TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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133触手幹部は本性を見せる

 

 

「お姉ちゃん………」

 

まさか、シャイニングシンガーの正体が、お姉ちゃんだったなんて……。

うっっそでしょ? 俺最初にお姉ちゃん泣かせて……。

 

あ、あ、あ! そういうこと?

お姉ちゃん、最初に出会った時から俺が光千夜ってわかってて、だから……。

 

だから泣いてたんだ! 俺が完全に悪堕ちしちゃってたから、それで……。

 

う、うそぉぉぉ! それ知ってたら! あんなにいじめなかったのに……!!

 

うわああああああああああ!!!!!!ごめんお姉ちゃん!!!!

そんなつもりじゃなかったの! お姉ちゃんいじめたいとか、そういうのじゃなかったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!

 

「……千夜、私が、分かるの?」

 

「分かる、よ……。お姉ちゃんが、シャイニングシンガーだったんだね……。えと、えと………」

 

うわうわうわ!

俺はお姉ちゃんの目の前で、今まで何を……。

やばい、今更ながら恥ずかしくなってきた。

俺、お姉ちゃんの前で色々……。

 

う、うわあああああああああああああ!!!

何やってんだバカヤローーーーーーーー!!!!!!!

 

「……千夜、だったら、お願い。帰ってきて。……もう、これ以上、貴方が『ワ・ルーイ』で、悪の魔法少女として働かされるなんて、耐えられないの。………もし、貴方にまだ、私を姉だと思う心が残ってるなら……」

 

劇的な光堕ちがしたかった。けど、お姉ちゃんは縋るような目線で、俺に訴えかけてくる。

………う、ここまで来たら、腹を括るしかない。

お姉ちゃんの存在を知って、光堕ち。そういう路線に持っていくしかない。

 

「……お姉ちゃん。お姉ちゃんの姿を見たら…………。不思議だね。私の中にあった、悪の心が、なくなっていく気がする……!」

 

悪の心ってなんだ? って感じだけど、こういうのは雰囲気だ。

あーあー、悪の心がなくなってくぞ〜。お姉ちゃんパワーで浄化されていってるぞ〜。

 

「………千夜。………3年も、待ってた。ずっと、貴方のこと……」

 

「お姉ちゃん………ごめん、私………」

 

「………もしかして、姉の姿を見て、『ワ・ルーイ』の洗脳が……?」

 

「……いけるかも。このまま押し切れば、ブラックルーイを……光千夜を……」

 

よし! なんか知らんが良い感じの雰囲気だぞ!

このまま良い感じに光堕ちして、お姉ちゃんとハグしてハッピーエンドだ!

 

これはこれでエモいだろ!

感動の姉妹の再会! からの光堕ち!

 

うん! 十分劇的じゃないか? 感動的な光堕ち劇なんじゃないか!

 

結構俺の光堕ち欲も、満たせる気が…!!

 

「……ああ、とうとう、ですか」

 

幹部様の声が、俺の脳内に響く。

……あれ? 脳内? なんで、頭の中から幹部様の声が……。

 

「ブラックルーイ、いえ、光千夜さん。貴方はずっと、この瞬間を、“光堕ち”できる瞬間を待っていたんでしょうが………。そうはさせません。貴方には、ずっと………」

 

頭が………痛い……。なに、これ………。急に、頭が……!!

 

この感覚……! 前にお姉ちゃんの名前を出された時に、頭痛がした時と全く同じ……!

 

な………ん……で……。

 

「貴方に、“光堕ち”はできないんですよ」

 

「あ“……! ぐ………ぅ”……!」

 

「千夜……? どうしたの!? 千夜!!!」

 

痛い……痛い……頭が……体が、いた……い……!

 

「あ……ぐ………い……や………」

 

「千夜!!」

 

お姉ちゃんが、俺の元まで駆けつけようとしてくる。

走って、俺に……。

 

「!? お姉ちゃん……! ダメ!!」

 

「へ…?」

 

俺の元に駆け寄ろうとしたお姉ちゃんを、1()()()()()が薙ぎ払う。

 

幹部様のものではない。この触手は…。

 

「う……そ……千夜……」

 

()()()()()()()()()触手だ。

 

俺は『ブラッドテンタクル』という魔法を使わない限り、触手なんて扱えない………はずだった。なのに今、俺の体からは……全身から、触手が生えていて……。

 

「なんで……千夜ちゃんの体から、あんなものが………」

 

キューティもホワイトも、俺の体を見て、驚愕の目を向けて、呆然としている。

皆が驚く中、幹部()だけは冷静に、俺の元まで歩いてきていて……。

 

「……さて、ルーイさん。このまま、魔法少女達を蹴散らしましょうか」

 

「……へ…?」

 

「アジトを探り当て、私達『ワ・ルーイ』をここまで追い詰めた彼女達のことです。いくら負のエネルギーを集めるためとはいえ、ここまで来れば彼女達を生かしておくのは危険でしょう。なら、危険の目は摘まないといけません。わかりますね?」

 

「待って……。幹部様……ダメ……! それ、は……」

 

「抵抗しても良いですよ。貴方の体に植え付けられた触手は、貴方の意志と関係なく、魔法少女達を襲います。それが例え、実の姉であろうと」

 

「幹部様……! やめ……て! お願い! 幹部様!!!」

 

や、やっばい! 駄目だ! このままじゃ俺がお姉ちゃんを殺しちゃう!

それだけは避けなきゃ!

