TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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37幹部の魔法少女による代償検査

 

頭痛いよー。何これ? 急に頭痛くなってきたんだけど? 何でや?

 

……それと、何でお姉ちゃんの名前出てくるんですかね…? もしかして俺の正体バレた? 俺が光千夜ちゃんってことバレちゃった?

動揺し過ぎて知らない知らないって連呼しちゃったよ。これもう図星じゃん。

 

キューティバース〈お前の正体わかったで^^もう逃げられんね^^〉

 

こういうことぉ?

 

……まあ、バレたなら仕方ないけど。仮にバレたとして、俺は別にお姉ちゃんと過ごしてるわけじゃないからなぁ〜。お姉ちゃんのところにキューティバースちゃんが行ったところで、千夜? 行方不明だけど……って言われるだけだろうしね。

 

お姉ちゃんどうしてるのかな? 元気にしてるといいけど。

俺がいなくなって悲しんだりしてないよね? いや、多少は悲しんでて欲しいけど、あんまり傷になってて欲しくないなぁって気持ちはやっぱあるというか。

 

しっかし、そろそろ光堕ちのプラン固めないとね。

 

キューティバースちゃん達に、俺が光千夜だってことバレてるなら、やっぱり洗脳されて記憶消されてました路線がいいのかなー。ほら、実際あそこで動揺したの、半分その路線をキューティバースちゃん達に追わせれるかなー? みたいな魂胆もなくはなかったし。いや、本当に動揺してただけではあるけど。

その路線でいけば、家に帰ってお姉ちゃんにも会えるだろうしね。自分の意志で協力してましたパターンだと、多分家には帰してもらえないだろうし。

 

まあ、結果論だけど、あそこで動揺して正解だったな!

お姉ちゃんの名前出されて、ブラックルーイの中にある、蓋をされて思い出せなくなっていた記憶が呼び起こされたのだ!

 

ま、それはいいや。とりあえず。

 

「ただいまー」

 

ジェネちゃんからもらった腕輪型転移魔法機で、アジトに帰還っと。これ本当に便利だなぁ。

それに、前の殺風景なアジトと違って、ジェネちゃんのアジトはオシャレだから、内装を楽しみながら帰宅できる。

 

「おかえりルーイちゃん………ってあれ? 顔色悪い?」

 

「ありゃ。顔に出てます?」

 

そして、どうやら、頭痛によって俺の顔色は悪くなっていたらしい。まあ、結構痛み強かったからね。思わず戦闘切り上げて帰ってきちゃうくらいには。

 

「そだねー。何か具合悪そう。………あれかな、代償かな?」

 

……あー。

そういえば、俺は妖精なしで魔法少女に変身できるけど、その代わりに代償を支払う必要があるんだっけ?

それじゃ、今回の頭痛は、その代償の影響ってことに…。

 

「かもしれないです。やけに頭が痛むので」

 

「おっけー。ちょっと待っててね、すぐに準備するから」

 

そう言ってジェネちゃんは奥の方へと引っ込んでいく。はて、準備とは?

 

【ルーイちゃんの命が危うくなりそうだったら………私が監禁してる、ラフと契約させる】

 

俺はジェネちゃんの過去の発言を思い出す。

あれ? もしかして俺、ラフって妖精と契約させられちゃう?

 

それはまだやだなぁ。妖精がいないと変身できないって状況だと、動きに制限かかっちゃうしなぁ。

 

「あら? キュヴァと一緒に行ってたんじゃないの? どうしてルーイだけなのかしら?」

 

ジェネちゃんが俺を出迎えに行ったことで、おそらく仕事中だったであろう師匠が俺の帰宅に気付いてやってきてくれた。

あくびをして伸びをしながらやってきた様子から、業務の疲れが出ているんだろうなということが推測できる。お疲れ様です。

 

「あー、まあ、ちょっとね。置いてきましたよ。キュヴァは」

 

「一緒に離脱しなかったの? それとも、ゲームのためにキュヴァがルーイを放っぽり出したりでもした?」

 

