TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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日曜日、アルカナ・シャドウの変身バンクが良すぎて、死んでました。これからあの変身バンクを拝むたびに死んでしまうかもしれません。良すぎね。


111悪役少女は植物幹部のアジトを探る

 

 

幹部集合会議にて、ピュアのアジトで幹部様との共同生活を送ることになった俺は、早速幹部様に連れられて、ピュアのアジトに訪れていた。

 

内装は、以前訪れた時と特に変わりはない。モナリザ的な女性像を描いたものをはじめとした、色々な絵画が金一面に敷き詰められていて、中には人々が醜く争う戦争や合戦の様子が描かれた絵画などもある。

 

絵画の種類に一貫性はなく、その内容は多岐に渡っていて、どこかアンバランスな、寄せ集めの絵が貼られているだけかのように感じる内装だった。

 

「着きましたね。……さて、ルーイさん。貴方にはこれからここで住んでもらうことになります。私はこれからピュアの部屋で作業をする予定ですが、ルーイさんはどうしますか?」

 

ちなみに、俺に自室はないらしい。欲しければ言えばいい、のスタンスらしく、何も言わなければ、俺は適当な床に幹部様特性触手ベッドを置いて寝ることになる。

………まあ、部屋があろうとなかろうと、やることは変わらないというか、師匠やもう1人の俺と密会するなら、自室じゃなくてイコルのアジトや師匠のアジトに直接いけばいいだけだしね。

 

……以前はジェネちゃんのアジトに転移先を設定してた腕輪型転移魔法機は、今回は師匠のアジトに転移出来るように登録し直してるらしいし。ま、とはいっても、その腕輪型転移魔法機を今持ってるのは、俺じゃなくてもう1人の千夜ちゃんの方なんだけどね。

 

「……幹部様について行ってもいいですか? 暇なので」

 

「まあいいですよ。特に見られて困ることもないですからね。そもそも、業務といっても部屋の整理をしたいだけですから」

 

……と、いうことらしい。ま、久しぶりにゆーちゃんと遊びに行くって手がないわけでもないけど、いつ俺の存在がチクられるか、っていう心配があるからなぁ。そう頻繁に会いに行くもんでもないかなって気もしてしまう。

 

だからとりあえず、ピュアのアジトがどんな風になってるのか、その把握のためにも、一旦幹部様についていくのが良いかもしれない。

 

「……にしても、絵、いっぱいありますね」

 

「ピュアの趣味だったんでしょう。私は芸術というものに関心を示すタイプではないので、この絵がどのようなものなのか、全く分かりませんが」

 

廊下を歩いていても、至る所に絵が貼り付けられている。

けど、やっぱりテーマはバラバラで、入手した絵を片っ端から貼り付けているだけのようにしか思えなかった。

 

そんな絵画だらけの廊下を歩いていくと、やがて幹部様はある部屋の扉の前に立ち、一本の触手から鍵を取り出して、中に入る。

 

「…………え………」

 

その、中には……。

 

「………ほう、とんでもないですねぇ」

 

辺り一面に、俺の写真だと思われるものが、大量に貼り付けられてあって…。

廊下の絵画と同様の形で、飾り付けられていた。

 

「……きも………」

 

「廊下のアレはカモフラージュだったのかもしれませんね。これを悟られないための」

 

「部屋一面に張り付けてるならカモフラージュも何もないんじゃ…?」

 

とは思うものの、実際いまの今まで幹部様すら知らなかったのだから、少なくとも他者にバレることはなかったみたいだ。

………にしても、本当に気持ち悪いな。こんなことされたら、俺じゃなくてもドン引きだぞ。

 

なんか俺が洗脳装置にかけられてる時の写真も結構あるし……。その時の写真、なんか恥ずかしくて見られたくないのに……。

 

「幹部様……あの写真、全部処分できますか? ………自分の写真がこう……ペタペタ貼られまくってるの、落ち着かないと言いますか……」

 

「どのみち処分はする予定でしたよ。どうせピュアはいませんしね。彼のものをどうこうしようが、私達の勝手ですから」

 

そう言って幹部様は触手を使って一枚一枚写真を剥がしていく。

……幹部様、結構ドライなところがあるんだよな。死んだ奴に対して無関心っていうか、以前はピュアのことピュアさんって呼んでたのに、死んでからは呼び捨てだし。

 

「ルーイさんはピュアが苦手でしたからね。不快でたまらないでしょう。もしキツイのでしたら、部屋から一旦出て行っても構いませんよ? 写真は私が処理しておくので」

 

「大丈夫です幹部様。どうせピュア様……はもういないので」

 

………あれ?

俺がピュアのこと嫌ってるみたいなこと、幹部様って知ってたっけ?

