TS魔法少女は光堕ちしたい!!   作:布団から出られない

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水曜日投稿してなかったので、その分です。

あと、大量の誤字報告ありがとうございます!
指摘されなかったら、患部なキュヴァちゃんが誕生するところでした()


80宵闇魔法少女は戦場へ舞い降りる

 

イコルに連れられ、いざ、初めての戦闘へ!

と行きたいところだったんだけど…。

 

「……どうやら、キュヴァが来れないらしい」

 

「え、じゃあ、私は戦えないってことですか?」

 

「キュヴァがいないと色々融通を効かせにくいからな……。一応湿島に連絡して、こっちのヘルプに入ってもらえるよう掛け合ってもらうつもりだが……」

 

私の出撃が突発的に決まったからか、新幹部キュヴァはこっちに来れる状況じゃないらしく。

イコルの部下である湿島って人を呼んで、どうにかって感じになりそうで…。

 

「でも、イグニス様待ってるんですよね? 大丈夫なんですか?」

 

「無理だな。僕の都合だけを主張するわけにはいかないし」

 

イコルはイグニスと一緒に襲撃を行うと言っていた。つまり、襲撃の時間を好きなように変更することは、イコル単独の判断ではできない。

 

湿島さんを呼ぶにしても、私が戦場に行くかどうかは今この場で決めなければならない状況ではあるのだ。

 

「…………どうしても戦場に出たいか?」

 

「はい」

 

「………まあ……わかった。仕方ない。………戦場に向かうついでに、今までブラックルーイが使って来た魔法と、戦闘スタイル、そして、魔法少女についてを教える。口頭で伝えるだけだから、いきなり実戦でという形にはなるが、それで何とか対処しろ」

 

しかし、イコルは私の意思を尊重してくれたのか、私が戦場に出ることを許可してくれるみたいだった。

 

私は、イコルの伝えてくれたことを一つ一つ咀嚼し、理解していく。

私の脳は天才仕様なので、急拵えでもどうにかなるはずだ。

 

初戦闘、不安もあるが、どのような感じになってくるのか。非常に楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場に着く。そして、先に戦場にいた幹部イグニスと合流した。

 

「遅かったなァ。寄り道でもしてたか?」

 

「すまないねイグニス。ルーイがどうしても一緒に行きたいと言って聞かなかったから」

 

「……そうか。まァ、やる気があるのはいいことだ。キュヴァの奴は呼んでも来なかったりするからな……」

 

キュヴァってドタキャン常連さんなのかな?いやまあ、今日来れなかったのも何か用事があったのかもしれないし、何とも言えないよね。

 

と、私はイグニスから視線を外し、今回の敵、魔法少女へと目を向ける。

数は4。

 

それぞれ、燃えるような真っ赤な髪をツインテールにした魔法少女。

グレー基調のドレスに、桔梗の花模様が特徴的な、灰色の魔法少女。

星柄のスカートが特徴的な、金髪の魔法少女に。

ピンク色の着物のようで、下はスカート丈になっている衣装を纏った、紫がかったピンク髪の魔法少女で、4人だ。

 

「ねえねえバーニング。知らない奴いない?」

 

「いるね! 新キャラだ! …ちょっと戦ってみたい気持ちはあるけど、冷静にいこう。イグニスとイコルについては既知。わかってる。割くべき戦力も把握できる。けど、黒髪少女については不明。ということで……!」

 

「私の出番、というわけですね?」

 

『………なぁ、エンシェント、あの魔法少女って…』

 

「……あ、あの、でも、私、あの黒髪の子、ちょっと気になるというか……」

 

「フィルバー、気持ちは分かりますが、バーニングの言う通り、相手の実力は未知数……。知らない相手には、最高戦力である私をぶつけるのが合理的でしょう? まあ、心配せずとも、今ここに彼女がいるということは、今後も出会う機会があるということですからね」

 

4人で簡易会議のようなものを行っているらしい。

会話の内容は、詳しくは聞こえない。が、誰が誰と戦おうとか、そんなニュアンスの会話をしているんだろうなというのは、何となくわかった。

 

「どうしますか、イグニス様、イコル様」

 

「………ルーイにエンシェントは荷が重すぎる。僕としては、フィルバーグレーネかシューティスターの相手をおすすめするが……」

 

「それ誰のことですか?」

 

「赤いのがバーニングインテンス。金髪がシューティスター。灰がフィルバー、紫ピンクがエンシェントだ」

 

ふむ、つまり金髪か灰髪と戦えばいいってことだね?

