TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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29悪役少女は幹部の魔法少女と交流する

 

 

………魔法少女ジェネシステネーブル。

俺以外で、悪の組織『ワ・ルーイ』に加担している……なんなら、組織の幹部の女。

 

そいつのアジトで、俺と師匠は共同生活をすることになっていた。

 

「少しお待ちを。クロマック様に今回の会議の内容を報告しますので」

 

そう言って幹部様は他の幹部同様に会議所から去っていく。この場に残ったのは、俺と師匠、そして、件の魔法少女ジェネシステネーブルのみとなった。

 

……師匠を助けたこのジェネさん? が俺の失態を知ったところでどうこうするとは思えないし、流石に師匠の口は解放してあげるかな。

そう思い、俺は師匠の口から手を離す。

 

「ぷはっ! はぁはぁ…ルーイ、あんた……覚えておきなさい……」

 

「ヒンナちゃん顔真っ赤〜! 仮面越しでも分かるよ〜。トマトみたいだね〜」

 

「うるさいわね……本気で潰すわよ……」

 

師匠ってツンデレ属性とか入ってるのかな?

ミステリアス研修の時のミステリアスさ、残ってる気がしないや。

 

と、そうそう。それで、俺はこのジェネさんとかいう幹部さんに聞きたいことが結構あるんだよね。聞いておかないと。

 

「ジェネシス様…あの、アジトというのは……」

 

「ん? あー。私の作ったこの腕輪型転移魔法機があれば、すぐに飛べるよ。あと、様付けはいらないかな。歴で言えば、私は新参幹部で、ルーイちゃんの後輩に当たるからね」

 

「へ?」

 

後輩? 

……まあ、確かに、そもそも組織が俺を拉致ったのって、組織に魔法少女がいなかったからであって……。

でも組織の幹部って3年前から7名だったような……?

 

どういうこと?

 

「インチキ魔法機よ、それ。ルーイ、あんなのズルでできた代物だから。私ならちゃんと私の実力であれを完成させてやるんだから」

 

「は、はぁ……」

 

「嫉妬してるんだねヒンナちゃん、かーわいい!」

 

「くっ………本当に腹が立つわ…!」

 

……とりあえず師匠はジェネさんに嫉妬してるって事でいいのかな?

ふむ。やけにあいつに助けられるのだけはごめんよとか言ってたのって、プライド高かったからだったんだね。

 

っと、それはともかく。

 

「えーと、ジェネシスさん」

 

「ジェネちゃんでいいよ!」

 

「何がちゃんよ。年齢考えなさい年齢を」

 

「ヒンナちゃん、女性に年齢を聞くの、私は良くないと思うな?」

 

「どの口が言うのかしらね! 本当腹立つわ!」

 

なんだか知らないが、やっぱり師匠はジェネちゃんとは相性が悪いらしい。

こう見えて腹黒系なのかな? 今のところは師匠が突っかかっていってるようにしか思えないんだけど。

 

「あー、はい。それで、ジェネちゃんは、さっき新参幹部って言ってましたけど、幹部って3年前から7名でしたよね? 私が組織に来たのってそれくらいの時期で、今も昔も幹部の数って変わってないと思うんですけど…」

 

「確かに、幹部の数は変わってないね。けどねー幹部だって顔ぶれが変わることはあるんだよ」

 

「まあ、そうね。確かに、顔ぶれは変わっているわね」

 

「うん、そうそう。私の前任者は、マインドライフって名前の男だったんだけどね。まあ、洗脳装置とか作れるやべー奴だったの」

 

「へー、そんな幹部がいたんですね」

 

俺に使われた洗脳装置作った奴か。

んで前任者ってことは、そのマインドなんたらという奴はもういないと?

 

ほーん。じゃあ再洗脳の心配はないってこと?

洗脳装置って師匠が壊したアジトにあったはずだし(あれは壊れてるけど)、あれが消し炭になった以上、もう洗脳される心配ってないのでは?

 

「まあ、当然そんなヤベー代物を作れる奴、クロマック様が放っておくと思う?」

 

「思いません」

 

思います。あの首領めっちゃ仕事サボってますぜ。洗脳装置作れるらしいよ、ほーんそうなんや、すごいね。で済ませて昼寝でもかましてるんじゃないですかね。

 

なーんて、口には出さないけどさ。

 

「と、いうわけで、マインドライフは解雇。その穴埋めとして、新しくこの私、魔法少女ジェネシステネーブルが、幹部として就任したってわけ」

 

「? どういうわけで?」

 

俺も思う。解雇されたのはわかるんだけど、じゃあ貴方どういう経緯で組織の幹部になられたんです?

