉妬ゲージMAX。

 

そんな空気が張りつめたところへ、

さわやかに場違いな声が響いた。

 

「やっはろー♪」

 

 

◆ 雪ノ下陽乃、子供相手でも容赦なし

 

雪ノ下陽乃。

 

学年は違うが、学校中で知られた“雪ノ下姉妹の姉”。

完成された笑顔と、完成された怪物性を併せ持つ人間。

 

陽乃は教室に入り、軽く手を振った。

 

「隼人くん、最近ちょっと変わったね~?」

 

葉山の肩が跳ねた。

陽乃から見て“変わった”と言われるのは、ほぼ逃げられない証拠だ。

 

「そ、そうかな?」

 

「うん。前より“まっすぐ”って感じ?

迷いがなくなったというか、大人っぽいよ?」

 

小学生捕まえて何を言ってるのかこの人。

 

そして陽乃は視線をすべらせ――

俺の アホ毛 にロックオンした。

 

「隼人くんの近くに、前はいなかった子がいるよね。

黒髪で、ぼーっとしてて、アホ毛がぴょこんって」

 

ぴょこんって言うな。

 

陽乃は俺をじーっと観察し、

 

「君、名前は?」

 

「……比企谷八幡」

 

「ふぅん。八幡くんね?」

 

にこっと笑う。

 

だがその笑みは、

「興味を持ったから、逃がす気ないよ?」

という捕食者の顔だった。

 

やめてほしい。

本当に。

 

 

◆ 陽乃、核心を突く

 

陽乃はあくまで無邪気を装って葉山へ言う。

 

「最近、雪乃ちゃんのことよく見てるよね?

気にしてるんだ?」

 

葉山は図星で言葉が詰まる。

 

さらに陽乃の追撃。

 

「それに隼人くん、誰かの影響を受けた感じがするなぁ。

“みんな”じゃなくて、“誰か一人”のために動くようになった。

前の隼人くんならしなかったことだよ?」

 

陽乃の視線が、再び俺へ。

 

「ねぇ八幡くん。

あなた、隼人くんに何を言ったの?」

 

逃げられねぇ。

 

「……別に。ちょっと話しただけだ」

 

「ふぅん?」

 

陽乃は笑った。

本当に面白そうに。

 

「あなた、ただのクラスメイトじゃないよね?」

 

未来で散々知ったけど、

この人は“違和感”に敏感すぎる。

 

そして陽乃は宣言した。

 

「決めた。

八幡くん、あなたのこと――少し調べてみよっか♪」

 

ああ、終わった。

逆行世界でも、俺は雪ノ下陽乃という災厄に目をつけられた。

 

だが同時に、

陽乃はすでに“いじめの火種”に気づき始めていた。

 

この世界線では――

雪乃の孤独も、葉山の後悔も、原作より早く誰かが察知し始めている。

 

そしてその誰かは、雪ノ下陽乃。

 

最悪で、

最強の介入者だ。

 

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