その頃とあるお笑い芸人がプリズンシティへとやってきた。
・プリズンシティ
ある国のの島をまるごと使用した都市型刑務所、従来の刑務所より開放的なのが特徴でファストフード店型の食堂や事務労働ができる等本来の刑務所にはないシステムを採用している。
・祖山リン
昨年のキングオブ・漫才で準優勝をした事で注目されている漫才コンビ・クロヤナギのツッコミ
ライブ中に陰茎を出して逮捕された。
越尾明は後悔していた、一つは調子に乗り脅迫をした事、もう一つは迷宮入りしかけていた事件の真相を暴露した事、せめて暴露しなければ脅迫と放火程度で済んだだろう、さすがに死刑囚にはならなかっただろう。
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彼は今、都市型刑務所「プリズンシティ」に収監されている、なぜ連続殺人犯なのにこんな開放的な生活を送れているかと言うと社会人時代のエリートとしての経験が生かせる事務労働が採用されているから。
そして私は殺人犯なので歩くだけで殴られるような生活を送る羽目になり殺す準備ができる頃には次の傷がつくからだ。
そんな理由のおかげで事務仕事をしワンルームアパート型の監獄へ新聞を持ち帰りそれを娯楽にするという捕まる前と比べれば退屈だが、自由な生活ができている。
そんなある日、食堂にて名誉棄損で捕まった男、ナオキとした会話が原因で彼の人生は大きく変わった。
「この刑務所に星野淳平がいるらしいぜ、しかも殺せれば罪の免除に社会復帰の支援までしてくれるってよ」
星野淳平、数年前隣国との戦争をほぼ一人で終わらせたと言われる兵士だが数年間行方不明だったが、まさかでもここにいる訳がない。
「流石に嘘じゃないのか、それより私は温かいうちに味噌汁を飲みたいんだ」
「いや信じてくれよ、連続殺人犯の明くんなら殺せる信じてるから言ったんだけどな....」
その会話にある男が割って入った
「その話、すごく興味深いぞ、もっと聞かせろ」
「あなた、もしかして」
「俺か、俺は元芸人の祖山リン、何故ここにいるかはライブ中に陰茎をからだ、まさか殺人犯と会話できるなんてな出所後のネタになるな。」
やっぱりだ、昨年のキングオブ・漫才で決勝へ進んだクロヤナギの祖山リンだ、まさか陰茎を出していたなんて。
「僕、ナオキといいます。」
「星野淳平はこのプリズンシティの地下深くに埋められていて、彼の部屋には彼の為の娯楽品と食事が置いてある、まさに埋められた豪邸なんだとか、しかも今も当時の体力を維持しているのか彼の担当者は恐怖でみんないいなりだってよ。」
「そうなのか、じゃあ淳平の家を探さなければならないんだな、それならとりあえず脱獄の計画を考えないとな、そこの二人はやるかい?、やるならメンバーは俺と君と殺人犯くんかな。」
「僕はあと2か月で釈放なんで」
「私はその話を信じていませんから」
「でもさ、あんた死刑囚だろ、これ以上堕ちる事もないんだからさ。」
彼の発言に私は納得してしまった、ここが人生最大の分岐点だったのかもしれない。
「やるよ...脱獄」
そして後日、脱獄の計画を立てている時に、インド系の顔をした初老が、私たちに話しかけてきた。
「ちょっと見てくれ。」
そういった初老は明が受け取った今日の分の新聞を奪い、宙へ投げそのまま宙に浮かせた。
「君たち、これがどういう仕組みかわかるかな?」
恐らくほかの二人も「急に質問されても」と思ったろう、実際私はそう思う。
「フフ、わからないだろ、実はコレは超能力とかではなくタフネスという人間全員が潜在的に秘めている力なのだよ。」
タフネスというよくわからない物だと初老は説明した、だが『彼の人間全員が潜在的に秘めている』との発言が喉の奥に引っ掛かっていた、質問するか迷っていたらリンが先に質問した。
「そのタフネスってのは俺たちも使える代物なのかい?」
「ああ、その通りだ、人類全員が使える可能性がある、細かいところは本人の力量にもよるがタフネスのツボを突っつけば大半の人は発現する」
「ここで説明したいが看守に怪しまれるからな、細かい話は午後の労働時間後に話そう。」
そう言った彼は私たちに集合場所を書いた紙を預けてどこかへと逃げた。
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「今んところ俺と殺人犯くんで二人か」
「その呼び方はやめろ、せめて明と呼んでくれ。」
「じゃあアキラくん、何歳なのか聞いておきたい、知っているだろうけど俺は30だ。」
「私は36歳だよ。」
「36歳ッ!!若すぎるぞ、なんでそんなに若いんだ!!!」