………いや、態度に出てたのか。一応俺、組織のモルモットだし、幹部に粗相をするのは良くないっていうか、洗脳されてる身だから、幹部に対して好意的じゃないとおかしいと思って行動してたけど、顔にでも出て…。

 

……え、でも、それじゃあ。

ピュアに対しての俺の好感度を、幹部様が理解していたとするなら、何で幹部様は、俺を……。

 

「……そうですか。でしたら、ピュアの机の上の掃除でも頼みましょうか。彼に託していた業務で、ルーイさんに知られて困る情報もありませんからね」

 

「あ、はい。分かりました」

 

幹部様からそう言われたので、俺は思考を一旦停止して、ピュアの机の方を漁ってみる。が、机の上は整理整頓されていて、綺麗だったため、とりあえず引き出しを開けてみると……。

 

「………うわぁ……」

 

そこには、俺に対する愛の手紙のようなものが入っていた。

中身は本当にしょうもなくて、やれこういうところが可愛いだの、惨めなところも素敵だの、可哀想は可愛いだの、理解のできない内容が只管綴られたゴミみたいな文章が羅列されていた。

 

お前に使われる紙とペンが勿体ねぇぞってことでとりあえず続けて漁っていくとしますか。

というか、そんなに俺のことが好きなら金目のものでも残しとけやカスって言いたいですね、はい。

 

ゴミを引き出しから取り出しながら、俺は何かめぼしいものがないか探っていく。

そこで、一つ気になるものを見つけて……。

 

「……広井愛結について……?」

 

俺のお忍びの姿、広井愛結。

その名が綴られた手紙が、彼の引き出しに入っていて……。

 

中身を読んでみると……。

 

広井愛結の正体が、ブラックルーイであるということ。俺が分身魔法を使えるということ。それらに関するメモが、さらっと殴り書きされていた。

下の方までみると、広井愛結という少女が元々存在していて、ブラックルーイがそれに変装しているのでは?なんて考察も載せられてはいたものの、ピュアの見解としては、おおよそ広井愛結=光千夜、という結論を導き出しているみたいだった。

 

「まっずい……」

 

幹部様にバレるわけにはいかないと、俺はすぐさまその手紙をポケットに隠す。

 

………どうして、ピュアが広井愛結の存在を?

知る機会はなかったはず……。だって、俺が広井愛結であることを知ってるのって……。

 

………ま、まあいいや。どうせ死んでるんだし、ピュアが他の幹部に情報共有していたとして、あり得るのってマインドライフとして協力を取り付けていたであろうジェネちゃんくらいだろうから。

 

「ルーイさん、どうしたんですか?」

 

「あ、幹部様。…い、いやぁ……その、ピュアさ……まの机の引き出しを漁っていたら、こんなものが出てきて…。ちょっとびっくりしちゃって」

 

俺の様子がおかしいことに気づいたのか、幹部様が声をかけてきた。が、広井愛結のことを幹部様に知られるのは、避けた方が良い。だって、少なくともジェネちゃんは、俺の分身魔法の存在を幹部様に伝えるべきではないって判断してたんだから。

 

だから俺は、誤魔化すために、ピュアの愛の手紙の方を幹部様に差し出す。

 

「………ここまでだったんですね、ピュアのルーイさんへの愛は。……まあ、もう意味のない想いですがね」

 

そう言って幹部様は、ピュアの愛の手紙をビリリと破り、処分する。

………幹部様も幹部様で、なんかちょっと引いてそうな感じだったな。まあ、幹部様くらいまともに仕事をするようなタイプなら、ゴミみたいなピュアの手紙は呪物みたいなもんだろうし、そういう反応になるのも仕方ないかもしれない。

 

「……あはは、そうですね……」

 

「ルーイさんも気にしなくて良いんですよ。貴方は組織所属の魔法少女です。彼の想いに応える必要など、毛頭ないのですから。貴方には貴方の役目があります」

 

幹部様はそう言って、机の中にある手紙の数々を、手に持っていたライターで燃やして処分する。触手の体だけど、別に熱に弱いわけではないんだなぁなんて、どうでもいいことを考えながら、その光景をぼーっとみていると…。

 

「……大方部屋の掃除は済んだので、ルーイさんももう自由に行動して構いませんよ。私は、この後少し用があって、ルーイさんとは行動できませんので」

 

幹部様から、ピュアの部屋の掃除はもう終わり、という風に告げられてしまった。……まあ、元々やることがあったわけじゃないし、別に何でもいいのはそうなんだけど。

 

「……分かりました。それじゃあ、一旦部屋から出ていきますね」

 

「……そうですね。次の襲撃に備えて、体を休ませておいてください」

 

「はーい」

 

そう言って俺は、ピュアの部屋……これから幹部様の部屋になる場所を、去っていく。

 

「……相変わらず、詰めが甘いですねぇ」

 

けど、この時の俺は気づいてなかった。

幹部様がこっそり、俺のポケットから、一瞬だけ、広井愛結に関する資料を、抜き出していたことに。

 

「まあ、だからこそ助かるんですが」

 

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