うーん、どっちにしようかな〜。オドオドしてそうなフィルバーか、元気っ娘な感じを醸し出してるシューティスターか……。

 

イコルが言うってことは、実力的に2人どっちと戦うにしても私で対処可能ってことだろうし。

 

「フィルバー狙ってもいいですか?」

 

「好きにしろ。どっちにしろ、オレはバーニングかエンシェントとしかやるつもりはねェからな」

 

「僕はエンシェントとシューティスターを相手取ることにしよう。それじゃ、そういうことで」

 

私達の方も、誰が誰と戦うのか、おおよそ決めることができた。

イコルの方は、早速シューティスターとエンシェント目掛けて駆け出している。

 

「……オレも行くか」

 

イグニスもそれに倣う方に突撃していく。

私も、フィルバーを標的として見据える。

 

が…。

 

「それじゃあ、頑張ってくださいね」

 

フィルバーを狙おうとした私に向かって来たのは、イグニスやイコルが相手取るはずだったエンシェントで……。

 

「こんにちは。貴方の相手は私みたいですよ?」

 

私に向かってニコリと笑いかけて来た。

ありゃ、フィルバーを相手取るつもりだったけど、向こうはそのつもりがなかったみたい。

 

「こんにちは。笑顔が可愛いですね」

 

「!? ええ……。ありがとうございます♪」

 

うーん、ま、しゃーないか。誰でも変わらないでしょ。

 

それと、エンシェントさん、ちょっと照れてる?

いや、気のせいか。

 

「まずい…! イグニス!」

 

「うるせェ! オレはバーニングとやるって決めてンだ! 邪魔すンじゃねェ!」

 

イコルが私を心配して、イグニスに声をかけるが、イグニスはそれどころじゃないみたいだった。

……心配しすぎでしょ。何とかなるって。

 

「ちっ……仕方ない! 妖魔! ルーイを守れ!!」

 

「外野がうるさいですね。少し遠くへ行きましょうか…。『神隠し』」

 

瞬間、視界が歪む。自分の体が、物凄い速度でどこか遠くへと移動しているのがわかる。

 

「神隠しって……どこに飛ばされちゃうんだろ」

 

「心配しなくていいですよ。ちょっと離れるだけなので」

 

やがて、イグニスやイコル、その他の魔法少女が見えなくなるような場所に、私達は辿り着いた。

 

「ここまで来れば、十分ですね」

 

エンシェントは、ふわりと空中から舞い降りるようにして地上に降り立つと、改めて私に向き合う。

 

「……いきなり拉致してしまって申し訳ないのですが、私も仕事ですので、許してくださいませ」

 

「全然大丈夫ですよ。それで、戦います?」

 

「……そうですね、まずは自己紹介から入りましょう。……私の名は西織妖愛(にしおりあやめ)といいます」

 

「……えと……」

 

魔法少女としての名じゃなくて、本名の方名乗るんですね…。えーと、でも私は光千夜って名乗るわけにはいかないし……。

 

「……ああ、困らせてしまいましたね。別にそちらが本名を名乗る必要性はありませんよ。私の場合、特に知られても問題がないと感じているので言ったまでです」

 

それ、リテラシー大丈夫? 普通は悪の組織に家特定されて襲われたりとか、そういうこと考えると思うんだけど……。

 

「……なんか、もうちょっと警戒した方が良いと思いますよ」

 

「私のことを心配されているのならお気になさらず。護衛がいますし、バーニングも私のことを全力で守ってくれると約束してくれているので。それに、私の正体は既に親、友人、学校の全てに打ち明けているので」

 

すごいオープンな人なんだなぁ……。逆に私が自分の本名隠してるのが恥ずかしくなってくるや。

………うん、いいや。信用しよう。向こうが素直に素性を明かしてくれるというのなら、こちらもそれに誠意を持って応えるべきだ。

 

「……私の名前は、光千夜です。……妖愛ちゃんのことは、組織には言わないでおきますよ。お互い様ってやつです」

 

まあ、既に学校にも言いふらしてるくらいだから、今更隠しても……な話ではあるかもしれないけど。

 

「あら? 言っちゃっていいんですか? ……勿論、私はどこにも言いふらすつもりはありませんけど、怖くはないので?」

 

「……うーん。ま、知られてもそんなに困る情報じゃないので、どうせ私、光千夜としての生活は既に送っていないし」

 

「……?」

 

……今の私、悪の組織の手駒って立ち位置らしいからね。どうも拉致されて洗脳されたらしく。

 

まあ、もう1人の私の様子見るに洗脳できてないっぽかったけどね。光堕ちしたいって理由で組織に従ってただけっぽいし。

 

ま、私の身の上話なんて聞かせるつもりはないのだ。今日の私は、ここに戦闘をしにやって来たのだから。

 

「……それじゃ、やりましょうか」

 

「……あらあら、お気がはやいのですね。自己紹介がまだ済んでいないでしょう?」

 

「………?」

 

「初めまして。私の名は、魔法少女エンシェントカラミティです。……対戦、よろしくお願いしますね?」

 

ああ、なるほど。魔法少女としての名前、か。

 

私の魔法少女としての名前は、ブラックルーイだ。

……けど、それって私自身が付けた名前じゃないよね。

 

それに、ブラックルーイはもう1人の私だってそうなわけじゃん?

エンシェントはブラックルーイとしての私を知らないわけだし、せっかくだから私専用の魔法少女名を名乗りたくない?

 

というわけで……。

 

「はじめましてエンシェントカラミティ。私の名前は魔法少女ナイトルーイ。対戦よろしくお願いします」

 

今日から私は、魔法少女ナイトルーイだ。




いつもお疲れ様です。今日も一日頑張ってください。
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