-こいつただの連続殺人犯のクセにこいつは下手なアラサーアイドルより若いぞこいつ、やはりこいつどうなっている-
「やっぱり、ストレスをすぐ解消する事かな」
「教えてくれて、ありがとう。」
彼はいい事を聞いたと思った、殺人犯の割には信頼できる人間だとアキラの事を認めた。
「おっと、すでに盛り上がっているようだな。」
アキラたちが先に盛り上がっていた所に初老がやってきた、そして何故ここを選んだのか話始めた。
「このあたりは何故だか監視カメラが無くてね怪しまれそうな話をするのにちょうどいいんだ、人々が移動するため混乱状態になっている午後6時の労働時間終わりから、7時までの帰宅時間の間に話を終わらせるぞ。」
その後初老は自らをイアン・デナバと名乗りタフネスについて説明を始めた。
「私がタフネスの力と出会ったのは東洋を旅していたころの事だ、空中で逆上がりをしている老人がいてな、その老人から詳しく聞き見よう見まねで再現して力を発現した、そもそもタフネスとは人間が無意識に封印している力でその力も実体のない物、あるもの、あっても人や工具のようなものと様々だ。
だがタフネスには一つ絶対的な共通点がある、影響も受けるとしてもタフネスに目覚めていない人間は認知できない事、その人間の精神性に由来した力を発現することだ。」
「例えば働きアリが発現すればきっと女王を守るために土を掘る力を得るだろう、でも働きバチが発現すれば同じく女王を守る目的でも巣を巨大化させる力を得るだろう。」
「説明はおわりだ、ここからは実践してもらう、本来ならタフネスは人間が何かに適応するとき新たな力として目覚めるものだ、しかし適応する時など待っていたらタフネスに誰も目覚めず、存在自体が忘れられてしまうだろう、だから東洋にいた老人はタフネスに目覚めさせれるツボを発見したのさ、そして今からそのツボを押させてもらう、一応確認だ、押していいか?」
リンは真っ先に「YES」と言いながら首を縦に振った、私も少しおくれたが「了解です」と了承の意思を伝えた。
「では押すぞ。」
イアンにツボを押された後、全身に激痛と熱が広がった、痛みと熱さと同時に何かがこみ上げてくるのも感じた、そしてこみ上げて来たものはやがて快感へと変わり放出された。
れから数分、放心状態になったが意識が戻ってくる頃には五感とは違う何かがあった。
それをイアンに伝えると
「二人とも、成功だよ、とりあえずタフネスを発動してくれ。」
と言った。
「わかった、まずは俺がやる。」
そういったリンの腕は剣に変形して、イアンに切り込みを入れた。
そして入ったイアンの傷口は少しずつ変形しまるで本のようになった。
「...『キャイラー・アマリ、43歳、独身、前職・ウナギの養殖業者の経営。
2年前に密売と産地偽装がバレた事により逮捕
得意な事は恩を貸す事、嫌いな事は突き放されること、今考えていることは偽名をバレないようにする事。
19歳から28歳の間に世界のさまざまな医術や武術を教わる旅に出る、旅の途中でタフネスに出会い人生が変わる』...よし、タフネスは本物だったからよかったが、キサマ、ホラばっか吹いてるな。」
イアンの嘘に失望したリンはぺージを閉じ、イアンの体も元に戻る。
「嘘がバレてしまったようだな、私の名前はアマリだ、いったん仕切り直して、祖山リン、君のタフネスはおそらく
「私もやらせてもらうッ」
アキラがタフネスを使用したとき、近くの雑草が枯れ、次の世代の草へと生え変わった。
「アキラくん、君のタフネスはおそらく
慣れる前にたが他人に力を与えるのは危険なので自分の移動スピードを上げるくらいにしてくれ。」
私がホラ吹き男にアドバイスを受けるのは正直な話をすると納得いかないが、一応タフネスの有識者なのは変わりない、納得してやろう。
「おいッ、貴様らナニこそこそとやってやがる、早く戻りやがれクズどもが」
私たちに気づいた警官がこちらへと向かってくる
「
警官に気づいたアキラは急いでリンとキャイラーを引っ張りながら『加速』を使い逃げる。
「逃げ切ったか。」
「ああ、そのようだ」
「とりあえず『加速』の使い方は理解した、キャイラー、この力を与えてくれたことは感謝する、だがこのままだとそれも無駄になるかもしれない、だから俺はアパートへ戻る、一応死刑囚だからな。」
「わかったよ、今日は俺もアパートに帰るよ。」
リンが続いて話す。
「理解した、私も牢に戻ろう」
次回「肉欲少女と、不法滞在少年」
越尾明のタフネス
何かの速度を加速させることができる。
祖山リンのタフネス
剣型のタフネスで切った相手の傷を本に変形させる、その本には常に真実が記される。