 

「気づいていますか? 未だに私のことを幹部様、と呼んでいることに。………貴方にとって、私はまだ様付けしても良いだけの存在だということです。違和感を覚えませんでしたか? ルーイさんは、やけに私に対して好意的な感情を持っていました。キュヴァさんを殺されようと、許容しようとしてしまうくらいには」

 

そう、だ。

確かに、俺はずっと幹部様に対して、疑問を抱かず、不快な感情を覚えることもなくて……。

 

………待て、俺はいつから、幹部様のことを幹部様って呼んでた?

ピュアもイコルもイグニスも、脳内じゃ呼び捨てで呼んでる。

 

なのに、幹部様だけは、俺はずっと……。

 

そうだ、最初は、幹部様のことを、幹部君って呼んでた時代もあったんだ。

けど、いつの間にか、ずっと幹部様のことを、様付けで呼んで……。

 

気付かなかった。俺はずっと、幹部様のことを……。

 

「オクトロア! 千夜ちゃんに……! 千夜ちゃんに何をしたの!?」

 

「脳内に私の触手を埋め込みました。そして………まあ簡単に言えば洗脳を施したんですよ。私に逆らえないように、私に疑問を抱かないように。私に、完全に支配されるように」

 

「あ………あはは………」

 

俺はずっと、幹部様の手のひらの上で転がされてたってことか……。

ずっとずっと、幹部様の触手は、俺の脳内に施されていて……。

 

「ルーイさん」

 

「幹部様……」

 

「何故ピンチに陥った時、私がすぐに助けに入ることができたのか。疑問に思いませんでしたか? まあ、そこで気付かなかったのは仕方ないでしょう。しかし、洗脳装置が効かないこと、疑問に思いませんでしたか? 何故か、貴方は『ワ・ルーイ』の洗脳を受けなかった。………それは、私がルーイさんが洗脳されるのを阻止していたからです」

 

幹部様は俺にだけ聞こえるように、一方的に語る。

 

ホワイトにボコボコにされて、ピンチに陥ったあの時、確かに幹部様が助けに入ってくるのはやけに早くて……。もしかして、触手を埋め込んでいたから、俺がピンチに陥っていることにもすぐに気付けたのか……?

 

俺が洗脳されなかったのは、前世の記憶があるからじゃなくて……。

 

ずっと、幹部様が阻止していたからで……。あれ? じゃあ……。

 

「か、幹部様が私のことを守ってくれてたんですね……」

 

「……ふむ。今のが証拠ですね。ルーイさん、貴方は私に洗脳され、私のことを好意的に解釈することしかできなくなっています。私が洗脳装置の効果を無効化していたのは、別にルーイさんのためではないですよ」

 

「へ……?」

 

い、いや、ツンデレなんだから〜! ほ、本当は俺のためを思って、洗脳を阻止してくれてたんでしょ? それくらいわかるってば〜。

 

「ルーイさんを私の支配下に置くためです。他の幹部に対しても好意的だと、私がルーイさんを手元に置く上で困る。そのために、洗脳装置の効果を無効化していたんですよ」

 

光千夜ゥ! 何故君が、洗脳装置の効果を受けつけなかったのか。

何故君が、幹部様に好意的なのか!

姉の名前を聞いて頭が痛むのかぁ!!

 

その理由はただ一つ。

世界で初めて、幹部様の触手を植え付けられた魔法少女だからだぁ!!

 

嘘だ………、僕を騙そうとしている……!

 

……なんちて。

お前意外と余裕あるな? とか言ってはいけない。

 

にしても、まじか……。

俺、本当にずっと幹部様の手のひらの上で踊らされてたんだな……。

 

「まあ、つまりそういうことですよ。ルーイさん、それでは、魔法少女を全滅させてください」

 

「ま、待って幹部様! 話せばわかる! 一旦考え直そ? ね、ねえ幹部様〜!」

 

あーやばいやばい! 俺の触手が暴れ回ってる! 魔法少女達蹂躙しようとしてる!

 

と、止まれぇい! 魔法少女に触手なんて向けちゃならん! 駄目だ! そんなことしちゃめっ!

 

「お姉ちゃん、逃げてっ!!」

 

「千夜……!」

 

今のお姉ちゃんは生身。そんな状態で俺の触手に攻撃されたら……!

まずいまずいまずい! 止まれ止まれ止まれ!!

 

「無駄ですよ。ルーイさん、貴方はもっと早く気づくべきでした。私に植え付けられた触手を、放置し過ぎたんですよ。もう、貴方にその触手を止めることはできないのですから」

 

「『インビジブルガンパレード』!!」

 

「『リジェクトクロー』!!」

 

ライオネルが、不可視の銃弾で俺の触手を次々と打ち抜き、スターチスが俺の触手を切り裂く。が……。

 

「キリがないわね……」

 

「こんなものを、ずっと脳に植え付けられていたなんて………」

 

ライオネルとスターチスは、俺の現状に顔を曇らせる。

うん、わかるよ。俺も今結構ショックだもん。

 

うえーん、脳みそに触手とか植え付けられてるよー、ぴえん。

 

ゴキ◯リとかよりはマシだなとか、最早そういう思考にすら至ってます。うん、そういう風にポジティブに考えてないとやってけないからさぁ……。

 

 

 

はあ………どうしよ。

間話について

  • イコルの話(重め。暗め)
  • 湿島の話(重め。暗め)
  • キュヴァちゃんのお話とか(未定)
  • 間話登場のギャル、南根柚月の話
  • いらない。必要ない。(or本編優先)
  • その他
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