「あー、いやぁ〜…」

 

どっちかっていうと俺がキュヴァちゃん見捨てちゃった方なんだよなぁ…。

いやまあ、頭痛に正体バレの状況で戦闘続行は難しいだろうから、離脱って判断自体は間違いじゃないと思うんだよね。キュヴァちゃんに一言声かけするべきではあったと思うけど。

というか、キュヴァちゃんのゲーム好きって師匠知ってるんだね。まあ、幹部会議でイグニスもキレてたし、ゲームしたさに仕事サボるような子ってことは周知の事実ってことだね。

 

「? ルーイ?」

 

「どっちかというと、私がキュヴァを放って離脱したというか……。まあ、はい」

 

「怪人囮にするのはわかるけど、同僚囮にして離脱は流石に酷いと思うわよ? まあ、キュヴァなら大丈夫でしょうけど」

 

「ですよね……キュヴァには後で謝っておきます」

 

キュヴァちゃんもキュヴァちゃんで、ゲームするから戦っといて〜、追加の魔法少女来たら手を貸すから。とか中々酷いと思うけど、勝手に離脱した俺もキュヴァちゃんに酷いことしてると言えるかもしれないし、キュヴァちゃんには次会ったら謝罪しよう。一応数少ない同僚だしね。

 

「まあまあヒンナちゃん。仕方ないよ。だってルーイちゃん、魔法少女の力の代償らしき症状が出たっぽいから」

 

「準備終わったんですか?」

 

「うん、終わったよ〜。今から検査だね〜」

 

「代償って……、ルーイ、体は大丈夫なの? どこか痛んだりとか…?」

 

「ちょっと頭が痛いくらいですかね……」

 

ちょっとどころかまあまあ……そこそこ痛めではあるんですけどね。

 

「病院よ、病院に連れて行かなきゃ!」

 

師匠は救急車! と叫びながら電話をかけようとしだす。待て待て、それされると困るの俺!

 

「ちょー師匠ストップ! ストップ! 私病院ダメなんですって。私一応拉致洗脳された一般人なんです! 行方不明者なんですよー!」

 

「拉致洗脳〜? どこのどいつよそんな非道な真似をした奴らは!?」

 

「ヒンナちゃん、それ『ワ・ルーイ』だよ。ルーイちゃん拉致洗脳して酷使してるの私達だからね」

 

「そういえばそうだったわ! じゃあ非道じゃない。私達悪くないわ」

 

師匠本気で言ってる…?

流石に冗談ですよね?

 

「まあ、病院に連れて行こうにも、魔法少女へ変身することによって生じる代償だからね〜。専門外だと思うよ。それに、病院に行かずとも、私が今から検査するからね」

 

「あんたルーイに変なことするつもりじゃないでしょうね?」

 

「しないしない。本当にルーイちゃんの体調が心配なだけだよ。私だってルーイちゃんにはまだまだ生きてて欲しいからさ。それじゃルーイちゃん、ちょっと来てくれる?あと、ヒンナちゃんは業務に戻っててね〜」

 

「……うっ…………そういえばまだ残ってるんだった…」

 

ジェネちゃんは俺に手招きする。それに従って、俺はジェネちゃんの方へ行き、そのまま彼女について行き、一つの部屋へと案内される。

 

……にしても、何でジェネちゃんは俺のことこんなに気にかけてくれるんだろう?

師匠はちょろ………げふんげふん。きっと情の深い性格だからとして、ジェネちゃんは妖精には嫌悪感をむき出しにしたりしてるし、誰に対しても優しいというわけではない。どうして何だろ?

