TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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昨日見たらルーキー1位でした。

曇らせとかが好きなんですかね、皆。


2敵役魔法少女の初戦闘

 

ふむ、初登場はとりあえずこんな感じでいいだろうか。

んー、もっと悪らしいことしたいなぁ……。高笑いとか、そういうのしてみたいよね。けど、そういう感じの見た目でもないしなぁ〜。

どっちかっていうとメスガキ系なんかね? そんな感じするわ。

 

わからせ光堕ちパターンま?

 

ま、なんでもいいや。全ては光堕ちのために。最高の悪役を演じきってやるぜ。

 

「魔法少女、ブラック、ルーイ」

 

「……ブラックルーイ、貴方はどうして、『ワ・ルーイ』に加担するの?」

 

「あれ? 自己紹介してくれないんだ〜? ざーんねん。せっかく仲良くなれると思ったのに〜」

 

俺の言葉に、2人はハッとした表情を見せながら、魔法少女としての名を告げる。

 

「……魔法少女シャイニングシンガーよ」

 

「あ、わ、私は魔法少女キューティバースです」

 

丁寧にありがとう。悪の魔法少女にも、ご丁寧に自己紹介してくれるなんて、いい子達だな〜。この子達ならきっと、俺を最高の光堕ちへと導いてくれるかもしれない。

 

「自己紹介できて偉いね〜。それで、何で加担するのか、だっけ? それはね〜」

 

俺はできるだけ悪辣な笑みを浮かべながら、2人に告げる。

 

「人々が絶望する顔が見たいから! 人が絶望して、恐怖に怯えて、そして醜く逃げ惑う姿がみたいから! それに、私は『ワ・ルーイ』が世界征服を達成する瞬間を拝みたいの。クロマック様が、この世界の支配者となる瞬間を、この目で見届けたい。だから、そのために怪人を倒されると困るの」

 

「そんな、理由で…!」

 

『こいつ、救いようのないほど邪悪なやつっきゅ!』

 

魔法少女キューティバースとマスコット君は俺を信じられないものでも見るかのような目で見る。

 

そうそう、最初はこうやって、お前クズだな!って感じの反応を貰っておきたいんだよね。

最初の対立が深ければ深いほど、光堕ちした時の尊さといったらそりゃもう……ね?

 

「貴方、本気で言ってるの……?」

 

「本気だよ。だからこうやって街を破壊する怪人を守るし、今もこうやって、正義の魔法少女を潰すためにここにいるでしょ?」

 

怪人が暴れそうになる。

ちょっと大人しくしててね〜。今大事な初登場シーンだから。

 

「そう、なのね……」

 

魔法少女シャイニングシンガーは、苦虫を噛み潰したような顔をする。

そうだ、俺を嫌悪するのだ。最初が険悪であれば険悪であるほど、光堕ちした時の尊みは増大する!!

 

「それじゃ、もう動いていいよ、怪人君。存分に街を破壊して、人々を絶望させてね」

 

俺は俺の力で抑えていた怪人を解放する。

再び暴れ出す怪人。構える魔法少女2人。

 

そして、俺も手に持つステッキを構え、少女2人との戦いに備える。

 

「させない!! 私達の街は、壊させない!!」

 

「キューティ! お願い!」

 

「『ホイップゴースト』!!」

 

ピンクの方が放った魔法は、さっき見たのとは異なるものだった。

泡のように黙々とした、白い幽霊のような何かが、俺に突撃してくる。

 

当たるとなんかありそうだし、とりあえず避けるか。

そう思い、後方へ大きく飛び退き、俺も魔法を詠唱する。

 

「『ブラックハンド』」

 

俺の足元に、黒く深い闇が出現する。かっこよく表現せず、端的に見たまんまを言うと、真っ黒な水たまりが足元にできたって感じ。

 

そして、真っ黒な水たまりから、黒く悍ましい2つの手が、まるで墓場から這い出る亡霊のように姿を現す。

黒い闇は、『ホイップゴースト』めがけてその両の手を振るいはじめた。

 

「なっ!」

 

『ホイップゴースト』は黒い手に掴まれ、身動きが取れない。次第に黒い手は地面へと近づいていく。それに伴い、『ホイップゴースト』も地へと引き摺られていく。

 

「そ、そんな……」

 

やがて、『ホイップゴースト』は黒い手に連れられ、闇に葬られた。

 

くくく、これが闇の力! 俺の両の手が疼くぜ!