 

「どうして組織の幹部になろうと思ったんですか?」

 

「? あー……。そうだなぁ……。街を守るために戦う魔法少女。けど、魔法少女を助けてくれる人は、誰もいない。だから、負けたら、命の保証はない。私はね、街を守って無様に死ぬことが、馬鹿らしいと思っているんだ。でも、この魔法少女の力は素晴らしいものだと思ってる」

 

「そう、ですかねえ?」

 

「そう。だから、魔法少女の力を、好きなだけ、思う存分研究できる、悪の組織『ワ・ルーイ』の方が、圧倒的に私に向いてるなーって、そう思ったんだ。だからかな、幹部になったのは」

 

……命を失ったら、そりゃ駄目だけど。

 

街の皆を守るために、必死に体張って戦う魔法少女は、かっこいいと思うんだよなぁ。キューティバースちゃんとかまさにそれだよね。

 

うーん。ジェネちゃん魔法少女モノのアニメ見たことないっすねこれは。師匠と一緒に勉強してきてくださいや。

 

「こんな感じでいいかな? どうルーイちゃん、私のこと、なんとなく理解してくれた?」

 

「まあ、はい。ただ、どうして師匠がそんなに目の敵にしてるのかなーと」

 

「あー、それはね……」

 

「……解説しなくてもいいわ。ま、私とこいつは馬が合わないっていう、ただそれだけの話よ」

 

「ふーん。そう来るんだ? まあ、私はヒンナちゃんとは仲良くしたいと思ってるけどね〜?」

 

「だから気持ち悪いのよ……」

 

よく分からんが、俺と幹部ピュアみたいな関係と捉えればいいのかな?

俺も、ピュアとかいう幹部の男にはうんざりしてる。あいつ出会うたびにルーイちゃんルーイちゃんってしつこく付き纏ってくるから、正直鬱陶しいんだよね。

好意を向けられているのはわかるんだけど、やたらとベタベタしてくるし……。

 

まあ、師匠もそういう感じで、ジェネちゃんを受け付けられないんだろう。

俺はそう解釈することにした。

 

「にしても、オクトロアの奴、遅いわね……」

 

「そうですか? 会議の内容まとめてからクロマック様に送っていると思うので、それなりに時間かかると思いますけど……」

 

「まあ、オクトロアはしごできだからねー。幹部会議の時、会話しながら会議内容まとめてるからさ」

 

へー。流石は幹部様。俺の管理権限も持ってるし、本当に何から何まで出来るんだな。

 

まあ、実際多分組織の運営してるのって事実上幹部様だしねえ……。

 

「そうなのよね。普段の仕事がはやいから、ちょっとでも遅いと何かあったのかって……まあ、別に心配ではないけど」

 

「おやおやヒンナちゃんはツンデレかな? このこのー!」

 

「なるほど。やっぱ師匠はツンデレ属性なんですね〜」

 

なるほどなー。じゃあ俺のことモルモット呼びしてたのも、師匠のツンデレの現れってわけだな!

え、本当にそう思ってそう?

 

けど、師匠はアジトに魔法少女が襲撃してきた時、俺のこと庇ってくれたからね!

多分俺のことそれなりに気に入ってると思うよ!

 

「今更だけどルーイちゃんの師匠呼び好きだなぁ。後輩感凄い出てる。私もジェネちゃん呼びじゃなくて、別の呼び方させようかなー? 先輩! とか。まあ、私のが後輩だけどねー」

 

「やっぱこいつうざいわ……。無駄な話多いのよ……」

 

「ルーイちゃん、これヒンナちゃんのツンデレね」

 

「なるほど…!」

 

「違うわよ! あんたルーイに何吹き込んでるのよ!?」

 

ふむふむ。

なるほどねー。魔法少女系幹部なジェネちゃんは、結構絡みやすいタイプの人柄してるってことがわかった。

まあ、関わりにくい上司みたいな感じにはならなさそうで良かったとは思うんだけど……。

 

「んーにしても遅いね〜、これあれだよ、様子見に行ったら、オクトロアの死体がその場にあって、ミステリー始まるパターンだよ」

 

「犠牲者幹部様って、そのミステリーの犯人何者なんですか……」

 

「………はぁ………こいつと暫く生活しなきゃいけないなんて、屈辱だわ……」

 

……同じ魔法少女属性。

目的も、滅茶苦茶悪辣なものかと言えばそうでもない。

 

うーん。

 

やっぱり光堕ちのライバルになるのでは?

 

「すみません。お待たせしました。クロマック様への連絡が済みましたので、とりあえず解散していただいて構いませんよ。ルーイさんとヒンナさんをよろしくお願いしますね」

 

「らじゃー! それじゃあ2人とも、行こっか! 私のアジトに!!」

 

別に性格が嫌いとか、そういうわけではないんだけどなー。

まあ、性格的に正義に目覚めた! とかそんなんなさそうだし。

とりあえずは保留で様子見になりそう。

 

頼むから光堕ちとかはしないでください。

 

「師匠、いきましょうか」

 

「地獄の日々の始まりよ……」

 

 

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