 

「そこ、仰向けになって寝転んでね。まあ、検査って言っても、とりあえず本当に代償による痛みなのかどうか確認するだけなんだけど」

 

病院にある手術台みたいな場所に、俺は仰向けになって寝転ぶ。

寝転びながら、俺はジェネちゃんに質問を投げかける。

 

「…ジェネちゃんって、どうしてそんなに私のこと気にかけてくれるんですか? 私って結局組織のモルモットでしかなくて、確かに重要な戦力なのかもしれないですけど、最悪いなくても組織自体は回るじゃないですか、何でかなーって」

 

「……んー。まあ、研究のサンプルとして有用だからね〜。妖精なしでも魔法少女に変身できる方法を探る私としては、実際に妖精と契約せずに魔法少女になっているルーイちゃんは大事な情報源なんだよね。あ、とりあえず検査進めてくよ」

 

確かに…。そういえばジェネちゃんの目的って、ノーリスクノー妖精な魔法少女だもんね。ん? でも、研究データが欲しいだけなら……。

 

「別に、無理矢理私で人体実験したらいいんじゃないですか? そっちの方が効率的ですし、実際組織は半ば無理矢理私で実験して怪人とか生み出してましたよ。わざわざ優しく接する理由が分かりません」

 

「ルーイちゃんの権利はオクトロアが持ってるからね。他の幹部は勝手な真似できないの。雑に扱われたりしてたのは、オクトロアの管轄だったからじゃないかな? あと、動かないでね〜。痒いとこあると掻きたくなるのはわかるけど」

 

「あ、はい」

 

なるほど?

………んー。でも。

 

【洗脳で『ワ・ルーイ』のためなら命も惜しまないって話じゃなかったっけ? 命が惜しいの?】

 

出会った当初の師匠って、俺のこと本当にモルモットとしか思ってないというか……。死んでも構わないって態度だったんだよな。同じ幹部であるジェネちゃんも、いくら幹部様の所有物だからといっても、別にそういうスタンスでも問題ないと思うんだ。

 

「やっぱり、優しくする理由がわかりません。師匠だって最初は私のこと使い潰す気満々だったんですよ?」

 

「……そんなに気になる? とりあえず、検査は済んだけど」

 

「まあ、はい。って検査もう済んだんですか? はやいなぁ……」

 

「ま、ルーイちゃんの頭痛が代償によるものなのかどうか判別するだけの検査だしね。そんなに手間はかからないよ」

 

俺は手術台みたいな場所からよいしょと言葉を発しながら降り退く。

そうして、検査が終わったと言うジェネちゃんの方を見つめる。

 

「それで、さっきの質問については…」

 

「おーまだその話続けるの?…………まあ、いいか。言っちゃっても。ルーイちゃんって、自分が拉致洗脳された一般人ってことは認識してるんだよね?」

 

「まあ。あ、いや別にそれで組織憎んでるとかないですからね。ちゃんと組織には忠誠誓ってます。洗脳バッチリ決まってます。幹部様大好きなので」

 

「……そっか」

 

俺の洗脳効いてるぜアピールに、若干引き気味、というか、何と反応したらいいのかわからないみたいな反応をしながら、ジェネちゃんは自身の顔につけているミステリアス仮面を取り、俺に素顔を晒す。

 

「……多分、見たことはないと思うんだよね。会ったことはないというか、ルーイちゃんが生まれた時には、多分私という存在は世間的に死んでただろうから」

 

「?」

 

「………私には姉がいてね。……それで、結婚して、家庭を持ってて、子供もいたんだ。2人」

 

「そうなんですね」

 

ん? でも『ワ・ルーイ』の幹部やってるってことは、その姉との関係も多分切れてるよね…?

いや、ミステリアス仮面付けてるから素顔バレてないんで大丈夫です理論か?

 

「その2人の子供の片方の名前が……聖歌。そして、もう片方が………千夜」

 

へ……?

聖歌って、お姉ちゃんの名前……。千夜は俺と一緒だ。

いや、そんな偶然……。

い、いるか?

聖歌と千夜、俺とお姉ちゃん以外にも…。

 

ま、まさか……。

 

「………ルーイちゃん、君はピンと来ていないかもしれないけど」

 

ま、待ってください。突然の情報で頭が……。

 

「私の名前は、夏場(なつば)夕音(ゆうね)。ルーイちゃん、君の叔母だよ」

 

ただでさえ代償で頭が痛いのにー!!

 

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