光堕ちもいいが、やっぱ闇の力的なのも厨二心をくすぐられていいねぇ!

 

「ありがとうキューティ。時間稼ぎは十分よ! 『氷の牢獄』!!」

 

……ありゃ、自分の魔法に酔っていたら、いつの間にか青い方に背後を取られていたらしい。俺は青い子の『氷の牢獄』という魔法に捉えられ、身動きが取れなくなる。

 

『氷の牢獄』は、ドーム上に俺の周囲を囲っている。敵を捕獲するための魔法、ってところか。

 

「つんつん……ってつめたっ!」

 

試しに指でちょんと小突いてみたら、結構冷たかった。反射で手を引っ込め、指先を見てみる。

 

うん、特に異常はなし。触っても問題はなさそう。けど冷たいから触りたくはないし、触ったところでこの『氷の牢獄』を解除できそうなわけでもないし。

 

「これで……」

 

俺を完全に包囲することに成功したからか、青い子は呑気にも横笛型のステッキを口につけ、その音色を奏で始めた。

 

「〜♪ 〜♪ 〜〜〜♪」

 

力が抜ける。まるで、子守唄のように、優しくて、暖かく包み込むようで、それでいて、どこか懐かしい……。

やばい、ね、むく…なって……き……。

 

「アー! があっ!」

 

「くっ!」

 

………っとあぶね。怪人が青い子を押し倒してくれなかったら、今頃寝てたかもしれない。

といっても、『氷の牢獄』、これどうするか。

 

なーんか良い魔法ないかな〜。おっ、これとかどう。

 

「『闇の炎』」

 

めっちゃ厨二っぽさ全開だけど、俺の手から青い炎が出てる。か、かっこいい!!

そりゃオラは光堕ち好きさ。でも俺、前世男の子だったんだ。純粋無垢な少年時代もあったのだ。だからこそ、この蒼炎には興奮せざるを得ない!! たまらん!!

 

闇なら黒い炎だろって?

んなこと言われても知らんよ。

 

ほら! 燃えよ燃えよ!

 

「なっ…」

 

『氷の牢獄』は、俺の闇の炎に焼かれて溶けていく。

 

「『ストロベリーアロー』!!」

 

そして俺が『氷の牢獄』を溶かす裏で、青い子を襲っていた怪人に対して、ピンクの子が攻撃を仕掛ける。

怪人はピンクの子の攻撃を受け、大きく跳ねる。

 

………実力は拮抗している、か。

 

まあ、好都合だ。俺が強すぎてボコボコにしてると、格上の敵って感じで、それはそれで悪くないんだけどさ。

ギリギリの戦いをした場合は、ライバル感マシマシなんだよね。

個人的にはこっちの方が好きかな。蹂躙するよりも楽しいし。

 

さて、ピンクの子の攻撃で一時的に跳ねられたとはいえ、それでもなお青い子は怪人が対処してくれている。俺が戦うべきは、ピンクの方……魔法少女キューティバースの方だ。けど、ただの2対1、それじゃあ悪役っぽくないよね?

 

悪役は、もっと卑怯で、悪辣で、取る手段は最悪なものでなければならない。

最高の光堕ちのためには、最高の“悪”を演じる必要があるのだ。

 

「『ブラックハンド』」

 

俺は再び黒い水たまりを作り出す。

 

……心なしか、さっきよりも持っていかれる魔力の量が多くなっている気がするが、まあいい。

 

俺は水たまりから出現させた黒い両の手を、キューティバースの方へ向かわせる。

 

「なっ……」

 

驚いたキューティバースは、なんとか黒い手を避けようとするが。

 

「追い妖魔っと」

 

俺は懐から、小さな闇の塊を取り出す。

妖魔。

悪の組織『ワ・ルーイ』が生み出した兵器で、怪人よりも小さく、弱い存在。

だが、怪人よりもコスパがよく、大量生産に向いている。

 

いわば雑魚敵だ。

 

まあ、元々はこいつらが組織の主戦力だったんだけどね。

怪人が製造できるようになったのは、俺が原因だし。

 

あれだ、最高の光堕ちのために、2、3年は準備期間にしようって、そう思って計画してたわけだけど、その期間に生まれた副産物というか……。

 

と、そんなことはどうでもいい。

 

俺は地面に闇の塊を放り投げ、妖魔を呼び出す。

実力的に見れば、妖魔なんてキューティバースからすれば大した存在でもないのだろう。実際、今も俺が呼び出した妖魔は既に数体狩られ始めている。だが、妖魔の対処に意識を割かれ過ぎると……。

 

「きゃっ!」

 

そう、俺が放った『ブラックハンド』に捉えられてしまうのだ。

 

さて、上手いことはまったし、このまま彼女には見ておいてもらおう。

 

俺がシャイニングシンガーを痛ぶる瞬間を、ね。

 

「さあ、まずは君からご退場願おうか。魔法少女シャイニングシンガー!!」

 

俺は怪人と共にシャイニングシンガーをいじめ始める。

 

「………私が…すてた…………から………」

 

「んー? 何? 聞こえなーい」

 

俺は怪人と共にシャイニングシンガーを痛ぶり始める。

少し心は痛むが、これも光堕ちへの布石だ。

 

これでシャイニングシンガーおよびキューティバースからの俺への印象は最悪だろう。あんなやつ、次にあったらぶちのめしてやる! って、そう息巻くに違いない!

 

「………め………なさい………」

 

やがてシャイニングシンガーは抵抗をやめ、一方的に俺達に痛めつけられるだけになる。

その目に涙を浮かべながら。

 

「おー、泣いちゃった?」

 

「ごめん………なさい……」

 

や、やべ。

やりすぎた?

 

う、うそーん。じょ、冗談やん〜!

 

え、まじすか?

 

ど、どうしよ。悪役ムーブは続けたい。けど、このままシャイニングシンガーをいじめるのは俺の良心がががが……。

 

「先輩!!」

 

と、そんな風に頭を悩ませていたら、少女の声が俺の耳に届く。

それは、キューティバースのものでも、シャイニングシンガーのものでもない。

 

そして、先輩というセリフから導き出される答え、それは……。

 

「増援か。流石に3人目はきついね。今日はここいらでおさらばするとしよう」

 

怪人囮にしてにーげよ。ごめんね怪人君。正直お前のこととかどうでも良いから、大人しく魔法少女に狩られてくれ。

いじめの責任は全てお前に押し付ける!

それに、正直さっきの2回目『ブラックハンド』で謎にごっそり魔力持っていかれたから、今は継戦能力そんなにないしね。

ほな、さいなら〜。

 

まあ、初出陣にしてはそれなりに良かったのでは?

 

いいえ、魔法少女ちゃん泣かせちゃったので大幅減点です。

 

正義のヒロインはもっとメンタル強いと思ってました。次からは泣かない程度に痛めつけようっと。1対1なら流石に泣かないよね? それで泣かれたらあの子にはもう魔法少女を引退していただこう。お前向いてないよって。ま、将来俺が光堕ちするんだから、1人くらい引退してもなんとかなるさ。

 

もしくはメンタル強化訓練でも受けてもらおうか。

いや、むしろそっちの方がいいか?

最初は敵に痛ぶられて泣くような弱い子が、度重なる戦闘で成長。

そして、再びかつての敵に対峙し勝利! 的な王道展開も期待できる!

 

っとしまったな。魔法少女が大好きだから、少し興奮してしまった。まあいいか。

 

さ、反省もできたことだし、クロマック君達の元にでも帰ろうか。

 




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